精霊たちの都 さーしーえー
もう、ダメだ……。
口内炎が痛くて、イカリ豆が食べられない……
ん、さんまの天ぷら美味そうだな……
ŧ‹”ŧ‹”(( ‘ч’ ))ŧ‹”ŧ‹”
「おっほっほっほ! よう来た! よぅ来たのぅ!」
波の揺らめきと、
ライトグリーンの光が溢れる街。
ぼくらを出迎えたのは、
背中に蝶のような羽根を生やした、
ふとっちょな王様だった。
{{ こっ……!? こくおう……様っ──!!! }}
『>>>──! この人は……』
『────分析完了。
────対象名【 イデカ・レエンコオト 】
────かつての:レエンコオト朝・国王、本人と断定。
────完全に精霊化しています。』
『>>>てことは──』
イニィさんの、"実の父親"、だよな……?
彼女は水のエレベーターから慌てて飛び降り、
十字杖を肩にかけ、すぐさま跪き、頭を下げる。
{{ ぉ……王よ、お久しゅうございますっ! この前はっ、ろくに挨拶もせず── }}
「こりゃっ、イニィよ!」
{{ はっ! }}
「まったくもぅ! そなたには、母が一人、父が二人おろう! 我は、そのうちのひとりじゃ! さて……我を喜ばせてはくれんかのぅ?」
{{ ──ぁ……。ぁ、の…… }}
「うんむ?」
{{ ……たっ、だいま帰りました。おとう……さま/// }}
「……ふふふ、いいもんじゃのぅ♪」
パタパタパタ……♪
〘#……ふふ、絵に描いたような良王だ〙
『>>>パパ王さん元気そうだな』
ぽちゃっとした小さな王は、
半透明の羽根をパタパタとさせ、
頬をピンク色に染めている。
どうやら見た目どおりの、
ハートフルな王様のようだね。
「しかしイニィよ! そなた、服はどうしたのじゃ! バインバインではないか!」
{{ ──あっ!? いやっ、これは!? そのっ……! }}
いってやれ、いってやれ。
ちなみに今のイニィさんの見た目は、
この世で一番豊満なデビルレディである。
「うーむ、いかん! これはえっちじゃ! それ! 誰か服を持て!」
{{ ──ぁあっ、ええっ!? }}
王の掛け声と共に光の精霊たちは集まり、
クスクスと笑いながら、イニィさんの周りを飛ぶ。
それが離れていくと、綺麗な布地でできた、
シンプルなドレス姿のお姫様に仕上がっていた。
すごいな……、魔法で編まれているのか……?
(クスクスクス♪)
(バインバイン♪)
(私もおっぱい、大きくなるかなぁ?)
この精霊たちは……、
かつてのレエンの住人のはずだ。
今、飛んでいる精霊は、みんな女性っぽい。
{{ わ、私が、このような……! }}
イニィさんは、いきなりのドレス姿お披露目に、
かなり目を丸くしている。
元々は女騎士だったんだ、
あまり着飾ることもなかったろう。
魔の姫の前で、うさ丸が拍手した。
カンクルも褒めているようだ。
「にょきっとなぁー♪」
「かんくゆー!」
{{ あ、ありがとうございます、おとうさま……! }}
「うむ! えっちなのは、ほどほどにするのじゃぞ! して、イニィよ! その後ろに御座す精霊は、いったい何者なのじゃ!」
『かばぁぁああああああああああ──♪♪♪』
あっ、そういえば……たれぽんを連れてきてしまったね。
大丈夫だったろうか。
「おおっ! なんと見事な水の精霊じゃ……! こんな大きく立派な水精は、これまでに見たことがない! どれ! おっ!? (かぷん)ぶくぶくぶく……」
うわぁ、食われた。
国王さんヘッドが、純水カバの餌食に……。
水に流してくれるだろうか……。
「──(ざぶんっ)ぷはぁ! おっほほほ! ずいぶん人懐っこいな! むっ! その水精の背に乗っているのは、我らが国の大恩人ではあらぬかっ!?」
あ、やべ、まだ裸で後輩ちゃんズを寝かしたままだ。
精霊都市に、裸の女の子だらけで来てしまった……。
{{ は、はい……。ここに来る途中で、少しありまして…… }}
「気を失うておるのか! むっ、もうひとりおるな! なんと! どちらもはだかではないか!
う、うーむ、これは……えっちじゃのぅ──!!」
『────ぷくく……。』
『>>>えっ!?』
く、クラウンちゃんが含み笑いしてる……!?
肩ゆれてるよっ! あ、ぼくに持たれかかってきた。
ぇ……、かわいっ!
なんだよ、天使か……?
『────あはは:えっちじゃのう:ですって。』
『>>>う、うん』
なんと嫁でしたー。
こんなの初めてじゃん……どしたの。
どうやら、レエン王のセリフがツボったらしい。
「こっ、これはいかん! 大恩人をえっちなままにはしておけまい! どれ! あちらのお部屋にお運びするのじゃあっ!」
「──これ、あなた! まずはそのおメメを両手で隠しなさいな!」
{{ ぁ──! }}
ポッチャリなイデカ王の後ろに、
同じく蝶のような羽根の生えた、
イニィさんに生き写しのお妃様が立っていた。
髪の毛が薄ピンクになったイニィさんという感じ。
『────イチサ・レエンコオトです。
────この方も:完全に精霊化しています。』
『>>>綺麗な人だな……(ゴッ)いたい』
嫁さんのヒジが入る。
母と子が、ゆっくりと再会する。
「ふふ、元気そうですね──イニィ?」
{{ ぉ……かぁさま……ぅ…… }}
悪魔の目にも涙ってやつさ。
「あら、騎士である貴女が、素敵な涙を流すこと。その瞳は気に入ってもらえたかしら♪」
{{ それは、それはぁ、もぅ……! }}
あっけらかんとお妃様はしゃべっているが、
イニィさんからしたら、感無量だろう。
「ふふふ、私の娘は可愛いわねぇ。ですが、積もる話の前に、その子たちをベッドへと運びましょうか──」
パちん! と王女様が指を鳴らすと、
光の精霊たちが後輩ちゃん達の周りに集まりだし……、
ふわり……!
『>>>──!! 浮いている……?』
『────浮遊系の魔法を観測。
────劇場幕で二人を保護します。』
──シュルルル……!
よく見ると、光の精霊の中には、
小さな子供のようなシルエットが見えている。
「ふたりで仲良く、休んでいただきましょう」
「うむ、それがよい! えっちは風邪の大敵じゃからな!
(ズドン)──ふぐんっ!」
「ほほほほほ」
ふとっちょ王は、笑顔の妃にチョップされている……!
{{ あ、はは……♪ }}
ひらりと──。
聖なる純白のドレスが視界に入った。
〘------ご慈愛に感謝致します;陛下、殿下──☪︎.*・゜〙
あっ!!
ロザリアのやろー、王女モードだ!
カマトトぶってやがる!
うわぁ、スライム布でドレスまで再現してるわ……。
ぼく知ってるよ!
帝国に、あんなのいたよおおお!!
「ほぅ……! イニィのご友人ですかな? おや……?」
「まぁ、ステキな方だこと! 御名前をお聞かせ願えますか?」
〘------ぁっ──……☆〙
そーだそーだ、まず名乗れー。
ぅ……いっけね……。
あまりにも完全再現王女モードだから、
ちょっとピリピリしてんな、ぼく……。
ハンセイハンセイ……。
{{ お、おとうさま、おかあさま……この方は──え、えーっと…… }}
イニィさんも、どう紹介したらいいか、
迷ってるみたいだな。
だって……この人たちの祖先って、
コイツの上に城、建てちゃったんだぜ?
ロザリアはドレスを優しくつまみ、
少し体をねじるようにして、
再び軽く礼をしながら────。
〘------では──"しろいふた"、と;
------名乗らせていただきましょう──☪︎.*・゜〙
「 ──……!? な、んと……!?」
「 ──……!! ま、まぁ……!!」
意味は、正確に伝わったようだね。
御両親は、中々びっくりしている。
その横で、純水たれぽんは、
光の精霊達に囲まれていた。
『かばっかば、かばっかばぁー!』
( あはははー! なんだコイツー! )
( みずでできてるよ! )
( けったいだなー! )
きみ達だって光の魔素で、できてるだろぅ……。
うん、でも、ま……あれなら、たれぽんは寂しくないかな。
ここは湖の下にある街だ。水に困ることもない。
「う、うーむ! ぜひお話をうかがいたいが、まだ街造りは、えっちらおっちらでの! あちらの大屋根にご案内したい!」
「城など良いというのに、民がそちらを優先するのですよ」
見ると、巨大な木の下に沿うように、
チェスの駒を連ねたようなお城が見える。
まだ建設中なのかな……?
てか……でっかいなぁ!! あの木!!
あれってゼロンツさんだろぅッッ──!?
『『『 はっはっはっはっはっは──・・・! 』』』
な、なんか笑ってるぞっ──!?
「ほっほ! 後でゼロンツの麓にも行くがよい。会いたがっておったからの!」
{{ は……はいっ!! }}
「ふふ、面白いことが起きますよ♪」
{{ は、はぁ……えへへ……/// }}
イニィさんは首を傾げていたが、
とにかく、とても嬉しそうで、
見ているこっちがホッコリする。
粘土と木を編み合わせたような、
素朴な温かさのある家屋に入り、
後輩ちゃんたちの体は、
そっと……ベッドに寝かせられる。
「近くの大きなベッドは、ここしかなくてのぉ!」
「何やらこの二人からは、不思議な感覚がいたします……。が、今は落ち着いているように見えますわ。しばらくお休みになって」
ロザリアとイニィさんが、一礼してくれた。
「さて……では、娘とゆっくり語り合うとしましょうか♪」
「ほほほ! そうじゃのう! ゼロンツなんか、後回しじゃ!」
{{ ぁ、あはは……、はいっ! }}
〘------私も;ご一緒しても……?☆〙
「是非に。しかし……御身がほんに"しろいふた"であるならば、敬意を払うべきは、我らの方では──?」
〘------いえいえ☆
------王族としては;そちらが800年ほど先輩ですから☪︎.*・゜〙
「「 ??? 」」
{{ ちょ、貴女ったら……! }}
部屋からイニィさん家族と、ロザリアが出ていく。
静かになった……。
「にょっきにょき」
「くゆーっ!」
っと、思ったら、
うさ丸とカンクルが、ベッドに登ってきた。
どうやらアンマイペアを、
すぐそばで見守ってくれるらしい。
〘#……ふっ、よい里帰りになりそうだな。さて……〙
「すぅ──すぅ……」
「すぅ……すぅ──」
ふたりは──落ち着いた寝息をたてている。
首には、対となる金と銀の首輪。
『────アンティたちは:
────どうやら回復傾向に:あるようです。
────ですが────。』
『>>>……ああ。あの隷属紋章が、完全に解除されているとは思えない──』
『────メイン:流路探索潜水システム:
────アクティヴに移行。』
『>>>ダイバーダウンを開始しよう。
>>>防護壁をLv.4まで解除──!』
──ヴ、ヴォォオオオンンン・・・!
ホログラム・コックピットのコンソールが活性化する。
既に、ぼくの黄金の義手には、
クラウンちゃんの七つの配線が有線接続されている。
〘#……微力ながら、手伝おう……!〙
『────分析モード:最大出力です。』
『>>>調べ尽くすぞ……! この二人を──!!』
どぷん・・・!
ふたりの眠り姫の、
神秘を探る────!
つぎキリ番やんね(´◉ω◉).*・゜










