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神様からの贈り物 さーしーえー

チャリが、盗まれた、だと……?(´◉ω◉)




   おそろしいのは なにゆえか


   みたものの おくそこに


   ことわりに あらがえぬ


   うつくしさが とどきたまう────。








〘------テイムシステムの一環なの……!?☪︎.*・゜

 ------流路が、一巡してしまった……!☪︎☪︎☪︎〙



 ------私たちが見守る中で。


 大聖堂の壁に埋め込まれた、

 無数の時限石から伸びていた光の触手が途切れ、

 風になびく草原のように、二人の髪に吸い込まれた。


 私だって、原初のプレミオムズの一人だ。

 なんとか制御を成そうとしたけど、ダメだった。



〘------ふたりの権限が;高い──……!☪︎

 ------ここまでのものなの……!?☪︎.*・゜

 ------操作を──受け付けない──!!☪︎☪︎.*・゜〙



 ────コオォォオアアア────!!!!!



 ふたりの全身を覆っていた、刺青の紋様は、

 濃いピンクから、色素の薄い色に変色し始める。

 時限結晶が呼応し、心音のように点滅する。


 金と銀の髪が……輝きを含みすぎている。

 これは──言うなれば……"光色(ひかりいろ)"だ。


 体表の流路紋と、輝く髪。

 ふたりの間には、稲妻のような情報が、

 まさに電撃のように行き交いしている。

 ふたりの肉体は、宙に浮き始めていた。


 白……を通り越した光。

 その光景は皮肉にも、この大聖堂と、

 とても……マッチしていた。



〘#……まるで……"神"と"神"の挙式ではないか……!〙



 ギンガ様が口にした事が、

 二人の状況をよく表していた。

 輝き、絡み合う、大きなヴェールを纏った少女たち。

 どうしようもない美しさが、そこにあった。

 ふふ……この世界では、私のほうが神だと思ったが。



〘------このままではいけません-☪︎

 ------操作系を取り戻します-☪︎〙

〘#……できるのかね……!?〙



 やらなくてはならない。

 今も、ふたりは……お互いの流路を、

 制御下に置こうとしている。

 厄介なのは恐らく、ふたり共が、

 それに全く抵抗していない所だ。



〘------ひとつの意志に;ふたつの身体──☪︎

 ------このままでは;そうなってしまう──☪︎〙

〘#……チッ……忌々しい……!〙

〘------;……☪︎〙



 かつて、我が父(・・・)から隷属紋を施された彼が、

 ギリリ、と隣で奥歯を鳴らす。

 ……! っ、いけない……。

 "ヒューガ・モーント"の記憶と、

 "王女ロザリア"の記憶が……混濁する。

 よせ、今はそっちじゃない。

 このふたりを、何とかしないと────。



 コォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ !!!



☾☾ ────── ☽☽



『────アンティ:マイスナ……!。』

『>>>お互いに、侵食しあってる……! くそっ!!

 >>>いくら流路切断しても、キリがないっ!!』

『────神経系流路が全て:操作不能になりました。

 ────こ……:抗体デバイスが全て消去されました。

 ────手立てが……。』

『>>>あきらめるな──!! このままじゃ……!

 >>>何か"違うモノ"になっちまぅ──……!!』

『────! ……はい!

 ────クラッカープロトを増設……注入!

 ────物量で抑えてみせます。』



 クラウンとゆうしゃ様は、

 彼女たちの維持で手一杯だ。

 何とか……元の状態に繋ぎ止めている。

 これはまずい。

 魔物でいう、"存在進化"に近い。



〘------何かの儀式が……"成立"してしまった-☪︎〙

〘#……ローザ! 私は……カネトキとクラウン君に比べれば、流路操作が拙い! 頼む……ッ〙

〘------心得ましたわ-☪︎.*・゜〙



 どぶん・・・!



 意識を──無限の流路の中へと、潜行させる。

 何か、何かヒントを見つけなくては。

 現実のふたりに呼応して、

 ストレージ(時限結晶内)側の流路も、まるで嵐のようだった。

 ここを観測し、糸口を見つけるしかない。



〘------何かないのか-☪︎

 ------特別な──綻びが-☪︎

 ------接続を回復できる、"ドアの鍵"が──☪︎〙



 さがせ、さがせ──精霊の長よ……!

 私だからこそ、見つけられる物が──あるはず!



 キラ・・・!



〘------;────……!-☪︎.*・゜〙



 白く光る、何かが見えた。

 荒れ狂う流路の海を泳ぎ、それを手に取る。



〘------カード……?-☪︎〙



 アイテム名が表示された。




──────────────────



   コピーチケット × 1



──────────────────





〘------これはっ──!!-☪︎〙



 確か、あの屋敷のホロPCが変換された……!



 ────チケット。

 この世界の、前身の名残り。

 (ルール)を無視する効果を発揮する、神秘のアイテム。

 コピー。複製(コピー)模造(コピー)



〘------思考しろ。これが糸口だ-☪︎

 ------何を複製(ふくせい)する──?☪︎.*・゜〙



 これが、もしチケットの概念を持つなら、

 どんなアイテムでも(・・・・・・・・・)複製できる(・・・・・)

 神様の作った、アイテムだって──。



〘------流路への通信を回復するために;

 ------"何か"を複製する──☪︎.*・゜〙



 考えろ! 考えろ! 愚かな精霊王(わたし)よ!


 通信……こちらの操作さえ通れば、何とかなるのだ!

 "複製"……。"通信"……。


 もう1人が持っていて、

 もう1人が持っていないモノ────。


 あ……。


 ────────そうかっっ!




〘------──ゆうしゃ様!!

 ------"クルルスーツ"の積層封印を解いて!-☪︎.*・゜〙


『────!?。』

『>>>なんだって!? ……"さいしょのむねあて"を解き放ってもいいのか……!?』


〘------クラウン! "作戦"のデータを送るわっ!!-☪︎〙

『────……!!。』



 ────ヴォォオンン!!!


 高速流路通信にて、私からクラウンに、

 "これからする事"が送信される。



『────これは……!

 ────カネト……!!。』

『>>>──!! ったく、信じるぜ!?』



 お嫁さんから希望を感じ取った旦那さんは、

 龍の鎧の封印を、解除する────・・・!!!



『>>>────"積層"──・・・解除!』



 龍の鎧が、解き放たれた。

 暴走する、チュートリアル・システムが、

 ふたりの発光を促進しだす。


 だが──今はそっちじゃない!



〘------クラウンっ──!!☪︎.*・゜〙




『────"プレミオム・アーツ "……!

 ─────>──>─>転送:開始!。』




 きぃぃぃぃいいいんんん・・・!!!!!


 コォォォォオオオオオ────!!!!!




☾☾ ──── ☽☽



 まるで、神様になりかけているかのような、

 光の色の、ふたりの少女。

 そのうちの、金の娘の首筋に、

 黄金の首輪が転送される────!!!


 光にも負けぬ黄金!!

 美しい、コガネ色の装飾!



 ────さぁて……、私の番だわ──っ!!




〘------のんなぁぁぁぁああァァァアア!!!!!☪︎.*・゜〙




 "鎖ポケット"を召喚し、

 腕を突き出し、金の首輪に、

 神秘のアイテムを叩き込む────!!!




〘------"コピー、チケット"ぉおお──ッ!!!☪︎.*・゜〙




 ──たァァァあああんん────!!!!!




 水を打つような音がして、

 チケットは、金の首輪に吸い込まれる──!!


 電撃のような高密度流路に焼かれ、

 私の腕が蒸発する。


 腕から上が吹き飛ぶ前に、鎖ポケットを閉じた!



〘------く……☪︎〙

〘#……ローザ! 大丈夫かっ!! 腕が……!?〙

〘------く、ふふ。スライムの腕がいくら吹き飛ぼうとも;何も心配ありません。それより;見て────☪︎.*・゜〙




────────────────────


  コピーチケットが発動します!▼


────────────────────




☾☾ ────── ☽☽




 きぃぃぃぃいいいいいんんん・・・!!!

 ぎぃぃぃぃいいいいいんんん・・・!!!




「にょぉおおおわぁぁあああ────!?!?」

「くっ、くゆぅぅううううう────!?!?」



 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロぉぉ────!!!


 うさちゃんとおおかみちゃんが、

 衝撃波で、ふっとんだ!!


 激しいエフェクトの中、

 ふたりの少女に、変化が現れる!!




『>>>"プレミオム・アーツ"が……!!』

〘#……──ふたつ、に……!!〙



挿絵(By みてみん)


 アンティの首に巻かれた黄金の首輪。

 マイスナの首に巻かれた白銀の首輪。


 その正面には、おそろいの紋章が輝いている──……!!


 あの、素晴らしい職業の・・!!

 世界に"ふたつだけ"の、シルシだ────・・・!!!





〘------クラウンッッ!!☪︎.*・゜〙

『────はいっっ!!。』




〘---『── レベルッ、アップ!!! 。』☪︎〙





──────────────────


  経験値を使用して、

  "プレミオム・アーツ"の機能を

  解放しますか?


  ▼はい  いいえ


──────────────────




〘---『── YES! 。』☪︎〙



 MAX、いったれぇ──い!!!!!




挿絵(By みてみん)

───────────────────


  →プレミオム・アーツが

   パワーアップしました!▼


 Lv.1:マップ機能が解放されました!

 Lv.2:メール機能が解放されました!

 Lv.3:音声通信が解放されました!

 Lv.4:映像通信が解放されました!

 Lv.5:索敵レーダーが解放されました!

 Lv.6:高速流路通信が解放されました!

 Lv.7:通信制限がなくなりました!


 ──使い放題が、おトクゥ!!●▼●.*・゜


 最高上限まで強化されました!▼


───────────────────





 きとぅああああああああぁぁぁ!!!





〘---──『 アクセス! 緊急停止!! 。』☪︎〙




 コオォォオアアア────!!!



 今までは全く操作が出来なかった流路伝達が、

 ふたつのプレミオム・アーツを通して、

 高速で処理されていく────!!!




 ヒユゥゥウツウウウ────!?!!!?

 バチンッッ・・・!!



 光の色に染まっていた髪が弾け、

 金と銀の輝きを取り戻す!



「「ぁ……」」



 宙に浮いていた、ふたりの少女は、

 巨大な羽衣(ヴェール)と共に、

 ゆっっっくりと・・・、

 大聖堂の清らかな床に、へたり込む。


 全身に伸びていた紋様は縮み、

 ふたりのお腹のハートマークに引っ込んだ!



『>>>隷属紋章が……』

〘#……薄くなっていく……!〙



 や、やった……。

 恐らく、完全な解除はできていない。

 でも、鎮静化することはできた……!

 ふたりは……幸せそうに気を失い、

 くたぁーっ、ってしているわ──。



 首には、色違いの、

 同じ意匠のアイテムが輝いている。



 私は────言ったった。





〘------オソロのリングじゃ;とっとけのん!☆.*・゜〙






(。・ω´・。)+

〘------どゃあ──☆☆☆〙

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