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さんしゅのじんぎ さーしーえー

活動報告に、いま申請中の

オリジナルユニクロTシャツの画像のせてます♪


果たして店長Tシャツの審査はとおるのかッッ!?

((((;゜Д゜)))).*・゜


とぅーご期待!!( ✧Д✧) カッ!



 断言する。


 アッパーのエメラルドが、


 世界でイチバン、綺麗。





挿絵(By みてみん)





 宝石にうとい私だって、

 こいつぁー、1等賞の翡翠色だってわかる。

 やっべ……。

 両手で抱えると、フワッて浮くの。

 神秘の塊みたいな宝石だ。



『────ふふ:少々嫉妬しますね。』



 クラウンが可愛いこと言ってる。

 これ、アンタと同じだわ。


 ──魂が、こもってんのよ……!


 そりゃ……、

 きれいに決まってる……!





 ──で。


 ギルドの執務室で、

 例のふたりに見せたった。


 ほんでですねぇ──……。







挿絵(By みてみん)

「       」


 ピキーン。


「……アンティ。ぜんぜん動かないね……」

「う、うん。そぅね……」



 アッパーのエメラルドを見せてから、

 キッティが動きよらん。



「   」

「……」

「……」



 ぉ……、ぉ〜〜……い、キッティ〜〜……。

 お〜〜ぃ…………。

 すっ、すげぇ顔だわ……。

 (●)▅(●)

 き、キッッティ〜〜。

 動いてぇ〜〜。

 こわいよ〜〜。

 顔、ヤバいよぉ〜〜。


 

「顔がヤバいわよぉ〜〜」

「キッティ顔ヤバい」

「      」



 口に出しても、動かんなぁ……。



「……」

「……」



 いたたまれなくなって、後ろを振り返る。

 ヒゲイドさんが、机で頭を抱えてらっさる。



「ん"ぁ〜〜〜〜〜〜…………」


「……」

「……」



 やめておくんなまし。

 ためいき、かなぁ〜〜?

 すっげぇ響くんですけど……。

 せめて、こっち見て言ってほしい。



「     」

「ぁ"〜〜〜〜〜〜……」


「「…………」」



 改めてアッパーのエメラルドを見る。



「きれい、ね……」

「うん……っ!」





 ──鼓動(こどう)のエメラルド。



 アッパーが光の粒子になって消えた時に、

 ふたつだけ、残ったモノ。


 そのうちの、ひとつ────。




 幅は30セルチくらいある。

 トゲトゲの、星のようなカタチをした、

 綺麗なエメラルドグリーンの結晶だ。

 透き通っていて、光の鼓動が、

 トクン、トクンと鳴っている。


 その周りを、小さなエメラルドが、

 くるくると、3つほど回っている。

 光の軌道が、流れ星みたいだった。


 私の手の中で、今も、宙に浮いている。


 ギルドの執務室は、

 このエメラルドから発せられる光で、

 淡く若草色に染まっている。

 大きな結晶の周りを、

 小さな結晶が、くるくると回る度に、

 輝きは、優しく尾を引いた。



「なんてものを……持って、るんですかぁぁぁ…………」



 おおっ──!? キッティしゃべったで!!

 プルプルしてる。

 プルッティ。



「ひ、ひしょ……」


「……秘書?」

「……避暑?」


「飛翔連石が、3つも……あるじゃあ、ないですかぁぁああああああああぁぁぁァァァ…………」


「……"ひしょうれんせき"、ってなんやいな……」

「アンティ。周りに回ってるコレじゃないの」



 ……そなの?

 コレ?

 この、くるくる、か。



大事(おおごと)だぞ…………まったく」



 おっ!!?

 ヒゲイドさんも喋ったで!!

 やったぜ。

 キッティが続ける。



「ち………中央、核が、この………大きさで……、

 3つも…………飛翔……連石がぁぁ……ある、とか……ぁぁぁ……おえっ」


「何よ……すごい事なの?」

「きれいだねー」


「……億、しますよ……」



 ……臆します?



「……臆されても困るのよ。あのね……これ、おっきなゴーレムの、心なの」

「うん……」


「……! ……ごーれむの、心、ですか……?」



 キッティが、脳みその活動を再開する。

 淡い光の中、ヒゲイドさんが聞く。



「……それを、お前たちが倒したのか?」


「「──ちがうっっ!!!」」


「「……!!」」



 っ……!

 つい……大きな声で言い返した。

 ちがう……そうじゃない。

 そうじゃないんだ──。



「……アッパーとは、一緒に戦った……!

 あの地下には、とんでもない化け物がいて……」

「ぅん……。アッパーがいなかったら、負けてた……」


「……」

「……」



 しょぼん……。

 マイスナと、しょんぼりする。

 かなしい。

 むくわれて、ほしかった。

 あきらめなかった、アイツに────。



「「……」」

 


 ──ヒゲイドさんは、聞いてくれた。



「……。いいやつ、だったのか?」


「! ……うん。最後まで、やりとげたヤツだった」

「凄い、やつだったんだよ」


「……、……そう、か……」



 私たちは、涙をガマンする。

 心変わりしないうちに、動け。



「っ、……カトラリーセットにはね……? この、周りをくるくる回ってる、小さな結晶を使おうと思うんです」

「真ん中の大きいのは、傷つけたくないから……アンティと相談して、そうする事にした」



 この言葉に、キッティがハッとする。



「……!! ひっ、飛翔連石(ひしょうれんせき)、3つ……全部、ですッ!?」



 ……?

 キッティが、ヒゲイドさんの顔を見る。

 あ……なんとなく、わかる。

「本当に、いいんですか?」って顔だ。


 よくわかんないけど、

 私とマイスナも、ヒゲイドさんを見る。


 私たちが、やるんだ──……!



「……ふぅ、わかった。やってみろ」


「……!! うんっ!」

「がんばって、つくるっ!!」


「ひ、ひゃー……!」



 キッティが、ヤカンみたいな声だした。



「よし……じゃあっ!」

「うんっ!!!」

「あ……ここで……作っていいですか?」


「む……今回だけだぞ。机はそれでいいのか」



 ワガママを言って、

 このまま執務室で作業させてもらう事にした。

 自分たちの部屋だと、色々と思い出して、

 なんだか悲しみに負けそうだから。



「お、お茶いれてきますねー……」



 放心状態のキッティが、執務室から出ていく。

 ……あの反応を見るに、この飛んでいる宝石は、

 けっこう高いのかもしれないわね……。

 ウン十万イェルくらい、するのかも……。

 でも今は。

 そんな事は、どうでもいい。



 ──────" 次に、繋げる "。




 今の私たちが、やってやれる、精一杯のこと。






 王女さまに作るのは、

 "フォーク"、"ナイフ"、"スプーン"の3つだ。

 銀のカトラリーセットは、毒に触れると変色する。

 王族の人には良いプレゼントだと、

 前にヒゲイドさんも言ってくれている。


 最初は宝石と銀だけで作ろうと思っていたけど、

 マイスナが金色も入れたいって言うので──。



「あー……ごめんなさい、ヒゲイドさん。やっぱ金貨、何枚か潰します……」

「……やれやれ、勝手にせんか。確かに褒められた事ではない、が──……くく」

「な、なんです?」

「" 黄金の義賊 "にしては、小心が過ぎる」



 はっ、ははは……。

 盗賊の前に、食堂娘ですから……。

 ふーぅ……。

 故郷の父さん母さん、ごめんなさい。

 自分で稼いだお金なので……勘弁して下さい。



「クラウン」

『────レディ(準備完了)。』



 金貨をピンッ、と指ではね、

 バッグ歯車の中に入ったソレは、

 ソルギアの熱で、一瞬にして溶ける。


 ────どんな形にでも、バッチコイだ。

 


「……クラウン、まだローザは寝てるのね……?」

『────肯定します。

 ────やけ酒のようです。

 ────彼女にも:思う所があったのでしょう。』



 あーあぁ……。

 あの精霊王さんってばぁ……。

 今頃、先輩&先生と一緒に、

 床でグースカやってっんのかな……。



「カトラリーセット作り、さ……? 加工の補助、お願いするわ。みーんな酔い潰れちゃってんなら、やっぱりクラウン頼りんなるから」

『────レディ(準備完了)

 ────お任せください。

 ────夫の不在中は:妻が神さまってことです。』

「ふふふ……」



 クラウンの冗談が聞ける日が来るとはね。

 ちょっと元気でた。


 

 キッティが、おぼんを持って部屋に戻ってくる時。

 ちょうど、マイスナと一緒に、

 周りを飛んでいる、3つの宝石を掴む。



「あ……」

「……。ねぇ、キッティ。私たち、マズイ事してたら言ってほしい」

「……いえ。納得がいくものを作ってください」



 キッティは少し残念そうな顔をしたけど、

 そっ……と二人分、紅茶をそばに置いてくれる。


 手をひろげると、私とマイスナの手の平の上で、

 フワフワとエメラルドが浮いていた。



「──!!」

「な、ぜ……!?」



 キッティとヒゲイドさんが、驚く。



「? ……?」

「なん、ですか……?」



 ビックリする私たちをよそに、

 ヒゲイドさんが言う。



「──キッティ。絶対にあのエメラルドに触るな。もちろん俺も触らん。アンティ、マイスナ、よく聞け」


「「は、はい……」」


「詳しくはややこしいので割愛するが……その宝石は、お前たち以外の存在が触ると、(いちじる)しく質が落ちるのだ。ぜったいに誰にも触らすな。王女にプレゼントするまで、誰にも触らせてはならん」


「そっ、そうなんですか!?」

「わ、私たちはいいの……?」


「……ああ。お前たちはいい。ホレ、今日は俺ももう仕事はせん。この場所で、ちゃんとプレゼントが仕上がるまで見守ってやる。なぁ? キッティ……」

「……、……は、はぃ。僭越(せんえつ)ながら、お手伝いします」



 何か反応が引っかかるけど、

 今は、じっとそばで見てくれているだけでも、

 少し安心できた。


 3つのカケラだけを残し、

 おっきな緑の結晶は、バッグ歯車にしまう。



 きゅぅぅううううう……んん……。



 さぁて……。



「クラウン──」

『────レディ(準備完了)。最高の:贈り物を。』



 きゅぅううおお……!








「あの……ギルマス……」

「……なんだ」

「なんなんでしょね、この二人って……」

「……さぁな」

「さあな、って……。見てくださいよアレ。なんか髪の毛、光ってますし」

「そうだな」

「あの、今でてきた工具とか……。精密過ぎて、ドワーフの皆さんに見られたら大陸の果てまで追ってきますよ」

「……だろうなぁ」

「さっきからミスリル銀が、ぐんにゃぐんにゃ変形してますし……」

「ほんとだなぁ……」

「そことか……髪の毛の先、繋がってますよね……?」

「ああ……光が行き交いしているな」

「あの、透明の板も……なんでしょうね……?」

「ふぅむ……」

「ぁ……やっぱり、凄いです。全く浮力が落ちてません」

「そのようだ」

「ていうか、ヤバ……」

「精密だな、動きが」

「た、たぶん……今、あの歯車で研摩したんですよ! マイスナさんが大まかな形を作って……あそこ、ああ削るっ!?」

「しっ……! 声を落とせ……」

「ぁ……す、すみません……」

「……」

「……」

「……! 大胆にカットするものだ……あんな大ぶりの原石を、何の迷いもなく削りやがる……」

「は、はは……。アンティさん達の心臓、なんで出来てるんでしょうね?」

「全くだ……今の見たか。2秒もかからんぞ」

「……」

「……」

「……なんで、ひと言もしゃべんないのに、あんなに円滑なんでしょうか……」

「……さぁな」

「もぅ……ソレばっかりじゃないですかぁ……」

「……ひとつだけ、わかった」

「……はい?」

「コイツらが今、"ふたりでいる"って事は……"奇跡"だ」

「……!」

「もし、ひとりだけだったら……さびしくって、しょうがないだろうよ」

「……」

「そんな気が、俺はするよ」

「……それって」

「なんだ」

「まるで、世界で二人だけいる、神さまみたいですね」

「……!」

「今、この部屋に反射してる光……。エメラルドのせいだけじゃ、ないですよ」

「……」

「ウチのギルド、ご利益ありますねぇー。うさ丸さんがいるからでしょうか……」

「……やれやれ。困ったモンばっか舞い込みやがる……」

「で、どーするんですか、アレ。たぶん、常識かわっちゃいますよ?」

「お前も、そう思うか」

「そりゃ……うわっ!? いやいやいや……。見てください? いっかい潰して、もっかいやり直す気ですよ」

「あいつらアホだなー。今のは高く売れるぞー……」

「うぅわぁぁ……あのカット、きっれぇぇ……」

「お前、宝石とか興味あるのか」

「魔石全種類覚えてるんですけど」

「さといなー」

「気持ちがこもってませんねぇー」

「おい見ろ。またペンのような工具が増えたぞ」

「あれどうやって宙に浮いてるんだろ……」

「うーむ……。ふたりの人間と言うより、四本腕のひとり、といった印象を受けるな」

「あー、わかりますぅー……ハンパないっすねぇー……」

「……、横に浮いているガラスのような板は、設計図だな……」

「…………」

「……黙るなよ」

「あの、ギルマス」

「なんだ」

「……同一核の飛翔連石のカトラリーセットなんて、国の歴史に確実に残りますよ?」

「だろうなぁ」

「しかも……汚染度ゼロっぽいし……」

「いやー、想像しただけで末恐ろしいなぁ」

「王様とお妃様、確実にビビりますよ」

「くっくっくっくっく……!」

「だって王女さまにプレゼントするんでしょ?」

「……いやー、参ったなぁ……」

「しかも百光(ぴゃっこう)(ぎん)純金(じゅんきん)装飾だし……」

「おい見ろ。なんて精密な削り出しだ」

「ぁわー、アレは……。完全に……ダメですよ。止めるなら今ですよぉー」

「お前……あんなの止めれるワケないだろ」

「知らないですよぉー? あぁー……あの二人。

 "世界で最強のショートスタッフ"を作ってるって自覚なんか……サラサラ無いんでしょーねぇー……」

「はっ……。この後の人生、酒の肴に困らんな?」




 キュイい! きゅぅうぅぅぅ……ん……。





「しゃー、でけたーっ!!」

「どやさぁーっ!!」


「できちゃいましたかー」

「ほぅ……よいな」





挿絵(By みてみん)

 ──後に。

 


 "王召器(おうしょうき)" と呼ばれるアイテムである。

  (King's) ( Meal)




(´・ω・`)めっちゃかっこいいやんけ。

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