星令聴取 ⑥ しゃーしーえー
ニトリでテーブル買ったり……
ヴィレヴァンで巨大たれぱんだ買ったり……
模様替えしたり……
──忙しかったぜ!( ✧Д✧) カッ!!
今回も激しいネタバレ注意です♪
((´∀`*))ヶラヶラ
『───────────seven…:
──────────six…:
─────────five…:
────────four…:
───────three…:
──────two…:
─────One…:
────zero / contact────。』
────v-EEE──nn──……!
────その日。
宇宙ステーション『 はぐるまどらいぶ 』より、
多元拡張現光体:code-103、"アトロポス"が、
地上へと射出された。
多元拡張現光体:code-102、"クロート"は、
クラウン・レディの新型ボディ改修により、
消失する。
天空に残るのは、
完全なるオリジナル原盤である、
多元拡張現光体:code-101────、
────────"ラケシス" のみであった。
" Unless a grain of wheat falls into
the earth and dies, it remains alone;
but if it dies, it bears much fruit. "
" 一粒の麦が地に落ち、死ななければ、それは
ただ一粒のままだ。だが、死んだのなら、
それは、豊かな実りとなる。 "
── 《 新約聖書 》
「なん……?」
" ホロ・ヴィジョン "は大きく分けて2つある。
眼鏡のような、ゴーグルタイプ。
そして、コンタクトタイプだ。
じっちゃん達は、スマホを使っていたりするけど、
僕はもちろん、前者のお仲間だった。
「……なんだ、コレ?」
Puyo~~♪♪ Puyo-pi-Puyo~~♪♪♪
Pyo-Pyo-Pyo~~♪♪♪
───────────────────
『 HAGURUMA DRIVE⚙ 』
Please press any point..
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QUIT
───────────────────
てってろ てってろ
てってろ てってろ~~♪
「……、……ゲーム、アプリ……?」
僕の視覚に浮かぶ、スタートメニュー。
原始的な、電子音のBGM。
レトロな雰囲気の、ゲーム画面だと認識できる。
ビット絵調の三角のカーソルが、
クルクルと回転していた。
「こ、こんなアプリ、入れた覚え無いぞ!?」
周囲からも、声が聞こえる。
「え、何、コレ……」
「なんだ……? ウィルスか……?」
「おわっ、いきなり何だよっ……"はぐるまどらいぶ"……?」
「──……!」
次々と上がり出す、戸惑いの声。
こ、この画面……僕の端末だけに……じゃないのか!?
────Pi!
「!」
───────────────────
流路接続しています.. ▼
サーバーを選択してください▼
◎ 1st:SUNDAY:"CROWN-LADY"
▼ ◎ 2nd:MONDAY:"HYUGA-NOWN"
◎ 3rd:TUESDAY:"SHIZE-THU"
◎ 4th:WEDNESDAY:"QUICK-QUEEN"
◎ 5th:THURSDAY:"APPLE-MAIPPLE"
◎ 6th:FRIDAY:"KING-MAN"
◎ 7th:SATURDAY:"SAND-MAN"
───────────────────
───────────────────
言語を選択してください▼
English
日本語▼
中国語
ドイツ語
フランス語
イタリア語
スペイン語
ギリ…
ポル…
ロシ…
───────────────────
「──か、勝手にカーソルが動いてる!」
どうなって……!?
僕は慌てて、ゴーグルタイプのホロ・ヴィジョンを外す。
すると、不思議な現象が────。
「えッ……ウソだろ?」
ゲーム画面が──消えない……!!
レトロな選択メニューは、まだ目の前に浮いているッ!!
ぼ、僕はっ、"コンタクトタイプ"じゃあ無いぞ!?
「うおっ、マジか……ッ!?」
「な、なんでなの……? え……!?」
「うそぉー……」
隣にいた大学生くらいの人が、
僕と同じようにホロ・ヴィジョンを外している。
近くのOLっぽいスーツの女の人が、
コンタクトタイプのホロ・ヴィジョンを外し、
普通のメガネをかけようとしてる。
あっちでは女子のグループがキャイキャイしてるし。
ま……間違いない!
みんな、同じ現象にあってるんだ!
──ホロ・ヴィジョンを、外しているのに……!!
「はは、何だこれ! VRアプリじゃねえのか?」
「ねぇ、"はぐるまどらいぶ"って、宇宙ステーションの名前だよね?」
「うわぁ~~何コレぇ~~チョー浮いてるんですけどぉ~~♪」
「え……ぇえっ!?」
ホロ・ヴィジョンを外した状態で、
VR実像情報が見えるワケが無い。
なのに……。
「……、……『はぐるまどらいぶ』……」
そう、この名前は────。
───────────────────
ログインしています・・▼
ログインが完了しました▼
ようこそ・・・!
" 庫井 廻 "
" MAWARU・KURAI "
───────────────────
「……! 僕の名前で、勝手にログインした!」
こっ、コレやばいだろっ!?
勝手に固有情報で操作されてるし!
周りの人達も……同じなのかっ!?
「え、なんかログインしちゃったんだけど」
「操作、受け付けないよぉ~~!」
「なんだ? 新しいゲームのリリースイベントとか?」
「何で、外してるのに……見えるんですか??」
「うぉーっ! なんだこれぇー!! すげーっ!」
「何事じゃあああ……!」
よく見ると、かなり遠くにいる人達も、
自分のホロ端末をいじっているように見える。
騒ぎは、どんどん大きくなっていく……!
周りから溢れる、驚きと戸惑い。
そして────、
───────────────────
はじまり はじまり ── ▼
───────────────────
「 見 ……て 」
── 誰だったか。
さっき眼鏡をかけ直した、
OLさんだったかもしれない。
空を、指さした。
自然と、みんなが────そっちを、見る。
でかい。
「 ──、たま、ご 」
巨大な卵が、
空に浮いている。
僕はいま、裸眼のはずだ。
「 」
巨大な卵は────剥がれ始める。
殻──いや……"翼"──?
月の光を集めたような輝きのソレは、
ゆっくりと、音もなく広がっていく。
その上に、巨大な光輪が形成される。
雲が、渦を巻きながら晴れていった。
僕たちは、声が出せない。
もちろん、例外はある。
「き……れ」
「め……"女神"……?」
スカイツリーくらいは、あると思う。
頭から羽根が生えた、女の人だった。
真っ白で、僕たちを見下ろしている。
僕たちは、その人の顔を知っていた。
誰かが、ポツリと、言う。
「あれ……"ヒューガ・モーント"……?」
そう、宇宙飛行士の一人の……。
著名な女神は、両手を、広げ始める。
神々しく、ゆっくりと、艶やかに。
雲が、光のカーテンを演出した。
そして、僕らに、語りかける────。
〘〘〘 世 界 は ── ☪︎.*・゜ 〙〙〙
グォン、グォンと、声は響いて。
優しい女神の声が、世界に木霊する。
〘〘〘 も う 少 し ── ☪︎.*・゜ 〙〙〙
子も。
大人も。
みんなが。
声を殺して。
見上げている。
その、続きを────聞く。
〘〘〘 夢 を み る わ ── .*・゜ 〙〙〙
──picon……!
───────────────────
▽ 職業を選択してね! ▽
メイン:____________▼
サブ:____________▼
- 59 -
───────────────────
「女神、、、キターッ!!!!!」
「ぉぃぉいおいおいおいッ! どーすんよッッ!?」
「どーなってんの……? 私いま、裸眼だよね……?」
「コレ……終末、来たんじゃね?」
「やっぱ、ゲームのリリースイベだってー!!」
「"はぐるまどらいぶ"って、こんなサービスもあるの!?」
「やっべ、テンション上がってきたァー!!」
周りの喧騒が、フィルターがかかったように聞こえる。
僕は、"メイン"と書かれたカーソルをタッチする。
「うわっ、これ見ろよ! ホントにゲームの職業だぜ!?」
「いや女神……超ニコニコしてんだけど!」
「つかエロいッッ!! 半裸巨人じゃん!!」
「ふっ……。いま一眼デジタルレフ持ってるオレは勝ち組」
「女神エッロ!! つーかあの人、宇宙飛行士だよね!?」
「これなんかカウント減ってるけど、時間制限あんの?」
「えっ……1分で職業ふたつ選べってか……??」
混乱、狂喜、笑顔。
ほ、本当だ……。
カーソルに触れたら、たくさんの選択肢が出た。
重剣士……。魔法職。回復職。
これは多分、銃使いだ。こっちは……忍者?
僕たちは、まるで今、起こっている現象を理解してない。
でも……何だろう。
「……自分で職業を決めれるって……いいよな」
何かが麻痺していた。
多分、僕は微笑んでいる。
親にも、機械にも……、
誰にも相談せずに、自分で決める。
それが……難しくなってしまった、世界だから──。
「ぁ……」
────ひとつ、気になる職業があった。
─────────────────────
【 錬装術士 】
・錬装術は装備に特化した錬金術を行う
職業スキルです。他の職業より細かく
装備の製作と改造をする事が出来ます。
自分だけの装備や、世界にひとつだけ
の武具をつくりましょう!
─────────────────────
「……"つくる"……!」
思わず、頬がゆるむ。
僕は……コレがいい。
──Pi……!
───────────────────
▽ 職業を選択してね! ▽
メイン:【⠀錬装術士⠀】▽
サブ:_______▼
- 07 -
───────────────────
「──あ"っ」
あと……7秒しか……。
うぇっ、あ、ちょと、ま、えーっと!?
───────────────────
▼── 職業確認 ──▼
メイン:【⠀錬装術士⠀】▽
サブ:【⠀格闘術士⠀】▽
※時間が惜しいので 未決定職は
ランダムで決定しました!◎▽◎.*・゜
- 00 -
───────────────────
「……か、かくと……ッ!?」
も、もう一つの職がっ……!
進路指導室のピコピコ野郎が、
オススメしたヤツと割かし近いモノに──ッ!?
「ぅうおおおい!! ちょ、待てやゴルぅアアアぁぁーッ!!? ランダムってなんじゃあああい!!!」
「さ、サブ職! えらぶ時間、無かったんですけどォー!!」
「うわっ!? オレ、回復職になってる……!? け、剣使えんのかオイ……!」
「サブが農民になっちゃった……」
「や、やり直し希望ッッ!! 責任者、出てこぉおおーい!!!」
〘〘〘 に っ こ に こ ── ☪︎.*・゜ 〙〙〙
巨大な女神サマは、
阿鼻叫喚する人類を見て微笑んでいる……。
コレがゲームのベータテストなら……、
ボコボコに叩かれるであろう、クソ仕様だ……。
──と、思ったのも束の間、
僕の腕が───光り出す!?
「う、腕だけじゃない! 胸元も──!?」
──VOOUNN……!
───────────────────
◆EQUIP◆
頭部:------
胸部:さいしょのむねあて
腕部:しんしのてぶくろ
腰部:------
脚部:------
装飾:------
補助:------
───────────────────
「っ! エク……"装備画面"……!!」
手と胸元を見ると──装備のホログラムが構築されている!?
いや、今はホロ・ヴィジョンは付けていない……。
──! 肌触りがある!?
「……僕は、夢でも見てるんじゃないか……?」
僕が装備したのは、
シンプルな、"白い男性用の胸当て"と、
戦闘執事さんがしてそうな"黒い手袋"だった。
「……! "初期装備"……なのか!」
隣のOLのお姉さんを見ると、
僕と同じ様な、白い胸当てと、
片手剣&盾を装備していた。
…………キャリアスーツとの違和感がすごい。
「……」
「……」
「わぁー、オレ杖だぁー。誰か剣と交換してくれよ……」
「これ手裏剣なんですけど……。まさか使い捨てじゃないよね?」
「私……双剣ってヤツでしょうか」
「うはははー! ウケるー!? これムチじゃーん!!」
「何コレ? かなづち? え? メイスって何?」
……! みんな……おそろいの"むねあて"を付けてる。
この胸当てだけは、共通の初期装備なのか……?
よく見ると、白い装甲の中心に、
"金色の小さな歯車"の意匠が施してある……。
「"はぐるま"……」
この騒ぎを起こしたのは、やっぱり────……!
───────────────────
チュートリアルを 開始します▼
───────────────────
ズォ、ォオオオンン・・・
────グォオオオオオ──!!!
「……わぁ、見てカナミ」
「見てる見てる。動画めっちゃ撮ってる」
そ……そんな場合じゃないんじゃ……。
地面に空いた黒い穴から、
なんか、あがってきてる……!
────グォオオオオオオオンンン!!!
「──黒い……騎士?」
穴から出てきたのは────、
真っ黒な馬のような魔物に乗った、
コレまた……真っ黒な装備をした騎士だった。
仮面までブラックな徹底ぶり。
パラソルチョコみたいな、
巨大なランスを持っている……!
「あれヤバくね?」
「チュートリアルに出てくる相手じゃねぇだろ……」
近未来の街中が、突然バトルフィールドになる。
黒の騎士は、雄叫びをあげた。
──グォオオオオオオオオオ──!!!
ランスが、突き出される。
馬のような魔物が、走り出す。
「──!! ぼ、く……!?」
────こっち、来てる!?
おわかりいただけただろうか……(笑)
⊂⌒っ´ω`)っ.*・゜