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リターナー さーしーえー

(´・ω・)誰もが無双回だと思った



 ──巨人。


 ──機械仕掛けの、巨人。

 ──かくして、彼は錬成される。

 ──生まれるはずの無かった、無垢なる王よ。

 ──歯車は、噛み合った。



 ──握りこむ、その二連の拳は。

 ──天突き上げる、王者の如く。

 ──理不尽を、撃ち滅ぼすのだ。




 ──────────さぁ、動け・・・!!







「──うご、かないじゃないのよォォォおおおおお!!!!!」


『『『『『 UPAPA,UPPAAaaa────!?!?!? 』』』』』(驚愕)



 ──どがんどがんどがん!!!

 ────どがんどがんどがんどがんどがん!!!!!

 ──────どがんどごごごごごごごごごごごご!!!!!






 【 タコ殴り 】とは・・・▼

 ─────────────────────────

 俗語で、形がなくなるくらいまで、延々と殴り続ける

 という意味。 タコを調理する際、柔らかくするために

 叩き、その後に調理する事に由来すると言われている。







 OooooooonnnnnnNNNNNNUUUUUU──!!!!!


『『『『『 UA,UPPAAAaaa──!!?!??? 』』』』』(錯乱)


 ──どごごごごごごごごごごごごごごご!!!!!



「アッパー タコ殴りにされてる……かわいそう」

「クラウーン!! どうなってんのォー!!?」

『────どっ:動力が足らない判定。』

『>>>重いんだよ……』

〘------気をつけ(・・・・);のままでブン殴られ続けてるのは;

 ------絵ヅラ的にまずいのん……☪

 ------ウチら訴えられたら負けるのんな……☪

 ------あぅわわわぁ……☪〙

〘#……しっ、しかしだな。あの巨大な腕を支えるためには、あの屈強な脚部が必要不可欠でだな──!?〙



 ──どごごごごごごごごごごごごごごご!!!!!


『『『『『 UA,UPPAAAAAaaa──!!!!??? 』』』』』(半泣き)


 OooooooonnnnnnNNNNNNUUUUUU──!!!!!



〘------ふ;不憫(ふびん)のん……☪〙

「なぁぁーに他人事(ひとごと)ぶっこいてんのよ、汁王女ォオー!! あの状況に持ってったの、私たちなのよーッッ!?」

「アッパー ボコボコだ」

『>>>追加した外殻装甲で耐えてるっぽいけど……あれじゃアッパーの方がサンドバッグだ』

〘#……え、えぇい!! 動力は、まだ得られぬのかッ!? 太陽モドキやら、回る歯車やら、色々とあるのだろう!?〙

『────そ:ソルギアは扱いが難しく:

 ────急加速などの突発制御以外では運用が──……。』


「にょ、にょわわわわわぁ……」

「く、くゆぅ……」



 ──どっかんどっかんどっこんこーん!!!!!


『『『『『 UA,UPPAAAAAaaa──!!!!??? 』』』』』(戦慄)




 ────誰が、この展開を予想しただろうか……。


 ボッコボコである。

 サンドバッグ違いである。

 嘘だドンドコドーン!! である。


 強化されたボディは重い。チョー重い。

 辛うじて巨人は立っていた。

 泥の怪異は岩の混じった触手で、

 狂ったように、直立する巨人を、殴る、殴る、殴る。



 ────ドンドコドンドコドーン!!!!!


『『『『『 UA,UPPAAAAAaaa──!?!?!? 』』』』』(戸惑い)



 巨躯に当たり、(はじ)けた岩は、

 砕け散り、砂を積み重ねていく。

 泥の怪異は、それらを取り込み、次の触手を作る。

 スーパー悪循環、続行中であった。



『>>>こんなことってあるか!! クラウンちゃん!! 何とか全身に有効な流路を……!!』

『────し:施行しています。

 ────しかし:やはり永続的な安定動力は──……。』



 初見で1/1(いちぶんのいち)スケールのリアルロボットを組み上げるのは、そりゃー難易度たかいのである。


 皆が盛大にワタワタしている最中、

 クにゃウンズのオペレーションルームでも、

 なかなかにワタワタした運びとなっていた。


 透過するキーボードを叩きながら、

 ヘットギアをしたネコミミの子たちが狼狽する。


 ──ピピピ、ポチポチ、カタタタ──……!



『C3:ひぇ〜~! 脚部駆動関節部の出力が全く安定しませんミャ! 重すぎますミャ〜〜! 誰が助けてミャ〜〜ん!』


『C5:これはいかんニャぞ……。どれだけ放射流路を減らしても、肩関節モーターが可動せんニャ!』


『C1:これ以上フレームの強度は落とせないニャあ。歯車の回転だけに頼っていたら、ドンに負荷が行き過ぎるニャろうし……』


『C4:シーニャ、胴体の補強がんばったニャ。おやつタイムにしたいニャー』


『C6:おーっと!? はやくもシステムトラブルニャー!? 超重量級のアッパーマンに対して、電鎖歯車法製のエンジンギアが3基エンスト! やはりダイエットが必要かニャー!? 万事休すニャー!!』



 ──拡がりつつある、カオス。



『C3:うう、こんなの無理ミャあよ……! 流石に、この重量を安定して持続運用できる出力は調整出来ないミャあ〜〜……!』

↑ボブカット


『C5:む、弱音を吐くな、ミャナミ……! 必ず活路はあるはずミャ……!』

↑チビガンマン


『C1:ニャーゴの言う通りニャ。あきらめない強さを、ボクらは父さん達から学んだニャ?』

↑クール長男


『C4:バラストの調整ぜんぶやったニャ。シーニャ天才ニャ。もう寝るにゃ。ぬああー』

↑服に屈しない


『C6:ニャんという事でしょう!! ボクらのまとめ役! ニャッチの言葉も虚しく、シーニャちゃんはオネムモードにゃー!? これにはワタクシ、ネコロクも狭い(ひたい)を覆いたくなる状況ニャー!! おっーとただいま、第五タービンが圧壊! 第六タービンにすげ替えましたニャー!! さぁーて!! 本当に……アッパーは動くのかニャ……?』

↑DJニャンコ



 ネコの手も借りたい。



『────ソルギアの運用は危険を伴います。

 ────ギアエンジンの融解を早めてしまう可能性も……。』

『>>>連続爆発させて歩行させるのはどうだ……!? くそ、このままじゃヤバいぞ……!?』



 試行錯誤。



『C3:──!? 試作圧縮炉の融解が発生! ソルギアの抵抗値が高すぎるミャ!』


『C1:止めるニャ! そこが壊れたら、アッパーが内側から吹っ飛ぶニャ!』


『C4:シーニャ空冷と水冷同時にやる。氷つっこんでニャ』



 予想以上に、困難な道のり。


 暗雲。


 焦り。


 もう、ダメなんじゃないかという予感。


 ────それは、積み重なり、




『C3:──ダ、ダメっ、ミャッッ……!! もう、持たな──……!? 』




 最悪の、結果を──────……、、、?













『C7:──氷結プログラムによる瞬間冷却。

   ──補助エンジン、V2からV5タイプに移行──』


『C2:──動力を一時的にオールカット。

   ──小型爆縮炉、圧力、全解放開始──』












 ォオオオオオンンン──────・・・!!!


 キィィィイインンン──────・・・!!!




 起死(キシ)回生(カイセイ)のプログラムが、

 ──────────(はし)る。




『『『『『C13456:──っっ!?』』』』』




 声は、上から聞こえた。





 ──ヒュオオ──────……!!





『C2:──っと・・!』


『C7:にゃあ──♪』





 ──────……とすんっ!!!


 ────────……とすんっ!!!






 ──二匹(かれら)は、専用(かれら)の座席へと吸い込まれる。






 そう、舞い戻ったのだ……!


 長き旅を終えた、


 我らが(つがい)の猫たちが────……!








『C7:やれやれにゃああ……!

   私がいないと、にぁ───んにもできないにゃー?』



    ──"七番目の獣(ニャーナ)"……!!



『C2:──ふーぅ。滑り込みアウト、かみゃ?』



    ──"二番目の獣(ミャーツ)"……!!





 三番目の獣が、震えていた……!




『C3:か……、帰ってきた……ミャあ……!!』




 母が、面を食らっている……!




『────あ:あなた達……!。

 ────今まで:何をして……!?。』




 突然の兄妹の帰還に、驚きを隠せない仲間たち。


 なにをして……?





『C7:あ……、あーあーあー//////!! そっ、そんな話はいいにゃー! 今は目の前のこと片付けましょーにゃー!?』


『C2:こ、コホン……///。そ、その通りですみゃ! だいたい状況は把握してるみゃ!』




 ォオオオオオンンン──────・・・!!!



 2と7の獣が(はし)らせたプログラムは、

 (またた)()に各方面のエラーを解除していく。

 それは、他の兄妹たちとは一線を画した、

 数世代は先を行った、高度な術式デバイスである。




『C1:す、凄いニャ……!? あっという間にエラーコードが無くなっていくニャ……!』


『C3:わ……ワタシ達が5人がかりでも大変だったのにミャ〜〜!』


『C4:おぉ〜〜ぱちぱちぱち!』


『C5:なんという高度なデバッグプログラムニャ……! しかし、根本的な出力不足の解決にはなってないニャぞ……?』




 まだ、泥の怪異の起こす衝撃は、続いている。

 巨大な体を覆う装甲が、甲高い騒音を奏でている。


 だが、その中で。


 首領(ドン)は、語りかけた。





「……よぅ。帰ったかよ、ネコ耳」


『C7:にゃ。ご無沙汰(ぶさた)してますにゃ、ドン』





 謎の、緊張。


 騒音。





「……で?」


『C7:……にゃ?』


「だからさ」


『C7:にゃん?』






 何故か、誰も喋らない。





「はん……」





 アンティは、


 少し口角を上げて、


 言う。





「 ── 期待して、いいのよね ?」





『C7:……、……。』





 間。





『C7:──……きひひ、くくく……! ……にゃあ』


『C2:……ははっ!』




 愉悦。


 裂け目から、希望が漏れだすような。





『C7:……あのにゃ? みんな──』





 七番目は、(うた)い出す。





『C7:ちょっと私ににゃ? い〜〜(・・・)〜〜ぃい考え(・・・・・・)が、あるんにゃけどぉ──……』





 いじの悪い、ウゼェ、


 猫のような、愉悦(ゆえつ)を込めて。




『C7:ふふふ……!』

『C2:くっくっくっ……やれやれだみゃあ』




 ニャーナさんは、提案する。




挿絵(By みてみん)

『C7:ちょっと……─────のってみませんか(・・・・・・・・)にゃ?』








ロボはよ

ロボはよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン

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