交流再開
ちょい短めですщ(゜Д゜щ)
『────……わがままを:言いたいのです。』
「ふぅあああぁあぁ──……」
その内容が想像できてしまったので、私は呻いた。
クラウンは……しゃべってみたいんだわ。
〘#……″共有フォルダ″なのだろう〙
先生が、言った。
〘#……すぐ隣に″駅″と″彼″が居るのだ。よもや、このPCを使って入力された訳ではあるまい〙
? ??
「……ごめん先生、その……」
「よく、わかんなかったです……」
〘#……構わん、当然だ。このフォルダには、他にも存在するであろうPC端末からも、メッセージを投函できるのだろう。″投函口がたくさんあるポスト″。……、いや、こちらの世界でポストを引合に出すのは分かりにくかったな……〙
「──! ″赤の時限結晶″と″紫の時限結晶″の関係に似てるって事か。いや、よくわかったわよ?」
「入り口がいっぱいあるんだね」
〘#む……聡いな……〙
筆記だけは成績いいですから。
先輩が切り出す。
『>>>その端末を通して、他の端末の場所を洗ってみたんだ。地下にひとつあって、それが一番近い』
「えと……そこに、いらっしゃるってコト?」
『>>>わからない。でも、わかっているんだろぅ? クラウンちゃんが……何故この人と喋りたいか……』
『────:……』
「……」
クラウンが私にワガママ言った事なんか、
今まで、あったっけかな……。
──ふぅ。
「……マイスナ。体調どーぅ?」
「アンティ。わたしはあなた」
「む……」
別に不調は感じない。
まだいける。ご飯もある。
マイスナを見ると″いいよ″。
探索に来て……脱出クエストになって、
また、捜索クエストに戻るってワケだ──。
「……この部屋、少し傾いてるわね。行き止まり?」
『>>>そのようだね。外壁が岩盤で突き破られてる。大規模な落盤があったんだ』
「……″まわれ右″するしかないか」
そう言えば、えらく静かね。
「あの子……閉じ込められているのよね」
「可哀想だね……」
自分に置き換えると、つらいモンがある。
例えば、マイスナと離ればなれになって、
ここにヨロイ無しで閉じ込められたら。
アッパーはまだ、あきらめていないのだ。
「いちど、向き合ってみましょう」
「大丈夫かな?」
「″大きなお友達″には、今まで二回会った事があるわ」
『 が、がるん……? 』
{{ ふふふふふふ…… }}
にしても、何も外から聞こえないわね……。
何しとんじゃアイツ。
まさか……?
「開ける? 開ける?」
「アンティ開けて」
「ひきょうだぁ~~」
マイスナが私の後ろに、ひっつく。
ハンドル式の扉を、クルクルと開ける。
ギギッ、──カパァ……。
『『『『『 ……………………… 』』』』』
「「 …………………… 」」
おった。
こいつ、五体投地で寝とんな。
お目目がドアップである。
『『『『『 アッパ~~~~…… 』』』』』
「……どきなさいよ、出れないでしょう」
「アンティ。アッパー、おデコまで目があるよ」
マイスナの指摘は、その通りで、
アッパーの目は黄緑色のアナライズカードで、
綺麗にコーティングされているようだ。
普通の目の位置から、おでこまでタテに延びていて、
ちょっとキュウリみたいだ。
今、アッパーキュウリさんは、
寝転んで顔面を入口に接近させているので、
横向きに二本、黄緑のラインが通っている。
どかんかい。出れんやろげ。
「ど、どけー」
「じゃまだー」
『『『『『 アッポアァァァァ……! 』』』』』
──ズズン、ズズゴゴゴゴ…………ばべぼんっ!
うおぉ。
立ち上がったアッパーの足音は、
やはり″べべんっ、べべんっ″と、
不思議な響き方をする。
あのメッセージの中にあった通り、
改良した足の構造が未整備なんだわ。
「立ち上がると……やっぱデカいわね……」
「わぁー」
10メルトルテほど離れて、
アッパーがこちらを見下ろしている。
身長40メルはハンパない……。
さて、どうすっか。
──ゴゴゴゴゴ……ズシン!!
「「 ……!! 」」
アッパーが、しゃがんで手を伸ばしてきた!
『 が、がるぅううんんん──!!! 』
あっ!?
ガルンが、マントから飛び出す!
──ぴょーんっ!!
────ばぼぼぉぉおンンっっ!!
『『 ガルルルルォォオオンンン……!! 』』
巨大化したっ!
でも、ちょっと大きさを抑えてる!
15メルくらいかな?
ガルンが本気出したら、50メルくらいになれるハズだ。
私たちとアッパーの間に入ってくれる。
『『 ガ、ガルルルルル…… 』』
『『『『『 ………………………… 』』』』』
てか、″ ぷにガルン ″のまま、
おっきくなっちゃったかぁー。
プリティな尻尾が私たちに向いている。
「可愛いなぁー」
「可愛いねぇー」
『『『『『 アッパァァ──……! 』』』』』
『『 ガ、ガルン……? 』』
──ドシン!
────ナデナデ。
──────ナデナデ。
「……撫でられてんじゃないの」
「楽しそうだよ」
『『『『『 アッパァァァ──♪ 』』』』』
『『 …………ガ……ガルンゥ……? 』』
──ナデナデ。
────ナデリンコ。
{{ ……あのサイズだと、ワンちゃんと飼い主に見えるわねぇ }}
「やっぱ手ぇ、でっけぇなー……!」
「あっ、ガルン持ち上げられたよ」
……ズォオオオオ……!
『『『『『 アップァァア────……♪♪♪ 』』』』』
『『 ガ、ガルゥーン!!? 』』
──巨大ぷにガルンは、
アッパーに高い高いされながら、
足をバタバタしている。
『────戦闘には:ならなさそうですね。』
『>>>あれさぁ……プレゼントしたと思われてないよな?』
{{ ええっ!? ウチの子は返してもらわないと困りますよ……!? }}
なんで飼い犬とられたみたいになってんねん。
ああもぅ……。
「──ヘイ、アッパー!!」
「!」
『『『『『 ……! アッパァァ──……? 』』』』』
『『 ガルーン…… 』』
でっかいキュウリみたいな目が、こっちを向く。
「 アンタの″ご主人様″ッ、探しにいかない!? 」
『『『『『 アッパ・・・・・? 』』』』』
アッパーは、パチクリした。
この後ガルンは返してもらいました♪
(*´ω`*).*・゜










