クックド・ウェポンに気をつけろ
前前話に挿し絵を追加。
前話に挿し絵を追加。
ふぅ……(;^ω^)=3
ちょいと多忙ふにゃふにゃでした(笑)
「あ……」
忘れ去られたように。
白雪に、ひっそりと。
それは、建っていた。
「……ここ?」
「うんっ!」
「わぁ……こんな大きなお屋敷だったのね……」
思っていたより、おどろおどろしい印象はない。
見上げるほどの、しっかりとした建築だと思う。
屋根と土台に、神様がふりかけたような、白雪。
まるで大きな砂糖まみれのお菓子のようだった。
「ちょっと壊れてる」
「あ、うん、そうね……崩れてる所からロビー? が見えるわ。……エントランスって言った方が正しい?」
「わかんない」
ま、食堂娘に無縁の場所には違いない!
ま、魔物とか住み着いていないわよね?
『────アナライズスキャン中……:動体:無。
────震音感知:無。
────安全圏を更新。』
『>>>貴族のお屋敷にしては小さいけど……それでも立派な洋館だねぇ!』
〘#うむ……初めて来た気がせんな。やはり私の意識は、しばらく前よりマイスナと共にあったようだ。見覚えのある雪だまりや氷柱が、そこら中に見受けられる……〙
〘------おおお化け屋敷のんなぁぁ──☆〙
「えへへ。ようこそアンティ!」
「ん? あ、おじゃま……します?」
キラキラ笑う白銀姫に、首をかしげつつ。
狂銀さんの、ご招待にあずかりましょう。
お金持ちの人の別荘とか、だったのかな。
ちゃんと屋根があって、良かったと思う。
反面、さびしい場所だなと感じてしまう。
彼女は二年間、ここで寒さを凌いだのだ。
やはり入り口が一番ひどく崩れてしまっていて、
ポッカリと、館が口を開けているように見える。
外の雪と床材が、地続きになってしまっていた。
白と黒のマーブル模様の石材の床に、踏み込む。
──────キィン。
よく、響く────。
エントランスの、ド真ん中に、
大きな岩のようなものがあり、
屋根の穴からの光に照らされ、
透明感のある異彩を放ってる。
金属にも氷にも見える質感ね。
岩の一面がスッパリと割れて、
断面が鏡のようになってたわ。
正面の階段はYの字に分かれて二階へと続いてる。
正面に大きな、くすんだ金の額縁が飾ってあった。
氷と水に侵食されてて絵はボロボロになっている。
何が描いてあったのかは、もう誰にもわからない。
「にしても、豪華な造りね……! 屋根は……あそこの穴以外はそんなに壊れてないよね?」
「えっへん!」
「んぇ……えっへん?」
『『『 くるぉおん……! 』』』
『『『 にょ、にょきっとやんな……? 』』』
ゴウガさんを背中に背負った、でっかいカンクルが、
キョロキョロとしながら、恐る恐る中に入ってくる。
うさ丸も同じような感じで来たわね。
うさ丸には大きなお手手があるので、
ゴウガさんの荷物を運ぶのを頼んだ。
「 ゴ………、ァ………、……… 」
「お、しゃべった」
「ここで食べ物ないの、よくわかる。可哀想……」
ゴウガさんは、お腹が減って気絶してるみたいなの!
立派な赤黒いタテガミも、心なしかヘナヘナしてる!
何日食べていないのか知らないけれど、ヤバそうね!
「──マイスナ! ここでお肉、焼いちゃおう! あんま奥の方で焼いたら狭いかもしんないし!」
「わ! なに焼く? なに焼く!?」
「やっぱ、タウロス肉のブロックでしょう!」
バッグ歯車を使えば、どこでも換気はバッチリだわ。
このお屋敷のキッチンは、そりゃあ見てみたいけど、
すぐには使えないだろうし、お掃除するのは後回し。
「……私にも、貫かなきゃいけない、"ポリシー"ってもんがあるからね!」
食堂娘の前で、お客が飢え死にとあっちゃあな……!?
この世で最も起こっちゃいけない事件だかんね……!!
「カンクルっ! ゴウガさん降ろしな! うさ丸も、もう平気だから!」
『『『 く、くゆぅ…… 』』』
『『『 にょっき……! 』』』
「だーいじょーぶ! ヤバそうなら、お姉さん達が守ってあげるから!」
「いつでもレーザー撃てるよ」
『『『 にょ……にょきっと! 』』』
『『『 く、くるぅ〜〜♪ 』』』
──ぽぽんっ!
──どさあっっ……!!
「 グ、ォ………… 」
うさ丸とカンクルが同時に通常サイズに戻ると、
冷えた床に、マッスルライオンが投げ出される。
晴れているとはいえ、まだ雪や氷は残っている。
「……やっぱり薄着よね、ゴウガさん。この道着、見ているだけで寒そうだわぁぁ……」
「服があるだけマシ!」
「……え"っ!?」
『────アンティ。
────ホワイトバーグベアの毛皮を何点か回収しています。
────対象:ゴウガリオンの休息地への設置を提案。』
「──! あの雪モコ熊ヤロウのっ!? 燃え残ってたんだぁ……。ん! クラウン! 出してあげて!」
『────レディ。』
──きゅううぅぅううん……!
──ばさぁ……!!
「おっ……! かなりフワフワだから、大丈夫よね……? ふーん、バーグベアは毛が硬い種だけじゃないんだなー」
「アンティ! この人、その上に転がすよ? どっえぇえ──い!」
「んッ!? うぉわっ!!」
ゴロンとゴウガさんの身体がローリングした……!
マイスナ、豪快なローリングアタックである……!
よし、これなら床の寒さは遮断できるわよね……!
「よっしゃ……!! じゃあ、とにかくデカい肉いてまうわ! てかこの獣人さん、野菜とか食べれんのかな……?」
「食べさせてみたらわかる!」
「あ、アンタけっこう、さっきからワイルドねぇ……!
ふふっ……さぁーて──……!」
"キカイを作れる能力"である、
"電鎖歯車法"の稀有なチカラ。
ふふんっ。ここでね……?
みんなに、問いたいのよ──。
" 私がそれで、調理器具を作らないと思う──? "
ふふふ、ちょっと疼くわ。
──お披露目ね?
「 ──クラウン、デバイス呼び出し!
" 悪魔の天火 " ──!! 」
『────レディ。
────術式解凍:::::::。
────完了。
────"悪魔の天火":現出します。』
『 がるんがるーん!!! 』
──ぽてんっ!
私の足元に召喚された、ぷにぷにがるん!
吠える!
『 がぁぁあ、るるぅ〜〜ん!!! 』
{{ ──" 燃え盛る炎の、棺と成りて "──! }}
──ぉおんっ!!
一瞬だけ背後で瞬く、イニィさんの残像!!
床の歯車の異空間より、黒い炎が吹き出るわっっ!!
────いでよ!!!
───これぞ!!
──最強のぉ!!
─ボッ!!!
────ギギギギギギギギギ……!!!!!
────ガチガチガチガチガチガチ……!!!!!
────ゴォォアアアアアアアアァァア──ッッ!!!!!
黒炎の中から、金の歯車機構によって、
ゆっっっくりと、せり上がってくるのは……っっ!!
炎が噴き上げる、でっかい黒の箱っっ──!!!
いぇあ!! 私専用の、オーブンよ!!!!!
『>>>うわぁー……出力まちがわないでよー? これ、暴走したらホンット、ヤバいんだからねー!』
『────私とあなたが:いるでしょう。
────問題ありません。たぶん。』
や──っはっは──!!
グツグツと炎が煮える、ブラック・ボックス!!
シンプルな意匠なだけに、威圧感があるわね!!
黒い箱の上に、可愛い黒炎のデビルウイングが付いてるわ!!
『C7:……可愛いかにゃ? 地獄にあるオーブンかにゃ……?』
『C2:しっ……! ドンは気に入ってらっさるのみゃ……!』
「か、かっこいいわぁ……!!」
自分専用オーブンに超感激していると、
マイスナが「やれやれ」といった感じで話しかけてくる。
「もぅ、アンティ……? さきにお肉を出さなきゃダメだよ?」
「あや?」
「ふふっ……ローザ! あれやるね?」
〘------はいはいのん──っ☆☆☆〙
──ぶぉおおおわぁぁあああ──!!!!!
おおっ!?
床の鎖の輪っかから、
純白の翼が、噴水のように噴き乱れるわ──!!!
「 ──ローザ……! デバイス呼び出し……!
" 天使の冷凍庫 "──……!! 」
〘------流路;燃焼開始のんっっ──☆
------NON-NON-NON-NON-NON------☆
------こんぷりーとのんっっ──☆☆
------時の狭間に;凍るがいいのん───☆☆☆〙
【 くわばらくわばら…… 】
< えんがちょや…… >
──ばつんっ!!
ダイさんの力で保護されながら、
サキが、ある熱された術式を切断する──!!
あまりの凍結力に、起動流路が固まっていたからだ!!
翼に帯電した光が弾ける中、
白銀の鎖に引っ張られるように、
それは、じわじわと召喚されてくわ──!!!
────ジャ……ジャラララララァァ……!!!
────バリバリッッ、キキキキキキ……ッッ!!!!
────パキッ……! パキパキバキバキバキ……ッッ!!!!!
は────い!!!
でました!
マイスナ専用の、冷凍庫で──っす!!!
〘#……取り扱いには、注意したまえよ……。見なさい、外に出しただけで床が凍っただろう〙
〘------ばかのんなぁ──☆ せんせぇが、もっと力抑えて造ればよかったのんなぁ☆〙
〘#……む! そっ、それはぁ……そ……そうだな……〙
〘------認めちゃったの──ん☆☆〙
ど、どやぁ──!!
白と黒の箱、召喚だ──い!!!
うーむぅ! 先生の造った冷凍庫も中々カッコイイわね!!
神秘的な純白の箱に、天使の翼が生えてるみたいだわ!!
ま、クラウンチームも負けてへんけどな!!
『C7:天使みたいとか言ってるけど、鎖でグルグル巻きの氷の箱とか、完全に危険物にゃん……床凍ってるし。翼生えてるから、まるで堕天使が中に封印されてるみたいな、何とも言えにゃーおっかなさが溢れ出てるにゃん……』
『C2:おみゃー……ほんとそういうの的確にゃな……』
『────両デバイス:ドッキングします。』
〘------コンベアーきこう;展開のんっ☆☆☆〙
──ガシャ………ごぉんんん!!!
──おお!! おお!! おお!!
それぞれの前面が展開する、漆黒と純白の箱!
"悪魔の天火"からは、生命を殺す業炎が。
"天使の冷凍庫"からは、時を殺す冷気が。
その狭間には温度差で、おっそろしい空気の悲鳴が巻き起こる!!
ある意味、天敵同士のデバイスね!
それが、接近して、鎖で繋がれる。
歯車。
幻影の板。
ガチガチと、まわる。
そう、ベルトコンベアーよ!!!
時殺しの冷凍庫から、地獄の窯の業火へ!!
でっかいタウロス肉が、輸送される!!!
もちろん、どっちの料理デバイスも容量無限!!!
お肉をローストするだけなのに、すごい迫力だわぁぁああ──!!!
『C7:漆黒のオーブンと、純白の冷凍庫……。狭間の空気が悲鳴をあげてるにゃ。ホントに悲鳴に聞こえるにゃ。悪魔と天使の決闘に巻き込まれた感じにゃあ……空気ごめん。牛さんのお肉は、凍らせた上に時まで止まってたにゃ。うん、やりすぎにゃ。それが今、黒いヤバい箱に入っていったにゃ……にゃ〜〜むぅ〜〜』
『C2:……、……手は合わせんでいいみゃ……』
「ドラゴンのステーキでも……!!」
「焼けちゃうんだからぁ……!!」
ゴッ……!!! がァアアンンン!!!
巨大な肉を飲み込む、漆黒の箱!!!
まるで魔獣の牙のように、
無数のアナライズカードが、お肉に突き刺さる!!!!!
〘------ふっ……;あとは任せたのんよ……☆☆☆〙
『────引き継ぎ完了。
────ブラックペッパー:ロックソルト散布。
────アナライズ燃焼体:挿入完了。』
ほらさ、
アナライズカードって、熱には強いからさ?
こうやって、お肉に突き刺してぇぇえ……!
『────内部燃焼:開始します──。』
ゴォォオオオオオオアアアアああああああああぁぁぁ!!!!!
「中から、こんがりぃいいいい────!!!!!!!」
「わぁぁあああ────っっいいいいい!!!!!!!」
『>>>……て…………テンション、高いなぁ──……』
〘#……も、もう少し落ち着いて調理しなさい…………〙
『C7:……ミャーツ? ワタシにゃ? いや、わかるにゃよ? 肉に突き刺さったアレは、中から熱通すためにゃんな? でもにゃ? どう見てもヤバい黒い箱型の魔物が、口あけて肉に牙ぶっ刺して食ってるようにしか見えんにゃな? それプラス金色の歯車が、見事に拷問器具感をかもし出してるにゃ……』
『C2:や、やめるみゃ………夢に出そうみゃ………』
【 おっかない窯やのぉ…… 】
< あんれぇ〜〜……。あの氷室もやけど、使い方によっては、えろぅ危ないなぁ〜〜♪ >
{{ あ、あはっははは……絶対零度と無限熱量を、お手軽に再現できそうですよねぇ……? }}
『 がるる〜〜ぅ♪♪♪ がるるるぅ〜〜♪♪♪ 』
ふっ、ふっ、ふ…………!!!!!
ど──っよ!!! すごいでしょ──!!!!!!
どんなでっかいお肉でも、満遍なく焼けるわぁぁ──!!!!!
「きひひっ…………そろそろよ!!! マイスナ!!!!!」
「わくわくわくわく…………っっ!!!!!」
──ひらけぇ、ごまぁ────!!!!!
ぎ、ごががががががががが──………ごご!!!!!
ジュワァオアぁぁああああ〜〜〜〜・・・・・!!!!!!!
おーお! よい香り──…………、
──── カ ッ ! ! !
「 に、ニクゥゥウウウウウウ──!!!!!?? 」
あ!!!
起きたっ!!!
今だァァああああああああああああぁぁぁ!!!!!
「マイスナぁぁあああ──!!!!!」
「とぉりゃぁぁあああ──!!!!!」
私が歯車で掴んで投げた、でっかいお肉に、
マイスナが、錬成した金属槍をぶっ刺した!
──ぶしゅぅううううんんん!!!
──ジュバァぁぁぁああああ!!!
──完成!!!!!
擬似・骨付き巨大タウロス肉!!!!!!
「 ──グォオオオオオオオオ!!!!!!! 」
肉の美味そうな匂いに襲いかかるマッスルライオン!!!
私がフルスイングで、
お肉を、ゴウガさんのツラに、投げ……つけますッッッ!!!
「 でりゃああああああああぁぁぁ──!!!!!! 」
──びたぁぁああああああんんんんん!!!!!!
「 ──ごァッッ!!!?? ガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブ、ブッチィ!!!!! ガァァァアアブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブゥゥゥゥウ────!!!!!!!!!!!!! 」
「 やったぁぁあああああああ────!!!!! 食べたわぁぁあああああああああぁぁぁ!!!!! 」
「わぁぁあああああああああぁぁぁいいい──っっ!!!!!」
「 ガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブ、フゴフゴ、ガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブガブゥゥウウウ!!!!!!!!!!!! もんぐもんぐもんぐもんぐ…………ぶチィっっ!!! 」
『C7:トラウマ必須。ドンとオクさんのワクワクキャッキャ感に、ワタシは戸惑いを感じずにいられんにゃ……』
『C2:や、やめるみゃ……。キミが一番正常だなんて、ボクは信じないみゃ……』
『C7:失礼にゃなぁー!』
「 にょ……にょ……にょきっと、と、とぉ、とぉ……、…… 」
「 く……………………、…………くゅ…………………… 」
『 が、がる…… 』
がた、がたがたがた、がたがたがたがた………!!
「いぇ──い♪」
「やったねっ☆」
ハイタ──ッチっ☆
「 ──もんぐもんぐもんぐもんぐ……ごっっくん……!!! 」
豪快な食べっぷりだわ!
((´∀`*))リーサルウェポンかな?(笑)










