親公認 さーしーえー
連投です(笑)
前話に挿し絵を追加(●´ω`●)+
『百合くせぇ匂いがプンプンしやがるぜぇ……!!』
『略して"ゆりぷん"だな……!!』
『な、何それ可愛い……!!』
今日の戦闘が、終わった。
──ペトリ。
「うおお、なんだこりゃあ〜〜! きくなぁ〜〜♪」
うつ伏せになった父さんの腰に、
ヒールスライムを染み込ませたタオルを置いてみた。
ほっ。よかった……ギックリ腰にも効くみたい。
ローザめ、やりおる。
〘------えへへ──☆ 酒代くらいは仕事するのんっ☆〙
「もーっ! 気をつけてよね! どうせ無茶な体勢で荷物運んだんでしょ!」
「アンティ、良かったね!」
まさか父さんのギックリ腰と、プライス君の季節風邪がダブるとはねぇ……。
母さんは久しぶりに"アシュラモード"になってたみたいだ……。
あれ、本当に手が六本に見えるのよね。
プライス君を雇う前は、けっこう顕現してたな……。
「ん。マイスナ、ありがとね。いきなりお店手伝ってもらって」
「うーうん。みんなに美味しいって言ってもらえて、凄く……嬉しかった」
「マイスナ……」
や、やめい。抱きしめたくなるやろがぁぁ──!!
マイスナとドニオスの街で暮らし始めて半月くらい。
よく料理をする時、ふたりでキャイキャイしてましたし。
あと、髪の毛を直結したままサキを使ってたら、
知らん間にマイスナの料理スキルが、めちゃんこ上がってた。
どうやら私の料理の経験も流路経由で学習しちゃったみたい。
それのお陰で、今日は本当に助かった。
「ねぇ……なんか、お礼するね? 何がいい?」
「え……な、何って……?」
「ふふふ、なんでもいいよ?」
「なん、でも……、……」
……ん?
あっ。
すげぇ、こっち見てる。
……む。
なんか恥ずかしい……。
ドキドキしてきた。
「あの、アンティ……」
「な、なぁに……?」
「その、じゃあ────……」
「──うふふふふふふふふふふふっ♪♪♪」
「「 ──わッッ! 」」
背後から近づいていた母に、まったく気づかず!!
わ、笑い方が、こわいっ!!
まだアシュラモードなのっ!?
いや、腕は二本だわっ!!
──ぎゅう────!
「うふふっ♪ うふふふふふふぅ♪♪」
「ちょ、ちょと!」
「わわわっ……」
私とマイスナ、めっちゃ母に抱きしめられてるんですけど……。
いや、優しい抱擁よ?
で、でも15歳でここまで母さんに熱烈抱擁されるのは……。
や、やじゃないけどぉ……!
「はぁ……アンちゃん産んで、よかったぁ……♪」
耳元でしみじみ言われました。
照れと嬉しさが口から吐ける。
「で、アンちゃん? この子、だぁれ?」
──うおっぷ。むむむ……。
「あの……その、ドニオスで一緒に仕事してる子で……」
「ま、マイスナです。よ、よろしくです。お母さん……」
「はいっ♪ ソーラです♪ よろしくねぇ〜〜♪」
マイスナも、こんな至近距離で我が母に挨拶するとは、
夢にも思わなかっただろうな……。
私もマイスナも、母さんの顔まで5セルチもねぇわ。
「あなた、随分と料理の基礎ができてるのねぇ〜〜♪ アンちゃんから習ったの?」
「う、はい……。よく一緒に、ご飯作るから……」
「あらぁ〜〜♪ お家、近いの?」
「一緒に住んでるよ!」
マイスナちょっとちょっとちょっとちょっとっと!
「あらぁ〜〜♪ ルームシェアかぁ〜〜♪ 経済的にもいいでしょうしねぇ〜〜♪ ちゃんと色々経験してるのねぇ〜〜! えらいわぁ〜〜!!!」
「えっ、あ……」
「あ、あはは……」
えぇ、えぇ。そりゃあもぅ。
様々な初体験をしておりますよ、ふたりで……。
「じゃ、マイスナちゃんは、アンティのお仕事のパートナー?」
「は、はいっ!」
「まぁ〜〜! アンちゃんに、こんな可愛い女の子の友達ができるなんてぇ〜〜♪♪」
「ちょ、ちょっと母さん! いつまで抱きついてんのよー!」
「え〜〜♪ たまには良いじゃないー♪ 久しぶりの再会なのよー!」
母さんの今日の好感度の上がり方がやべぇ……。
デレッデレやないか。
「うふふ〜〜♪ アンちゃんがもし男の子だったら、即行お嫁さんに来てもらうのにねぇ〜〜!」
「「 ──ゅんっ……!? 」」
う……! ま、マイスナと全く同時に変な声出た。
うわやめろやめろやめろ顔! 紅くなんだろ!
「あらぁ〜〜?? なぁにぃ〜〜♪♪ 照れてるのぉ〜〜??」
「いやっ、あのっ、えとっ!」
「そそっ、そんなんじゃ、ないわよっ!」
ひぃぃ〜〜! 勘弁してくれぇ〜〜!
今、この子と私、
かなぁぁぁぁああり、
複雑なカンケイなんだってばぁぁ〜〜!!
このままじゃ、まずい!
私もこの子も、赤面して泣き出す自信がある。
なんとか母さんの温かな束縛から逃げ出さにゃいと……!
「いやぁ〜〜! しっかし、冒険者ってのは凄いんだなぁ──! こんなすげぇ治療薬なんかも取り扱ってるたぁ!」
「にょきっとにょきっと?」
「くゆくゆ♪」
「はっは! 心配すんなぁ! すげぇ効いてるよォ! こりゃあ、明日からでも仕事に戻れそうだぜ!!」
「にょきっとな〜〜!」
「かんかーん!」
うさ丸とカンクル、心の防壁ぶち壊すのはやいなぁ……。
すっかり父さんと打ち解けているわ……。
「本当にありがとな、アンティ! マイスナちゃん! はは! いつでもウチの娘になっていいぜぇ!!」
「「 //////んっむぅ〜〜〜〜っ!!! 」」
だからぁ、いらんこと言うなってぇ〜〜!!!
「ねぇ、今日、泊まってくの?」
「えっ、あ、その、はい……」
「あっ……そうだ……マイスナ泊めて、いーい……?」
「やぁ〜〜ん♪♪ そんなのいいに決まってるじゃな〜〜い♪♪」
こっ……、この人、本当に私の母さんか……?
なんか憑依してるんじゃないのッッ──!?
「アンちゃんが、女トモダチと初お泊まりかぁ……! あ、でもドニオスの街では一緒に住んでるんだもんねっ♪ ねっ?」
「は、はいぃぃ……!」
「か、母さんっ!? ちょっと! るんるんすぎるわよっ!!」
「お部屋は二階の部屋で一緒でいいわよねぇ? ね? それとも客室、お掃除した方がい〜〜い?」
「そ、それはっ……アンティと一緒がいい、です……」
「だ、だいじょぶよォ……今から掃除したら、大変でしょお……?」
も、もし違う部屋で寝たらねぇ……っ!
次に会った時に、お互いの身体に鎖と歯車ぶち込み合って、
ゼッタイ子供に見せられない状態で、
お互いをガッチガチに拘束し合うかもしれないのよっ!!
「や〜〜ん♪ そうよねぇ〜〜♪♪ ふたりで寝る前に、恋バナとかしたいもんねぇ〜〜♪♪」
「こ、恋……ばな……」
「ねぇっ!? 母さん!? なんか人格がおかしいわよっ!?」
だだだだからぁ!
ドニオスで一緒に暮らしてるっつってんだろぉ〜〜!!
たまに遊びにくる感じじゃないんだってぇ──!!
ち、ちなみにだけどなぁ、母さん……!
私とマイスナのカンケイは、そんな可愛いもんじゃねぇぞ……!
つーか、恋バナとかしねぇし……!! た、たぶん……?
あ、あのなぁ……!
もう、ゼロ距離で2人でずっと一緒にいても、
丸一日、なぁぁぁあああんにも話さなくても、
ぜぇぇぇんぜぇん全くの平気で、むしろぉお、
幸せしか感じないレベルなのよおおおおおおおおおお!!!
「ね! たまにケンカとかするの?」
「「う……ううッッ!」」
──めっちゃしたわっっ……!!
お互い、全力で串刺しにし合ったわ!!
血まみれやったわ!
骨と内臓ガチで壊し合って、皮膚とか炭化してたわ!!
父さん母さんごめんなさいレベルだったかんねっっ!?
ホンット今はふたりとも五体満足なんで、
許してくださぃいいいいいいいいい───!!!
「む、ゅゆ……!」
「ぬ、ぁあ……!」
マイスナっ! 思い出して泣くなっぅ!!
私も泣いちゃうからっっ!!
やめぃっっ!! ぬあぁぁ〜〜……!
アンタに私の人生ぜんぶぅぅ……、
あげたくなっちゃうでしょ──がっっ!!
「──まぁまぁソーラ、そのくらいにしてやんなっ! 美味い晩御飯、食ってもらってよ! 後はのんびりしてもらおうぜ?」
「──まぁ! さっきまで倒れてた人が、よく言うわ♪」
「め、面目なぃ……」
「ふふっ♪ いいわ! 今日のお礼に、ご馳走作ってあげる〜〜♪」
とたたたたたたた……。
……おっ……!?
やっとマザーアームが解除されたで……。
母さん、あんな動いてたのに、まだ元気ねぇ……。
「はっは! ……マイスナちゃん、ソーラのこと、悪く思わねぇでやってくれ! アンティが女友達を家に連れてきたのは初めてなんだよ!」
「……! アンティの、"初めて"……!」
「ぐっ──!?」
マイスナぁ──!! 言い方あぁぁ──!!!
「え……えへへ……初めて同士……♪」
「ごっ……」
嬉しそうにすんなぁぁあ──!!
変なスイッチ入っちゃうでしょーがぁぁああ──!!!
「私……アンティを大切にします。だからくださぃっ!!!」
「──ちょ!?!?!?!?!?!?!?」
「ん? おう! もってけもってけ!!! 末永くよろしくなっっ!! はっはっはっはっは!!!」
「ばっ……ッッ──!?」
ばかぁぁぁあああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!
「ま、なんなら2人で先に風呂入ってこいよ! 今日の晩メシは多いぞぉ〜〜? 後で入ったら、消化不良になっちまうわな! はっはっはっはっは!!」
「にょきっとなぁー?」
「くるくるるぅ♪」
「……よォしマイスナ、ちょっとこい」
「……なぁにアンティ」
「今日のアンタは際どい発言が目立つ。お風呂でお仕置きよ」
「……私、タダでやられる気はないよ?」
お風呂、めっちゃ楽しかった。
(`・ω・´)キリッ










