表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
581/1216

親公認 さーしーえー

連投です(笑)

前話に挿し絵を追加(●´ω`●)+

『百合くせぇ匂いがプンプンしやがるぜぇ……!!』

『略して"ゆりぷん"だな……!!』

『な、何それ可愛い……!!』



 今日の戦闘が、終わった。



 ──ペトリ。



「うおお、なんだこりゃあ〜〜! きくなぁ〜〜♪」



 うつ伏せになった父さんの腰に、

 ヒールスライムを染み込ませたタオルを置いてみた。

 ほっ。よかった……ギックリ腰にも効くみたい。

 ローザめ、やりおる。



〘------えへへ──☆ 酒代くらいは仕事するのんっ☆〙


「もーっ! 気をつけてよね! どうせ無茶な体勢で荷物運んだんでしょ!」

「アンティ、良かったね!」



 まさか父さんのギックリ腰と、プライス君の季節風邪がダブるとはねぇ……。


 母さんは久しぶりに"アシュラモード"になってたみたいだ……。

 あれ、本当に手が六本に見えるのよね。

 プライス君を雇う前は、けっこう顕現してたな……。



「ん。マイスナ、ありがとね。いきなりお店手伝ってもらって」

「うーうん。みんなに美味しいって言ってもらえて、凄く……嬉しかった」

「マイスナ……」



 や、やめい。抱きしめたくなるやろがぁぁ──!!


 マイスナとドニオスの街で暮らし始めて半月くらい。

 よく料理をする時、ふたりでキャイキャイしてましたし。

 あと、髪の毛を直結したままサキを使ってたら、

 知らん間にマイスナの料理スキルが、めちゃんこ上がってた。

 どうやら私の料理の経験も流路経由で学習しちゃったみたい。

 それのお陰で、今日は本当に助かった。



「ねぇ……なんか、お礼するね? 何がいい?」

「え……な、何って……?」

「ふふふ、なんでもいいよ?」

「なん、でも……、……」



 ……ん?

 あっ。

 すげぇ、こっち見てる。

 ……む。

 なんか恥ずかしい……。

 ドキドキしてきた。



「あの、アンティ……」

「な、なぁに……?」

「その、じゃあ────……」


「──うふふふふふふふふふふふっ♪♪♪」


「「 ──わッッ! 」」



 背後から近づいていた母に、まったく気づかず!!

 わ、笑い方が、こわいっ!!

 まだアシュラモードなのっ!?

 いや、腕は二本だわっ!!


 ──ぎゅう────!



「うふふっ♪ うふふふふふふぅ♪♪」


「ちょ、ちょと!」

「わわわっ……」



 私とマイスナ、めっちゃ母に抱きしめられてるんですけど……。

 いや、優しい抱擁よ?

 で、でも15歳でここまで母さんに熱烈抱擁されるのは……。

 や、やじゃないけどぉ……!



「はぁ……アンちゃん産んで、よかったぁ……♪」



 耳元でしみじみ言われました。

 照れと嬉しさが口から吐ける。



「で、アンちゃん? この子、だぁれ?」



 ──うおっぷ。むむむ……。



「あの……その、ドニオスで一緒に仕事してる子で……」

「ま、マイスナです。よ、よろしくです。お母さん……」

「はいっ♪ ソーラです♪ よろしくねぇ〜〜♪」



 マイスナも、こんな至近距離で我が母に挨拶するとは、

 夢にも思わなかっただろうな……。

 私もマイスナも、母さんの顔まで5セルチもねぇわ。



「あなた、随分と料理の基礎ができてるのねぇ〜〜♪ アンちゃんから習ったの?」

「う、はい……。よく一緒に、ご飯作るから……」

「あらぁ〜〜♪ お家、近いの?」

「一緒に住んでるよ!」



 マイスナちょっとちょっとちょっとちょっとっと!



「あらぁ〜〜♪ ルームシェアかぁ〜〜♪ 経済的にもいいでしょうしねぇ〜〜♪ ちゃんと色々経験してるのねぇ〜〜! えらいわぁ〜〜!!!」


「えっ、あ……」

「あ、あはは……」



 えぇ、えぇ。そりゃあもぅ。

 様々な初体験をしておりますよ、ふたりで……。



「じゃ、マイスナちゃんは、アンティのお仕事のパートナー?」

「は、はいっ!」

「まぁ〜〜! アンちゃんに、こんな可愛い女の子の友達ができるなんてぇ〜〜♪♪」

「ちょ、ちょっと母さん! いつまで抱きついてんのよー!」

「え〜〜♪ たまには良いじゃないー♪ 久しぶりの再会なのよー!」



 母さんの今日の好感度の上がり方がやべぇ……。

 デレッデレやないか。



「うふふ〜〜♪ アンちゃんがもし男の子だったら、即行お嫁さんに来てもらうのにねぇ〜〜!」


「「 ──ゅんっ……!? 」」



 う……! ま、マイスナと全く同時に変な声出た。

 うわやめろやめろやめろ顔! 紅くなんだろ!


挿絵(By みてみん)

「あらぁ〜〜?? なぁにぃ〜〜♪♪ 照れてるのぉ〜〜??」

「いやっ、あのっ、えとっ!」

「そそっ、そんなんじゃ、ないわよっ!」



 ひぃぃ〜〜! 勘弁してくれぇ〜〜!

 今、この子と私、

 かなぁぁぁぁああり、

 複雑なカンケイなんだってばぁぁ〜〜!!

 このままじゃ、まずい!

 私もこの子も、赤面して泣き出す自信がある。

 なんとか母さんの温かな束縛から逃げ出さにゃいと……!



「いやぁ〜〜! しっかし、冒険者ってのは凄いんだなぁ──! こんなすげぇ治療薬なんかも取り扱ってるたぁ!」

「にょきっとにょきっと?」

「くゆくゆ♪」

「はっは! 心配すんなぁ! すげぇ効いてるよォ! こりゃあ、明日からでも仕事に戻れそうだぜ!!」

「にょきっとな〜〜!」

「かんかーん!」



 うさ丸とカンクル、心の防壁ぶち壊すのはやいなぁ……。

 すっかり父さんと打ち解けているわ……。



「本当にありがとな、アンティ! マイスナちゃん! はは! いつでもウチの娘になっていいぜぇ!!」


「「 //////んっむぅ〜〜〜〜っ!!! 」」



 だからぁ、いらんこと言うなってぇ〜〜!!!



「ねぇ、今日、泊まってくの?」


「えっ、あ、その、はい……」

「あっ……そうだ……マイスナ泊めて、いーい……?」


「やぁ〜〜ん♪♪ そんなのいいに決まってるじゃな〜〜い♪♪」



 こっ……、この人、本当に私の母さんか……?

 なんか憑依してるんじゃないのッッ──!?



「アンちゃんが、女トモダチと初お泊まりかぁ……! あ、でもドニオスの街では一緒に住んでるんだもんねっ♪ ねっ?」


「は、はいぃぃ……!」

「か、母さんっ!? ちょっと! るんるんすぎるわよっ!!」


「お部屋は二階の部屋で一緒でいいわよねぇ? ね? それとも客室、お掃除した方がい〜〜い?」


「そ、それはっ……アンティと一緒がいい、です……」

「だ、だいじょぶよォ……今から掃除したら、大変でしょお……?」



 も、もし違う部屋で寝たらねぇ……っ!

 次に会った時に、お互いの身体に鎖と歯車ぶち込み合って、

 ゼッタイ子供に見せられない状態で、

 お互いをガッチガチに拘束し合うかもしれないのよっ!!



「や〜〜ん♪ そうよねぇ〜〜♪♪ ふたりで寝る前に、恋バナとかしたいもんねぇ〜〜♪♪」


「こ、恋……ばな……」

「ねぇっ!? 母さん!? なんか人格がおかしいわよっ!?」



 だだだだからぁ!

 ドニオスで一緒に暮らしてるっつってんだろぉ〜〜!!

 たまに遊びにくる感じじゃないんだってぇ──!!

 ち、ちなみにだけどなぁ、母さん……!

 私とマイスナのカンケイは、そんな可愛いもんじゃねぇぞ……!

 つーか、恋バナとかしねぇし……!! た、たぶん……?

 あ、あのなぁ……!

 もう、ゼロ距離で2人でずっと一緒にいても、

 丸一日、なぁぁぁあああんにも話さなくても、

 ぜぇぇぇんぜぇん全くの平気で、むしろぉお、

 幸せしか感じないレベルなのよおおおおおおおおおお!!!



「ね! たまにケンカとかするの?」


「「う……ううッッ!」」



 ──めっちゃしたわっっ……!!

 お互い、全力で串刺しにし合ったわ!!

 血まみれやったわ!

 骨と内臓ガチで壊し合って、皮膚とか炭化してたわ!!

 父さん母さんごめんなさいレベルだったかんねっっ!?

 ホンット今はふたりとも五体満足なんで、

 許してくださぃいいいいいいいいい───!!!



「む、ゅゆ……!」

「ぬ、ぁあ……!」



 マイスナっ! 思い出して泣くなっぅ!!

 私も泣いちゃうからっっ!!

 やめぃっっ!! ぬあぁぁ〜〜……!

 アンタに私の人生ぜんぶぅぅ……、

 あげたくなっちゃうでしょ──がっっ!!



「──まぁまぁソーラ、そのくらいにしてやんなっ! 美味い晩御飯、食ってもらってよ! 後はのんびりしてもらおうぜ?」

「──まぁ! さっきまで倒れてた人が、よく言うわ♪」

「め、面目なぃ……」

「ふふっ♪ いいわ! 今日のお礼に、ご馳走作ってあげる〜〜♪」



 とたたたたたたた……。

 

 ……おっ……!?

 やっとマザーアームが解除されたで……。

 母さん、あんな動いてたのに、まだ元気ねぇ……。



「はっは! ……マイスナちゃん、ソーラのこと、悪く思わねぇでやってくれ! アンティが女友達を家に連れてきたのは初めてなんだよ!」

「……! アンティの、"初めて"……!」

「ぐっ──!?」



 マイスナぁ──!! 言い方あぁぁ──!!!



「え……えへへ……初めて同士……♪」

「ごっ……」



 嬉しそうにすんなぁぁあ──!!

 変なスイッチ入っちゃうでしょーがぁぁああ──!!!



「私……アンティを大切にします。だからくださぃっ!!!」

「──ちょ!?!?!?!?!?!?!?」

「ん? おう! もってけもってけ!!! 末永くよろしくなっっ!! はっはっはっはっは!!!」

「ばっ……ッッ──!?」





 ばかぁぁぁあああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!





「ま、なんなら2人で先に風呂入ってこいよ! 今日の晩メシは多いぞぉ〜〜? 後で入ったら、消化不良になっちまうわな! はっはっはっはっは!!」

「にょきっとなぁー?」

「くるくるるぅ♪」


「……よォしマイスナ、ちょっとこい」

「……なぁにアンティ」

「今日のアンタは際どい発言が目立つ。お風呂でお仕置きよ」

「……私、タダでやられる気はないよ?」





 お風呂、めっちゃ楽しかった。





(`・ω・´)キリッ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ