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キス魔ッチ、総スカン。

ゆりちゅーい!!((((;゜Д゜))))

苦手な人はめっ!






 ……。


 こまった……。





「…………「」…………」



 ちっか。

 明るい。

 お昼ね。

 動けん。



「……、……「」……、……」



 この子、目ぇ──きれいやなぁ──……。

 んぁ……そじゃなくて。

 どぉーすんだこれ……。

 ぬっくぃわぁ……。



「…………「」んぅ……」



 "んぅ……" じゃ、ねっかんなオメ……。

 ぅぐ……わぁ~~。

 おおお、おちつけ私ぃ……。

 べ、べつに、もっくそ拘束されてるワケじゃないし!?

 と、とりあえず、回り込んでいる腕を引き抜────……。

 しゅ───……。



「む、ぅ……っ!?「」んむぅ───ッッ!?」



 ぎゅぅぅぅぅぅううう……!

 なっ……!? 



「んむむっ……む"っ!?「」んぅう"……ぅぅ、う!」



 ──うわっ!? 泣きかけてるっッッ──!?

 ええッ!? ちょ、ちょ、まッ、ままま……!

 なんでやねんなァ!?

 う、腕を元の場所に戻す──!



「……、……「」ん……、ぅ」

 


 お、おさまった……。

 ふぅぅ……。

 ぇぇえ、何コレぇぇ……。

 離すと、泣く。


 

「…………「」…………」



 ……。

 目線が、合いまくる。

 ガン見合いだわ。

 おいコラ。

 離せ。



「……、……「」、…………」



 だれか~~。

 たすけて~~。



『────:……。』

『>>>ふぁ~~あわ……よく寝た。ん? どしたのクラウンちゃん。モニターガン見……し…………』

『────:…………。』

『>>>……………………お、お邪魔、しました、ぁ~~………… 』

『────あっ:ちょ、ま──……。』

 


 仮面先輩が、私たちの戦いを見て、逃げやがった。


 ゆ る さ ん ぞ。


 二代目(わたしたち)のバトルは、まだ続いている。


 てか、たすけれ。



「…………?「」…………、」



 お、いけんじゃね……?

 そっと手ぇ離せば、なんとか、

 そ~~っ「──むぅむっ!?「」んぶぅ~~!!」

 無理でした~~。

 ひえっ! そ、そんな悲しそうな目すんなって!?  

 わぁ~~しないでよぉ~~!!

 ひぃい~~!

 あぁ~~、あぅあ~~!

 泣くなっ、泣かないで!!

 ほらっ、ほら!! ちゃんとだっこしなおしたから!!



「ん、ぶ、む……「」んぅ……、……」



 ……ふりだしに戻った。

 てか、昼かよ。

 私、よくこの状態で眠りよったな……。

 ゼッタイ、お互いに吐いた息で呼吸してたでしょ……。

 こうなったの、朝からだったよね……?

 ぜったい、5ジカくらい経ってるよね……。

 ファーストキス最長記録選手権があったら、優勝しそうなんだけど。

 あ、この子も初なら、同時優勝か……。

 ちな、今も記録更新中ですね……。

 マイスナの腕が、私の首のほうなのがネックだ。

 と、とれねぇ……。

 それに私もなんか、可哀想で離せねぇ……。



「……むぅ「」……ん」



< ぉ? ぉ! ……あらんまぁァ~~~~~♡♡ >

【 ふぁあ……なんやなんや、騒々しぃ……──ゥおッッ!? 】



 ダイさん、サキ。たすけてー。



< まぁまぁまぁ♡♡ ええねぇ若いってぇ~~♡♡ >

【 ………………まァ、命に別状は無いやろ 】



 ……まってくれ。

 あなた達、こういう事態に強いでしょ。

 ア~ド~バ~イ~ス~。

 な~に~か~。



< 安ちんから押し倒すのもアリやよ!! >

【 1回満足させたったらええやろげ 】



 あれっ?

 この人たち、もしかして……ヤバい?

 おっかしいなぁ……。

 内心、一番頼りにしてたのに……。



{{ ……少し見ない間に、すごいことになってるわねぇ…… }}

『 がるるん♡ 』



 あっ、イニィさ~~ん……。

 へるぷみ~~……。



{{ ……ピエロちゃんも、満更じゃないように見えるんだけど? }}

『 がるがる♡ 』



 ちょ……!?

 えっ、それ、心の色の話じゃないですよね。

 ちょ、違いますよね!?

 あわわわわ……っ!?



{{ あの、船壊して済みませんでした…… }}

『 がるるん…… 』

< しゃあないねぇ~~♪ >

【 全く、このナスビっ子がぁ……ホレ、飯じゃ飯 】

{{ あ、お皿ならべますよ }}

< ぼっちゃん、どこ行ったんかいねぇ~~ >

【 また腹減ったら戻ってくるやろ 】

{{ ほうれん草の御浸しですか……これも箱庭で"ドロップ"したんですか? }}

< そやよぅ♪ あっちの無事やった区画の渡りに、大皿で置いてあってね~~♪ >

【 神出鬼没ってやつやわぃな……(わっぱ)も、"まるでダンジョンだな……"って呆れとったわ! 】

{{ あはは……トレジャーにしては健康に良さそうですね……ガルン、お茶入れてくれる? }}

『 がるるん! 』



 ちょ……。


 ま、まっちくり……。

 もしかして、"箱庭"でご飯の準備はじめちゃった……?

 生活音がぁ……。

 うそでしょ。

 ひどくなぃぃいい。

 私に、この状況、まる投げですかぁぁ~~……?



「にょきっと……」



 あっ!? うさ丸が起きてる!

 たすけて!

 なん、なんでもいいから!

 モフモフアタックとか……なんかあるでしょ!?

 たのむよぉ~~!!



「……にょんや~~……にょんにょんやぁ……」



 ……ちょっと待て。

 なぜに「いいなぁ……ぼくもお嫁さんほしいなぁ」のノリやねん。

 おまえソレ、私が男扱いという前提に成り立つ思考だかんな。


「にょや~~……」


 ぽてん。

 

 あっ、コラ。

 寝んな。

 ちょ、クッションモードなんな!

 ふて寝かこのやろぅ……。


 だれかっ、だれかいないのっ!?

 か、カンクルはっ!?



「くゆゆぅ~~~~Zzz」



 あおむけで寝とる……。くっそぉぉ~~。

 おまっ……ソレ、自然界では服従のポーズでしょ……。

 アンタ、一応おおかみなんだから……。

 もっとなんか、それらしい矜持をですね……。

  


「むぁ……、むゃ!?「」んぶ、んぶ……!」



 ぐぃぐぃ。ぎゅ~~ぅぅう。


 むやぁぁ────……!

 ぐぃぐぃくるぅ──。

 見てるこっち。

 か、かわいぃ…………──ハッ!

 ちょ、こらマイスナ!

 わずかな身体のスキマ、埋めてくんな!

 ちょ……、あったけ……!

 あかんあかんあかん……!


 だれかっ!? だれかいないのかっ!?

 であえ、であえぇ~~!!!



『──ニャンニャンにゃ~~♡。』

『──ニャンニャンにゃ~~♡。』

『──ニャンニャンにゃ~~♡。』

『──ニャンニャンにゃ~~♡。』

『──ニャンニャンにゃ~~♡。』

『──ニャンニャンにゃ~~♡。』

『──ニャンニャンにゃ~~♡。』



 帰れぇ──!!!


 ぐぉ……。



 ・お母さんに抱っこされた時のぽかぽか。

 ・ガキんちょを膝に抱っこして絵本読む時のぽかぽか。

 ・ふわふわマフラーぽかぽか。

 ・お布団内部の圧倒的ぽかぽか。

 ・お風呂最強ぽかぽか。



 これらの全ての"ぽかぽか力"が五体合体し……、

 ワンランク上の存在となって、

 一気に襲いかかられているかのような……!!

 いや……コレ。

 それとは、格が違うかもしんなぃい……!



「ふゅ……「」むぅ……」



 ふわ……。

 ──……!? まずい……!

 眠いぞ……!? 

 寝るのか!? 私!? 

 ヤバい!!

 離すか!?



「んむ……「」むぅ……」



 無理だ!


 私よ!


 なぜ睡魔が勝つ!?


 紫電ちゃんに、抱きつかれてチューされてるのよっ!?


 嫌悪感とかはっ!?


 ないっ!!!


 あれっ!!?



「……「」……」



 あ、やば……。


 むり……。


 ねる……。


 ぐぅ……。




(ぎゅぅ────……)

(くるるるるむ……)




 ──────カッ!!



 この時、私は聞き逃さなかった。


 同時に響いた、私とこやつの、お腹の音を……!


 卓越した食堂娘の感覚がッッ──!


 確かに、捉えたのだッッ!!


 私は、再び覚醒し、


 恐らく、最後の反撃のチャンスを得た……!


 い、今しか、ないッ────!!



「むゃ~~!!「」ん"っ~~!?」



 私の最後の手段は、

 動く髪で、相手をペシペシするというアレだった!



「むゅゅ~~!「」っ!? っ!?」



 ふふ! 驚いてる驚いてる!!

 まさか、我が黄金の髪が動くとは思うまい!

 おらっ、パシッ、パシッ、はなさんかぃ。

 こっちも羞恥心が麻痺しだして限界なんだよぉぉおお!!



「むゆ──!!「」む、ゅっ!?」



 ────バシン!!


 なん、だ、と……!?


 我が金の髪(・・・)を……銀の髪(・・・)がっ、


 弾き返した、だと……っ!



「ぶっ……「」ん"ぅ───────ッッ!?」




 ……!

 っぷ、くくく……。

 ちょ、超、ビックリしてるぅ……!!

 あははははは!!

 




 ──── ぽ ん っ !





 離れる瞬間、コルク栓を抜いたような音がした。





「──かかかッ……、髪がッ!? 動いてるぅ──────!!?」

「──きゃっはっはっはっははは、はははははははっ!!!」




 私はツボった。




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