天神無垢 さーしーえー
「このラノ2019」で11位!ヽ(`Д´)ノやたーっ!
あざます<(_ _*)>皆様のお陰でありんす……!
まだ2巻でないのに11位ってすげぇよな……(;^ω^)(笑)
灼
熱
い ` 。
無
ろ 限 と
の
は 空 へ
`
に 覆 ほ
い
た
り
て
゜
『>>>か、ならず……間に合わせる……!』
激しい光を出しながら、
黄金の光の流れが、腕の中を劈く。
天からは、太陽がジリジリと迫っている。
時間との、勝負だ。
『>>>あきらめる、ものか……!』
『──い:急ぐニャぁ! クルルカンっ!。』
これしか……、
この"金の糸"しかないはずだ。
この流路媒体こそが……彼女をアップグレードさせる……!
キィン、キィン、キィン……!
ギュゥオオオオオアオォォオオッッ……!!
『>>>……ぐ、ゥッ……!』
『──そ:その腕、大丈夫かニャ……?。』
『>>>正直、キツいけどさ……!』
それでも、やらなくては。
──クラウンっっ!
必ず、きみをステージに引っ張りあげる……!!
きみは、"彼女"の、
唯一無二のパートナーじゃないか……!
『>>>ぐ……ニャーナ! 腕の補強を頼めるかぃ!?』
『──! ま:任せとけニャっっ!!。構成の維持だけニャら、ニャーにだって……!。』
──"金流の紡ぎ手"。
高密度アナライズ積層板で構成された、
左腕補填型の、黄金のホログラフィック・アーム。
デジタルなウインドゥが、辛うじて左腕の形をとっている。
まるで、コンピュータウィルスでバグったような意匠の腕。
データのカケラが無理やり腕の型にはめ込まれ、
黄金の息吹を撒き散らしながら、唸っている。
隙間だらけの左腕の中を、
金の光の束が、情報の激流として流れていく。
巻き取られ、排出し、圧縮され……、
神秘の肉体を紡ぎあげる!
『──こんニャ高密度情報を:その左腕だけでサバいてるニャか……!。』
『>>>ニャーナ……!! クラウンの身体はどうだぃ!?』
『──お:おんニャの子の形が:わかるようにニャってきたニャ──!!。』
『>>>……!』
紅に輝く、賢者の石を思わせるデバイス。
それを抱き寄せるように、筋組織が構成され初めていた。
金の糸が絡まり合い、少女の肉体の輪郭を浮かび上がらせている……!
よォし……!
このっ、調子……!
──ぎゅぅうういいいいいんんんんっっっ!!!
『>>>ぅっぐ……! まるで、腕がインターネットの高速回線になったみたいだっ……!』
『──ニャ? ニャに言っとるニャ!?。』
七号機が可愛らしく、ハテナマークのウインドウを出している。
はっ、わるいね……異世界人は、どうしてもチープな例えに置き換えたくなるのさっ!
くそ……やっぱりクラウンちゃんの助けが無いと、
これだけの流路操作はつらい……!
『──どーでもいーニャが!! 上のタイヨウを忘れるんじゃニャいニャよ!? ニャニャッッ……!! けっこうハヤくニャいかニャ!!。』
『>>>ぐぅ……わかってるさ!!』
まさか、"値震煉異"が、"ソルギア"に繋がっているとは思わなかった……!
左手の指先から出ている金の糸は、高速で巻き取られ、クラウンちゃんのボディに転用、変換されている。
彼女の肉体が構成されると共に、徐々に近づいてくる熱量……!
は、は……まったく。
まさか、"後輩ちゃんの肉体と血流のデータ"を、
アレの操作系に組み込んでいたとはね……!
クラウンちゃん……ひ、必死だったんだなぁ……(笑)
暴走してたもんな……ソルギア……。
『──肉体構成:47パセルテルジ:ニャ!。』
『>>>っ! くっそ……遅いッ!!』
急がなければ。
ニャーナの言う通りなら、現実世界で後輩ちゃんは、
あの子と……"紫電"と戦闘になっている。
高密度の流路を扱う今、向こうのナビゲーションをする余裕がないっ……!
クラウンちゃんの分析の力は、後輩ちゃんには絶対に必要だっ……!
上から近づいてくる、光量と熱量……っ!
気が、焦るっ……!
『──!! クルクルっ!!。』
『>>>!?』
『──ボ:ボディが……ほどけてるニャー!!。』
『>>>!! バ カ な …… !』
唸る左腕を抑え、何とか目線を逸らして見ると、
確かに金色の糸で紡がれていく肉体が、
ミシンで布食ったみたいに絡んでいる!
家庭科の授業を思い出す!!
くそったれ!!
『>>>絡まってるだけじゃないのか!?』
『──いいニャ:これは違うニャ!! 中から解けていっててて、それに絡まってるんニャ!!。』
『>>>ほ、崩壊してるっていうのか……!?』
『──これは:マズいニャよ! クルクル……! まだ:足りニャいんニャ! クラウンたまの新しいボディには:ニャにかが足りニャい……!。』
『>>>な……!』
刹那、頭が、真っ白になる。
『>>>ね……"値震煉異"だけじゃ……ダメだっていうのかっ……! "肉と血"の代用となる、流路のデータだけでは……!』
『──これだけじゃ:ダメニャん……! ニャにか:"基礎フレーム"とニャるようニャ:ニャにかが……!。』
『>>>な!! なこと、と言ったって……!?』
クラウンちゃんに関する全てはっ……!
この紅い魂デバイス以外は、全て崩壊しちゃってるじゃないか……!
……──ゴオォォオオオオオオオオオオオ!!!!!
『>>>──!!』
『──!!。』
……。
『──クルルカン……:あれ、加速してニャいかニャ……?』
『>>>勘弁、してほしいな……』
ダメか。
ダメなのか。
すぐそばの金の身体は、どうしても途中で解けてしまう。
視界を覆い尽くすほどの、大きな火。
は。山火事が出世したもんだ。
どうする。
どうすればいい。
あきらめないと、決めた。
ぼくの予想が、アナライザーの情報と合わさり、
未来を想像する。
ここで"値震煉異"を切り離せば、
恐らく、何もかもが間に合わない。
……。
ぼくは七号機を抱き寄せ、
できかけの金の肉体のそばに、膝をついた。
『──!? クルクルっ!? おミャー!?。』
『>>>……創り続けるよ。ここであきらめるのは、みんなのヒーローとしては、カッコ悪いだろぅ?』
『──!!。』
ソルギアは加速している。
一気に、こちらに迫ってくる。
ぼくは、左腕の黄金を、全身の流路と接続した。
────太陽が、くる。
ゴォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
『──ニャ……む!。』
想像しろ。
創造しろ。
ヨロイを、あの呪われた、金のヨロイを。
『──おミャ──……!。』
時が止まったヨロイ。
ぼくを蝕みつつ、ぼくを守り続けたヨロイ。
バキバキと左腕が鳴り、全身を金の破片が包んでいく。
『──ニ:ニャー!! ソルギアが、くるニャ──!!。』
ぼくをここまで、
たどり着かせてくれたヨロイ。
『──ニャー!! クルルカ────ァァアン!!。』
────黄金ノ時よ、止まれ──……!
『 ────>>> "黄金時代" 』
ゴッ、と。
ぼくたちは、灼熱に飲まれた。
────。
────。
────。
────。
────。
『………クルクル:おミャー:何もんニャ……?。』
────。
────。
────。
────。
『──クルクル……! 見るニャ!。』
『────>>>……?』
ここは。
ここは、どこだ。
ぼくたちは、ソルギアに飲まれたはずだ。
あれ……?
なんだ、このヨロイ……。
半透明だけど……ぼくの、ヨロイ……?
『──おミャ──:そんニャこと:できたんニャな……。』
『>>>あ、いや……。っ! クラウンちゃんは!?』
驚いて、探す。
探すまでもなかった。
できそこないの肉体が、紅い結晶と共に、
ぼくの腕に抱えられている。
『>>>……ニャーナ、すまない。必死だったから、よく覚えていない。ぼくたちは、どうなったんだ……?』
『──ニャ:ニャーだって:わからんニャ……。確かにニャーたちはソルギアに飲まれたはずニャ。ニャーけど……。』
辺りを見回すと、暗い空間……な気がする。
光量がない。
地面も暗い。
そんなバカな。
『>>>……でも、自分のヨロイは見えるな……。ニャーナ、きみも光って見えるよ』
『──……おミャーの:そのヨロイのチカラが流れてきてるんニャ。驚いたニャ……おミャー:アナライズカードでそんニャ事が出来たんニャな。』
『>>>……』
『──ニャ! あそこ見るニャ!』
『>>>!』
──暗闇の中に、光の点が見える……▼
進みますか?
▼はい いいえ
『──……どうニャっとんニャ……。』
『>>>……進むしか、ないだろぅ』
手の中にある、金色の毛糸玉が少女型になったようなボディ。
……。
抱き寄せ、仮初のヨロイで、歩き出す。
ニャーナもそばを飛んで、ついてくる。
キン……キン……キン……。
ふよふよふよ……。
『──……用心するニャよ。』
『>>>……ああ』
くらやみのなかを、すすむ。
光。
……光が小さいから、もっと遠いと思ったけど、
どうやら、そもそも小さな物が光っているらしい。
時間の感覚が、よくわからないけど、
徐々に近づき、それが何か、わかってくる。
『>>>……あれは?』
『──ニャ……ニャんやろな……。』
小さな太陽が……浮いている?
まだ少し離れているが、直径30センチくらいだと思う。
ここまで100メートルはあっだろうか。
周りを見ても、これ以外の光源はない。
……ぎゃあ
……ぎゃあ
『>>>──!』
『──! クルルカン!?。』
『>>>なんの音だ……?』
近づく。
……ぎゃあ
……ぎゃあ!
──おぎゃあ!
『──ニャニャ:ニャ……!』
『>>>うそだろ……』
そんな……。
……あの小さな太陽の中から、聞こえているのか?
『>>>……』
『──ニャ〜〜……。』
……。
おぎゃあぁ!
……キン、
おぎゃあ!
…………キン、
ふえぇ……!
………………キン。
おぎゃぁあー!
『>>>……』
すぐそばまで、きた。
『『『 おぎゃあ、おぎゃあ、んぎゃあ! 』』』
──小さな太陽から赤ん坊の声がする……▼
どうしますか?
攻撃
スキル
▼左手
アイテム
逃げる
『『『 んぎゃあ、んぎゃあ、んぎゃあ! 』』』
『──……ど:どうすんニャ……?。』
『>>>……』
クラウンちゃんの不完全なボディを右手で支え、
ぼくは太陽に向かって、そっ……と、左腕を出した。
金の分析盤が、ハスの花のような装甲となる。
花で包むようにして、太陽に手を突っ込んだ。
ズプ……。
『──……!。』
『>>>……く、……っと』
ボォウ! ォオウ!
小さな太陽から起こる、プロミネンス。
確かな熱量。
だが、大丈夫……。
しっかりと支え、引き抜いた。
『んぶぁ……んぎゃあ! んぎゃあ! おぎゃあー!』
『──や:やっぱり赤ちゃんニャ! ど:どーニャっとんのニャ!? ここはソルギアの中のはずニャ! ニャんで……こんニャ赤ちゃんがいるニャ!?。』
『>>>い……いや、んなこと言われても』
光り輝く、赤ん坊。
ぼくの手の中で、金のハスの花に包まれている。
お、女の子だろうか……。
ゲームのようにーアナライズカードが表示された。
──ヴォン。
───────────────────────────
アイテム名:【 ニュートラルボディ 】
記憶媒体:ブランク
素体形式:第二世代型
───────────────────────────
『おぎゃぎゃぎゃ! おぎゃぎゃ──!』
『>>>……!!』
『──く:クルクルぅ〜〜! いったい:ニャにがおきとんニャ〜〜……!。』
……ぼくにだって、わかるもんか。
でも……。
ぼくは右手のきみを見る。
紅い結晶。彼女の頭脳と神経。
金の肉体。彼女の肉と血液。
そして……。
輝く赤子。彼女の……基礎……?
『おんぎゃあ──! んぱぁ──!』
『──ニャ〜〜……:クルクルぅ〜〜……!』
『>>>ちょ、ちょっと落ち着けって……!』
錯乱するトラヌコの尻尾が、
光の赤ん坊に、少し触れた。
ピ……!
──ヴォン!
『──ニャ! ニャんか触ってもたニャ!。』
『>>>──!』
また、ウインドゥがポップアップする。
───────────────────────────
ダンジョン:サーバーのボディを
再構成しますか?
▼はい いいえ
───────────────────────────
『>>>……"ダンジョン:サーバー"……?』
『──ニャニャ? プシュ〜〜……。』
『おぎゃあぁぁ、おぎゃああぅー!』
考えろ。
考えろ。
考えろ。
ダンジョンサーバーとは、なんだ。
"再構成"……?
なぜ、"再び"なんだ。
この赤ん坊はなんだ。
"ニュートラル"ボディ……。
"切り離された"……何から?
記憶が……からっぽの、肉体……?
わからない。
『おぎゃあ! おぎゃあ! おきゃあぁ!』
わからないぞ……。
で、も……。
わからないからって、
止まって……いられない!
『>>>ニャーナ、押してくれ』
『──ニャニャ……!?』
『>>>"はい"を、押してくれ……!』
『──ニャむ……!。』
七号機は未知の現象にだいぶ混乱していたが、
ぼくの目を見て……無言で頷いた。
『──ニャ……!。』
ぷるぷると、しっぽで、押す。
……Pi▼
『 おぎゃあ! おぎゃあ! おぎゃあ! おぎゃあ! おぎゃあぁ── 』
『>>>──!』
光の赤子が、ぼくの左手から浮く。
──ヴォン……!
───────────────────────────
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この選択は一度しかできません
▼"SATURDAY" <<<│
▼"SUNDAY"
▼"MONDAY"
▼"TUESDAY"
▼"WEDNESDAY"
▼"THURSDAY"
▼"FRIDAY"
【 59 】
───────────────────────────
『>>>……なんだ、この選択肢は……』
『──ニャあ〜〜……!。』
『 おぎゃあ! おきゃあ! おぎゃあ! 』
なんなんだ……。
選ばなくては、いけないのか……。
なにも、わかっては、いないのに……。
これは……曜日?
『──く:クルクル、タイマーがあるニャ!。』
『>>>わかってる……』
謎の選択肢の下には、59秒から徐々にカウントされている。
一分で決めろということか。
わけが、わからない。
正しい曜日……?
『──ニャ! 光ってる!。』
『>>>え……?』
『──浮いてる! クラウンたまが……!!。』
『>>>──!?』
右手の金の身体が、紅の結晶と共に、ふわりと浮いた。
赤ん坊の方に動いていって……。
『>>>……!』
『──ニャ……。』
──並ぶ。一直線に。
結晶。赤子。そして、金の身体。
この3つは、金色の光の線で結ばれている。
まるで……惑星が3つ、真っ直ぐに並んだみたいだ。
『>>>……! クラウンちゃんのボディが……創れるのか……!?』
『──そ:そうニャんニャ!?。』
この赤ん坊が、最後の歯車……!
この"曜日"は、クラウンの……!?
『──じ:じかんがニャいニャ……! クルルカン!。』
『>>>く……』
『──ニャーにもわかるニャ……! この選択肢は:星の名前に由来しているニャ?。』
『>>>……あぁ』
『──よくわからんニャども:クラウンたまと言えば"金色"ニャー! こ:ここは無難に:"金"を選んでおくニャ……?。』
『>>>……』
この選択肢がポップアップした瞬間に、
その考えはすぐに浮かんだ。
確かに……ぼくたちと言えば、"金色"だ。
だとすると──"FRIDAY"……か?
『 おぎゃあ! おぎゃあ! おぎゃあ! 』
タイムは減少している。
慎重に、なる。
──本当に、それでいいのか?
『──く:クルルカン!』
『>>>っ! く……』
慌てたニャーナが声をかけてくる。
左手の指を、ウインドゥに近づける。
なにも、わかってはいない。
でも、慎重になり過ぎで、なにも選ばないのは一番ダメだ。
……。
──"FRIDAY"……。
『 おぎゃあ! んぎゃあ! んぎゃあぁ! 』
もうすぐ、タイムはなくなる。
選択せねば。
冷や汗。
ぼくは、震える指で、"金曜日"を押そうとした────。
────その時、ふと。
────言葉を、思い出した。
────あの。
────ロザリアに似た人が、言っていたこと────……。
ポツリと、つぶやく。
『>>>……──" 彼女の本質は、金ではない "──……』
『──ニャっ……??。』
目を開く。
予感。
予測。
予想。
そして、直感。
クラウン、きみは──────。
……─────Pi▼
『──ニャ……!? ニャぜ……!?。』
『>>>……──── 』
『──ニャぜ:それを選んだニャ……!? クルルカン……!!。』
────ぼくが選んだ、答え。
───────────────────────────
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▼"SUNDAY" <<<│
"MONDAY"
"TUESDAY"
"WEDNESDAY"
"THURSDAY"
"FRIDAY"
【 0 】
───────────────────────────
『──ニャぜ:"SUNDAY"を……!?。』
『>>>……── 』
────そして。
─────────
大
当
た
り
!
─────────
────閃光。
『>>>──っっ!!』
『──ニャーッッ!!?。』
『 おぎゃあ! おぎゃあ! おぎゃあ! お──── 』
輝く赤ん坊に、紅の結晶は宿る。
金の肉体は解け、光の糸は一体となる。
ドクン。ドクン。
全てを取り込んだ赤ん坊は、
鼓動のたびに、成長する。
────光の少女に、なっていく。
ドクン。ドクン。ドクン──────。
『>>>……─── 』
『──ニャ……クルルカン……。』
ピトリと。
ニャーナがぼくの肩にのっている。
固唾を飲んで、二人で。
見守っている。
まるで、神の誕生だ────。
『>>>クラウン……きみは……』
────彼女の目が、開く。
ぼくは、手を差し伸べた。
騎士が、姫にするように。
───────────────────────────
SUNDAY:SERVER のアップグレードに
成功しました!▼
クラウンギア
▼▼▼
クラウンギア・アマテル
───────────────────────────
『>>>──……きみは、
──"日曜日"、なのか……?。』
彼女は、ぼくの手をとった。










