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あい、たいよう……!

(≧ω≦)いやー今回の風邪はややこかったです。

やっぱ風邪にはポカリとうどんだな……!

あ、出だしの謎の詠は無視してください(笑)((´∀`*))






 亖絶(シゼツ)(うた)が聴こえる。


 いみのわからない、太古の詠だ。


 舞うように、響く。







 王の玉は玊……。


 おうのたまはきずのあるたま……。


 完全なるは、ひとつだけ……。


 紛いものは、届かざらんや……。


 かの手でなければ、届き得ぬ……。


 起囙(きいん)する、起囙(きいん)する、起囙(きいん)する……。


 (せん)の色にて、誠は見えよう……。


 その(カン)は、果たして金か……。


 (こおり)に立ち向かわんとす前にて、


 願わくば……(おさめ)るなかれ。


 それは、最愛の……。


 "半神"なれば──……。

 




 ────気を失った三人の娘が、同時に言の葉を吐く。



【{{< まだ、間に合うわ──…… >}}】






 ────無限の狭間に、彼等は居た。




 ────刹那。






 

  


『──────:────:────。』

『>>>クラウン──クラウンっ! どうしたらっ……』


 腕に抱きかかえた女性型のボディから、

 無重力空間に漂うように、砕けた破片が散らばっている。

 昔、映画で見た……事故が起こった宇宙ステーションのようだ。

 全てが壊れゆくようだと……そんな気がした。


『>>>いったい……どうすればいいんだっ……!?』


 腹部からはみ出る、電子的なコード。

 首元のジョイントから(あふ)れ出る歯車。

 今にも崩れそうな、陶器のような手足。

 そんな……。


『>>>これが……彼女の新型のボディだっていうのか……! ちくしょうっ……!』


 "彼女になるはずだったもの"に手をかざす。

 アナライズカードを表示して、

 破損した新型ボディのコンディション情報を見るためだ。

 うまくいってくれ……!


 ス……! ──ヴォヴォヴォヴォォォオン!

 ガシャン!! キュ…… キュ……

 きゅぅういいんんん……!!


『>>>うわっ──!?』


 ──ビクン、と。

 自分の左腕を見て驚く。


 今、ぼくの仮想義体(アバターボディ)の左腕は欠損している。

 でも……ついさっき、王女(ロザリア)に似たドレスの女性を目撃した直後。

 何故か、アナライズカードと思われる素材で、ぼくの腕は再構成されていた。

 ガラスの板を並べたかのような、"ホログラフィック・アーム"……。

 その一枚一枚に、複雑な情報が、いきなり表示されたのだ。

 もう死んでいるとはいえ、まだ心の部分は残っている。

 人間離れした、その発光する左腕に、ぼくは驚いた。


『>>>んだ……これ……。アナライズカードの情報が、この左腕の義手に転送されているのか……? ……っ! そう言えば、左目の視界も戻っているっ!』


 ──思わず。

 板ガラスの集まりのような手で、

 吹っ飛んだはずの顔半分を触る。

 ……っ! 輪郭が復元しているのがわかる!

 "ホログラフィック・アーム"に、なんとか鏡のようになる箇所がある。

 ぼくは、そこに自分の顔を反射させた。


『>>>……! これ……!』


 自分の顔の断面に、確かに歯車が見えた……!

 カチカチと音を立て、小さな金色のギアが回っている。

 この左眼のレンズ……どう見たって、アナライズカードだ。

 ……まるで、キカイの体を持つ特撮ヒーローみたいだな……。


『>>>……』


 ……実感する。

 ぼくは、"歯車法(はぐるまほう)"によって修復されたんだ。

 真の意味で、"歯車法の一部"になっている……。

 自身の体の断面がメカニカルに稼動するのを見て、

 少しだけ思考が止まる。


『>>>……いや、違うッッ! 今は、そんな動揺はいらない! ぼくは……魂を守ってもらった! 次は、ぼくがっ……お返しする番さ……!』


 頭を振って、(まど)いを振り切り、彼女の義体(ぎたい)のデータを見る。


 この新型義体の……"概念(コンセプト)"は何だったんだ……!?


 ……。

 ……"お風呂襲撃"……。

 ……"女性の魅力"……。

 ……、……。

 ……"共鳴装置"……。

 ……"完全同期時のバックアップ"……。

 ……"オウノ・カネトキの補填プログラマ"……。

 

 ……!? これは……!


『>>>クラウンちゃん"は、この義体とぼくのリンクを密接にしていたのか……?』


 ぼくとの共有感覚を最大限に"同調(シンクロ)"できるように設計し直されて(・・・・・・・)いる……!

 なんで……こんな無茶な設計を……。

 これが……アダになったんだ。

 ぼくの"破損"のダメージは、このボディにも影響してしまった!

 ……。

 彼女は、ぼくと……。

 心や感覚を共有したかったのだろうか……。


『>>>……、……』

 

 ……。

 引き続き、左腕のホログラムに映る情報をたどる。


『>>>──っ! かなり無理がある設計の方針転換をしたみたいだ。何度も作り直した記録(ログ)がある……。なぜだ……なぜこんな概念(コンセプト)からの再設計を……。最初の設計通りにやっていたら、もっと人間に近い肉体になったはずなのに……! "同期機構"を無理やり全身に組み込んだせいで、こんな、機械っぽい関節になってしまっている……』


 メキ……キ、パラ……。


『>>>っ……!』


 手足が、どんどん崩れていっている……!

 女性型のボディ……しかし、その構造を見ると、

 まるで昆虫のような鎧状の外骨格があり、

 それに依存した身体の造りになっていることがわかる……。

 ……。

 ……ぼくは、予想する。

 このボディは多分……彼女が"人"に近づくために作り始めた。

 でも、彼女は。

 途中で……わからなくなった。

 本当に、"そんな事が可能なのか"、と……。


『>>>……クラウンちゃん……』


 彼女は結局、ボディの人間っぽさを捨ててまで、

 "心と心を共感するための機構"を取り入れた。

 その上で、新しい体を作ろうとした。

 このボディは確かに女性っぽさが増している。

 でもぼくは……どこか"女性型ロボット"のような印象を受けてしまうよ……!


 試行錯誤が繰り返されたであろうボディは、

 光の破片となって砕けていく────。


『>>>ち、くしょう……!』


 ぼくは(なか)ばヤケになって、

 崩れゆくボディの胸元にある、

 黄金の歯車のプラグインに紅い結晶をはめ込んだ。

 少しだけ、少しだけ彼女の"魂"が、紅く光る。

 ──でも、それだけだ。


 ──バキキ、シャララ────……。


 ……ボディは、粉になっていった。

 

『>>>……』


 悲しさがあった。

 このボディの"概念(コンセプト)"には、彼女の心の葛藤(かっとう)が見えた。

 ……悩んで、いたんだ。

 たぶん、とても真剣に。


 ……今、きみがこの紅の宝石の中にいたら、

 悲しくて、泣いているだろうか。

 虚しくて、膝を抱えるだろうか。


 不安に押し潰されそうになって。 

 何かを間違えて、"理想"から"妥協"になった。

 だから、このボディになってしまったんだ…………!


『>>>違う……そうじゃない。"概念(コンセプト)"が、違うんだ……!』



 " ──あの子は……自分の"作り方"を間違えてしまった "



『>>>──!』


 ぼくの中で、ついさっき言われた言葉が反響した。

 確かに、その通りだ……。

 クラウンちゃんは……。



 " ──あの子は、あなたを愛し始めています。しかし、自分の事を人ではない存在だと、強く認識している…… "



 ……。

 あの得体の知れない女の言うことを、信用していいんだろうか……。

 でも……。

 ロザリアに似た彼女を、ぼくは心からは憎むことはできない……。



 " ──あなたは、新しくボディを作り直さなくてはならない…… "



『>>>──無理だっ!!』


 紅い宝石の横で、ぼくは頭を抱えた。

 まだ、人間の姿の右手と、

 光の結晶のような左手で。


『>>>ぼくが、"新しい肉体(ボディ)を作るだと……!?』


 バカ言っちゃいけない。

 無茶苦茶だ。



 "

  ──あの子の血と肉になるものを、あなたは知っている。

  ──あなたが、創ってあげて。

  ──"義体(ボディ)"を構成するのではなく、

  ──"肉体(ボディ)"を創造するのよ、カネトキさん

                          "


『>>>わけが、わからないっ……!! もし、言葉の通りなら! それはこの流路で溢れる空間で、"人間"を創るっていうことだぞ!? ぼくはっ……錬金術師でも神様でもないっ!! 中身は……ただの高校生だっ……!』



 そんな事が、できるはずがないっ……!

 ああ、しかし、もし肉体がなければ。

 クラウンの魂は、どうなるのだろうか……!

 もしかしたら、もう彼女の情報量では、

 ボディ無しでは───……!!


『>>>どうすればっ……!? わからないっ……!

 "あの子の血と肉になるものを、あなたは知っている"!?

 そんなわけっ、ないだろっ……!』


 こうしている間にも、クラウンが──!!

 焦りだけが、ぼくの心を───……!

 くそぉ……!!



 ……。


 きみに、


 会いたいよ……!






 ────。






 ガチャン……!


 ジジ……!


 ──ピコン。






『>>>……、……?』






 変な……音がした。

 ……。

 左腕から……?




───────────────────────────


    検索:hit   1件


───────────────────────────



『>>>……? ??』


 左腕のアナライズカードの中に、妙な一文を見つける。


『>>>……検索デバイスでも誤作動したのか?』



───────────────────────────


  ストーリー301を 再生します


───────────────────────────


『>>>……!?』



 クゥオン、クゥオン、クゥオン……!


 積層ガラスの左腕が、起動音を鳴らし始める。

 ……! 何箇所かのアナライズカードが、金色に光っている。

 これは高密度の流路情報が流れている証拠だ。

 なんだ? この左腕……。



Replay▼

───────────────────────────

『────報告。軸動補助システマ、"値震煉異(ネフルネコト)"が機動します。流路パス直結完了。』

───────────────────────────



『>>>──ッッッ!!? クラウンッッ!?』


 クラウンの、声っ!?

 どこにっ……彼女は、確かにこの宝石型のデバイスの中にいるはず……!?



Replay▼

───────────────────────────

「……ねぇクラウン、前から気になっているんだけど、その、"ネフルネコト"って、なぁに?」

───────────────────────────



『>>>っ!? 後輩ちゃんの声……!? っ、違う……! 変だぞ……?』


 なんだこれは……。

 ぼくの左腕から声がする……?

 あれ……?

 この問いかけ、それに会話……。

 確か、前に────……?



Replay▼

───────────────────────────

『────……"赤の時限結晶(スカーレット)"を、私の頭脳と心臓とするならば、"値震煉異(ネフルネコト)"は、神経と血管に該当します。概念で構築される、流路の"通り道"。私の存在に、張り巡らされたもの。』

───────────────────────────




『>>> ──……ぁ    』



Replay▼

───────────────────────────

「! クラウンの……」

───────────────────────────




 ……まさか。


 金色になりつつある左腕は、

 この後に、あの時のぼくの言葉を映し出す。


 そう……あの時はぼくは、アナライズカードで会話してた。

 ぼくは、こう言った……。

 こう、言ったんだ。





Replay▼

─────────────────────────────

 >>>クラウンちゃんからしたら

   今の状態は……"血湧き肉躍る"?

─────────────────────────────









 バリィィィイイイイんんんん────!!!








『──ニャっふうぅううう──!! ニャーの爪をニャめるニャよ!! やぁ──ぁあっと見つけたニャー:クルクルパァ──!!! やっぱミャーツのやつ:どこにもおらんニャー!! ニャにやっとんニャー!!! ニャんか:黒い波に飲まれて行けニャい……:とか意味フニャニャコフなメッセージきてたんニャ!? まったくドンがめちゃ大変ニャ時にぃー!! ニャっふ──!! ニャっ、クルクル! ところでクラウンたまのスッテキな:おにゅーボディはどこニャあ? あれの改造:最近はクラウンたまひとりでやってたから:ニャーは心配で心配で……:ニ"ャァ"ア"────!? クルクルきさま:その腕はニ"ャんニ"ャんニ"ャ────!? ちょっとシュミ悪いニャよっ!? てか:痛くニャいニャ……? 腕ぶっ壊れて取り替えるのはチューニビョーのお約束とはいえ:そんなガラスドミノ倒しみたいな腕はどうかと:ニャーは思うニャよ……?。』


『>>>…………』


『──ニャっ!! そんニャ:シュミわるアームはどうでもいいニャっっ!! ドン・アンティがたいへんニャンニャよ!! …………ちょ:クルクル? きいてるニャ……?。』


『>>>……なぁ、七号機』


『──ニャ:ニャんニャ? ……ボーっとして。』


『>>>……"値震煉異(ネフルネコト)"って、なんだっけ』


『──ニャ? ニャンでそんニャこと急にきくニャ?。』


『>>>たのむ……教えてくれないか』


『──……教えてくださいニャーナ様:ニャっっ♪。』


『>>>教えてください、ニャーナ様……』


『──うぉ:マジかコイツ……。コ、コホン:ニャ。』


『>>>頼む……教えてくれ』


『──ニャ:ニャーっと……。

 "値震煉異(ネフルネコト)"って言うのは、元々クラウンたまが"インボリュート"っていうドンの必殺技を制御するために作った"軸動補助システマ"の事ニャ! このデバイスの初期型は:まさに"照準装置"そのものだったようニャ。でも:ドンの"総合的なビックリ人間パワー"は:すぐにその照準装置の計算できる値を超えてしまったニャ。ドラゴンの鎧のスキル"力量加圧(パワーアシスト)"なんかのせいで:出力調整でも限界が来ていたんニャよ。

 ──そこでクラウンたまは:ドンのビックリ加減についていけるように、"値震煉異(ネフルネコト)"をアップグレードしたんニャ!。』


『>>>………どのように(・・・・・)?』


『──ドンの肉体データを(・・・・・・・・・)完全にスキャニング(・・・・・・・・・)コピーしたんニャ(・・・・・・・・)! これにより"値震煉異(ネフルネコト)"はタダの"軸動補助システマ"ではニャく"肉体シミュレーション演算機構"とニャったのニャ! 要するに:狙いを定めるだけじゃなくて"筋肉と血液の情報"を分析して:クラウンたまも肉体情報を共有することで:より安全に運用が──……。』





 ────……。





『>>>……クにゃウン』


『──んであの蹴り……ニャ? ニャっ……ニャぁに……?』


『>>>おまえに、感謝の言葉しかない』


『──ニャぁ……?』


『>>>クにゃウン。ぼくのこの左腕、どう思う』


『──え:それはニャーわ。』


『>>>いや……見た目じゃなくて、機能』


『──ニャ〜〜? えっと…………ニャッ!? お:おミャ、コレどうやって構築したんニャ!? 流路操作機構の出力が……高すぎるニャ!? こ:こんニャンありえんニャ! おミャーに権限がいきすぎて──……。』



 ──チャキン。


 ぼくは金色に変わりつつある腕を、前に構えた。



『>>>……なぁ。"ニャーナ"って、きみの名前か?』


『──ニャっ? そ:そうニャよ……?』


『>>>ぼくも、そう呼んでいいかぃ?』


『──ニャんと!? ニャンニャン急に!?。』


『>>>はは……きみに敬意を表そうと思ってさ──……』


『──ニャン……? クルルカン。おミャー:いったいニャにを……。』


『>>>──……  』



 仮初の腕に、力を込める。


 いや、これはもう──。


 やってやろう。


 運命を掴み取るための、ぼくの新しい腕だ。



『──まつんニャ!? クラウンたまの新しいボディはどこニャ!?。』


『>>>ぶっ壊れた』


『──ニ"ャア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"────!?!?。』


『>>>鳴くなって。今すぐ、もっといいの創ってやるから』


『──つ:つくるって:どうやってニャ!?。ま:まさか……』


『>>>"値震煉異(ネフルネコト)"を使って、クラウンちゃんの新しい"肉体(ボディ)"を創る』


『──む:むちゃニャあああああ──!! き:きくニャクルルカン!! そもそも"値震煉異(ネフルネコト)"のデバイスデータは:クラウンたましか場所を知らんニャ! ニャーたちも:あのデバイスがどこにあるかわからんのニャよ!? 最重要隔離デバイスのひとつニャあ!。』


『>>>検索しろ。"値震煉異(ネフルネコト)" 』


 キュォオオオオンン……!

 ガシャ……ピコン。


───────────────────────────


    検索:hit   1件

    捕捉:開始します。


───────────────────────────


『>>>いいな。この腕』


『──そんニャ……バカニャ……!』


『>>>ニャーナ。この腕に名前を付けてくれないかぃ?』


『──ニャニャ! ニャーがかニャあ!?。』


『>>>頼むよ。ぼくはあまりセンスがよろしくなくて』


『──ニャ……! そんニャこと言われても……。』


『>>>そぉら────……!!』


『──ニャむっ!。』


 アナライズカードをドミノのように並べた、

 カッターナイフのような爪が付いたホログラフィック・アーム。

 透明だった構成要素は、今は黄金に輝いている。

 どこからともなく伸びてきた金色の糸が、指先に絡んだ。

 はは。まるで、人形使いの糸。

 光が、血液のように、それらの中を駆け巡っている。


 ──ギュゥォオオオオンン───!!!


 指先から義手に取り込まれた金の糸が、

 いつの間にか二の腕や肘に出現していた金色の歯車(ギア)に巻き取られていく。


『──その:金の糸……! ま:間違いニャいニャあ……! "値震煉異(ネフルネコト)"の本体の一部ニャあ……!。』


『>>>……いい"筋組織"になりそうじゃないか!』



 ぼくは、今度は諦めずに済むんだな……!!



『──……" 金流の紡ぎ手(スピナイゲル) "。』


『>>>え?』


『──そっ:そのけったいな左腕の名前ニャあ……! シャレだろーとか:かっこわるいとかナシニャよ!? おミャーが付けろって言ったニャ!!。』


『>>>"金流の紡ぎ手の"……"スピナイゲル"、か! はは! 中二病っぽくて、いい名前だ!』


『──ニ"ャ──ニ"ャッふぅうう────!!!。』


『>>>ニャーナ! クラウンちゃんの前のボディの設計データはあるのかぃ!? ボディの参考になるものが欲しい!』


『──ニャ──!? あ:あるニャけど:おミャー"値震煉異(ネフルネコト)"を使ってボディを創るんニャ!? 全くの前代未聞ニャよ!? ぶっちやけ:どうする気ニャ!?。』


『>>>わかんない。勢いでやってみる!』


『──……。みんニャ:ドンに似てきたニャ……。』



 はは……! いいじゃないか……!

 彼女に、みんな動き出させてもらったんだから……!



『──とにかく:やるニャら急ぐニャ!! ドンは今も戦ってるニャよ!!』


『>>>っ!! 今、後輩ちゃんはヤバいのかぃ!?』


『──わ:わからんニャ……。なんでか:この空間の通信網は今:グチャグチャニャあ……。ドンはおミャーとクラウンたまが遅いから:ニャーを信じてここに送り出したのニャあ……!。』


『>>>……すまない』


『──お詫びはいいのニャ! 手を動かすのニャ! しっかし:よく"値震煉異(ネフルネコト)"の場所がわかったニャー!! それにはニャーもビックリニャ!! いったいクラウンたまは:どこに隠していたん──……。』





 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!!!!




『>>>ん……?』


『──ニャ……?。』




 ……なんだ、この音……?



 ──ギャルるるる──!!


 あ、これはぼくの左腕が金の糸を巻きとる音です。

 糸巻き機能付き黄金義手ですね。

 ぼくが言ってるのは──、




 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!!!!




 こっちの音ですね。



『>>>……? この音どっから……』


『──    ァ。』


『>>>え?』



 すぐ横のニャーナを見ると、何やら上を見上げている。

 白目だ。ちょっとちょっとなんなのさ。

 つか、なんか明るくない?

 めちゃくちゃ光量つよいよね?

 やめてよ今からぼく人体創造するんだけど……。

 眩しすぎるのはちょっと勘弁して……。



『──クルクル、うえ、うえ。』


『>>>うえ?』



 ……。



 ……。



 ……。





 ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオ────!!!!!


 ピカァァアアアアアアアアアアアアアア────!!!!!


 ズゥオオオオオオオアギャァァアアアア────!!!!!






『>>>…………ソルギア、だね』


『──こっち:近づいてきてるニャ……。』


『>>>……』


『──クルクル:おミャーも気がついたニャ……?。』


『>>>……』


『──その"金の糸"……アレに繋がってるニャよな……?。』


『>>>は、ははは──……』





 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォオオオ…………!!!!!





 ……。



 え、なに。


 クラウンちゃん、


 "値震煉異(ネフルネコト)"って、"ソルギア"の制御もしてんの?






 

●まとめ●

先輩が中二病になって太陽を呼び寄せた(๑꒪▿꒪)。・:+°

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