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500/1216

サイ・カイ・テキ さーしーえー

おかげさまで、500回(≧Д≦)

これからも(´;ω;`)攻めの気持ちを、忘れない……。

↑無謀の極み









           そ

           れ

           は

            `

           誰

           も

           が

           知

           る

            `

           出

           会

           い

            ゜










 ──世界は、白。


 


『>>>……おわっ、た、のに……』




 ──わたしが、みあげて、


 ──あなたが、みおろす。




『>>>……あの時、終わったはずなのに……』




 ──わたしが、きんで。


 ──あなたが、ぎん。




『────対象の分析:失敗しました。

 ────フィールド特性による妨害と推測。』




 ──あなたが、目を、見開く。


 ──わたしも、目を、見開く。


 ──それは、鏡のようでしょう。




「……、 …………、……」


「…………、…、 ………」





 子供だって、知っている。


 わたし達は、(つい)────。




 ……バカげてる。




 ──ザシュッ!

 ───ザシュザシュッゥゥッッ……!

 ─────バギギ……バギギッッ……!


『────警告(アラート)

 ────地表部からの氷塊:

 ────周囲一帯を:覆い尽くしつつあります。』


『>>>逃げろ』





「………、  ……」


「     ……」






 雪の中で凍るように留まる彼女は、


 まるで、絵のようにも見えた。


 もし、そうであるのなら。


 近くで、確かめたい。


 一歩、踏み出す。


 私と、同じ……?


 逆さツララが、バリンと割れた。




「……──、 …… 」


『────アンティ:警戒を。』


『>>>ダメだ、関わろうとするな』




 ザク、ザク、と。


 雪の海から生える氷柱(ツララ)を無視して、進む。


 こんなモノで、このヨロイが貫かれるものか。


 一歩でも、あの子に近づきたい。


 すべてが銀の、あの女の子に。




『>>>やめてくれ……』




 あの子に、なんて声をかけたらいい?


 仮面越しでもわかる、驚きの顔。


 たぶん、わたしも。




 ザッ、


 ザッ、


 ザッ、


 ザッ、


 ザッ。




 彼女の首の角度は、私と共に動いた。


 ゆっくりと、ゆっくりと。


 絵が動くような、不思議な気分。


 止まる。



挿絵(By みてみん)

「「──    」」




 わたしと、あなた。


 ふたりで、バカみたいに、見つめ合う。




「……、……ぁ、と………」


(……なン、デナの)




 なにも覚悟しないまま、話しかけた私に、


 彼女の小さな声が、被った。




「ぇ、……?」


(あはハ……) (ァハは……) (フザヶテる……)


「……、ぅ……」




 それは、わたしも思うよ。




(ぁハハハははは……、) (ハはハハハ) (ハはハハ……!)


「……ねぇ。そんな笑い方、しないで……?」


(あはハハハ) (ハハハハカ) (カハハハハ!)


「……──ッ……」





 真っ白な氷の森で、


 銀のヨロイで覆われた子が、笑った。


 身体を辛うじて隠すボロ布の汚れは、


 乾いた血の跡だと、すぐにわかった。


 布を巻かれた両腕に大きな氷の腕が、


 覆いかぶさるように引っ付いていて。


 泥か血かわからないモノで凍ってる。


 その身体には、白銀の鎖が絡みつき、


 地面に、繋ぎ止められているようで。


 トゲトゲとした、氷のヨロイは、


 白い花が咲いているみたい。


 絵本の通りの、姿。


 最後の場面。




 ───義賊(わたし)と、狂銀(あなた)───。




「ねぇ……私、きたよ……あなたを、探して……」


(クケケケケケ、) (クケケケケケケケ)




 彼女の顔を隠す、二本ツノの銀の仮面。


 目の穴が、グニョグニョと動き始めた。


 巨大な氷の手の中の、傷だらけの手で、


 仮面を覆いながら、泣くように、語る。




(……ハジメテ) (ダッたの)


「……! ……、な、にが……?」


(こウナッテ、) (ハジメて、) (モドッタの)


「も……、どっ……た……?」


(ダかラね? ) (イまシか、) (ナイッて……。) (ソレで……) (コこマデ、) (ノボッたの二……!)




 なにが、今しかないの。


 こんな雪山の上に、なにがあんだよ。




(ハ、) (ハ、) (ハ、) (ハ、) (ハ。) (ナノに、) (ナノニ) (オマエガ……)


「あん、なのよ……」


(セッカク……) (ヒとリボッちで、) (イけタノニ……!)


「……!! それって、……!!」


(……ソンナ二、) (ワタシハ、イラナイコ) (……?)  (ネェ……カ) (ミサマ……)


「あんだよ……。あんの話、してんの……ッ!」


挿絵(By みてみん)

「────オマエノ、ハナシダヨ」


「──ッッ……!!」




 銀の仮面の覗き穴は、もう十には分裂している。


 マーブルアイ。


 私の苦手な、ミルクを混ぜた紅茶。


 まるで、濁っているような。


 銀の瞳は、ふたつだけ?


 歪んでいる。


 歪んでいる。


 歪んでいるんだ。




「カミサマハハハハハハハハハ、ワタシヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲおおおおおおお、イラナイ。ダカカカカカカラ、オマエガ、キタ」



 胃液が逆流しそうになる。



「……あな、たは、私が、嫌なの……?」


「コロスタメニキタ、コロスタメニキタ、コロスタメニキタ、セイカイ?」


「……怒るよ……」



 もう、私の顔だって、歪んでいる。



「ワタシハ? オマエトチガッテ? コウダ」


「……、……」


「ワタシシシシハナ、オマエトアッテ、ワルモノノノノノノニナッタヨ」


「わ、わたしは……」


「ワタシハ、ワルモノニサレタンダアァァアア、アアア、あぁぁぁああああああ」


「やめて……」



 ぐらぐらと、ぐらぐらと、揺れる世界の白。





「 ニクイ…… 」





 消え入るような狂いの言葉に、私の心が凍る。


 私は、たまたま、うまいこといったのか?


 一歩、間違えれば、私もこう(・・)だったのか?


 ……私と、同じ?


 この子は、私のもうひとつの可能性……?



「ねぇ、聞いて、聞いてよ……」



「&#¥$¥"’=+=[[$&'’=@”¥’¥{{:_](+=+""+[:!?((((;゜Д゜))))()(இωஇ`。)(●´ω`●)(●´ω`●)((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))()(;^ω^)()(இωஇ`。)(●´ω`●)<(_ _*)>(●´ω`●)<(_ _*)>(●´ω`●)((((;゜Д゜))))(●´ω`●)((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))(;^ω^)<(_ _*)>(;^ω^)<(_ _*)>(;^ω^)(இωஇ`。)(;^ω^)(●´ω`●)(≧Д≦)(;^ω^)(இωஇ`。)(இωஇ`。)(; ・`д・´)(இωஇ`。)(; ・`д・´)(≧Д≦)(; ・`д・´)(;^ω^)(இωஇ`。)(●´ω`●)(இωஇ`。)(●´ω`●)(๑꒪▿꒪)(;^ω^)(≧Д≦)((((;゜Д゜))))(; ・`д・´)<(_ _*)>(; ・`д・´)(இωஇ`。)(;^ω^)<(_ _*)>()」





 銀の仮面の表情は、まるで渦のように歪んだ。


 ぐちゃぐちゃになる覗き穴から、ふと、銀の瞳が見えた。


 精気が、無い。


 ひとつ、気づく。


 あれは、涙が凍ってる。



「──ねぇ!!! 聞いてっ……、聞いてってば!!!」



 彼女の氷のヨロイから、ゆっくりと、


 全方位(・・・)に、氷柱(ツララ)が生えた。


 円。球。放射状。


 その身体が、持ち上がる。


 ズワリと、浮いた。


 でも、関係ない。



「ねぇ!!! ねぇ!!! 聞いてってば!!!」

『────現時刻より:対象を"二代目狂銀"と呼称。

 ────対象の外殻装甲に槍状の氷塊が発生。

 ────金属反応:有。

 ────磁場流路系統反応。

 ────対象のボディ:浮遊を開始しています。』

『>>>そんな……! 強化されているッ!? 氷だけじゃないのか……!?』



 ──バチバチと、バキバキと。



 ぐったりとした彼女は、

 

 氷の棘で覆われたヨロイを造り、


 フワリと、宙に浮く。


 それは、巨大な腕を持った、ミノムシ(・・・・)のよう。


 氷が付いて尚、綺麗な曲線を持つ両足が、


 ダラリと、垂れた。


 銀の二ツ角が、バギンと、鳴った。



『>>>──ヤバ、い。クラウン、"反射速度(クロックダウン)"を』


『────……はい。』


「ねぇ!!! ねぇ!!?」


『>>>クラウン、わかるな? 絶対に"予測"で避けるな。アレは……"屈折"する』


『────セミオートガードを解除。

 ────マニュアルモードに移行。』


「ねぇ、アレ、浮いてる!! アレは……普通じゃない!!」


『>>>……。聞くんだ……』


「ねぇ!!! アレは、おかしい!!! 話がしたいっ!!! ねぇ、先輩!!!」


『>>>アンティーッッ!!!』


「ぅッ、んっっ!?」


『>>>……──"氷乱(コルラン)"が、くるぞ……!』





 気づけば、時は重くなり。


 既に、あの銀色の球から、氷が放たれた(・・・・・・)


 鎖から、地面の雪を伝ってくる。


 圧縮された空間(スローモーション)の中で、


 先輩の声が聞こえた。



『>>>何故、アレを被っているのか、わからない。何故、磁力が発生するのか、わからない。何故、地面の氷の棘が、黒くなっていくのか、わからない。でも確かな事なんだ──』



 地面を(つた)う氷の筋は、ふたつ。



『>>>──あの狂った仮面を、ぼくは、よく知っている……!!!』



 カーブを(えが)いて、くる。


 先が黒い、牙のようなツララの道が。


 ズシャズシャと、冷気を貫く。



『>>>まだだ。引きつけろ。まだ早い』



 私の全ての感覚が、避けろと悲鳴をあげる。


 こっちだ!! ぜったいこっちに避けたほうがいい!!



『>>>ちがう……まだだ。引きつけろ』



 とても、イヤな予感がする。


 汗が出る瞬間を、ゆっくり感じる。


 目を、見開け。



『>>>"予測"ではない。これは"経験"。これは、"技術"だ』



 もう、間に合わない。



『>>>右だ』



 信じられない事を言う。



『>>>……。信じてくれ……』


「〜〜〜〜〜〜!!!」



 私は、氷に突っ込むように動いた。





 ───…… ァ…… ァ…… ァ…… ンン…………!!





「かっ……! はっ……! はっ……!」



 傷はない。


 先輩が、正しかった。


 先輩が、正しかった。


 先輩が、正しかった。


 先輩が、正しかった。


 先輩が、正しかったのだ。



「はっ……はっ……はっ、なっ、なっ……!」



 地面の雪を噛み砕くように(せま)った氷の牙は、

 

 絶対に右からだった。


 なのに、ギュウンンと曲がって……。


 ありえない。


 あの曲がり方は……狂ってる。


 一対の氷柱の道は、牙だらけのクチのよう。



『>>>"予測"では、絶対に避けるな』


「はっ……、あ、あっ、ぅぅ……! ぅ、うせ、先輩ぃぃ……! あの子、なァに……? なんなの、よ……っ!」



 涙が出て、視界が歪む。



『>>>クラウン。彼女の涙を格納するんだ。今、見えなかったら死んじゃうよ……』


『────……。』

 


 景色の歪みが、元に戻る。


 意味が無い。


 どうせ目の前の全ては、歪んでるじゃない……!



『────"氷乱(コルラン)":衝突部の分子崩壊を確認。

 ────……消滅しています。』



 逆さ氷柱(ツララ)の道が当たった木の幹は、


 光って、砂になった。



『>>>……絶対に当たるな。昔は、ズタボロになって凍りつくだけだった。今は違う。あれは、全部バラバラにしてしまう』


「……ぁ、……あ」



 恐怖が、麻痺している。


 触れば、なくなるんだ。



『>>>……』


『────クルルカン!!。』



 なぜか、クラウンが叫んだ。



『>>>……迷っている』


「……!!!」


『────逃げましょう!!。』





 逃げたく、なかった。





 目の前で、同じ歳の女の子が、狂っている。





「IIIIIIIIEEEEEEEEERRRRRRRRLLLDDYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!」




( ✧Д✧) いいいぇるでぃぃいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃ!!!

↑合言葉


これからもよろしくお願いします<(_ _*)>たれ。

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『今回の目次絵』

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『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] 500話おめでとうございます㊗️ [一言] よく見たらうっすらと雪が降ってた、、、!!
[気になる点] サラッと背景が変わってるの何も触れないんですね~ しかも500話なのに… この背景どうやって変えたんですか?
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