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黄金の捜査網

+d(ゝω・´○)覗き、ダメ、ゼッタイ!

キリがよいのでちょい短めどすえ。



 キンキラ、キンキン。



『>>>やぁやぁやぁ! 気持ちは嬉しい! うんと嬉しい! でも今回の覗きは、褒められたぁもんじゃないからね!』

『────覗……。』

「わ、わあっとるわっ! でも、あの状態で"忘れろ"ってのは、"そうは問屋が卸さない"でしょおよぉ──!!」

『>>>ホントに、ホントに今度からやっちゃダメだよ!? じゃないと、きみのお父さんとお母さんに会わす顔が!』


 先輩が、私の親に顔会わす機会ってあによ……。

 あんた仮面なんだから、それって必然、

 一人娘(わたし)の公開仮装大会になんだかんね……?


『────行動の入力を申請。どのように動きますか。』

「ねぇ……突っ込んだトコなんだろうけどさ、前々から気になってた事でもあるんだよね」

『>>>?』

「先輩、さいしょの"狂銀"って……"ギンガ先生"、だよね?」

『>>>! ……ああ』


 私が千年の眠りから覚める時、

 (わず)かにだけ垣間見た、

 先輩の記憶。


 確か……ギンガ先生は、数学と化学の担当だった。

 先輩の、向こう(・・・)での先生だ。

 そして、たぶん、共に……。


「先輩、みたいに、さ……」

『>>>……』

「仮面になって、生きている、かなって……」

『────……。』


 やっぱ、聞きにくい質問ね……。


『>>>ないと……思いたい。ぼくの目の前で、あの仮面は消滅したからね……』

「そ……ぅ」

『>>>だ、だいたい、ぼくは今回の件、あんまり信じちゃいないよ!』

「そうなの?」

『>>>そりゃあ……そうさ! 200年以上は経ってる! 子供が見たって言う話なんだろう? だったら、その情報源は、十中八九、絵本からだろうし』

「そりゃね?」

『>>>森で、子供が絵本の怪人を見た。これほど信じ難い内容もないと思う』

「まぁ……そうだけど。でもさ……?」

『────しかし:ブレイク・ルーラーの対応には:疑問点が幾つか残ります。』

『>>>………確かに、な』


 ああ、やっぱ、そか。

 私が気付くくらいだから、

 用心深い先輩なら、そりゃ、わかってはいるんだろうな。


「……──なんで"子供の絵空事"を、ギルトマスターであるブレイクさんが、あそこまで気にしてるのかな?」

『>>>うーん……』

『────ポイントを整理しました。』


 ────ポン。



─────────────────────────────


 ①子供二人の『狂銀を見た』という証言は

  ギルド職員にも、相手にされていない。

  しかし、ブレイク・ルーラーは子供の

  一人に会いにいき、調査を行った。


 ②手紙の一文「もしそうであるなら」は

  事前にブレイク・ルーラーが、

  「そうかもしれない」情報を王都に

  伝えていた事になる


 ③寒気の継続開始時期が、狂銀の目撃情報の

  時期と一致する


─────────────────────────────



 わかりやすっ。


『>>>もうひとつある……。』

『────ええ。それは──。』

『────『>>>"運命(うんめい)に、頼れ(・・)" 』。』

「……あの、伝言……」


 どういう意味だろう。

 お城の天空の庭にいた貴族さんは、

 なんで、あんなメッセージを私に頼んだのだろうか。


『>>>この言葉が、ブレイクさんから情報を引き出すキッカケになったのは確かだね……この一言がなければ恐らく、あの人は、あんなに(・・・・)しゃべり過ぎなかった(・・・・・・・・・・)

『────同意見です。その後:"狂銀"というキーワードが出た。』

「それって、やっぱり────」



─────────────────────────────


 Q.なぜ、手紙以外の伝言を伝えた後、

   ブレイクさんは口を滑らせたのだろう?


▼A."黄金の義賊クルルカン"の格好をしていたから

 B.孫娘のような存在が遊びに来て、嬉しかったから

 C.何者かによって、精神を操られている


─────────────────────────────



「私が……"黄金の義賊"の格好、だから──……?」

『────予測可能な選択肢。』

『>>>……だろうね。あの貴族さんの"伝言"も、きみが"クルルカン"だからこそ、頼まれた可能性が高い』

「! それってさぁ……!?」

『>>>"狂銀"の正体に、ブレイクさんは心当たりがあるんだと思う。まさか、昔にホンモノがいたとは、夢にも思っていないだろう……。じゃないと、聞き流されている子供の意見に執着なんかしない』

『────王都の手紙の差出人にも:その情報は伝わっていると予測します。』

「……"狂銀の偽者(にせもの)"……ってこと!?」

『>>>考えていくと、そうなるんじゃないかな。ブレイクさんは、何か犯罪者の情報を持っているのかもしれない……』

「……今から、問い詰めにいく?」

『>>>やめとき。あの人は確かに口を滑らせたけど、きみが何も知らないと判断して、拒絶したんだ。もし"狂銀の格好をした何者か"と遭遇したら、危険だと思ったんだろう。はは、きみは彼に、手紙の主から遣わされたヒミツの凄腕冒険者だと思われたのかもしれないね?』


 え……なんか、おっぱい勘違い羊を思い出すんだけど……。


『────気候の寒冷化:の要因が分析不可能判定。』

『>>>うーん、ぼくもそれは気になってる……"狂銀の偽者"が悪いヤツだとして、そんな事、可能なのかどうか……』


 ……。

 ……なーんだ。

 本物の狂銀じゃ、ないのか……。

 先輩に、先生と再会して欲しかったんだけどな……。


『>>>……。サンキュな、ふたりとも』

『────感謝を受理しました。』

「あら……素直な義賊様だこと。……で、どする?」

『>>>うーん……』

「悩むならさ、やっぱ一回、調べてみようよ! 後味悪いしさ?」

『────賛同します。』

『>>>……おっけ。ブレイクさんに気取られないように、ちょっくら、ちょっかい出してみようか』

「な、なんか、探偵ごっこみたいよねっ? 聞きこみとか、するっ!?」

『>>>たまに子供っぽいこと言い出すよね……ちなみに、その格好でかぃ?』

「……ぁ」

『────難易度:高に設定されました。』



 ふむぅ……。

 黄金の義賊って、

 どっちかと言うと、聞きこみされる方よね……。

 



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