☪ SEXY TONIGHT……! ☪ ⑰ さーしーえー
かばパワーがたりない……!
スイカバーを食べねば……!
(๑˘ㅂ˘๑)。・:+°
『 ……ねぇ、"666@@911"──!
──この"むねあて"で、私に鎧、作ってよ──……! 』
──我の夢。
いや、記憶。
これは、我の記憶ではない。
でも、我しか持たぬ記憶。
我しか見ることのできない、夢。
脳裏に、浮かぶこれは。
また、あの笑顔。
夢の中で、我とは違う名で、我を呼ぶ少女。
そう、作った。
彼女が、"さいしょ"────。
夜の夢を、何故、"夢"と言うのか。
これは、"記憶"。
我に蓄積されし、"記憶"。
未来の夢と、過去の記憶。
なぜ、同じ言葉の響きを持つのであろう……。
そうだ……。
我は、過去から連なる夢をあきらめ、
とうとう、未来の夢に託してしまった。
だって、あの、黄金の姫は、
夢の中の少女と────────────……。
────。
────ガァァァアアアアアンンン!!!
「─────ハッ!!!!?」
我は、大きな物音に覚醒した。
我の心身は、どれほど停止していたのであろうか!!
確か、伯爵のエロティカルな技を喰らって……!?
{{ ──店長!! 起きましたか!! }}
「 ──ダンナぁ!! 手伝ってくれ!! しょおじきキッツい!!」
『 フォハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!! 』
「む、むぅぅ──!!」
我がマヌケにも、この"せくすぃー"をさらけ出していた合間も、イニィ殿とヤンが必死に戦ってくれていたようである!!
むうっ!! 我が"せくすぃーボディ"が、瓦礫に埋もれているではないか……っ!?
こ、これは、魔法の撃ち合いか!!
伯爵の白き滝のような十四もの光の流れと、
イニィ殿の杖から出る闇のイナズマが、せめぎ合っている!!
──ブァァァァアアアアアアッッ────!!!
──ドッッゴォオォオオンンッッ────!!!
{{ ぐぐぐ……!! }}
「 ぎぎぎ……!! 」
……──なるほど!!
ヤンの作り出した魔法糸で、闇のイナズマの誘導を行っているのであるか!!
見事な連携プレイであるっっ!!
あの技に名を付けるとしたら、"せくすぃー伝線ブラックサンドァー!!!"であるなっっ!!
で、では、ガルン殿は……!?
『 ガ、ガルン……、…… 』
『──ニャー!!。なにグジグジしてるニャ!?。このままイニィちゃんの電池パックで終わる気かニャー!?。 ちゃんと手ェー出せニャ手ェ──!!!。』
『 ガルルゥゥ──ンンン──…… 』
───何 や ら " 小 さ な 妖 精 さ ん "に、
怒 ら れ て い る !!!
{{ お、おかしい!! 伯爵の光魔法が弱くならない!! 被害者の少女達と自身の魔力で、こんな高出力な魔法を放ち続けれるの!? }}
「──ば、バァカ!! オメーの闇魔法の威力もやべーわッッ!! さっきから数フヌたってるぜ!? このままじゃ誘導に使ってる私の魔法糸が持たねぇ!」
──!!
白の黒の光のぶつかり合い!
イニィ殿とヤンの後ろには、ラミエリ殿の一族が匿われているのである!!!
そうか……! ヤンのスパイダーエリア状の糸に闇魔法を流し、シールドにしているのであるな──!?
『 フォハハハハハ……! 我の純白の翼は、既に空気中からも、お前たちの体からも、魔素を変換しておるのだよ……!! 』
{{ な、なんですって……!? }}
「おいおい、冗談だろッッ!?」
「う、ううぅ……!」
「ら、ラミエリやっ!?」
「どうした、ハッ──!! 婆さん見ろ! ラミエリの手が……!」
──パキキッッ!!
────!!
ラミエリ殿の手の先が、石像のように──!?
「おお、おお、ら、ラミエリよっ……!」
「うっ、うっ、なんということじゃ……可哀想にッ……」
む……むぅぅぅううううおおおおお"お"お"!!!
……孫娘が、自らの前で力を吸い取られ、石化していく……!
こ、
こっ、
こっ……、
─────こんなッッ、"せくすぃーNG"は、あってはならないッッ──!!!
は、伯爵めぇぇええええええ!!!
───瓦礫に埋もれた我がボディを、振るい立たさねば!!
「うぉぉお……ッッ!? な、何っっ!?」
か、身体が動かぬ!?
う……なんだこれは……!?
まだ、ダメージが残っているのか……!?
「平衡感覚がっ……! ぐおお、力が入らぬ……!!」
エロメイネス伯爵が天井付近に浮遊しながら、
パンモロで我を嘲り笑ってきおった!!
『 ──フォハ、フォハハハハハハハ!!! 貴様には、モロに後頭部に"エロティカルヒット"が入りおったからなぁ……!! そうすぐには立てまいて……!! そこで瓦礫風呂でも楽しんでおるがいいわぁ────!! フォハハハハハハハ────!!! 』
そ、そんなっ……バカな!!?
立て、立つのだ、我がせくすぃーボディよ!!
こんな所で、埋まっているわけには!!
──バチチッ、バチチ──!!!
──バリバリバリバリィィィイイ!!!!!
「お、オイオイッッ!! どうすんだ!! 押し込まれてんぞ!?」
{{ く……店長の上に崩れてる瓦礫、かなり大きいわ……ッッ! こ、こうなったら……ガルン!! お願いガルン!! 攻撃してっ……!! 貴方しかっ、いないわ──!! }}
『 ガ、ガルン…… 』
ガルン殿は、何やら気弱そうだ……!
……。
わかる。
わかるぞ。
先ほど直接、心に触れた我には……!
恐らく、初めての明確な悪意……!
孤独の中に感じる、自分への自信のなさ……!!
夢をあきらめ、"せくすぃー道"を進んできた我だからこそ、よくわかる……。
しかしッッ、しかし、ガルン殿……!!
『 ガ……ガルン…… 』
『──……もういいニャ。こんな時に:弱虫ワニを待ってる余裕なんてないニャ。千年の"地獄の一億回タコ殴り"は:すべて:無駄だったニャ。あれで少しは:外に出た時の恐怖が:薄れたらいいニャって……ニャーは思ってたんニャ……。』
{{ く、クにゃ、ウン……? }}
『──……ニャーがやるニャ。イニィちゃん:ニャーが:何とかあの白パンツの隙を作るニャ。その瞬間にあのおニャの子たちの流路接続を切るニャ。』
『 ガ! ……ガ、ル……!? 』
{{ ──!? む、むりよぉ!! クにゃウン!! 今のッ、その体はッッ!!! }}
「あ、あぁ……!? この小せぇキャットは、何を言ってんだァ!?」
『──……ガルン。よく見とくニャ。"魂"宿してるヤツニャはニャあ……"恐怖"を知った後に、ドカンと踏み込まニャいかん時があるニャ……!!。』
『 ガ、ガル……、ガルル……!? 』
あ、あの小さな妖精さんは、何を言っておるのだ……!?
『──ニ"ャア"ア"ア"ア"ア"!!。末っ子:ナメんニャニ"ャア"ア"ア"ア"────!!!!!!!』
{{ ば、バカなマネはよしなさい、クにゃウンッッ──!? }}
──きゅおおおおおおおおおおお・・・!!!!!!!
瓦礫に埋もれて動けぬ情けない我の横で、
小さな黄金のキャットのような妖精さんが、
咆哮するっ────!!!
……!!! あの、回る金色の歯車は……!!!
ま、まさかっっ……!! 姫と、同じ……ッ!?
埋もれている、マヌケな我と、妖精さん。
少し、目があった気がした──。
『──アンタの作った:ドンのヨロイ……あニャあ、芸術ニャぁ……。ニャーに:ニャにかあったら、ドンを頼むニャ……ッ!。』
「ま……待つ、のだッッ……! よせ……妖精さんよッッ……!!」
うおおおおおっつ……!! 身体が、動かんッッ!!
『──いぃぃくぅぅニ"ャア"ア"アアアアアアアアァァァ────!!!。』
{{ やっ、やめてぇぇぇえええええ────!!! }}
イニィ殿は妖精さんを止めようと、
杖から片手を放して伸ばしたが、
伯爵の魔法の勢いに押され、手は届かない──!!
小さな妖精さんは、
すごいスピードでブリーフを目指す──!!!
──その叫びには、魂が宿っている───!!!
『──ニ"ャア"ア"アアアアアアアアァァァ────!!!。』
『 ……フォッ……ハハハ…… ご み く ず が …… 』
伯爵が、手を前に出す。
白い閃光が、妖精さんに────放たれ───……!!
──ドォオオオンンン!!!
『──ニ"ャオオオオオオオンン──ッッ!!。』
きゅおおおおんん!!!
『 フォオッッ──!? なにぃぃい──!!? 』
光魔法が、消えたッッ──!!?
妖精さんの、金の歯車に、吸い込まれたのであるかッッ!?
『 ち、吹けば飛ぶぅ! ゴミ程度のぶんざいめがぁぁあああ────!!! 』
イニィ殿たちに向ける十四の光を維持しながら、
手の平より光弾を撃つ伯爵……ッ!
撃つ!
撃つ!
……撃つ!
ひとつめは、避け。
ふたつめは、消え。
みっつめが、曲がる────!!
『──……ニャッッ……!。』
不意を突かれた妖精さんは、手にかざした黄金の歯車で、何とか曲がった光弾を吸い込もうとする!!
『──ニ"ャウ":ウ":ウ:ウ:ウウッッ──!!。』
──バチィィイイインン!!
{{ いやああああああああ!! }}
────!!
何とか光弾を吸い込めたが、青白いなにかが、
キラキラと砕け散った──!!
ダメージを食らったのは間違いない!!
何なのであろうか!? 硝子の破片のような!?
黄金の妖精さんは、光の粒子を撒き散らしながら、飛ぶ!!!
バランスを崩しているっ!!!
────いかん!!
『 フォッ……羽虫は、手で潰すにかぎる────!! 』
『──ニ"ャ……!!。』
伯爵────!!
あれは────!!
光をまとった、拳────!!!
魔法と、直接打撃の合わせ技ッッ────!!!
『 ──フォォオオオオオオオオオ─────!!!』
直撃コースであるぞぉぉぉおおおおお!!!
避けろぉおおおおおおおおおおお!!!!!
妖精さぁぁあああああああんんん!!!??
「クソッタレがぁぁぁあああ!!! 私んこと忘れてんじゃねぇぞぉぉおおおおおおおおおお!!!」
──ッッ!!!!!
一瞬で、魔法の糸が、うなる!!!
伯爵の後ろッッ……!!
壁に刺さっていた剣に、
糸が繋がり、跳ね上げるッッ!!!
『 ──フォアっっ────!? 』
刃は、伯爵の頬を掠め、僅かに、拳の軌道を揺らす────!!!
『──ニ"ャア"ア"ア"アアアァッッッ!!!!!!!。』
妖精さんは、左手を盾にして!!
拳をッッ、さばくッッ!!!
──ギャギャギャギャギャギャヤヤヤ〜〜〜〜!!!!!!
摩擦で、小さな手から上がる、青白い火花ッッ!!
まるで爆発したようであるッッ!!!
しかし、妖精さんは、止まらぬッッ!!
小さな半身を燃やしながら、右手を大きく天に突き出す ───ッッ!!!
それは、
黄金のォォ……ゴールデン・キャットクローである!!!
標的は、決まっていたのだ────!!!
────金は、
金に
吸い込まれる────!!!!!
『──……汚物は:消毒ニ"ャア"ア"ア"アアアアアアァァァ────!!!!!!!。』
『 ──ブボぐごぉ!!!??? ぐぎゃおああアアアアアアアアあああああ─────!!!!! 』
魂の。
魂の、一撃である。
『 ごああああああああああああぁぁぁ──!!!!!! 』
光は消え、
羽根は落ち、
白は、股間を押さえ、墜落する。
『──……:……やっ#?&&-た:ニャ…≡½…。』
{{ くにゃううううううッッぅぅううんンンンンンツッッ──────ッッッッッ!!!! }}
妖精さんの声が、おかしい。
力なく、浮力を失い、
燃えながら、ゆっくりと、降下する。
夜の屋敷に、悲鳴が響き、
そして、ゆっくり、ゆっくりと────。
──ポテン、と。
金は、魔獣の爪に、受け止められた。
霧散する光が、止まらない────────……。
『──ほ、<&≧ら見%れ……:やって#|YA-::た、ニャ…:…。』
『 ガ… ル、 …… …… 』
───── 崩壊が、はじまっていた。