☪ SEXY TONIGHT……! ☪ ⑨ さーしーえー
アンティはよ! アンティはよ!
(ノシ´>ㅅ<)ノシ バンバン
「ぐか────……」
・゜・(。つд<。)・゜・うわぁあああ──ん!!
{{ ああ、ああ、ああ、 、ああ…… }}
い
つ て
焼
き い
る 。
い て
焼 つ
き い
る
゜
な
は、 か
目 っ
た
゜
る。
い
も 、 て
で い
焼 つ
き
{{ おわら…… おわらせた…… はずなのに……。 }}
ひ
か ま
り だ
あ お
れ わ
。
ら
な
い
゜
{{ ──… あの子と おわらせたの に…… }}
視界が、
しかいが、曲がる────────。
ぐ
ら
っ
・
・
「……ィどの、──イニィ殿!! しっかりするのだ!!」
肩を。
「イニィ殿……!」
肩を、掴まれている。
仮面。肉体。男。
……ははは、すごい格好。
このヒトの異様など、どうでもいい。
だって わたしがいちばん "いよう"だもの。
まともだ。
まともだ。
────みんな、マトモだ!!
わたしだけが、おかしい。
明るい未来が、待ってる?
あの、金色の瞳のような?
そうなんでしょう?
──それが、どうだ。
どうだ。
どうだ。
どうだ。
どうだ。
──── お っ か け て き た。
お父、様……。
『 ガルル…… 』
{{ …… }}
にらむ。
虚ろな目で、睨んでしまう。
こんな、いい子なのに。
どうしても、あの、黒い穴と、
あの、忌まわしい、お と う と の、
あの、下卑た、笑 顔 が ─────。
『 ── は は は は は は は は !! 』
「──イニィ殿!!」
{{ ──っ! ……、…… }}
:
:
う
つ
む
糸が切れている、あやつり人形のように。
て :
首に力がはいらない私を、 :
る だ
仮面が心配そうに、見上げている。
じ
大きな体でしゃがんでて、ちょっと可愛らしい感じ。
う
暗く、堕ちる魔の心に、ずいぶんと、それは残った。
で
ぐったりとした私は、その、あどけない大男を見て、
る
辛うじて、強がって、笑顔をかたちにできた。
?
……。
……何回目だろう。
こんなに心から、心配されたのは──。
{{ ……い、じょうぶ、です。ごめんなさい……いきなり、私…… }}
「……本当で、あるか……?」
{{ だいじょうぶですよ。それより店長? その体勢、あまり女性に見せてよいポーズではありません。立て膝をされていますから、その、ひきしまり具合がなんとも…… }}
「……。せくすぃーまっするで、あるからな……」
店長は、よくわからない事を言って、
私に合わしてくれたらしい。
まるで、心を読まれてるみたいだ。
今のは、ギリギリでつけた、渾身の冗談だ。
心はまだ、にぶく、重い。
この人が、変な格好をしていたお陰で、
逃げ道を、作ることができたのだ。
「……む」
ずしっ……と、ゆっくり立ち上がった彼は、
真剣に、でも、あまり威圧しないように、
こちらを見ている。
優しく、心配、されている。
心が見えるって、不便だ。
そんな格好で見つめても、
普通は、怖がられて終わりなんですよ……?
「…………」
{{ ………… }}
……そういうの、やめてよ。
「……よォよォよォ。なんだかわかんねぇけどよォ……」
{{ ……──! }}
「……それについてよ。アンタは、私たちに、話してくれるのかよ──?」
{{ …… }}
少し遠慮しているようだが、
黒い仮面の彼女は、はっきりと私の十字の杖を、指さしている。
……当然だ。
あんな反応をしてしまったんだ。
何か知っているって、誰だって気づく。
『 ガルン…… 』
{{ ……ごめんね? }}
さっきは、少し睨んでしまった。
長年つれそった家族を、爪だらけの手で、撫でる。
……ガリガリ。
『 ……──ガルンっ♪ 』
「おい……」
{{ ……わかってる }}
時は有限だ。
貴族の屋敷に、忍び込んでいるんだ。
この人は、口調は厳しいが、
いま急かしたのは、全員の安全を考えての事だ。
{{ …… }}
「…………」
店長が、静かなので違和感がある。
これ以上、違和感を上げないでほしい。
こんな変態的な外見なのに。
心配されている真心に、違和感が、霞む──……。
私は、ちょっと俯き、言う。
{{ 信じる? }}
「アぁホか、まず言えって……」
{{ ふふ }}
悪態に隠れる優しさにも救われ、
私は、語ることにした。
ふぅ……。
{{ ……この文献は、千年前の都、"レエンコオト"で研究されていた"ある物"の記述の、"写し" です…… }}
彼女に目を見開かれたが、口は開かなかった。
代わりに、店長が合いの手を出す。
「"研究"……。先ほど、イニィ殿は、"テンカンロ"と」
{{ ええ…… }}
「てん、かん、ろ……? んだそれ、聞いたことねぇぜ」
両手を綺麗なW型にするヤン・センマイ。
……そりゃそうだわ。
私の国の、技術だもん。
「イニィ殿……"転換路"とは、どういうモノなのであるか?」
{{ ……簡単に言うと、"とある一方から、もう一方へ、強制的に力を流すもの"です }}
「むぅ……?」
「はぁ……? ワケわかんねぇ……」
『 ガルル…… 』
{{ えっと……正確には違うんですが……、"片道方向の魔法の流れを、無理やり作るもの"、って言えばよいかな……光の魔素を集めて、むりやり闇の魔素の中に進ませる、とか…… }}
「? そんなモンが、千年前に、あのレエン湖で作られていたって? ……それをアンタがなんで知っているのかってのも意味わかんねぇが……その"テンカンロ"だぁ? なんのためにそんなモンが作られてたっていうんだよ?」
{{ かつてのレエンでは、"転換路"は、光のチカラを放出し、闇のチカラを抑え込むために作られました }}
「おいおい……まるで御伽話だぜ……」
「──む!」
ヤンさんは、極めて正常な反応をしていると思う。
こんな話、信じないだろうな。
『……ガルン』
「闇の力……」
……店長?
「……イニィ殿よ……。これは、言うつもりはなかったのであるが……」
{{ ……? }}
「我は、ある伝説を知っている。"あんこくワニのガルン"と言う、ラクーン族の伝説を……」
「……あっ!?」
『 ガルン…… 』
{{ ……あちゃあ }}
そうか……。
伝説に、残っているんだ……。
……。
{{ "転換路"は、昔……ちょっとやんちゃだったガルンを、封印するために作られた道具なんです }}
『 ガルルン…… 』
「…………おい、まてまて……」
ヤンさんが、ガルンから、少しずつ距離をとる。
『 ガルルン…… 』
ガルンが、寂しそうに、少しずつ詰め寄っていく。
{{ い、いまは、とっても優しい子だから…… }}
「いやいやいや! 信じらんねぇけど! それってマジなら、封印失敗してんじゃん!! こいつ、出てきてんじゃん!?」
『 ガガガルゥゥウウンン〜〜!! 』
「わっ、ちょ、やめ!!」
ガルンが、アツい抱擁を交わしている。
ジタバタしても、あの三股の腕からは、逃げられないだろう。
「……今の我らには、イニィ殿しか手がかりは無い……イニィ殿……──"生け贄"とは、どういう事だッッ!」
{{ ッッ…… }}
私に怒っているわけではない。
でも、店長は凄んだ。
……。
{{ "転換路"の内部流路を焼きつける際……必要な材料があるんです…… }}
「 」
{{ ヒト、です…… }}
「 」
{{ 私たちの時代では、それは女の人ばかり、選ばれたようです }}
「ちょ! わ、"私たちの時代"!? おまぇ、何言って……おいこらガルガル! わ、わあった、わかった! オマエイイヤツ! だから離せって!?」
『 ガルガルルゥ〜〜!! 』
「……イニィ殿。"転換路"に、流路を焼きつけた人間は、どうなるであるか」
{{ …… }}
「え……」
『 ルゥ…… 』
……。
{{ ほとんどが……たぶん…… }}
───ゴッガァアァァアアアアアアンンン!!!!!!
側の机を、店長が、殴った。
変態が、静かに燃えている。
「──確かか」
{{ ──…… }}
「エロメイネス伯爵は……せくすぃー達を用い、"転換路"を作る気なのであるか」
{{ ……その、机の上の大きな禍々しい流路図は……未完成のようですが、"転換路"の流路を書き出したものです }}
「……それは、せくすぃー達の命が、散ると言うことであるか」
{{ ……っ…… }}
……。ゴク、リ。
「……、……」
「……な、なぁ……それって、マジなの……? アブノのダンナ、信じんの……? てかよォ……」
『 ……ガル? 』
「もしかして、悪魔ちゃんが持ってるその杖が……"テンカンロ"? なーんて……?」
{{ ──!! }}
「 ……──!! その杖っ、その、杖に、かつての、せくすぃーの生命が……ッ!?」
「えっ、いや、信じんなって!? た、確かにこのボロッボロの紙に描いてあるのに、似てるけど……」
「ぬぬ、ぬぬぬ、ぬぬぬぬぬ………!! 生命を、使う装備など……!! 生命を守るためのモノに、生命を使うなどと……!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!
店長が、怒っている。
マジで、怒っている。
とっても、こわい。
ここ、貴族の屋敷。
ヤンさんが、何とか彼を、なだめようとした。
「こっ……こらっ、旦那ァ、あんま怒んなって……? やはは、そっ、そんな、いわく憑きのもん持ってるなんて、はは、お前、マジで悪魔ちゃんだな、は、は。その"転換路"で封印されてた闇の力? って、お前もなんじゃねぇの? はは、は……」
{{ }}
ヤンさんが、ちょっとブラックな茶化し方をした。
慌てて、思わず、ちょっとした──……。
普段なら、笑って流してあげられる。
でも、今は。
───ちょっと、タイミングが悪かった。
{{ ち、ぁ……ちがぅ、ん、ですッッ……! }}
「えっ」
「──! ……イニィ殿?」
{{ 私は、本当は! 他の人たちみたいに……ッッ! でもっ、闇の力は、逆流してしまった……!! 逆流、させられて、しまった!! だ、だからッッ! 私は……ッ…… }}
ギリギリと。
爪で、十字架を、掴む。
{{ ……私は、悪魔じゃ、ないんです…… }}
「お、おい……、わ、わるかったよ! ……あんたは、その」
{{ にんげんでも、ない…… }}
「……我は、魔族だからと言って、せくすぃーをバカにしたりなどせぬ」
{{ ちがうんです……! ほんとは、わたしは、魔族ですらない……! }}
『 ガル、ン…… 』
……ゴン。
杖を、出す。
前に、出す。
十字架を。
旅の神官が、祈るように。
床に、力なく突き立て、
前に、かざす。
{{ これが……私です }}
「……は?」
「 な ん と 」
店長が、察した。
私の身体のニセモノが、
闇の炎のように、崩れた。
「うそ、だろ……」
「なんと、いうことだ……」
{{ ……私の全ての流路は、これに、"転写"されているんです…… }}
悪魔っぽい魔法使いが、十字架の杖を持っていて。
触ったことを、罰せられるかのように、燃え尽きる。
そんな、場面。
{{ ……わたしは、杖なんですっ……! もう、ヒトじゃあ、なくなってしまった……! }}
「 ……」
「イニィ、殿……」
{{ ……私の名前は"イニィ・スリーフォウ"。
千年前に消えた都、レエンコオトで、
"15番目"に発生した、"転換路"────……!
……現存する、最後の"稼働個体"です────…… }}
『 、……ン 』
──闇の獣が、悲しく、唸った。
(`・ㅅ・´)ごめぬ。
Gガンダム見てたら更新おくれたん。