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☪ SEXY TONIGHT……! ☪ ② さーしーえー

連投のような気もする(●´ω`●)


ちょっと短めでごめぬ。

初期は毎話これくらいの長さでしたね(笑)

(*´ 艸`)



 血の香りがする女は、

 上着を巻き込みながら手を組み、

 語り始める。


「ヒゲイドのダンナが今回の件について気づいたのは、ついさっきだ。たまたま行方不明者のリストを見ていたら、最近いなくなった人物に共通点があるって気づいたんだとよ」

「……いなくなったのはレディばかりなのか? ……"共通点"とは……?」

「──"色素"が薄い女、ってのが特徴らしい。すべてのファイルを集めると、12名、発覚してる」

「ッッ!! それは……"花売り"と言うことかッッ……!!!」


 ……ギギギ。

 変態の付ける革のグローブが、音を噛み締めた。


「……へぃ、私に(すご)むなよ。それは私も真っ先に思ったけどよ……げせねぇ点がある」

「む……?」

「……男どもを相手にできねぇような、ちいせぇ小娘も、何人かリストに入っている。色素が薄いってのは共通してる。髪の色なんかは特に薄いヤツらばっからしいぜ」

「なん、と……! まさか幼きせくすぃが、花を散らしているのではッッ……!! むぅぅぅううううう!!!!」

「ま、まぁ、落ち着きなよダンナ……」

「これが落ち着いてはいられるか!! ふんむぬぬぬううぅぅううううう!!! せくすぃNGぃぃぃいい────!!!」


 変態の筋肉は、山脈のように隆起する!


「……慌てんなって……よぉ、今回はアタリをつけてんだよ」

「──ッッ!? ……せくすぃがぁるず達の居場所の手がかりが、あるというのかッッ!!?」

「おぅよ。これ見な──」


 がささ……くシャリっ。


 ヤン・センマイは、

 自身の胸に押し潰された上着のポケットから、

 シワだらけの紙を出し、変態に投げつける。


「……──」


 パシッ。……がささ。


「ドニオスの街でも、どちらかと言うと貧しい区画で貼り出されていたもんだ」

「────……」


─────────────────────────────


 ◆ 色薄の孤児・子供支援施設の案内 ◆


 ドニオスの街でも名高き、

 エロメイネス伯爵は、体の色素が薄く、

 比較的、抵抗力が弱い子供たち、特に、

 女性を不憫に思い、この者達に、

 生活の場を提供、支援することを、

 お決めになったのだ。


 ついては、色薄の女児、少女を見かけたら、

 伯爵管理の詰め所まで声をかけられたし。


 貧しい者でも可。


 住所:○○○×××-△△△


─────────────────────────────



「……これは」

「手前勝手な内容だろ? 男や、色素が薄くない者は、門前払いされるって話だ」

「……」

「つい先日まで、ヒゲイドのダンナはこれを、美談として捉えてたってワケさ……だがよ、こうなってくると、こいつぁ限りなく、キナ臭いわなぁ?」

「……この貴族が、裏で糸を引いていると?」

「それも含めて、調査するってぇのが、今回の"夜のお仕事"ってこと。ま、受けるかは自由だってよ」

「……」

「報酬は、前に見つかって秘匿されている"グレンカプラ"の老衰死骸の翼膜だと」

「……状態は良いのか?」

「私が剥いだ。それが答えになんだろ」

「……よかろう。受けようではないか」

「はっ、頼むぜダンナ」


 ヤン・センマイは、体重を預けていた背を離し、

 夜の入口に(きびす)を返した。


 店から出ようとする時、

 ふと、思い出したかのように、言う。


「……──あんた、あの"むねあて"、あの嬢ちゃんにあげちまったんだな」

「────!!」

「ギルドで見てよ、けっこうビックリしたぜ? あの"むねあて"大事にしてただろ」

「……」

「……なんだよ。あの義賊ちゃんには秘密なのか? "アレ"の持ち主を探すのが、あんたの悲願だったんだろ?」

「……。よせ……我は……」

「……はっ! わりぃ、いらねぇ詮索は御法度だよな! じゃ、任せたぜぇ〜〜!」


 チリンチリーン。


 血の香りは消え、呆気なく戻る、静寂。


「……………………」


 変態は、静かに苦悩する。


「……我は、心のどこかで、あきらめていた。だからアレを、あの鎧に組み込んでしまったのだ……。だが、あの"黄金姫"には、アレを(たく)しても良いという、"何か"があった……! 言葉にはできない、何かが……」


 (つぶや)きは、暗い店内に吸い込まれるのみ。

 答える者など、いない。

 変態は、孤独である。


「くっ……」


 迷いを断ち切るかのように、歩き出す。


 定期連絡を待たず、ヒゲイド・ザッパーがヤンをよこしたと言う事は、かなり急ぎの案件であることを示していた。


 部屋の奥。


 すすむ。


 数々の彼の作品が並ぶ部屋。


 数多の、豊潤なる胸の人形たち。

  

 キラキラと、趣味に偏ったヨロイが乱立する中、


 ひとつだけ、"黒い棺桶"のようなクローゼットがあった──。




「……(うれ)いている暇などない。今もまた、どこかでせくすぃが泣いているのだから……」



 変態は、漆黒の扉をあける。


 ────ガチャ、リ……ッッ!!



 ルォォオオオオオオ────!!!



 闇が(・・)箱より(・・・)流れ出た(・・・・)



 オオオオオオオオオ────!!



 濁流のような闇は、変態の肌を覆い隠していく。



 まるでインク。


 まるで呪い。


 まるで闇、そのもの。



 やがて、闇の揺らめきは、一つの形となって、顕現する。



 ────"闇のコート"である。



 ルォォオオオオオオ────……!!



 咆哮のようなモノを発し、

 衣服となる、暗黒。


 そう、このコートには、ある魔獣のパーツが、

 組み込まれている。


 黒の扉は、ひとりでに閉まり、変態が残った。



「……今宵は、我がせくすぃを纏うとしよう……」



 変態は、全裸ではない。半裸だ。


 辛うじて、小さな闇の布は、恥部を隠している。


 ギラギラとした半裸の変態を、漆黒のコートが包んだ。


 シルエットは、()らめいている────。



挿絵(By みてみん)

「……───い出向(でむ)くとするか……。月夜の"せくすぃ とぅないと"に──……!!」




 漆黒の"半裸コート"が、今。


 夜の街に、放たれる────……!




 

((((;゜Д゜))))変態かっけぇぇえええ!!!

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