表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
424/1216

裸の王様は、今日もやらかす。 さーしーえー

一巻発売から、明日ではや1ヶ月!!

+(●´ω`●)*.+゜


あ、今回は割とアレな回です(笑)‎



「にょん……Zzz……」


「……こんの、うらやましい……」



 オレンジに染まる、秘密の書庫。


 その、大きなベッドの横。


 床に足をくずして、へたりこんでいる。


 白い友は、白いシーツの友だちんなった。


 ベッドに頭をのせ、


 あらためて、自分の足を見ると、


 けっこう、足のラインがでてるヨロイだよなぁと、


 どうでもいい事を、考える。


 ……はぁ〜〜。



「……ちょっ、もうムリ。お風呂はいりたいっす……」

『────。』

『>>>ありゃー』



 ……──ちかれた。


 昨日から、いささか心労が多すぎる。

 ぷしゅ──っと、頭がボ────ッとする。

 身体はまだ動くケドも……うん、ダメだ。

 私に休息をくれ。


『>>>シャワーやっちゃうかぃ? ぼくはいつでも見ないフリさ?』

「あほぅ、それだと見てる事になんでしょ。……反対、しないんだ?」

『>>>おっとそうだね……いーんじゃない? この部屋、そう簡単に入れる所とは思えない』

「たしかに」


 空の階段を通らないと、来られないわけだし。

 私が入ったら閉まったな。

 ……でれなくね?


『────アンティの精神状況の回復は:最優先事項です。クルルスーツ・レディオル改を解除しますか。』

「……うん、おねがい……」



 ──きゅううぅぅん……──ガチン。



 静かなオレンジの中、私の金の外殻にヒビがはいる。

 ジグザグなのは、ご愛嬌。



 ──バシュッ! ──バシュッ!


 ───ジャカッ……キキ、ン……!


 ───オオォ、ォォォオオ……、


 ───……グチャアアァ……!


 ───べリッッ、ベリりッ……。



 装甲は裂け、もちあがり、至る所が展開し、


 様々な色合いの金の内側から、


 隠されていた肌と、赤黒い肉の筋が、露出する。


 そう、コレの内側は、もれなく生肉のオンパレードだ。


 私の体温で温められたソレが、外側にひらいた装甲にひっぱられ、


 私の素肌から、ジワジワと、剥がれる。


 肌から肉が離れてる時、むずむず、ぞわぞわする────。


 ま、慣れたけど。


 15の娘に、ひどいしうち(・・・)だ。



「んっ……」



 ……。


 脱ぐ時に、ちょっと肌がひっぱられる所があって……。


 まぁ、ドラゴンさんに飲み込まれてたワケですよ。


 甘噛みですね。


 ……。


 フワァぁ……。


 うわぁ……アクビでた。


 ふぅ〜〜……。


 肌の露出は、上から下へ増えていき、


 お腹と、背中のロックが、トけはじめる。


 肌の温度が変わって、いいあんばい(・・・・)だ。



 ──チキチキチキ……、


 ……──ゾォル……ル、


 ──シャン。



 ……ん?


 あるぇ。


 ……。



「……ねぇ、クラウン……」


『────はい。』


「……私、ぱんつ、はいてないんだけど……」


『────   』



 ……。


 ……。


 ……クラウン?


 お──い。



「きいてるかー」


『────   』


『>>>フリーズしてるね』


「……そなの?」


『>>>……うん。白目で、口を四角に開けて、固まってる。間違いなく、クラウンちゃんのレアショットベストスリーだね……』


「はは……」



 クラウンのやつ、ヨロイと一緒に、

 ぱんてぃ転送するの、忘れたな……?

 ……うー、気疲れで、頭まわんない。



「……せんぱい、クラウン起こして。お湯でない」


『>>>え、うーん……口に何か入れてみようか……』


「ゆび」


『>>>ダメだろ……きみ、相棒に遠慮がないね』


「クラウンはね、たまにこーゆーことするから、クラウンなのよ。ベッドを落下させたり、私を落下させたり……」


『>>>あ、けっこうきみ、疲れてるよな……ぼくも、はやくお風呂に入れてあげたくなってきたよ』


「はやくぅ」


『>>>……』


『────がっ。』


「あ、起きた? 何したの?」


『>>>え、だから指でしょ?』


「──ホントにやったのッ!?」


『>>>いま、噛まれてる』



 ……さっすが絵本の義賊様、勇気あるなぁ……。



『────……。』


『>>>おかえり。我らが黄金姫は、ノーパンくらいじゃ動じないってさ』


「うるせぇ」


『────ほぅひあけあいあえん。すへへは:わあしのふおくおいはふほほほへふ。』


「こんど、箱庭にあるっていう、お風呂で背中流してね」


『────おやふいごようへふ。』



< きら──ん!!!! >

【 目が光りよった…… 】

{{ 目が光ったわね…… }}



「ぶっ……くくく」


『>>>よかったね。ゆるしてもらえて』


『────……おはへははへ。』


「ふぅ……えっからーはよ湯ぅだしてーなー」


『────……ぇぷ。

 ────レディ(準備完了)

 ────格納中の温水を流動開始。』



 ……きゅぅぅううん──!

 ……きゅぅぅううん──!


 

 ──ブシャアアアアアアアァァァ───!!!



『──①:山火事由来のお湯を:歯車から出すミュ!』。

『──②:ドン・アンティに:ぶっかけニャ!。』

『──③:過剰なお湯を歯車で吸い込むニャン♪。』



 ──シャワァァァアア────!!!


 じゃばじゃばじゃばじゃば────!!!



挿絵(By みてみん)

「あ〜〜──、あったけぇ〜〜……!!」



 ……てか、クラウン。ヨロイごと、ぶっかかってんじゃないのよ。

 ドラゴンと混浴? ……まぁいいけど。


 ふぁ……な、なんか、チカラ抜ける……。


 なんだろ、この背徳感は……。


 お城の一室で、床に座って、


 ベッドにへたりこみながら、


 周りが、べっちゃべちゃになるのを気にせずに、


 お湯をぶっかぶる半裸娘……。


 ……あはっはははは! ひどいな私。


 お城のメイドさんとかが見たら、悲鳴あげるんじゃないかしら。


 ふぃ────……いきかえるぅ……!



 ──コポコポ……ジャアアァァァ────!!!



「……このおっきいベッド、ちょっと寝転んでみたいなぁ……一生で、あるかないか……。後で、ぜんぶ脱ぐね……? ……。くぼぼ、がらがらがらがらがらァァァ……ベッ」


『────クルルカン。先程のあなたの行為は:私の中で一等高いレベルに分類されています。覚えておきなさい。私は忘れたりはしません。』


『>>>いやぁ──ごめんね? 目の前に、あまりにも見事なスクエアにひらいた空間があったもんだから……ほら、チャンスは貯金できないって言うだろ?』


「けんかしないのよ──。シャバジャバぶぐ──っぺあ! 耳に水はいった! ぬゃ!」



『────……。』

『>>>……な、なにさ……』

『────……、  。』


 ──ぐぃぃ!


『>>>っ! なっ……』



挿絵(By みてみん)

『────……" (おいしかった、) (です……)"。』

『>>> っ! ───、…… 』



 ──ジャババァァァ──!!


 ビチャビチャ……。



「ちょ、けんけする、ケンケン……く、クラウン! なんでクルルスーツ、まだ半分、噛み付いたままなの! バランス悪いから、いったん全部とって欲しいんたけど……ととっ!」



『────……………………。』

『>>>…………………………』


「にょんや……ぷす──……Zzz……」



 とっ、とっ──。


「……と、とれにゃい、水……ちょ、お二人さん、聞いてます? もしもーし……」



『────……、……。』

『>>> (きっ……) (きみも照れるなら、) (やらなきゃいいん) (だっ……!)

『──── (……っ!?) (、ぅぅ……)。』



『──どしたミュ:どしたミュ?。』

『──クラウンたま:ほっぺたが時限結晶色ミャー!。』

『──クルルカンも:けっこーなもんニャン♪。』

『──若気の至り:ってヤツニャか……?。』

『──何ニャそれ!?。』

『──フッ……:"アオハル"ってことニャ……。』

『──ドンが風呂はいってる時に:何やっとんのニャ?。いいぞもっとやれニャ。』



「……おいこら今ドンっつったの七号機だろ、夢であったら覚えてろよ……? あ! 耳、水とれたっ!」


『──……二号機ですニャ?。』

『──ミャッ……。』



 ……うそこけ、ネコ助……。 

 アンタしかおらん……。



 ──ジャアアアアアアァァ──……。



「……よい、しょっと……」



 ブチチチッッ……キン……。



 クルルスーツが半脱ぎで止まってしまった。

 仕方ないので、自分で脱ぐから。

 足に絡みついた、ブーツのお肉を、ひっぺがす。


 ぷぁ、反動で顔にお湯がとんだ。



 ……ジャアアアァァ……。


 ……湯気……。


 ……。



「王城の書庫でシャワー浴びたら、処刑されちゃうかなぁ……しょぼん……」


『>>>あ、だ、大丈夫。湯気も歯車で格納できてるから……』


「ほんと!? あ、これね! うわぁ、ありがと。ところでクラウンは?」


『>>>湯気がでてる……』


『────……、……〜〜。』



 ……?



「……そっちも格納、まかせたわ?」




 ────。




 ポチョ、ポチョ……ふわっ。




 私の前髪から垂れた水滴たちが、


 床に落ちず、途中で浮かびあがり、


 宙の歯車の中心へ、ゆっくりと向かっていく。


 ぷるぷるした宝石のような水の玉に、


 夕焼けがブレンドされ、非日常的な光景を生み出してた。


 キングベッド(仮)の下の絨毯には、まったくシミがない。


 お・み・ご・と……っ!



 ──────髪を、ふるう。



 ──バサァ────!!!



「ふぅ────……。クラウン……わがままきぃて……? 全身の水分を格納するの、ちょっと待って。お風呂あがりの余韻に浸りたい。あ──……、髪は少し、かわかして……?」


『────……ふふ。

 ────レディ(準備完了)。オーダー把握。』



 きゅううん……。


 お風呂あがりって、髪はずいぶん重たくなっちゃうけど、

 火照った身体の感じは、好きだ。

 ……少しずつ、肌の水滴が空気にとけていく、この感覚……。



「……そういやさ? 長いことタオル、使ってないよね。サキ達を拭く時ぐらいだわ……」


『────ご利用でしょうか。』


「……あは、それくらいやる」



 歯車から、ホカホカのタオルを出して、

 前髪を持ち上げ、顔に、当てる。



「──ぷぁっ──ッッ!!」


『>>>……"王"よ、お湯加減は、いかがでしたでしょうか』


「……ぶっふふふ、バチが当たるくらいには、よかった! 先輩、その感じ、めっちゃ似合わねぇ」


『>>>失礼な王だ……』



 髪を拭きながら、落ち着いて室内を見回す。

 やはり、本まみれだ。

 ……お風呂はいってごめんなさい。


 ベッドの回りと、部屋の中央の絨毯は、

 エンジ色に金糸で刺繍がしてあり、

 それをふんづけている。


 それ以外は、かなり濃い焦げ茶の、ツルツルした、

 木の床だった。ひとつの木の板が、かなりおっきい。

 高級そうだ。学校のと、ぜんぜん違う。


 絨毯のもひゅもひゅ。

 床のテカテカ。

 オレンジの演出。


 こんなところに全裸でつっ立っているのは、

 ほんっと、非現実的としか言いようがない。


 ……はぁ。これが贅沢というやつか……。



「まど……」


『────。』


『>>>──あ』



 カチ……ギッ……、────────。


 ベッドの横の窓を、開けた。



「……………………すごいや……!」



 窓は、けっこう外に突き出して作られており、

 

 あんまり、近づく事ができない。


 腕の長さくらい、遠い窓。


 でも、切り取られた絶景が、そこにある。



『>>>……裸の王様? 誰かに乙女の体、見られちゃうかもよ?』


「え、あ……でも」



 手で、一応、前を隠すけど……。



『────下部の建築の屋根によって:この窓は地上:向かいの窓からは隠れるように配置されています。』


「──ね? こっちから、そゆうの見えないもんね?」


『>>>そうなの!? うーん……意図的に見えなくしている部屋なのか……?』


「先輩も見ればわかるよ?」


『>>>>……"王様"が、裸なのに?』


「ぁ……そーでした」



 ……いかんいかん。


 王冠くるくるの、裸の王様だったわ私……。


 私は痴女ではない。


 あの剣士のように、痴女ではない。


 窓から全身の肌に、風を感じる。


 ほどよく、身体の水っけがとんでいる。


 ねむっている、白き友を見た。



「にょぷやぁぁあ……zzZ……」


「……こんにゃろ──……いちばんのりしやがって──……」



 くそぅ、羨ましいじゃないの……。



「にょんむにょんむ……にゅっ……」



 ……ふふ、なんやこいつ。


 まんまるやないか。



「にへっ……いいコト、思いつーいた……!」



 タタタ……。


 うさ丸が眠るベッドから、少し離れる。


 ふっふー、助走距離(・・・・)は、こんなもんで充分でしょ。



『────予測完了。』


『>>>ははっ……』



 こんな田舎娘を、こんないいお部屋に入れた(むく)いだっ!

 大きなベッドに、小娘がダイブするくらい、いいでしょう!


 ──きひひっ!


 タタタ……!


 ────ダンッ──!!



「──お──きろぉ──!! ねぼすけラビットぉぉ────!!」




 宙に、タオルが舞って────、


 私の柔肌が、ピカピカベッドに吸い込まれる────!






 ──そして、悲劇がおきた。






 もっっっふううぅぅぅっっっ────!!!!!!!




「ふぁっ──、──!?」




 な、なんじゃこりゃあああい!!!



 すごい!!!



 ふっわふわ!!!



 もひゅんもひゅん!!!



 これは、布団なのッッ!!?



 全身に、この感覚は、衝撃。



 こ、これは、良いものだ……!!!



 人生で初めて経験した、めっちゃ高級なベッド。



 研ぎ澄まされた感覚で、



 すばらしいお布団の気持ちよさを、受け止める。




 ────そこまでは、よかった。




「──ん?」




 へこむ(・・・)



 お布団が、へこんでいく(・・・・・・)



 時が、ゆっくりになるような……。



 な、何これ、クッションみたい……!?



 高級なお布団って、こんなに弾力あるのおっ!?



 め、めっちゃ、気持ちええ……。



 あ、でも、反動で、戻りそう……。





(…………戻る(・・)?)





 私が跳びのって、限界までヘコんだ、高級お布団が、


 ────反動で(・・・)戻る(・・)


 爆発のような(・・・・・・)


 膨らみのチカラが(・・・・・・・・)──……!!





 ──────バぼぉあぉおおんっっ──……!!!!!!!





 ────気づいた時には、





「────にょ!? にょにょにょッッ!!?」


「 ────ッッッ!? 」





 うさ丸の体は(・・・・・・)



 宙に浮いていた(・・・・・・・)





 ──── ま ど が 、 あ い て い る  。





「 し ま っ …… ! ? 」





 や



 いける



 まだいけるっ!



 今、はだか。



 スキルは、使えない。



 でも、今!!



 ここで、蹴り飛べばっ!!



 あの、丸こいボディに、



 手がっ、とど────────……!!






 ────バボんっっっ────!!!




「 ── わ ひ ゃ っ …… ! ? 」




 お城のベッド、ぱねぇ。



 ふみこみ(・・・・)が、お布団の弾力に、とられた。




「 わ っ 、 ひ ゃ っ 、 ほ っ …… 」




 ばやんばやん。



 15歳のハダカが、ベッドで、はずむ。



 うさ丸は────……







「──にょにょにょにょ────!!?」







    う

    そ

    で

    し

    ょ


    ?






 スッ……

 




  「

   に

   ょ

   ん

   む

   う

   ぅ

   ぅ

   ぅ

   

   

    」









「    」


『   。』


『>>>   』








     うさ丸、



       窓から、





          おちた。








「──ぴゃああああああああああああああ!!!!???」







  ┃┃

+ ∩ ∩ !?

●(ฅ˙꒳˙ฅ)●



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] 落ちたあああああ!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ