裸の王様は、今日もやらかす。 さーしーえー
一巻発売から、明日ではや1ヶ月!!
+(●´ω`●)*.+゜
あ、今回は割とアレな回です(笑)
「にょん……Zzz……」
「……こんの、うらやましい……」
オレンジに染まる、秘密の書庫。
その、大きなベッドの横。
床に足をくずして、へたりこんでいる。
白い友は、白いシーツの友だちんなった。
ベッドに頭をのせ、
あらためて、自分の足を見ると、
けっこう、足のラインがでてるヨロイだよなぁと、
どうでもいい事を、考える。
……はぁ〜〜。
「……ちょっ、もうムリ。お風呂はいりたいっす……」
『────。』
『>>>ありゃー』
……──ちかれた。
昨日から、いささか心労が多すぎる。
ぷしゅ──っと、頭がボ────ッとする。
身体はまだ動くケドも……うん、ダメだ。
私に休息をくれ。
『>>>シャワーやっちゃうかぃ? ぼくはいつでも見ないフリさ?』
「あほぅ、それだと見てる事になんでしょ。……反対、しないんだ?」
『>>>おっとそうだね……いーんじゃない? この部屋、そう簡単に入れる所とは思えない』
「たしかに」
空の階段を通らないと、来られないわけだし。
私が入ったら閉まったな。
……でれなくね?
『────アンティの精神状況の回復は:最優先事項です。クルルスーツ・レディオル改を解除しますか。』
「……うん、おねがい……」
──きゅううぅぅん……──ガチン。
静かなオレンジの中、私の金の外殻にヒビがはいる。
ジグザグなのは、ご愛嬌。
──バシュッ! ──バシュッ!
───ジャカッ……キキ、ン……!
───オオォ、ォォォオオ……、
───……グチャアアァ……!
───べリッッ、ベリりッ……。
装甲は裂け、もちあがり、至る所が展開し、
様々な色合いの金の内側から、
隠されていた肌と、赤黒い肉の筋が、露出する。
そう、コレの内側は、もれなく生肉のオンパレードだ。
私の体温で温められたソレが、外側にひらいた装甲にひっぱられ、
私の素肌から、ジワジワと、剥がれる。
肌から肉が離れてる時、むずむず、ぞわぞわする────。
ま、慣れたけど。
15の娘に、ひどいしうちだ。
「んっ……」
……。
脱ぐ時に、ちょっと肌がひっぱられる所があって……。
まぁ、ドラゴンさんに飲み込まれてたワケですよ。
甘噛みですね。
……。
フワァぁ……。
うわぁ……アクビでた。
ふぅ〜〜……。
肌の露出は、上から下へ増えていき、
お腹と、背中のロックが、トけはじめる。
肌の温度が変わって、いいあんばいだ。
──チキチキチキ……、
……──ゾォル……ル、
──シャン。
……ん?
あるぇ。
……。
「……ねぇ、クラウン……」
『────はい。』
「……私、ぱんつ、はいてないんだけど……」
『──── 』
……。
……。
……クラウン?
お──い。
「きいてるかー」
『──── 』
『>>>フリーズしてるね』
「……そなの?」
『>>>……うん。白目で、口を四角に開けて、固まってる。間違いなく、クラウンちゃんのレアショットベストスリーだね……』
「はは……」
クラウンのやつ、ヨロイと一緒に、
ぱんてぃ転送するの、忘れたな……?
……うー、気疲れで、頭まわんない。
「……せんぱい、クラウン起こして。お湯でない」
『>>>え、うーん……口に何か入れてみようか……』
「ゆび」
『>>>ダメだろ……きみ、相棒に遠慮がないね』
「クラウンはね、たまにこーゆーことするから、クラウンなのよ。ベッドを落下させたり、私を落下させたり……」
『>>>あ、けっこうきみ、疲れてるよな……ぼくも、はやくお風呂に入れてあげたくなってきたよ』
「はやくぅ」
『>>>……』
『────がっ。』
「あ、起きた? 何したの?」
『>>>え、だから指でしょ?』
「──ホントにやったのッ!?」
『>>>いま、噛まれてる』
……さっすが絵本の義賊様、勇気あるなぁ……。
『────……。』
『>>>おかえり。我らが黄金姫は、ノーパンくらいじゃ動じないってさ』
「うるせぇ」
『────ほぅひあけあいあえん。すへへは:わあしのふおくおいはふほほほへふ。』
「こんど、箱庭にあるっていう、お風呂で背中流してね」
『────おやふいごようへふ。』
< きら──ん!!!! >
【 目が光りよった…… 】
{{ 目が光ったわね…… }}
「ぶっ……くくく」
『>>>よかったね。ゆるしてもらえて』
『────……おはへははへ。』
「ふぅ……えっからーはよ湯ぅだしてーなー」
『────……ぇぷ。
────レディ。
────格納中の温水を流動開始。』
……きゅぅぅううん──!
……きゅぅぅううん──!
──ブシャアアアアアアアァァァ───!!!
『──①:山火事由来のお湯を:歯車から出すミュ!』。
『──②:ドン・アンティに:ぶっかけニャ!。』
『──③:過剰なお湯を歯車で吸い込むニャン♪。』
──シャワァァァアア────!!!
じゃばじゃばじゃばじゃば────!!!
「あ〜〜──、あったけぇ〜〜……!!」
……てか、クラウン。ヨロイごと、ぶっかかってんじゃないのよ。
ドラゴンと混浴? ……まぁいいけど。
ふぁ……な、なんか、チカラ抜ける……。
なんだろ、この背徳感は……。
お城の一室で、床に座って、
ベッドにへたりこみながら、
周りが、べっちゃべちゃになるのを気にせずに、
お湯をぶっかぶる半裸娘……。
……あはっはははは! ひどいな私。
お城のメイドさんとかが見たら、悲鳴あげるんじゃないかしら。
ふぃ────……いきかえるぅ……!
──コポコポ……ジャアアァァァ────!!!
「……このおっきいベッド、ちょっと寝転んでみたいなぁ……一生で、あるかないか……。後で、ぜんぶ脱ぐね……? ……。くぼぼ、がらがらがらがらがらァァァ……ベッ」
『────クルルカン。先程のあなたの行為は:私の中で一等高いレベルに分類されています。覚えておきなさい。私は忘れたりはしません。』
『>>>いやぁ──ごめんね? 目の前に、あまりにも見事なスクエアにひらいた空間があったもんだから……ほら、チャンスは貯金できないって言うだろ?』
「けんかしないのよ──。シャバジャバぶぐ──っぺあ! 耳に水はいった! ぬゃ!」
『────……。』
『>>>……な、なにさ……』
『────……、 。』
──ぐぃぃ!
『>>>っ! なっ……』
『────……" "。』
『>>> っ! ───、…… 』
──ジャババァァァ──!!
ビチャビチャ……。
「ちょ、けんけする、ケンケン……く、クラウン! なんでクルルスーツ、まだ半分、噛み付いたままなの! バランス悪いから、いったん全部とって欲しいんたけど……ととっ!」
『────……………………。』
『>>>…………………………』
「にょんや……ぷす──……Zzz……」
とっ、とっ──。
「……と、とれにゃい、水……ちょ、お二人さん、聞いてます? もしもーし……」
『────……、……。』
『>>> 』
『──── 。』
『──どしたミュ:どしたミュ?。』
『──クラウンたま:ほっぺたが時限結晶色ミャー!。』
『──クルルカンも:けっこーなもんニャン♪。』
『──若気の至り:ってヤツニャか……?。』
『──何ニャそれ!?。』
『──フッ……:"アオハル"ってことニャ……。』
『──ドンが風呂はいってる時に:何やっとんのニャ?。いいぞもっとやれニャ。』
「……おいこら今ドンっつったの七号機だろ、夢であったら覚えてろよ……? あ! 耳、水とれたっ!」
『──……二号機ですニャ?。』
『──ミャッ……。』
……うそこけ、ネコ助……。
アンタしかおらん……。
──ジャアアアアアアァァ──……。
「……よい、しょっと……」
ブチチチッッ……キン……。
クルルスーツが半脱ぎで止まってしまった。
仕方ないので、自分で脱ぐから。
足に絡みついた、ブーツのお肉を、ひっぺがす。
ぷぁ、反動で顔にお湯がとんだ。
……ジャアアアァァ……。
……湯気……。
……。
「王城の書庫でシャワー浴びたら、処刑されちゃうかなぁ……しょぼん……」
『>>>あ、だ、大丈夫。湯気も歯車で格納できてるから……』
「ほんと!? あ、これね! うわぁ、ありがと。ところでクラウンは?」
『>>>湯気がでてる……』
『────……、……〜〜。』
……?
「……そっちも格納、まかせたわ?」
────。
ポチョ、ポチョ……ふわっ。
私の前髪から垂れた水滴たちが、
床に落ちず、途中で浮かびあがり、
宙の歯車の中心へ、ゆっくりと向かっていく。
ぷるぷるした宝石のような水の玉に、
夕焼けがブレンドされ、非日常的な光景を生み出してた。
キングベッド(仮)の下の絨毯には、まったくシミがない。
お・み・ご・と……っ!
──────髪を、ふるう。
──バサァ────!!!
「ふぅ────……。クラウン……わがままきぃて……? 全身の水分を格納するの、ちょっと待って。お風呂あがりの余韻に浸りたい。あ──……、髪は少し、かわかして……?」
『────……ふふ。
────レディ。オーダー把握。』
きゅううん……。
お風呂あがりって、髪はずいぶん重たくなっちゃうけど、
火照った身体の感じは、好きだ。
……少しずつ、肌の水滴が空気にとけていく、この感覚……。
「……そういやさ? 長いことタオル、使ってないよね。サキ達を拭く時ぐらいだわ……」
『────ご利用でしょうか。』
「……あは、それくらいやる」
歯車から、ホカホカのタオルを出して、
前髪を持ち上げ、顔に、当てる。
「──ぷぁっ──ッッ!!」
『>>>……"王"よ、お湯加減は、いかがでしたでしょうか』
「……ぶっふふふ、バチが当たるくらいには、よかった! 先輩、その感じ、めっちゃ似合わねぇ」
『>>>失礼な王だ……』
髪を拭きながら、落ち着いて室内を見回す。
やはり、本まみれだ。
……お風呂はいってごめんなさい。
ベッドの回りと、部屋の中央の絨毯は、
エンジ色に金糸で刺繍がしてあり、
それをふんづけている。
それ以外は、かなり濃い焦げ茶の、ツルツルした、
木の床だった。ひとつの木の板が、かなりおっきい。
高級そうだ。学校のと、ぜんぜん違う。
絨毯のもひゅもひゅ。
床のテカテカ。
オレンジの演出。
こんなところに全裸でつっ立っているのは、
ほんっと、非現実的としか言いようがない。
……はぁ。これが贅沢というやつか……。
「まど……」
『────。』
『>>>──あ』
カチ……ギッ……、────────。
ベッドの横の窓を、開けた。
「……………………すごいや……!」
窓は、けっこう外に突き出して作られており、
あんまり、近づく事ができない。
腕の長さくらい、遠い窓。
でも、切り取られた絶景が、そこにある。
『>>>……裸の王様? 誰かに乙女の体、見られちゃうかもよ?』
「え、あ……でも」
手で、一応、前を隠すけど……。
『────下部の建築の屋根によって:この窓は地上:向かいの窓からは隠れるように配置されています。』
「──ね? こっちから、そゆうの見えないもんね?」
『>>>そうなの!? うーん……意図的に見えなくしている部屋なのか……?』
「先輩も見ればわかるよ?」
『>>>>……"王様"が、裸なのに?』
「ぁ……そーでした」
……いかんいかん。
王冠くるくるの、裸の王様だったわ私……。
私は痴女ではない。
あの剣士のように、痴女ではない。
窓から全身の肌に、風を感じる。
ほどよく、身体の水っけがとんでいる。
ねむっている、白き友を見た。
「にょぷやぁぁあ……zzZ……」
「……こんにゃろ──……いちばんのりしやがって──……」
くそぅ、羨ましいじゃないの……。
「にょんむにょんむ……にゅっ……」
……ふふ、なんやこいつ。
まんまるやないか。
「にへっ……いいコト、思いつーいた……!」
タタタ……。
うさ丸が眠るベッドから、少し離れる。
ふっふー、助走距離は、こんなもんで充分でしょ。
『────予測完了。』
『>>>ははっ……』
こんな田舎娘を、こんないいお部屋に入れた報いだっ!
大きなベッドに、小娘がダイブするくらい、いいでしょう!
──きひひっ!
タタタ……!
────ダンッ──!!
「──お──きろぉ──!! ねぼすけラビットぉぉ────!!」
宙に、タオルが舞って────、
私の柔肌が、ピカピカベッドに吸い込まれる────!
──そして、悲劇がおきた。
もっっっふううぅぅぅっっっ────!!!!!!!
「ふぁっ──、──!?」
な、なんじゃこりゃあああい!!!
すごい!!!
ふっわふわ!!!
もひゅんもひゅん!!!
これは、布団なのッッ!!?
全身に、この感覚は、衝撃。
こ、これは、良いものだ……!!!
人生で初めて経験した、めっちゃ高級なベッド。
研ぎ澄まされた感覚で、
すばらしいお布団の気持ちよさを、受け止める。
────そこまでは、よかった。
「──ん?」
へこむ。
お布団が、へこんでいく。
時が、ゆっくりになるような……。
な、何これ、クッションみたい……!?
高級なお布団って、こんなに弾力あるのおっ!?
め、めっちゃ、気持ちええ……。
あ、でも、反動で、戻りそう……。
(…………戻る?)
私が跳びのって、限界までヘコんだ、高級お布団が、
────反動で、戻る。
爆発のような、
膨らみのチカラが──……!!
──────バぼぉあぉおおんっっ──……!!!!!!!
────気づいた時には、
「────にょ!? にょにょにょッッ!!?」
「 ────ッッッ!? 」
うさ丸の体は、
宙に浮いていた。
──── ま ど が 、 あ い て い る 。
「 し ま っ …… ! ? 」
や
いける
まだいけるっ!
今、はだか。
スキルは、使えない。
でも、今!!
ここで、蹴り飛べばっ!!
あの、丸こいボディに、
手がっ、とど────────……!!
────バボんっっっ────!!!
「 ── わ ひ ゃ っ …… ! ? 」
お城のベッド、ぱねぇ。
ふみこみが、お布団の弾力に、とられた。
「 わ っ 、 ひ ゃ っ 、 ほ っ …… 」
ばやんばやん。
15歳のハダカが、ベッドで、はずむ。
うさ丸は────……
「──にょにょにょにょ────!!?」
う
そ
で
し
ょ
?
スッ……
「
に
ょ
ん
む
う
ぅ
ぅ
ぅ
」
「 」
『 。』
『>>> 』
うさ丸、
窓から、
おちた。
「──ぴゃああああああああああああああ!!!!???」
┃┃
+ ∩ ∩ !?
●(ฅ˙꒳˙ฅ)●










