プレミオムズ集会⑧ さーしーえー
活動報告に、
『 はぐるまどらいぶ。第一巻 』
専用の感想板なるものを作ってみた……!
((((;゜Д゜))))
需要あるかわかりませんが(笑)
シャッチョさんジャッジメントは
発売日から一ヶ月後らしいです……(;º言º)+
さて。
毒針バッキュン宝箱を、
見事、消し炭にした、私ですが……。
「「「「「「じ~~……」」」」」」
「…………」
……めっちゃ見られてますねぃ。
いやっ!! きききっと気のせいよッッ!!?
ちょっとバイキングして、
ちょっと地図描いて、
ちょっと魚さばいてビン開けて、
ちょっと訪ね人を探しだして、
ちょ……ちょっと、毒針を消し炭にした、だけじゃない!!
……ぅおうぇっぷ……。
『>>>後輩ちゃん……自分にウソつくの、やめなよ……』
『──ニャ~~? ドン:アンティ、クマキックの事:忘れてな……ニ"ュギュッッ!?。』
『────……。』
『>>>……クラウンちゃん? なんで突然、七号機の口をふさいだんだい?』
『────何でも:ありません。』
『>>>あ──……、ぼくが倒れている時の記録、見せてくれる?』
『────私の発言を:信用しないと言うのですか。』
『>>>……100を信じて、後で裏切られたと思うよりも、50を信じて、50を許すのが、人と長く付き合うコツ、というのが、ぼくの持論だ。クラウンちゃん……きみ、なに隠してんのさ……』
『────……残念です:クルルカン。あなたとは:もっと信じあえる関係だと:認識していました。』
『>>>ふーん……箱庭の奥の部屋のロック、強制解除しちゃおっかな~~ぁ?』
……。
『────おうぼう:だぁぁぁぁぁ────────!!!。』
『>>>うおッッ……!?』
なんか、今日のクラウン、元気いいわねぇ……。
────ギュッ。
「わっ……!」
さっきまで火事になってた右手を、オシハさんに掴まれた!?
──いいい、いつのまに側にッッ!?
「ふむぅ〜〜……」
「……、……?」
オシハさんが、しげしげと、私の金のグローブを見てます。
「あ、あぅ、あの……」
「ん? ……ふっふぅ〜〜♪」
私の手を掴んだオシハさんが、"にへら〜〜"と、笑った。
──あっ。なんかやべぇ──!!
と、思った時には、遅かった……!
「てぃっ」
────ぐるんっっ!!
「──ふぁっっ!?」
変な声でた!!
オシハさんが、私の右後ろに回り込んだと思ったら!
な"っ!? な"に"こ"れっ!? 腕がっ!?
身体がっ、関節がっ、動かないっ!?
どうなってんのコレッッ!?
ふわぁ……
うううううわぁぁああ!! 両足浮いたァァあ!!!
持ち上げられてるぅぅぅうう──!!?
「……ねぇベア、ちょっとこのコ、借りるわね?」
「……おーぅ、どうすんだぁー」
「ふふふふふっ♪ 取り調べよぉ〜〜♪ 盗賊を見つけたプレミオムズは、お・シ・ゴ・ト♪ しなくちゃあ〜〜ね?」
──ぎゃあああああああああああぁぁぁ!!!!!!!
「ほーらマジカ、あんたも来なさい? いざとなったら、ひんむくわよぉ!」
「マジでか。よっしゃ」
「楽しそう──!! エコープルもいく───!!」
なにが楽しそうなのよッッ!?
ん、え、ちょ、ちょと!? "ひんむく"って!?
や、え!? まっ、や……!?
私を抱えたまま、すたすたと奥の部屋に向かうオシハさん。
「……──助けてぇぇぇぇえ────!!!」
「ぁ──……、いってらっしゃいでござるぅ───♪」
パタパタパタ──。
私が最後に見たのは、明るい笑顔で手を振る、
優男風のサムライさんだった……。
「にょんやぁ……」
よぅ。
おれの名前は、ベアマックス・ライオルト。
"重盾職"のプレミオムズをやらしてもらっている、クマっぽいクマだ。
いきなりだが、おれは今、猛烈に反省している。
けっこうえげつない宝箱のトラップが、仲間の一人に炸裂しかけたのだ。
開けた瞬間、毒針が発射される類のヤツだぜ。
「ユユユ殿、大丈夫でござったか?」
「───ええ!! いやぁ───!! ビックリしました!!! まさか、あんなトラップが仕込まれていたとは!!!」
「顔面直撃コースだったな……」
「いやぁ───!! ぼくも不注意でしたぁ───!!! アレが当たってたら、"ボクのスキル"、バッチリ発動しちゃってたかもですねぇ──!!!」
「ははっ……シャレにならんでござるな……」
「おま、アレはこっちが危ねぇからよ……」
まったく……。
もし、あの毒針がクリーンヒットしていたら──……。
"こいつのスキル"の効果で、
あたり一帯、吹き飛んじまってたところだぜ……。
「おれらも迂闊だったけどよ、周りに人がいるときゃ、まずお前が気をつけろよなぁ……」
「いやははは!!! すいませんってばぁ──!!!」
ふぅ……やれやれ。
ユユユは、"回復職"としては、かなり特殊なステータスだからな……。
「こんな小さな宝箱なら、ユユユなら大丈夫だろう」と、
多分、皆が思ってしまっていたぜ……こいつは反省だぁ。
"黄金の義賊"がいて、なんとか、事なきを得たが……。
「しかしスゲェな、あの新米……手で止めれるか? 普通……」
「すごかったですよ!!! ぼく、イチバン近くで見てましたけどね!? あっという間でした!!!」
「お見事でござったな。毒を焼き払う手際も、流るる川のごとく、鮮やかな動作だったでござる」
「あ、おい、ヒナワてめ。おま、さっき、"鳥居銃"、取り出そうとして、やめただろぉ?」
「──えっ!!?」
「あ、わかっちゃったでござるか?」
「クマなめんなよ? おれは"体"は遅いが、"目"はいいんだぜ?」
この若様は、一応、"軽技職"のプレミオムズだからなぁ……。
総合的な"速力"は、おれ達の中では、一番持ってるはずだ。
さっき、ユユユが宝箱を開ける時、こいつは懐の銃を、
"戻"そうとして、んで、途中で止めやがった。
「そうだったんですか──!!!」
「すまんでござるよ、ユユユ殿。しかし……」
「……"何を見て、やめたか"、だよな?」
「──! ふ……」
ヒナワの口が、ニヤリと、弧を描く。
「──"金の御手"の方が、わずかに速かったのでござるよ」
「……」
「それって!!?」
「あれは元々、警戒していたからこそ、できた動きでござるな。某は、ゆずったカタチになり申す」
「……ふむ」
こいつの得物は、銃だからな……。
あの新入りと、ダブらないように、引いたか……。
しかし、そうなると、あのクルルカン……。
・・・
「え────い!!」
「わぁああああ────っ!!」
どっしゃ────んん!!! ……ギッシギシ……。
「マジかこいつ……おいおっぱい、なにゆえクルルカンを、仮眠用のベッドに投げよる」
「──はぁ? 女盗賊をベッドの上で取り調べるのは、社会の常識でしょう……?」
「そうなの───!? エコープルしらなかった──!!」
「マジで怖いなおまえ……」
・・・
「……あの金ピカ娘、今までにも、こういう経験があったんだろうか?」
「"配達職"が、ダンジョンのトレジャードロップの罠解除を、でござるか? しかし、手で掴み取るというのは……ははは、なんだか笑ってしまうでござるなぁー」
「そうなんだよなぁ……あいつ、"配達職"なんだよなぁ」
この間、突然プレミオムアーツから通知された、
"配達職"のプレミオムズの追加、という件。
正直、プレミオムズアーツの故障かもと、思ったもんだぜ。
しかし、今日、初顔合わせしてみりゃあ、
"女クルルカン"のカッコウをして、メシをオゴってくれるときたもんだ!
───くっくっく!
まったく、どうなってやがるんだか。
・・・
「ふっふ、ふっふ……まったく、どうなっているんだか……さっきから私、気になっていたのよ……! その黄金の鎧、一見ただのクルルカンに見えるけど……」
「ひ、ひぃっ……ッッ!?」
「その、計算されつくした、女性特有のボディラインの見せ方……! 普段、服を着ていたら見えにくい、神秘性のある柔肌の部位だけを露出させた、いじらしい構造……!」
「マジへそとか丸見えだもんな」
「おへそまるみえ────!!」
「うえっ、うぇぇっ……ッ!?」
「ふふふふふふ……? これは一度、"てっていてき"に調べる必要がありそうねぇ……? さあッッ!! はきなさい、クルルカン……!! あなた、いったいどこで、その鎧を手に入れたのッッ!?」
「じっ、自由への逃走ッッ────!!!」
「──させるかぁ!! いきなさいっ!! エコープル!!」
「ええ───────い!!」
「────なぁッッ!?」
──がばぁ。
「───ハッ!! かかったわねクルルカン!! やはり、くさっても黄金の義賊……! 飛びかかった幼女を、受け止められずにはいられまい!!」
「ぎゅう────!!」
「し、しまったぁぁああああ────!!!」
「マジカ、ブーツ押さえといて」
「いーけど、マジ何すんだおまえ」
ギュッッ……ギッシギッシ。
「はっ、はなせぇぇえええええ!!!」
「ふ……こんな穴だらけの鎧で、私の前に立ったのが、運の尽きよ……!」
しゅるり……。
「──ひゃんッ!?」
「ふふふ、まずは、わき腹のココからね……だぁいじょうぶ……優しくしてあげるから……♪」
「ぅ、うわぁぁぁああん、お母さぁぁあああああああ────んん!!!」
・・・
「……で、ほっといていいのでござるか?」
「んあ? だいじょぶだろ」
「い、いいのかなぁ……???」
女って、たまにギャーギャーして仲良くなるもんだろ。
今、こっちの円卓の部屋に残っているのが、
おれ、ヒナワ、ユユユ、
「にょんむ?」
あ、あとラビットか。
すぐそこの、奥の部屋に行ったのが、
拉致られた女クルルカンと、主犯格のオシハ&マジカ、
あと、キャッキャついていった、エコープルだ。
「……うさ丸、っつったな。おまえ、オスか?」
「にょきっと!」
「うぅむ……す、すごい鳴き声でござるな……これは肯定の意思でござろうか?」
「このラビット!!! 言葉が理解できるんですかねッッ──!!?」
確かに、なんとなく言ってる事が伝わっている気が……。
ラビットのユニーク個体って、こんなになるモンなのか……?
ま、こいつのことを信じるなら、
きれいに男女別になったってことだな!
まぁ、すぐソコだ。近い。
5メルも離れていないだろ。
ちょっと、そこを曲がった所の部屋だ。
姿は見えねぇが、ドアは開けっ放しみてぇだ。
ほれ、音なんか、丸聞こえで──────。
・・・
────キンドシャッッ!!
ドタバタ、キンカン……! ガン、ゴン……、キィ───ン……!!
「──マジカ! そっち行ったわよ!!」
「いま、マジで壁にはりついてなかったか!? クルルカン!!」
「すご──い!! はや──い!!」
キィンキィン、キィィィ────ン!!!
・・・
あ───ほらな?
めちゃくちゃ音、聞こえるだろ?
おれ達の会話も、向こうに届いているんじゃねぇか?
ふぅ、よーし。
女だらけのクルルカン捕縛大作戦が行われている間に、
こっちはこっちで、この宝箱を調べといてやろう。
ふーむ、と言ってもこんだけ小さな箱だとなぁ……。
やっぱトラップ以外に入ってねぇよなぁー。
見事に、スッカラカンだ。
こりゃ、小物入れ、決定だな。
・・・
「ほら捕まえたぁ────!!!」
「いッッ、やあああああっ──!!?」
ギャルルルルルルルル────ッッ!!!
「マジで……なんかめっちゃ回ってんぞ」
「変な靴だねぇ──!!」
「ほぉら……ちょっとだけ、ちょっとだけだからぁ……!」
「いぃぃやぁぁあああああ────!!!」
「あら、あなた、そのお尻……? 」
・・・
「にょきっと! にょきっとなぁ!」
ふるふり。
お、このラビット、ケツにシャレたモンつけてやがる。
なんだこれ。アクセサリーか?
「……ベア殿、某からも、一つ、尋ねてよいでござるか?」
「んお?」
ヒナワが、食えない優男風の微笑を消し、
いつになく真剣に、こちらに向きなおしやがる。
「ベア殿が最初、寝起きの娘に襲いかかった時……」
「……ちょっとやめてくんない?」
「"あの寝起きの一撃"……どうだったのでござるか?」
「……」
ヒナワは、あの"黄金の蹴り"の事を言ってやがるな……。
「……恐らくだが、あの"蹴り"は、おれの"盾"でもヤバかったかもしれねぇ」
「ほぅ……」
「ええっ!!? な、なんの話ですかっ!!? ベアさんが受けられない蹴りなんて、ありえないじゃないですか!!!」
「ふん……。おれも、そう思ってたんだけどなぁ……」
スキルや、魔法や、武器ならわかる。
すげぇ威力のモノが、あるからなぁ。
そういう高ぇ威力の攻撃は、
クマの本能みたいなもんで、わかるもんだ。
……だがよ。
さっき、黄金の義賊が繰り出してきたのは、
"光の塊みたいな蹴り"だった……。
しかし……ただの"蹴り"で、あんな──……。
「……あの"フライパン"、でござるか?」
「!! ……」
「え!? え!??」
なんだ、ヒナワのヤツ、気づいてやがったのか……。
「……後で、話そうぜ。いや、実はよ、おれも、よくわかってねぇんだよ……」
「……ベア殿。某の見立てでは、フライパンだけではなく、あのフォークと、包丁も……」
──!?
「……どういうこった? まさか、あの食器にも、なにか──……」
・・・
「ふふふ、ほぉーらぁ♪ もぉー逃げられないわよ……」
「やっ、ちょ! ひ、ひゃんッ、やめっ……ぎにゅ、ぎにゃにゃあ〜〜……!」
ギャルギャルルルル……。
「……ふーん、肉付きはけっこう普通ねぇ? あの身体能力なら、もっとインナーマッスルがあると思ったんだけど……うりうり。ふふっ……小ぶりなのも、なかなかいいわね……」
「や、や、や……て、てぇ、ぬいて……」
「ねーマジカお姉ちゃん、なんでエコープルに、目隠しするの──?」
「よいこはマジでみちゃいけませんだからだ」
「にゅッ……ぎっ……ぎぶ、ぎぶっ、ですっ、からぁ……?」
「はぁ……癒されるわ……あ、そぅそぅ、肌着のラインが見えないんだけど、いつもはいてないの?」
「ぃ、いやぁぁあ……もぅお、やぁめてぇえぇ〜〜……!!」
・・・
「……」
「……」
すくっ……。
「……おま、おいこら、そっち行くな、二人とも座りやがれ……」
「……にょっき?」
「……殺生な」
「え──!!!」
のぞ……立ち上がろうとした侍と小僧を、止めておいた。