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プレミオムズ集会②

ひとやまこした……ふにゃふにゃ⊂⌒っ´ω`)っ



 ドニオスギルド専属の解体職である、

 水色の髪を持つ乙女。


 ────ヤン・センマイは、束の間の休息に、

 出版ギルドの特集雑誌を読んでいた────。




─────────────────────────────


 【 背開き 】[ 解体スキル/技 ]

 ★お魚をお腹からではなく、

  背中から"かっぱぁー"する解体スキル。縁起物の

  長い魚や、干物、腹部に毒がある魔法魚などに使われる。

  あらゆる世界を旅しているという伝説の食べ歩きエルフ、

  ナナナ・レポマロは、数年前に訪れた小さな街の食堂で、

  小さな金髪の女の子が、5ビョウで5匹の魚を背開きに

  している所を目撃しており、一番新しい彼の自伝には、

  その時の驚きと感動が、鮮明に綴られている。


─────────────────────────────

       (引用:月刊バラバラ特集号)



「……──はっは──!! 1ビョウで背開きとかムリに決まってんだろぉ──!! 私でもムリだわ、ウチのクルルカンじゃあるまいし、そんなビックリ人間、そうそういねぇって──!!! むりむりむりむりむりむり────…… 」





 王都──。



─────────────────────────────


    ●本日のプレミオムズ集会●



 ✓①地図の修正・改善

 ★②東方面ホールエルの食材調査←【イマココ】

  ③前回の開かないドロップ品について

 ✓④南方面ナトリ、火の玉、光の柱について

  ⑤消息不明の魔法薬剤師について

  ⑥ダンジョン報告(ユユユさん)

  ⑦新人さん(アンティさん)への諸注意(優しく!)


─────────────────────────────





金娘「──とっ」


 ──しゅぱしゃくるっパキっ。


金娘「──ていう風に、背開きにするんですよ」

金冠『────0.7ビョウ:です。』


萌殺「……ま、マジはえぇ……」

銃侍「……返しが……見えぬ、だと……」

幼官「すご────い!」


 くじびき(うお)は、お腹に小さな毒玉があんのよ。

 なので、こうやって……


金娘「……──あ、これですね。ここが黄色なら大丈夫です。緑だとヤバいですね」

萌殺「マジか、これ黄色いと、食えんのか」

金娘「ええ、フライとかムニエルがオススメですよ!」

銃侍「これはなんなのでござるか?」

金娘「あ、それは今とったエラですね……」

姉乳「……ベア、あの包丁、どう思う……?」

熊神「んぁ? まぁ、料理の事はよくわからんが、見事だと思うぞ?」

姉乳「そうじゃなくて……」


 ──ぐぅきゅるるるるぅ……。


 ──!!


熊神「……なんだ今の……」

玉兎「……にょきっとな?」

幼官「あはは! ユーくんからだったよ──!」

白童「あああ、あのぉ──……、大変申し上げにくいのですが……みなさん、もうご飯たべたんですか!!! ぼ、ぼく、まだなんですぅ〜〜」


 ……。


熊神「おい新米……"クルルカンおまかせ定食"、頼めるか……」

金娘「……ま、まいどあり〜〜……」


 ……──シュルルルル──……しゅおん!


熊神「──!」


 マントの布と、ダイさん(フライパン)(こす)れて、

 きれいな金属の音がした。


< 安ちーん! わっち、まださっきのこと許してないからねぇ──!! 今度、お風呂でお背中流させていただきますっ!! >


 はは……。

 寝ぼけて、ケリ入れちゃったもんね。

 ごめんなさいです……。

 ん? そ、それって立場、逆じゃないのっっ!?


 あ! やべ、火ぃ、どうしよっかな。

 あ──……よっしゃ。

 バヌヌエルの村で、やったみたいにしよぅ。


 私の金のグローブ。

 その手のひらには、平たくなった金の歯車が、

 3つほど張り付いている。

 当然、それは"バッグ歯車"になるわけで……。


金娘「よしょ」


 キィン……!


熊神「お、どした……フライパン、手に置いたりしてよ」

金娘「あ──……はは」


(クラウン──、"中火")

『────レディ(準備完了)。』


 ──ボッ!!


他プ「「「「「「 ──!! 」」」」」」

金娘「わ、わたし、簡単な火の魔法が使えまして」


 ビカァ────!!


熊神「あ」

姉乳「あ」

萌殺「……」

銃侍「ご」

白童「え」

幼官「あ──!」

玉兎「にょきっと!?」


金娘「──えっ!?」


 う、うさ丸が、赤く光ってる!?

 えっ!? なに!!? 巨大化すんの!?


幼官「よいしょ!」

金娘「あ……」


 ちがうわ……。

 後ろの、エコープルちゃん? が持ってた、

 透明の玉が、赤く光ってる。

 ……ビックリした。うさ丸がピンクに見えたじゃないの!


金娘「あの、それ、なんか光ってますよ……?」

姉乳「……──!! あ、あ、あのね、これは魔法で光るおもちゃなのよッッ!」


 ビカァ───!!


熊神「──!? おっぱいおま……!」

幼官「ぇ──! ちが、むぎゅ」


 マジカさんが、エコープルちゃんの口をおさえた。


幼官「ふんむう?」

萌殺「そ、そう、マジそうだ。気にすんな」


 ビカァ──!!


銃侍「お、お主ら……まさか……」

金娘「? そ、そうなんですか?」

玉兎「にょむ?」


 ……へぇ──。

 王都って、子供のおもちゃも、魔法式なんだなぁ……。

 それって、私、遊べないんじゃ……まぁいいや。


幼官「 ((……いっちゃ) (ダメなの?))

姉乳「 ((し〜〜〜〜……!))

萌殺「 (コクコクコクコク……)

銃侍「不憫(ふびん)なり……」

熊神「あーあぁ……知らんぞ……」

白童「はは……い、いいのかなぁ……」


 じゅんじゅわぁ──……コンコン。


金娘「できましたよ──」


 ムニエルにして、あまったロールキャベツと、

 クラムチャウダーと出してあげたら、

 とても好評だった。


白童「んんん、んまぁ────い!!!」

金娘「デザートに、ジャムぱんとかいります?」


 ──ガタんッ!! ぶるんっ!!


姉乳「──じゃ、"ジャムぱん"ですってッッ──!? そんなの、絶対美味しいに決まってるじゃない……!! はやく私にも、よこしなさぁ──い!!!」

金娘「は、はぃ……わ、わか……」

熊神「落ち着けおま……いいから、すわれって……」

幼官「じゃむぱん! じゃむぱん!」


 ぼよんぼよん、にょんむにょんむ。


玉兎「にょ……にょきっと」

萌殺「クルルカン、マジ★リスペクト」


 ──グッ。


 ……え、ジャムぱんって、

 けっこう田舎くさいデザートだと思ってたんだけど……。

 この食いつきようは、なして……??


金娘「あ〜〜……えっ──と……、じゃ、ジャムもけっこう種類持ってますよ? どれにしますか?」


 ……──シュルルルル……ごとん、ごとん、ぎんぎん、ごとん。


熊神「おおっ!」

萌殺「クルルカン……マジ、移動食糧貯蔵庫だな……」

幼官「色、きれぇ──!」

金娘「──! ふふ、そうね? 赤とか、オレンジとかあるもんね!」


 ……ん? オシハさんが、じっと、こちらを見ている……。


姉乳「……"全乗せ"はアリですか……」

金娘「え、えぇ……どうぞ……あ、トーストと、ちっちゃいスプーンも出しますね? よしょ」

姉乳「……お金、払ったほうがいいですか……じゅるり」

金娘「──え、えぇっ!? いや、いいですよ……今日は私のオゴリですからっ!」


 ……。


姉乳「あなたを、マイフェイバリット女の子、第2位に任命する」

金娘「……は、はぃ?」

熊神「準優勝じゃねぇか……」


 ……真顔のオシハさんの瞳から、

 とてもキラキラした何かを感じる……。


 グググ……。


萌殺「ジャム瓶のフタかてぇ、マジ開かん……」

金娘「あぁ──!! ごめんなさいっ! 私、最近かなり、かために閉めるようになっちゃって! えーっと、全部、一度フタ、緩めますね?」


 フタが緩んでると、どうしても、いたんじゃうイメージが……。

 や、バッグ歯車内で、それはないんだけどね……?

 キモチの問題でね……?

 テケトーにひとつの瓶を持ち、力を込める。


 ……グッ……。


 ……んん……? かってぇ……。

 ええっ、私、こんなかたく閉めたかな。

 開かないジャムなんざ、ただの鈍器だ。


銃侍「あっ、アンティ殿! それはちが──……」


 ……おら、ドラゴンのヨロイ、なめんなよ────?


 ──ギュオォオオ……!


『────"力量加圧(パワーアシスト)"。』


 ぎぎぎぎぎ……───バッコォォオオオオぉぉッッ……!!!


金娘「うおっ……」


 ……あいたで。どやぁ──!

 ジャムごとき、クルルカンの敵ではないっ!!

 ……ふぅ。や、でも、けっこうな強敵だった。

 ドラゴンの力で、ジャムの蓋、しめたらダメよね……。

 誰も開けられなくなるわ。


銃侍「     」

熊神「おま…………それッッ!!」

姉乳「バリッバリ、もぐもぐ……開いたわねぇ……うっま!」

幼官「クルルカンのお姉ちゃん、すごぉ──い! それ、"前"の時、誰も開けられなかったんだよぉ──!!!」


金娘「……ふぇ?」



 ③前回の開かないドロップ品について

─────────────────────────────


 あ、ありゃ……?

 これ、私のジャムじゃない……?

 よく似た瓶だけど……なんだこれ!!

 中身、透き通った青じゃないの!!!

 ──き、きれいだけど、なんだこれ……。



銃侍「…………よ、よく開いたでござるな……。それは、(それがし)が数ヶ月ほど、どれだけ開け方を探しても開けられなかったドロップ品なのでござるが……」


熊神「おれでも無理だったんだぜ……魔術的な封印なんじゃないかと踏んでたんだが……」


萌殺「術式、焼き切れた跡あんな。マジミラクル……バァりバァりバァり」


幼官「マジカお姉ちゃん! ジャムトーストのこな、膝におちてるよっ!」


金娘「……」


白童「スンスン……おおっ!!! この香り!! やっぱり、高濃度のマナポーション系ですねっ!!! いやぁ〜〜!! これは希釈(きしゃく)したら、かなり長期間つかえますよ!!! 助かりますねぇ──!!!」


姉乳「ねぇねぇ、このストロベリージャム、ちょっとお土産にもらっていーい? ダメ?」


銃侍「ど、どうやって開けたのでござるか……!?」


金娘「……、……。く……くるるかん、ぱわーで……」



 ぺちょり。



玉兎「にょ、にょむ……?」


幼官「──あっ!! ご、ごめん、うさ丸ちゃん……耳にちょっと、マーマレードジャム、ついちゃった」





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   ●本日のプレミオムズ集会●

  

 ✓①地図の修正・改善

 ✓②東方面ホールエルの食材調査

 ✓③前回の開かないドロップ品について

 ✓④南方面ナトリ、火の玉、光の柱について

  ⑤消息不明の魔法薬剤師について

  ⑥ダンジョン報告(ユユユさん)

  ⑦新人さん(アンティさん)への諸注意(優しく!)


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(`◔ڼ◔´三`◔ڼ◔´)

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