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プレミオムズ集会①

ヾ(*´∀`*)ノ

プレミオムズ集会、はっじまっるよぉ〜〜♪♪♪



『────記録用:親切フィルターの稼動を開始。』

『──ポチッとニャ♪。』


 きゅぅぅうううん……!




姉乳「ねえ、ところで好きな人とかいんの? ねえねえ!」


金娘「──え"っ!? や、あのっ、まだ、私はそゆのは、ですね……!」


熊神「おま……、アホなこと言ってないで、はよ配らんかぃ!!」


姉乳「何よぅ、せっかく女の子が増えたのにィ……はい!」


金娘「あ、ありがとござます……」



 お、オシハさんのノリが、イマイチよくわからないぃ……。

 まさに、千の顔を持つおっぱい……!

 さっきまでの蠱惑(こわく)的な表情は消え、

 今は、にっこにこしてらっさるわ……。

 手渡しで、レジメをもらった。




─────────────────────────────


    ●本日のプレミオムズ集会●



  ①地図の修正・改善

  ②東方面(ホールエル)の食材調査

  ③前回の開かないドロップ品について

  ④南方面(ナトリ)、火の玉、光の柱について

  ⑤消息不明の魔法薬剤師について

  ⑥ダンジョン報告(ユユユさん)

  ⑦新人さん(アンティさん)への諸注意(優しく!)


 ※この項目は、プレミオムズアーツからの、

  簡易メッセージを元に作られています。

  欠落情報は、当日に補足してください。

 ※この項目は、ゴウガリオンさんが欠席する

  前提で作成しています。

  出現したら、対処をお願いします。


 ●お問い合わせは、

  王立ギルド王城受付:マリー・マトマットまで


─────────────────────────────



 お……おわ、なんか、すごい会議っぽい……。

 なんか緊張してきた……!

 私、言うても田舎の食堂屋の娘やかんね……!


 こっ、こんな会合? みたいなのは、

 もちろん初めてだわ……。



熊神「そいや、アンティ、でいいんだよな? お前さんの項目は最後のだけだが……、なんか報告することあるか?」


金娘「え"っ! いや、私はその、手紙や小包の配達数とかを、簡潔にまとめただけのものですので、全然ッ、後でもいいと言うか……!」


熊神「はっ! そうか、"配達職(ライダーズ)"だもんな! なんか、不思議な感じがするぜ! ははっ!」


白童「クルルカンからお手紙なんて、すごいステキですよね──っ!!!」


金娘「あ、あはは……ありがと……?」


幼官「ねぇ、マジカお姉ちゃん! あの王冠、回ってるよ! かわいいね!」


萌殺「マジ回ってんな、浮いてんな。じぃ〜〜……」


銃侍「ふぅむ。ではレジメの通りに進めて、よろしいのではござらぬか?」


熊神「そだな。地図出してくれ地図」


玉兎「にょきっとなぁ〜〜☆」




 ①地図の修正・改善

 ④南方面ナトリ、火の玉、光の柱について

─────────────────────────────



 目の前の円卓に、大きな地図がひろげられている。


 王都が真ん中。レエン湖まで描かれている。


 こんなに比率が大きいものは、初めて見るわね。



金娘「えと、"地図の修正"……ですか?」


熊神「ああ。恒例でな。この項目は毎回、必ず最初にやる」


金娘「へぇ……!」


銃侍「こちらで、気になる所を書き直したり、訂正していくのでござるよ。ま、まぁ、中々難しいとは思うでござるが……」


金娘「あ、ありがとうございます」



 ヒナワさんから、

 赤いチョークのようなものを渡された。

 学校で使われているものに、よく似ている……。



萌殺「マジカはマジわからん。マジすまん」


幼官「エコープルも、わかんない……ぎゅ」


玉兎「にょむ」


姉乳「まぁ、しょうがないトコロも、あるわよね。前のカーディフの街方面の、山火事くらいしか私もわかんないわ……」



 ぎくっ……。



熊神「そうだなぁ……あれはヒキハが調べてくれたやつだしなぁ……おいヒナワ、ちょっと順番狂うけどよ、ナトリ方面の"火の玉"と"光の柱"! あれで地形の変化はどうなんだ」



 ぎくぎくっ……!



銃侍「いゃあ〜〜、ようわからんのでござるよ……。結果から言うと、調査隊は地形の変化を見つけられなかったでござる」


熊神「まじか」


萌殺「ぴくっ」


姉乳「ラクーンの里は? 目と鼻の先だったはずでしょう」


銃侍「それなのでござるよ……明らかに、あの現象を間近(まじか)で見ていたのは、彼らの一族だったはずでござる。ですが……なんというか、かなり、"知らばっくれられた"そうでござる……ようわからん……」


白童「"しらばっくれ"……どういうことですかっ!!?」


姉乳「……ヒナワ、詳しく」


銃侍「……"はて、そんなことあっただろうか"から始まり……"そんな事、あったでしょうか"。"ぼくはその時寝ていた、わからない"等……明らかに何か隠している風だったと……」


熊神「おいおい……なんだそりゃ。ラクーンの奴ら、なんかヤバい事、(たく)んでんじゃないだろうな……」


銃侍「や、彼ら一族の性格を考えると、それはないと思うでござるが……」


金娘「……、……」


銃侍「あ……ラクーンの方々への聞き込みで、ひとつだけ、少々気になる報告が」


姉乳「なに?」


銃侍「子どものラクーンに聞いたそうでござるが……、"巫女さまが、ばーんっ! ってやって、助けてくれたんだよっ!" というのがあり申して……うぅむ、ようわからん……」


姉乳「……"巫女"……"助けてくれた"……」


熊神「なんだそりゃ。ラクーンに巫女なんているのか?」


銃侍「報告では、その子はすぐ親のラクーンに連れていかれて、それ以上はわからない、とのことでござった……」


熊神「わからん侍め……」


白童「その、ケガをした方は、いませんでしたかっ!!?」


銃侍「あ、それは大丈夫そうでござったよ! ピンピンしていたとのことでござる!」


白童「そうなんですね!!! それはよかったです!!!」


玉兎「zzZ……」


幼官「あ、ねてるー!」


熊神「まぁ、しょうがねぇか。今回も修正はなし、っと……」


金娘「……」



 ──ひぃぃいい!!

 いきなりえらい事が議題にあがったわ!

 レジメをよく見ると、4番目!

 これ、私のやらかした項目じゃないの!!

 ひえええ、こんなところでバレたら、シャレにならん……。

 ここは、大人しくしておこう……。



姉乳「……。──ねぇ、クルルカンちゃん、あなたから、何かある?」


金娘「──え"っ! 私ですか……ッ?」



 どどど、どうしていきなり……!

 ど、どうしよう……。



金娘「や、あの……ちょっと、意外でし、た……。この集会で、いつも地図の直しをしているなんて……」


姉乳「ええ。地図の直しは、とても大切なのよ。あ──……、つっても、私も大した成果は、ないんだけどね?」


金娘「……間違ってたら、地図の意味ないですもんね?」


姉乳「それはもちろんだけど、地図の狂いが原因で、人命に関わることもあるのよ。例えば、護衛する距離の違いとか、大きな地形の変化で、前準備が出来なかったりとか……」


金娘「……──!」


熊神「魔物の生活域が変わっちまう原因があったり、そこに突き進んでしまったりするからなァ……この項目は、軽視はしたくねぇんだよ」


金娘「 ぁ……、──…… 」


熊神「ま、でも今回も、こんなもんか! おっしゃあ! 地図はこれで──」


金娘「──ちょ! ちょっと、待ってもらっていいですか!!」


熊神「? お、おぅ……?」



 ……。

 地図の直しが、大切な仕事であると、感じた。

 この人達は、この集会を、人を助けるためにやってんだ。

 ただの地図の直しって、軽視しちゃダメなんだな……。

 私に、できること────……。



(……──クラウン。この地図の上に、アナライザーマッピングを投影できる?)


『────レディ(準備完了)。お任せ下さい。』



 ……────ヴォオオオン──!!

 ……ぴこぉん。……ぴこぉん。……ぴこぉん。


 円卓の上から、何枚もの四角い透明の板が、

 ゆっくりと降り注ぎ、地図を埋め尽くしていく。


 もちろん、私にしか見えない、光の地図だ。


 淡く、蒼く、透明に輝くそれを、

 大きな地図と、照らし合わせる。


 ──!! この道……あそこだ……。


 座っていたイスから立ち上がり、

 円卓に身体を乗り出し、

 上から地図を眺め、赤いチョークを手にとる。



金娘「……ここの、街道……、ここは、もっとカーブが強いです! えと、書き込んでも?」


熊神「あ、あぁ……も、もちろんいいぜ? 後で検証にまわすけどよ……?」


金娘「はい。えと、ここの街道のカーブは、もっとこう、カーブが南よりに膨らんでます。あとここ。この、数字の"3"みたいになっている所は、もう少し緩やかで、こんな感じです」



 カッカッ、スゥ──……、カッカッカッ。


 これでよし……あとは。


 キョロキョロ……。


 ……──ヴぉおおん……!

 ──ビ・ビ・ビビビ──……。


 私の顔の向きに合わせて、光の地図から、

 注釈や詳しい情報が、文字や図形となって表示される。

 さすがクラウンねっ──!



金娘「えーっと……あ! ここの川は、位置がそもそも違いますね。ここから、こう……こうなってます。こっちの川と、同じ流れですよ」


銃侍「──!! それは誠でござるか!? その川は、ナトリの街の貴重な食料の源のひとつでござるよ!! なんと……この源流が、こちらにあったのでござるか……?」



 チラッ……!



幼官「本当だと思うよ!」


玉兎「──にょッッ!?」


萌殺「マジか。マジ大発見じゃん」


熊神「おいおいマジかよ……本当なのかっ?」


金娘「あ、えと、や、あの、もちろん一応、確かめてもらってくださいね? あ──……でも、けっこう違うなぁ……ちょっとずつズレてる……ここも違う……」



 カッカッカッカッ、

 キィ────、キィ───。

 カキカキ。

 キッキッキッ、

 コッコッコ───。



熊神「…………」

姉乳「…………」

銃侍「…………」

白童「あ、あはは……」

萌殺「マジ、真っ赤だな……」

幼官「お絵描きみたいだね──っ!」

玉兎「にょきっとなぁ!」



 ──カランッ!

 ──パンパンッ!

 ──き──ん!



金娘「────ふぅっ!! こんなトコですねっ!!」


熊神「……(ヒソヒソヒソ……(おい、どう思う……))」


姉乳「……(ヒソヒソ(わ、私に聞かれ)ヒソ……(てもねぇ……?))」


白童「か、かつてない訂正の嵐ですねっっ!!?」



 ────はっ!!?

 お、思わず夢中で書きまくってしまったわ……。

 ……ま、いいか。大事なことなんだし。




 ②東方面ホールエルの食材調査

─────────────────────────────



 ……ポテン。



萌殺「これが食えるかマジわからん。ウチの仲間で食ったヤツが、何人か倒れた」


熊神「毒だろッッ!! ダメじゃねぇか!!!」


金娘「あ、"くじびき(ウオ)"だ……」


姉乳「! 知ってるの?」


金娘「え、ええ。正式名称は知りませんけど、美味しい魚ですよ? ランダムに弱い毒があるのがアレですけど」


萌殺「マジでか!! 毒はどうすんだ!?」


金娘「あ──……それはですね……。あれっ、この魚、ナトリのギルド出張所で、干物になって売ってましたよ?」


銃侍「えっ、そうなのでござるか……? す、すまぬ……(それがし)は、料理はサッパリでござって……」



 あ、ヒナワさんって、ナトリの街の人なんだ……。

 確か、"軽技職(ライトラン)"のプレミオムズだよね?



萌殺「金ピカッッ!! マジ教えてくれ!! これが食えたら助かるんだっ!!」


金娘「き、きんぴ……? は、はい……。え、ぇぇと、ここで(さば)いても?」


熊神「お、おお、やってみな……?」



 こんなところで、魚を(さば)く事になろうとはね……。

 あ! どうやってサキ、取り出そう!?

 やべ……。



萌殺「じ〜〜……」

幼官「じ〜〜……」

白童「じ〜〜……」



 う……皆さんの期待の目があるわね……。

 今さら、や〜〜めた、はできん……。

 いつもの方法でいくか……。


 ──パシュ! パシュ!


 ……──シュルルル──!

 ──シュバッッ!!

 ……しゃん……!


【 お、なんや、今日は俺っちの出番、多いやぃのぉ──! 】

 

 ──右手を覆ったマントの中から、サキを取り出した。




萌殺「うおっ」


熊神「いま、両手から湯気でなかったか……?」


白童「な、なんですか!? 今のマントっ!?」


幼官「わぁ──! さっきの包丁だぁ──!!」


姉乳「……!」


銃侍「さ、先ほども思ったでござるが、かわったカタチのアイテムバッグでござるな……? 伸び縮みするマント型など、初めて見たでござるよ……!」


金娘「──え"っ!? や……あ、あはは、ほ、ほら! 私、"郵送配達職(レター・ライダー)"ですからね!? てっ、手紙とかいっぱい入る、まぁまぁ大きめのアイテムバッグ、持ってるんですよォ──! あはははは──……!!」


白童「クルルカンの、伸び縮みするマント……! い、いい……!!! とても、いいっ……!!!」


幼官「すごいねぇ──! 手品みたいだねぇ──!!」


金娘「く、クルルカン、ですから……」



 あ、まな板も出さないとダメね……。





 プレミオムズ集会は、つづく────。




 

((((;゜Д゜))))

アンちゃん大活躍やないか……!!

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