表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
394/1216

金も歩けば黄金伝説/ヌコに〇〇〇o(中破)

特設ページができた、とな……?(●´ω`●)




 ぼくの部屋から見えるけしきは、いっつもどおりだ。


 いいお天気と、窓の外に続く、赤い石の屋根。


 ……ちぇ、つまんないや。






「……いいなぁ。ぼくも探しに行きたかったなぁ」

「ばっか、クルルカンなんて、いるわけないだろ?」


 同じ部屋のにいちゃんが、ベッドで本を読みながら答えた。


「そんなことないやぃ! 父ちゃんは朝まで探してたじゃないか!」

「あのなぁ……母さんも呆れてただろ? いなかったから、今寝てんだって!」

「でも、たくさんの人が見たって!」

「ゆめゆめ、まぼろし。いるわけないって……」

「ううう〜〜」

「……はぁーまったく。お前はいつまでたっても子供だなぁ……」


 ──パタン。

 ──ギッ、トン……。


 にいちゃんが、読んでいた本を閉じ、

 ベッドから勢いをつけて降りて、こっちにくる。

 やれやれ、といった、母ちゃんみたいな笑顔で、

 ぼくの頭を、ポンポン、と撫でた。


「"王都に黄金の義賊あらわる"──!! ……はは、物語としては面白そうだけどさ。そんなこと、あるわけないよ。いたとしても、多分、ふざけて遊んでる奴がいただけさ……」

「……にいちゃんは、"クルルカン"に会いたくないの……?」

「え……? ……。そうだな……」


 にいちゃんは、ちょっと父ちゃんみたいな顔になった。


「──いや、会いたいか、会いたくないかって言ったら、会いたいよ! 俺もさ、昔はあの絵本、好きだったよ……」

「? 今は? 好きじゃないの?」

「え……や、きらいには、なってないさ」

「じゃあ、なんで、好き "だった" なの?」

「…………」


 ぎぎ……コトン。


 にいちゃんが椅子を引いてきて、

 ぼくと同じように、背もたれを前にして、座った。


「……なんでだろうな。なんで、"だった" って、言ったんだろうな……」

「にいちゃん?」

「……。俺は恥ずかしがり屋な、だけなのかもしれないな……」

「……???」

「! ははっ! お前には、まだはやい話だったな!」


 ──くっしゃ、くっしゃ!


 にいちゃんが、ぼくの頭を、思いっきり撫でる!


「な、なにすんだ、にいちゃん!!」

「ははっ! なぁレド、"クルルカン"、いるといいな! 王都に!!」

「──っ! うんっ!!」


 今のにいちゃんは、父ちゃんが、母ちゃんに笑う時の顔に、そっくりだった!

 なぁんだ!! 

 やっぱりにいちゃんも、クルルカンが、好きなんじゃないか!


 ぼくは、少し元気になって、窓の外を見る。

 今日もいい天気で、屋根の上は、ぽかぽかだ。

 にいちゃんも一緒に、外を見てる。


「なぁレド、父ちゃんが、おもしろい事を言ってたんだけどよ────?」

「え、なに────!」



 ぼくが、窓の風景から、

 にいちゃんのほうに向こうとして ──── 。







 キィィィイイイ──────ンンン──!!!!!!!







「「        」」










 す ご い 、 び っ く り し た 。


 ま え 。


 や ね に 、 い た 。








 す ご く 、


 か っ こ よ く 、


 し ゃ が ん で て 。


 ふ た つ の 金 の 髪 と 、


 ふ た つ の マ フ ラ ー が 、


 ふ わ り と 、 お ち る と こ だ っ た 。







「「        」」







 きんの、かめん。


 きんの、て。


 きんの、あし。


 きんの、かみ。


 きんの、からだ。


 きんの、ひとみ。





 

 "きんの、おんなのこ"────。







 ────この窓は、まるで、"絵本の1ページ"。








 こんなきれいな、ぜんぶのきんを、


 みたことなんて、ない。





 ぐぐぐ───。





 しゃがんで、力をためている。


 跳ぶんだ(・・・・)





 おしつぶされた、太ももの、筋肉。


 すごく、ちからづよくて。


 とても、きれいで────。





 ────そして。

 






 ……────ィぃぃ───────……ん……。








「「 ────…… 」」






 あ……。







「………………にぃ、ちゃん……」


「……。……んと、だったんだ……!」


「え?」


「────ホント、だったんだッ!!! 父ちゃんが言ってたんだ!!! 火事の場所にいた義賊クルルカンは、"女の子だった

"、って!!!」


「えええ────っ!!?」


「たたた、たいへんだァ────!!! レド!! 父ちゃんを起こせぇぇ────!!!」


「わぁ────い!!!」


 ドタドタドタ────!!



「「 王都に、"黄金の義賊クルルカン"が、現れたぞぉおお────!!! 」」




「こらぁ───! あんたたち! 何さわいでるのォ────!!」











 ヒュゥウウオオオオ───……!



 ────キン!



 ────きききききききん!

 



『>>>ありゃ、さっき着地した屋根の窓、誰かいたような?』


「え、うそっ!?」


『────申し訳ありません。跳躍距離が長かったため:分析が遅延しました。』


『>>>ていうか、"隠れんぼクエスト"、無くなったんだから、わざわざ屋根をいかなくてもいいんじゃなぃ……?』


「だ、だあってぇ〜〜!! 昨日の今日よっ!? 堂々と歩いたら、ぜったいまだ騒ぎになるわよお〜〜!!!!!」


「にょきっとぉ〜〜?」




『───『>>>「…………」 』。』





『>>>うそだろ……』


「……なんで、ついてきてんの……」


『────……同行を許可されたのでは:なかったのですか。』


「いやいやいやいやいやいや────!! 王城にうさ丸はマズいでしょ!? あんたァー! なにマントにしれっと掴まってんのよォ──!!!」


「にょ、にょんむぅ〜〜!」


「"にょんむ〜〜"、とちゃうわぃ! こらっ、はなせっ! 離さぬか!」


『>>>どどど、どうする!? 宿屋まで連れて帰るかい?』


「うわぁ〜〜あん!! これから人増えるでしょ!? 屋根もっかい往復するの、やだぁ〜〜!!」


「にょ────きっとな!!」


「このうさ丸めぇ〜〜い!! 騎士さんに預けるから、覚悟しときなさいよ!!」


「にょっきぃぃいい──!!?」













 ふわふわ、ふわふわ……。



『──ニャ? ……何ニャ:このハデな布っ切れニャ……。どっから飛んできたニャ……?。』



 ピカゥ──!!



『──ニ"ャッッ!? こ:この黄金の輝きニ"ャッ!? ま:まさか……ドン:アンティの……!?。』



 キラキラキラ……シャラシャラシャラ……!


 ──パシッ。



『──こ、これはチャンスニ"ャ……ッ! 普段は:スペアごと隔離格納されてて:手が出せないシロモノだニ"ャアア……。し:しめしめニャ……! 拾ったモノは:ニャーのモノだニャアアアン……ッ!。』



 びょん、びょーん。



『……しっかし:小さな布ニャ……。こんニャもんで:ある意味イチバン守らニャければならニャい場所を包むニャんて:ニャーにはよぅ分からんニャあ……。ニャッ:よぅのびるニャ──……。』



 びょょ──……──、ブチっ!



『──……ニャ? ……まぁいいニャ。このレアアイテム:どうするかニャ……?』



 ぷらぷら──。



『……ニャニャッッ──!? そ:そうニャア──!! クラウンたまの新しいボディ:"M2型"には:まだ臀部装甲がないニャ! こ:これニ"ャア"ア"ア"……! コレは運命としかいいようがないニャッ……! ニ"ャフフフフフフ……。』



 すぃ〜〜。



『──そうと決まれば:善は急げニャ! この:"ごーるでんぱんてぃ"を:クラウンたまのNEW:BODYに装備させニャければニ"ャあああ────!! ニャフフフフ……あ。でも:臀部装甲と被るニャア……?。』



 ……。



『──ま:いいニャ!。臀部装甲のプログラミングは:クラッキングして壊すニャ!。無い方が:股関節の稼働率いいニャしニャ!。』



 すぃすぃ〜〜──!



『──ニャー:楽しみニャー! クラウンたま:ドン・アンティとお揃いの装備で:ぜったい喜ぶニャ──! ニャふー:はやく新しいボディ:できニャいかニャアア──?。』





    ぷらぷらぷら──。

 






 

く、くにゃうん……

おまえなんて、時限バクダンを……

((((;゜Д゜))))

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] くにゃうん…君のことは一分後まで忘れない… (´;ω;`)ゝ
2020/10/23 18:28 (´・ω・|壁
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ