金も歩けば黄金伝説/ヌコに〇〇〇o(中破)
特設ページができた、とな……?(●´ω`●)
ぼくの部屋から見えるけしきは、いっつもどおりだ。
いいお天気と、窓の外に続く、赤い石の屋根。
……ちぇ、つまんないや。
「……いいなぁ。ぼくも探しに行きたかったなぁ」
「ばっか、クルルカンなんて、いるわけないだろ?」
同じ部屋のにいちゃんが、ベッドで本を読みながら答えた。
「そんなことないやぃ! 父ちゃんは朝まで探してたじゃないか!」
「あのなぁ……母さんも呆れてただろ? いなかったから、今寝てんだって!」
「でも、たくさんの人が見たって!」
「ゆめゆめ、まぼろし。いるわけないって……」
「ううう〜〜」
「……はぁーまったく。お前はいつまでたっても子供だなぁ……」
──パタン。
──ギッ、トン……。
にいちゃんが、読んでいた本を閉じ、
ベッドから勢いをつけて降りて、こっちにくる。
やれやれ、といった、母ちゃんみたいな笑顔で、
ぼくの頭を、ポンポン、と撫でた。
「"王都に黄金の義賊あらわる"──!! ……はは、物語としては面白そうだけどさ。そんなこと、あるわけないよ。いたとしても、多分、ふざけて遊んでる奴がいただけさ……」
「……にいちゃんは、"クルルカン"に会いたくないの……?」
「え……? ……。そうだな……」
にいちゃんは、ちょっと父ちゃんみたいな顔になった。
「──いや、会いたいか、会いたくないかって言ったら、会いたいよ! 俺もさ、昔はあの絵本、好きだったよ……」
「? 今は? 好きじゃないの?」
「え……や、きらいには、なってないさ」
「じゃあ、なんで、好き "だった" なの?」
「…………」
ぎぎ……コトン。
にいちゃんが椅子を引いてきて、
ぼくと同じように、背もたれを前にして、座った。
「……なんでだろうな。なんで、"だった" って、言ったんだろうな……」
「にいちゃん?」
「……。俺は恥ずかしがり屋な、だけなのかもしれないな……」
「……???」
「! ははっ! お前には、まだはやい話だったな!」
──くっしゃ、くっしゃ!
にいちゃんが、ぼくの頭を、思いっきり撫でる!
「な、なにすんだ、にいちゃん!!」
「ははっ! なぁレド、"クルルカン"、いるといいな! 王都に!!」
「──っ! うんっ!!」
今のにいちゃんは、父ちゃんが、母ちゃんに笑う時の顔に、そっくりだった!
なぁんだ!!
やっぱりにいちゃんも、クルルカンが、好きなんじゃないか!
ぼくは、少し元気になって、窓の外を見る。
今日もいい天気で、屋根の上は、ぽかぽかだ。
にいちゃんも一緒に、外を見てる。
「なぁレド、父ちゃんが、おもしろい事を言ってたんだけどよ────?」
「え、なに────!」
ぼくが、窓の風景から、
にいちゃんのほうに向こうとして ──── 。
キィィィイイイ──────ンンン──!!!!!!!
「「 」」
す ご い 、 び っ く り し た 。
ま え 。
や ね に 、 い た 。
す ご く 、
か っ こ よ く 、
し ゃ が ん で て 。
ふ た つ の 金 の 髪 と 、
ふ た つ の マ フ ラ ー が 、
ふ わ り と 、 お ち る と こ だ っ た 。
「「 」」
きんの、かめん。
きんの、て。
きんの、あし。
きんの、かみ。
きんの、からだ。
きんの、ひとみ。
"きんの、おんなのこ"────。
────この窓は、まるで、"絵本の1ページ"。
こんなきれいな、ぜんぶのきんを、
みたことなんて、ない。
ぐぐぐ───。
しゃがんで、力をためている。
跳ぶんだ。
おしつぶされた、太ももの、筋肉。
すごく、ちからづよくて。
とても、きれいで────。
────そして。
……────ィぃぃ───────……ん……。
「「 ────…… 」」
あ……。
「………………にぃ、ちゃん……」
「……。……んと、だったんだ……!」
「え?」
「────ホント、だったんだッ!!! 父ちゃんが言ってたんだ!!! 火事の場所にいた義賊クルルカンは、"女の子だった
"、って!!!」
「えええ────っ!!?」
「たたた、たいへんだァ────!!! レド!! 父ちゃんを起こせぇぇ────!!!」
「わぁ────い!!!」
ドタドタドタ────!!
「「 王都に、"黄金の義賊クルルカン"が、現れたぞぉおお────!!! 」」
「こらぁ───! あんたたち! 何さわいでるのォ────!!」
ヒュゥウウオオオオ───……!
────キン!
────きききききききん!
『>>>ありゃ、さっき着地した屋根の窓、誰かいたような?』
「え、うそっ!?」
『────申し訳ありません。跳躍距離が長かったため:分析が遅延しました。』
『>>>ていうか、"隠れんぼクエスト"、無くなったんだから、わざわざ屋根をいかなくてもいいんじゃなぃ……?』
「だ、だあってぇ〜〜!! 昨日の今日よっ!? 堂々と歩いたら、ぜったいまだ騒ぎになるわよお〜〜!!!!!」
「にょきっとぉ〜〜?」
『───『>>>「…………」 』。』
『>>>うそだろ……』
「……なんで、ついてきてんの……」
『────……同行を許可されたのでは:なかったのですか。』
「いやいやいやいやいやいや────!! 王城にうさ丸はマズいでしょ!? あんたァー! なにマントにしれっと掴まってんのよォ──!!!」
「にょ、にょんむぅ〜〜!」
「"にょんむ〜〜"、とちゃうわぃ! こらっ、はなせっ! 離さぬか!」
『>>>どどど、どうする!? 宿屋まで連れて帰るかい?』
「うわぁ〜〜あん!! これから人増えるでしょ!? 屋根もっかい往復するの、やだぁ〜〜!!」
「にょ────きっとな!!」
「このうさ丸めぇ〜〜い!! 騎士さんに預けるから、覚悟しときなさいよ!!」
「にょっきぃぃいい──!!?」
ふわふわ、ふわふわ……。
『──ニャ? ……何ニャ:このハデな布っ切れニャ……。どっから飛んできたニャ……?。』
ピカゥ──!!
『──ニ"ャッッ!? こ:この黄金の輝きニ"ャッ!? ま:まさか……ドン:アンティの……!?。』
キラキラキラ……シャラシャラシャラ……!
──パシッ。
『──こ、これはチャンスニ"ャ……ッ! 普段は:スペアごと隔離格納されてて:手が出せないシロモノだニ"ャアア……。し:しめしめニャ……! 拾ったモノは:ニャーのモノだニャアアアン……ッ!。』
びょん、びょーん。
『……しっかし:小さな布ニャ……。こんニャもんで:ある意味イチバン守らニャければならニャい場所を包むニャんて:ニャーにはよぅ分からんニャあ……。ニャッ:よぅのびるニャ──……。』
びょょ──……──、ブチっ!
『──……ニャ? ……まぁいいニャ。このレアアイテム:どうするかニャ……?』
ぷらぷら──。
『……ニャニャッッ──!? そ:そうニャア──!! クラウンたまの新しいボディ:"M2型"には:まだ臀部装甲がないニャ! こ:これニ"ャア"ア"ア"……! コレは運命としかいいようがないニャッ……! ニ"ャフフフフフフ……。』
すぃ〜〜。
『──そうと決まれば:善は急げニャ! この:"ごーるでんぱんてぃ"を:クラウンたまのNEW:BODYに装備させニャければニ"ャあああ────!! ニャフフフフ……あ。でも:臀部装甲と被るニャア……?。』
……。
『──ま:いいニャ!。臀部装甲のプログラミングは:クラッキングして壊すニャ!。無い方が:股関節の稼働率いいニャしニャ!。』
すぃすぃ〜〜──!
『──ニャー:楽しみニャー! クラウンたま:ドン・アンティとお揃いの装備で:ぜったい喜ぶニャ──! ニャふー:はやく新しいボディ:できニャいかニャアア──?。』
ぷらぷらぷら──。
く、くにゃうん……
おまえなんて、時限バクダンを……
((((;゜Д゜))))