あさっプロ さーしーえー
(●´ω`●)ふろにはいらせてくれ
ふしぎな、かんじがした。
やっぱり、今日も寝られなくて、
昨日と、今日は繋がっていて、
境い目なんて、勝手に私が、きめたもの。
「 にょむにょむ……くぷ──…… 」
「──…… 」
まるくなった、うさ丸の白に、日の光が当たる。
あ、この子、元々、まるかったわ。
まるふつか、寝ていないけれど、
そんなに朝が、いやじゃなかった。
へんな感じだ。
今日、ぜんぶが……──かもしれないのに。
ああ、ああ、なんて日だ。
「──すぅ────……、」
……。
「……ふぅ────……。」
キン。
シーツの上の仮面に、爪がさわる。
「……」
すっ……と、持ち上げる。
朝日に透かして、まじまじと見る。
綺麗な、黄金だ。
仮面の内側に、
クラウンの緋色が、はねかえってる。
……──カポッ。
……ばたっ。
おもむろに仮面をかぶり、
シーツに手を落とす。
「……せんぱい、あれやって……?」
『>>>……はい?』
「ほら、あれ。ぶるるる──って、震えるやつ」
『>>>……。いいけど……』
────ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!
「おおおおおおおお……」
『>>>……目ぇ覚めたかぃ?』
『────行動の意図が不明。
────おはようございます。本日の行動を開始します。』
あさだぁ。
バサっ……。
「はぁ……多分、世界の終わりの日も、朝日はきれいなのよ……」
『>>>……どうしたの急に』
「……こら。見てないでしょうね」
『────ご安心を。』
『>>>ぼくの顔には今、2匹のヌコが張り付いている。前は見えず、背中の畳の感触しかわからない』
『──ニ"ャ。』
「よしゃ。クラウン、お願い」
『────レディ。ボディ:ウォッシャブルモード。』
……──きゅぅぅうういいいんん
……──きゅぅぅうういいいんん
「……頭からでもいいよ?」
『────足からです。』
──しゅばぁああああ────……。
──しゅばぁああああ────……。
「あっ、……ち」
『────調整中。』
──しゅばぁああああ──じゃじゃじゃ……、
じゅぁあああ────!!!
「……せんぱい、って……お尋ね者になったことある?」
『>>>ん? ん──、どうだったんだろうね……助けたり、逃げたりしてたけど……。はは、賞金はどうだったかな。わかんないや、ごめんね』
「そか──……」
……──じゃばばざざざ──ざざざ──……。
『────口内はどうしますか。』
「む、お願いふぁばばばばばば」
しゅばぁ────。
「……ぷふぅ……。……はああぁぁぁ………」
『>>>ためいきー。幸せ逃げるよ──』
「? なにそれ」
『────アンティ。水分の補給を。』
──きゅぅううん……。
『>>>きみ、ほとんど寝てないだろう……だいじょぶかぃ?』
「ごくっ……ん。え、目にクマ、ある?」
『>>>いや、ぼくは見えないってば……』
『──ミャー!。』
『────外見からの判断は不可能判定。』
「ほ。よかった……」
『>>>街の人、追っかけてくるかな──』
「勘弁してほしいわね……」
『────アイテム名:"ごーるでんぱんてぃ"を着用しますか。』
「あたぼぅよ。"しません"、って答える日は、無いと思うわよ……?」
『────クルルスーツと共に転送を推奨。』
「よろしゅう……ノーパン、ダメ、ぜったい」
『>>>おや、昨日と打って変わって、ずいぶん落ち着いてるように見えるじゃないか!』
「ん、ん──……。はぁ、一周回って、なんか、ぼーっとしてんのよ。や、寝不足が響いてんのかもしんないけどね?」
『────"クルルギア"の上に移動を。』
「んぃ」
とてとて、と。
「──クラウン。コード入力! ──"へんしん"ッ」
『────レディ。
────"装着変身"シークエンス。』
ガチャ、ッッコ──……!
キン・キン・キン────!!
… … …──ギァオオオォオオオオンン────!!!
『────ボディコンディション:確認。』
『────外甲殻基礎フレーム:転換。』
『────第一装甲:リローディング。』
『────バイタル正常:血流脈コントロル。』
『────フレーム内部:流路形成。』
『────全ジョイント:展開完了。』
『────右脚部:捕食展開。』
『────左脚部:捕食展開。』
『────右腕部:捕食展開。』
『────左腕部:捕食展開。』
『────関節部:気密圧縮。』
『────第二装甲:パウンテッド。』
『────四肢装甲:鎮静化に成功。』
『────ジグザグギア:正常鎮圧。』
『────プレミオムアーツ:結合化。』
『────マント生成:展開値抑制中。』
『────マスク部位:ツインギアに固定完了。』
『────装甲展開正常率:100パセルテルジ。』
「……ッ、……ん!」
『────"クルルカンスタイル":スタンディング・バイ。』
… … …──シャキィ────ン…ン…ン…!
「ふぅ……。さて先輩、お城までのオススメコースは?」
『>>>屋根づたいだねぇ──』
「ですよねぇ──……」
『────いざ:参りましょう。』
「うさ丸ぅ──! おきなぁ──! 一階いくわよ──!!」
「──にょッッ!? ……にょんむにょんむ……?」
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
キン。
「あ……うさ丸の朝ごはん、くれるかな……」
『────ご安心を。現在のニンジンの装弾格納数は:78本です。』
『>>>ミサイルじゃないんだから……』
キィ────。
「お、来たな? おはよう、義賊の嬢ちゃん」
「あ、マジかよ──!!」
「うげっ……!!」
『────警告。声紋認識。昨日:"デンプ"と呼称されていた人物です。』
『>>>昨日、きみを探してた人じゃないか……!』
ま、まず、い……!
「…………はぁ〜〜〜〜、そういうことかよ……。グルテン、てめぇ、はかりやがったな?」
「──ははは、バカやろう! あんな大勢で、こんなお嬢ちゃんを追っかけ回すもんじゃねぇや!」
「……そりゃ、な……。なぁんだ……ここにいたのか……。はっ。こう見ると、ずいぶん小さな嬢ちゃんだな……」
「え! え!?」
「落ち着けや、義賊の嬢ちゃん! オメェさんを取っ捕まえるってクエストよォ、今朝、日が登らない内に、取り消されたってよ!!」
「えッッ──!!?」
「ああ……クエスト出した本人が、直々に関係各所、回ってたぜ? "私のした事は間違っていた!"──ってな? ……ふぁぁああ……」
「私……、"賞金首"じゃ、無くなったの……!?」
「は! そういうこった、義賊の嬢ちゃん!」
「ふぁぁ……ふぅ……。まったく! アンタを朝まで探してて、みんな疲れちまったぜ! はっは! やれやれだ……どれ。よいこらしょッ、と……!」
……コツ、コツ、コツ……。
「……!!」
「は……こいつはすげぇや! 近くで見ると、ホント、クルルカンだな……!」
「え……えと……」
『────……。』
『>>>…………』
──ぺこり。
「……──ありがとう!! このとおりだ!!」
「えっ──!」
『────……警戒解除。』
『>>>……だいじょうぶそうだね』
「──オレは、あの時、すぐ下の野次馬の中にいた! アンタが来てくれなかったら、どうなってたことか……」
「あの……えと……。かお、あげてください……」
「──ありがとよ! 昨日は追いかけ回して、わるかった……! アンタ、今日は出かけるのかぃ?」
「あ、う、はい……今から……」
「ほぉ! それはチャンスだぜ? アンタを徹夜で探してた連中はな、クエストが無くなったショックで、みんな今頃、ふて寝こいてやがるからな! はっははッッ!」
「あ、そ、そなんだ……」
「お、おいおいおい……ほんとにアンタ、昨日のクルルカンかぃ? えらい普通の女の子に見えるなぁ……」
「は、初めて言われました……」
「ッ! はっはっはっはっはっはっは────!!! アンタおもしれぇなァ!! 気に入ったよ!!」
「は、はぁ……」
「よォ、義賊の嬢ちゃん! そんなヤツほっといて、こっち座んな! コムギ亭特製、"バジルロール"でも食ってくれ! うんまいぜェ?」
「あ、い、いただきます」
「──グルテン、オレにもよこせっ!!」
「てめぇは、前のツケをはらいやがれィ!! バッキャロウゥ──!!!」
「ぽきんっ! にょむにょむ、にょんむにょんむ……」
「ふぁ──! あ、ラビットちゃんおはよ──!」
「っくん。にょ! にょきっとなっ──!」
「うわっ!! ぬいぐるみがしゃべったぁあああ──!!!」
「あ……それ私のトモダチです……」
『────現在のニンジン装弾格納数:77本です。』
(●´ω`●)にんじんはミサイルです。
……で、クラウンちゃん……。ぱんつは……?
(((;゜Д゜)))