表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
387/1216

黄金の範囲攻撃

((((;゜Д゜))))かばはのりきった!!

鬼〇一月を、のりきったのか!?

ほんとうに!?


⚙ SS、6本書き下ろしました!

  書籍巻末に1本、各店舗にそれぞれ5本……

  ((((;゜Д゜))))ふぉぉお──!!

⚙ 一年で1番忙しい時に、

  原稿なおし300ページ来ました(笑)

  あまりにピンポイントだったので、

  かば転生するかと思いました(*´∀`*)

⚙ 全ての書籍用の挿し絵、口絵、

  表紙デザインを見させてもらいました。

  ……。

  ……。

  マジで見た方がいい……!( ✧Д✧) カッ!!

  担当さま、杉先生、あざんます!

  ワガママ言ってごめぬでした……!(つд⊂)


  ふふふ、巻末SSには……!

  (*´ω`*)にやり……



 きんきんきん♪


 らんらんらん♪


 逃げよう♪ 逃げよう♪ おっ城っから♪


 だって、義賊なんだも〜〜ん♪



「ぅうっ、うぅぅうぎゅぅぅうぅぅうぅ〜〜〜〜!!」


 ふるふるふる。


 うねうねうね。


 しゅぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅぱぁ────!!


『────ツインテール部:範囲攻撃です。』 

『>>>こ、後輩ちゃん……恥ずかしいのはわかった、わかるけど……両手で顔を押さえながら頭を小刻みに振るのは、絶対にやめた方がいい……』


 ぜったいわらってた、ぜったいわらってた。

 きしさんわらってた、やさしくわらってた。


「ぅぅううんみゃあ〜〜ぎゃぁぁああ〜〜!」

『────状況が悪化。』

『>>>あわうわ……き、奇声はよすんだっ!? 目立つから、マントしてても、ホントに目立つからッッ!!』

「にょ、にょ、にょむ……」


 今、出来る限り、お城から離れたい。

 そう、これはもはや願望よ。

 これから私の人生、あの立派なお城を見るたびに、

 今日のことを思い出すのよっ!


 クルルカンは、一日はやめにやってくるっ!

 さすがクルルカン、ものすごいはやさだっ!

 ひかりのはやさではやとちり!

 かっこつけて、かえってった!

 ひらりとマントがくるると舞って!

 来た道もどって、さようならぁぁ!


「──うあああああ〜〜!! 明日、どんな顔して行けばいいのんじゃあぁぁ〜〜……!!」


 ぐるんぐるんぐる──ん。


『────範囲攻撃:縦回転が追加。』

『>>>あああわわわぁ……、ぼ、ぼくはもう知らないぞぉ……?』

『──ドンの双剣があらぶっているニャ! ニャフゥ──!。』

【 なーんじゃい、別に一日間違(まちご)うたくらい、ええやろげ。遅いよりマシやろによぉ? 】

< あらんまぁ〜〜金の髪が綺麗な弧ぉ書いて舞いよるねぇ〜〜♪ >

{{ ピエロちゃん……そのうちツインテールの餌食(えじき)になる人が出てくるわよ……巻き付くわよソレ…… }}

『──ガルンガルルゥ───ン♪』


 私の髪は、触手かッ……。

 うぅ頼むから、悶えさせてくれぇぇ……。


「……あああ、クラウンも先輩も、なんで教えてくれなかったのよぉ……」

『────事前に時刻を確認するものと誤解。』

『>>>やぁー、うっかりしてたよぉー! まさか明日とはねぇー!』

「──せんぱい、ギルティぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


 うううぅ、あの騎士さんらの、生暖かい目が忘れられん……。


「"ああ、ああ──そういうことって、あるよな──?"」

「"大丈夫だ、オレ達はそんなことで、バカにしたりしないぜ──?"」

「"そっちのうさちゃんと、またこいよ! ──待ってるぜ?"」


 ……みたいな感じの、眩しいツラだった。

 その優しさが、今はツラたん。


「にょんむぅ──……」

『>>>いやぁ、でもさぁー当初の目的は大成功なんじゃないの? そんな意匠(デザイン)のヨロイ着てさ? 門番の警戒心を、あんだけ()端微塵(ぱみじん)にできるのなんて、後輩ちゃんくらいだと思うよ? 城なんて中に入っちゃったらこっちのもんだからね! 門番の許可()たってことだからね!』

「なぁにが、"そんな意匠"よぅぅ!」


 あんたの昔の意匠だろがぁ〜〜ぁあほぉぉ〜〜!!


「にょきっと、にょきっとな……」


 ポンポン。


「うう、あんがと、うさ丸ぅ……あんた、連れてきてよかったわ……うさ肌の癒しが、今の私には必要だわ……」

【 かっかか──っ! 大袈裟なやっちゃなぁ──! 俺っちもおんぞぉ安嬢? 】

< ふふ〜〜♪ 夜寝たら、わっちらが箱庭(こっち)で、いい子いい子したんでぇ〜〜♪ >


 ちょ、サキ、ダイさん、やめてくれ。

 < よーしよしよし♪ >とかされたら、

 いろいろ思い出して、

 ちゃぶ台に突っ伏して泣くからな私……。


『>>>ていうかさ、うさ丸に、ぼく達の声、聞こえてないかい……?』

『────タイミングを分析:可能性大。』

「──にょむ!」

「あああ、何故私はクルルカンなんだろぅ……」

『──ドン:アンティ? それはもう哲学のレベルニャ! ドツボニャ! 考えるのやめるニャ!。』


 7号機……あんた哲学とかわかってんのかコラ……。

 よくしゃべってっけどさぁ、また仕事サボってんだろ……。


『>>>で? どうするんだぃ? 一日、空いちゃったけど、王都観光でもするのかぃ?』

「はぁぁ……先輩の格好は、歩き回るにはハードル高いってばぁ……そりゃ観光はしたいけどさ?」

『────提案:宿の確保を推奨。』

「! そうね……夜になってから"ウチの宿はクルルカンはお断りだよ"なんて言われたら、強制野外ベッドだわ……」

『>>>ははは、なんだぼくが悪いのか、ごめんよ……』

「え、ぇえい! いきなり真面目に受け止めないの! とりあえず宿を探すわ! お城の近くはヤダ! 全てを忘れ去るために、距離を稼ぐわっ!」

「にょきっとなぁ──!」


 貴族街っぽい所を抜けて、賑やかな市民街を行く。

 なんてーかさ? カーディフの街やドニオスの街に比べて、

 王都は、建物がタテにでっかいわ!

 それが連なって建ってるもんだから、やっぱ街の印象がちがうよね!

 相変わらず色んな格好や種族の人だらけ!


 歩いてる途中で、これまたでっかい本屋さんがあった。

 "キニクノヤ王都店"だって。


 一階の店頭で、王都の観光案内が売り出されてた。

 アナライズカードでスキャンしたらイッパツで読み込めるけど、食堂娘として、そんな盗賊チックなことはできん。

 お姉さんに小銭をわたして購入する。


 ? 本屋のお姉さん、私を見て、一瞬、驚いてたな……。

 なんだ? マントで身体は、すっぽり隠れてるから、

 クルルカンとは見られない、ハズなんだけど……。



 この後、クラウンに観光案内を読み取ってもらい、

 宿屋を総当りにする事にした。

 載っている件数は多いけど……。


「ここも、いっぱいだった……!」


 観光案内が紹介してるからかなぁ……どこも満室だわ!

 もうお昼前になる……ぐぅ。

 耐えきれずに、露店でやっていた、イチバン美味しそうなにおいの肉串屋さんで、二本注文する。む、ちょっと高いな。

 でもまぁせっかく王都の中にいるんだし、王都のなんか食べたい。


「にほん」

「あいよっ!」


 ……ずっし、ずっし。

 じゅう〜〜ぅ……!


「にょ、にょんむー!」

「……」

『────……。』

『>>>なっがっ……』


 一本、60セルチはあった。

 肉も野菜も、デカい。

 タウロス肉ね。

 王都の肉串は、どこもこんなバケモノなのか……?

 隣の露店を見ると……あら普通の大きさだ。

 ……うん、ここの店だけおかしいね。

 店名の書いてある、たれ屋根を見ると。


 " バベキング "


 ……ワイルドな店名だった。


 買っちまったモンは仕方がないので、人混みにまぎれ、一本を歯車送りにする。

 マントの下で、はい格納。

 串が、ほとんど凶器に近いので、先に気ぃつけながら食べる。


 ……はぐっ。

 じゅむわ〜〜……!


「……んま!」

 

 うんまい。

 私の嗅覚は間違ってなかった。

 あの店主、なぜ小分けにしない。

 小さくすれば、女性客も取り込めるだろうに……。


 間の野菜が、種をくり出したピーマン丸ごと、ニンジン、オニオンと、間にしこたま刺さってるの、これシシトウか……。

 別名、くじびきガラシ……。

 これまたワイルドだな……。

 ピーマンとか、アナが発狂するレベルの姿焼きだわ。

 いや、うまいわよ。

 くたぁ、って焦げ目ついたピーマンとかシシトウって、うまいわよね、にが甘くて。


 こんがりニンジンを半分、イニィさんフォークに刺して、うさ丸にあげた。


「かぷ──に"ょッ!? にょっ!」

{{ あわ、まだあついわよ? }}


 熱くてビックリしてた。ごめん。

 しばらくすると、美味しそうに食べてた。

 今度、ニンジンをしっとり焼いてやろうか。

 あ、うさ丸の手なら自分で料理できそうね?


「にょむ〜〜♡」


 ある意味とても王都らしからぬ食事を終え、

 再び宿屋を探す。

 でも、観光案内のトコはもうヤダ……。


『>>>後輩ちゃん。街が大きいほど、区分けがしっかり出るものさ。国の場所、貴族の場所、お店の場所、市民の場所。"お店の場所"じゃなくて、"市民の場所"で探してごらん。これだけ大きな街だ。路地裏の住宅に、埋め込まれてるような民宿は必ずある』

『────住宅地方面をマーキングしたマップを"ベアークラッチ(視覚域拡張野)"に展開。』


 先輩が先輩らしい事を言って、裏通りに向かう。

 しばらくして、近道らしい路地裏に入った。

 人がぐんと減り、静かな落ち着きが出る。


 まだお昼と言えるので、路地はきれいに照らされていた。

 見上げると、淡い黄色の壁と壁の間に、

 洗濯ものが干してある。

 青空と一緒に、とても風情を出している。

 なるほど、こういう所を歩くのも、いいもんね。


 キン、キン。


 ボールで遊んでいた小さな子供たちが、止まって、

 私をまっすぐ見た。


 ……?

 なーに?

 クルルカンじゃないよー!

 あやしくないよー!


 タタタタタ……。


「ありゃ、逃げた」

「にょむ!」


 ??

 ……なんか、少し複雑だなぁ。

 いつもは子供、よじ登ってくるのになぁ。

 うーん……。


『────アンティ。』


 クラウンの声で顔をあげると、看板があった。


「みっけ」


 どうやら二階建ての、小さな宿屋さんのようだ。

 淡い黄色の壁に、埋め込まれるようにある。

 先輩、さすがやんけ……。

 少しガヤガヤと人の音がしたので、すぐ前の路地を見ると、

 どうやらすぐに大通りがあるようだった。

 へぇ、ちょっと入っただけなのに、ずいぶんと静かな宿屋だ。

 隠れた名店かも。

 はいる。


 チリンチリーン。


「いらっしゃーい、……!」


 小さな女の子が店番をしてた。

 茶色い髪を、服と同じ黄色い布でまとめてる。

 アナよりちょっと大きいかもしれない。

 視線は、うさ丸を肩にのせた私に、釘付けになっている。


「部屋、あいてる?」

「あ……空いてます、けど……」

「そう、じゃあ──」

「ちょ、ちょっと待っ……お待ちください!」

「──え!? ちょ、ちょと!」


 パタタタタ……。


「なんじゃらほい……」

「にょんにょん?」


 いきなり放置された。

 仕方がないので、宿の中を見る。


 木を組んだ、穏やかな内装の宿だった。

 窓から陽の光がほんのり……うん、いい雰囲気だわ。

 今までにまわった宿屋は、ずいぶんときらびやかな外装が多かったけど、こんなふうに、静かで主張しない内装の宿屋も、のんびりできていい。


 しばらくすると、受付の女の子が、細マッチョなおじさんを連れてきた。

 顔のほりが深くて、色黒の男性だ。

 茶色い髪はけっこう短髪だけど、女の子と同じ色に見える。

 お父さんかな?


「おぉ、あんたさんかい? ウチに泊まりたいってのは?」

「ええ。部屋は空いてると聞いたわ」

「……」

「え、ダメなの? あ、もしかして、ラビットお断り、とか?」

「──に"ょむッッ!?」


 宿屋の主人っぽい色黒のおじさんは、アゴに手をあてて、私を見ながら何やら考えている……。


「……うーん、あんたさんはやっぱり、違う宿屋に行った方がいい。ウチじゃ、あんたさんに見合った、充分なおもてなしができねぇ!」

「ちょ、ちょっとお父さん! そんな口のきき方しちゃダメだって……!」


 やっぱりお父さんだった人が、変な事を言い出した。

 ?? 私に見合った"おもてなし"……?

 や、ここもダメだったら、困るんだけど……。


「……理由を聞いても?」

「いやなあ? いま、ウチのカミさんがカゼで倒れちまっててよ。治りかけなんだが、今日の仕入れは買出しに行けなかったんだよ。ウチの食材は今、サラダに使うナッツしかねぇ」

「お父さん!」


 ありゃー。な、なるほど。

 ツマミですなぁ。

 母さんなら、問題なく泊まれるわね。

 お酒さえあれば。


 てーか私、歩く"黄金の食料貯蔵庫"だかんね?

 心配ご無用よ?


「別にそれでも、だいじょぶよ?」

「メシが出せない、オレのプライドもあるんだがなぁ……」

「ちょ、ちょっとお父さん! ダメだって……」

「あ、いやぁ……だってよぉ……」


 ほぅ……!

 それは食堂娘として、わからないではないわねっ……!

 好感度大だわっ!!

 食材がないからメニューが作れないとか……うん、ありえないわねっ!

 なかなかいーいプライドを持った、ご主人じゃないの!


「他にもよぉ、今空いてる部屋は、シーツがちょびっとほつれてやがんでさぁ……そちらの従獣サマの寝床も、ありやせんし」


「ふぁ?」

「にょむぅ?」


 ? なんかいきなり、変な言葉遣いになったわね。

 従獣サマ? ……うさ丸の事?

 この子、いつも、かっっったい受付カウンタで寝てんのよ?

 板さえあれば寝れるって……。

 や、しかもベッドあんでしょ?

 いっしょに寝るわよ?


「?? 問題あるかな? ちゃんとお金持ってるわよ?」


 ……キン。


 私も、はたから見れば、ちっこい女の子だかんなぁ。

 信用されてないとかかな?

 金のグローブの歯車から、お金を取り出す。

 マントのスキマから手を出し、硬貨を見せる。


「──うわ」

「うーん……」


 !? 女の子が、私のグローブを見て、怖がってるように見える……?

 な、なんでっ!?

 初めての反応に、私、ちょっとパニック。

 どうなっとんの!?

 え? え?



      何なの────!?







「い、いやぁ、だからよぉ……貴族の方に(・・・・・)、ウチの宿は、ちょっとキツいってばよぉー!」




「──へっ?」






 ……。




 ……ん?




 ……。





 私が……、




 き……き……、




 "貴族(きぞく)"ぅぅッ──────!!!!?







「──ちゃ──うちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃう──!! ちがうってばぁ────!!!!!」



『────ツインテール部:範囲攻撃です。』





 しゅぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅぱぁぁ────!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] 紀伊國屋本店が家の近くだから名前似ててびっくりしたw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ