たいようさんさんうさぎさん さーしーえー
新年いっぱつめですね(*´∀`*)
ひゅおおおおおお────。
新しい風が吹き、
遮るものがなくなった太陽が、
オレたちの視界を、照らし出す────。
「……──ふっ、ふっふっふっ、ふっふ」
「ウソだろ……」
「ふ────っ、ふっふっふっふっふ……」
「なんと……」
「ふっふっは、は────あ──っはっはっはっは──!!!」
「そ、そんなバカな……あ、あなた、何者なんですの……?」
3体の、炎のゴーレムを生みだした火の少女。
しかし、今、それを見ているものなど、いない。
突然あらわれた質量に、皆、驚いている。
────黄金の少女の後ろに、それは、いた。
「わっ…… 」
『 にょっき……? 』
「す、スネイオ先生っ……! あれは、まさか……!」
「信じられんっ……! "召喚獣"じゃ……!!」
「ばっ、バカなっ……!?」
は、初めて見たぞ……。
あの、巨大なモフモフの丸いボディ……、
天を突く、一対の白い耳……、
力を感じずにはいられない、発達した赤い拳……、
聡明なる知性を思わせる、光り輝くつぶらな瞳……!!
あれがっ、"召喚獣"かっ……!!!
「では、アンティ・キティラの持つあの本は、"魔導書"だと言うことですかっ!?」
「うむ……!! 外側の見た目は偽装しておるのじゃろうが、まず間違いないのじゃ! ミス・キティラが本を開き、あの白い獣が現れた……! あのタイミング……もやは疑いようがないッッ!!」
「なんてこった……!! この戦いは、お互いに使役する者同士の戦いとなったと言うことですね!?」
「そ、その、とおりじゃあぁぁぁ……!!」
こ、この体から湧き上がるビリビリはなんだっ……!?
オレは、教師という立場を忘れ、興奮しているのかっ!?
雷の魔素が、勝手に身体に集まってきやがるぜ!!
……──ビリビリビリィィ──!!
オレたち教師陣の会話を聞いていた周りの生徒たちにも、
そのボルテージは伝わっていったようだぜ!!
「お、おい、"召喚獣"だってよ……!」
「"炎のゴーレム"に、"白いモフモフ"……! すごいな……!!」
「でっか……! え、金さじちゃんって、獣従職だったの!? 世界にはあんな魔物がいるのね……!」
「や、召喚獣って言ってたから、秘密の魔導書、とかじゃないのか?」
「や……それよりもさ、あれさ……めちゃくちゃ、かわいくない……?」
「うん……おもった……何あれ……お持ち帰りしたい……」
「心が、ぴょんぴょんするんじゃあ〜〜!」
「神の使いは、神獣なり」
「ガバッ──!!」
「なんか、ラビットの王様みたいなやつだな……」
「うん……あ、でも、燃えたら焼肉になっちゃうんじゃ……」
『──にょ!? にょむむむむむむむうぅぅぅ〜〜……』
「 」
「ふ、ふふ、アンティ・キティラ……あの身のこなしに、その白い獣……あなた、底が見えませんわね……」
「え!? あ、いや、こいつはその……」
『にょむにょむ、にょきっとなぁ……』
「し、しかし! その白い獣は、どうやら私の"赤の騎士"達の炎を怖がっているように見えますわ!」
「 」
『にょッッ!? にょ、にょにょんむぅぅう〜〜……!』
「ふ……ふ! 図体の大きさでは負けていますが、その大きさに見合わず! 可愛らしいこと! そんな小さなッッ! マスターのうしろに、隠れようとしてっ!!」
「──あ? てめいま乳のこと言ったか?」
「 ……。あ、あなたの方がその召喚獣よりも遥かに恐ろしいですわね……。か、数では私の"赤の騎士"の方が勝っています!! いけっ!! 我が下僕たちよ!!」
……──ごぉおおおおあああ!!!
……──ごぉおおおおあああ!!!
……──ごぉおおおおあああ!!!
「ひ、ひゃああああああああ〜〜〜〜!!!」
『にょおおきいぃっつとぉおお〜〜〜!!!』
おお……レンカの操る3体の炎のゴーレムが、
真っ赤に燃える剣で、黄金と白玉に襲いかかる!!
おっ、お! よけた! 逃げ回っとる!
ぶ、無様だが、流石に避けている!
あの大きなラビットも、動きが速いな……!
ゴーレム達が剣を避けられる度に、
地面がドッカンドッカン言う!
キティラ組は逃げの一手だな……。
やはり、レンカの言った通り、
あの白い召喚獣は、炎が苦手だったか……?
「これは勝負が見えて来ましたね、スネイオ先生……」
「……ぷるぷる」
「……!? スネイオ先生!? どうしたんですぷるぷるして!! 今、ぷるぷるって口で言ってましたよ!?」
「……ジャイアー先生。私は、ドーラ学院長にも秘密にしていることがある……」
「な!? ど、どうしたんです……何ですか、いきなり……」
「聞いてくれ……私は、不完全ではあるが、"鑑定"が使えるのじゃ……」
「!!!?? 何ですって!?」
す、"鑑定"だと……!?
あの、相手のコンディションを丸裸にするという……!?
そ、そんな高位スキルを、スネイオ先生が……!?
「スネイオ先生……!? あなたはまさか、元、神官だったのですか……!?」
「……!! ちがう!! 断じて違うのじゃ! ジャイアー先生、神官を甘く見てはいかん……! あれらは、本当に狭き門なのじゃ……! 私は、失敗したのじゃ、多くの攻撃魔法を犠牲にし、中途半端な"鑑定"を会得してしまった……クールタイムも長い……私は、間違ったのじゃ……」
「なんと……」
「しかし、私は今、あの白い召喚獣に、思わず、それを使ってしまったのじゃ……」
「……!!」
その気持ちは、わかる。
もし、オレも"鑑定"なんて魔法が使えたら、真っ先に今、あの白いモフモフの事を知りたがるだろう。
今のスネイオ先生の話では、不完全な"鑑定"を使い、今はクールタイム中だということか……。
「何が、見えました?」
「正直に言おう……私の"鑑定"は、ほとんど無効化された」
「なっ!?」
「使った相手が高位存在である場合、このような事がある……私の"鑑定"は不完全であるから、尚更のことじゃて……」
「そんな……」
い、いや、だがしかし!
スネイオ先生は攻撃魔法を犠牲にして、その力を得たと言った……だが! あの防御魔法や、補助魔法の速さや精度から、スネイオ先生は、かなりのレベルには達しているはずなのだ!!
あの白いモフモフは、それよりも高位な存在だと言うのか!?
「……かろうじて、あの白い召喚獣の、レベルだけが見えた……」
「────!!!!!」
「しかし……私は未熟故、やはり、間違いかもしれん……」
「な、にをおっしゃるか……!」
ど、どういうことだ……!?
レベルを見て、何を間違えるというのだ……!
「……あの、白い召喚獣のレベルは、いくつと見えたんですか……?」
「……レベル……"333"、じゃ……」
「ばっ……、か、な…………!!?」
「ぎゃぁぁああ〜〜〜〜〜〜!!!」
『にょんにょややぁぁあ〜〜!!!』
「それそれそれぇええ─────!!!」
『──ごぉおおおおお──────!!!』
(*´∀`*)うさ丸なに逃げとんねん(笑)










