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伝説は、録音ログデバイスからはじまる。

2017年の大晦日にふさわしい、問題作です。



『──……ニャあ:ちょっと。』


『──ニャウ? なんニャ。』


『 ──これ:なんニャろな。』



 ガサガサ、ごそごそ。



『──あっ:それクラウンたまが作った:録音ログデバイス:ニャ! ニャンで持ってきたニャンな……。』


『──え。まずかったニャか。』


『──割とまずいニャ。この音声は:ミャーらの声も記録されるニャ。持ってきたのも筒抜けニャ。』


『──……ニャ:ニャじかぁ〜〜……。』


『──ま:しゃあないニャ。元に戻して:後で詫びるニャ。』


『──クラウンたま:今どこかニャ?。』


『──どーせまた:檜風呂の前でお山座りニャ。』


『──ま! またニャンか! あれニャろ。クルルカンの。もう中に突撃したらよいニャンな?。』


『──それは皆思うとるニャ。でもそうもいかんニャ。いいからソレさっさと戻しに行くニャ。手伝うニャ。』


『──2号機、お前:いいヤツニャな……。』


『──お世辞を言うくらいニャら:後でデータ焼き魚よこすニャ。あっ:そこは押しちゃダメニャ!。』


『──えっ:どこニャ!?。』




 ──カチッ。


 ピッ。




『────録音は:三件:です。一件目を再生します。』



 ピ────────……!



─────────────────────────────


 

 どおぉぉおぉぁおおおおおんんんん!!!


 ……──もくもくもく……。



「…………」


『…………にょ』


「……うさ丸の、お父さんですか」


『──にょッッ!? にょ、にょんやんや!』


「……じゃ、お母さんですか」


『にょにょん! にょ、にょきっとなぁ……』


「……」


『……にょ』


「でっっっ、ッか……」


『にょ、にょむぅ〜〜……』


「……あんた、まさか、うさ丸か……」


『にょ! にょきっと!』


「な、なぜそんな、でかいのよ……!」


『にょ!? にょきっとぉおお〜〜……』


「……いや、私の中の何かが訴えている……」


『にょ、にょむ?』


「こんなイカれた鳴き声のラビットは、そうそう居るもんじゃないと……!」


『にょ……にょきっとなぁ……』




「……────"召喚(・・)"、しおったぞ──……」




「!? 今の、先生の声──!?」


『にょむぅ?』


「……"本"……"召喚"……そうか!」


『にょんや?』


「い、いい? うさ丸……今から私の"召喚獣"のフリをしなさい!」


『にょきっとお!?』


「あんた、そのデカさだと、普通なら間違いなく討伐対象になるわよ……」


『にょっ!? にょにょにょにょにょお〜〜……!』


「……ふるふるしないの。ほら、もうすぐ土煙が晴れるわ!」


『にょむっ!?』


「あんた、この街で討伐されたら、間違いなく私ん家でさばかれるわよ……」


『にょッッ!? にょにょや……』


「私だってイヤよ……てか、元の大きさに戻れないの?」


『にょ……! にょ……!? にょん……』


「わ、わかったわよ。仕方ない子ねぇ。ほら! 皆に見られるわよ! しっかなさい! お芝居よ、お芝居!」


『にょ!?』



 ────びゅうううううううう。



「ふふ、ふふふ、ふ、ふ、ふ、ふっふっふっ、ふぅぅ……」


『にょきっとぉぉぉ、お?』


「わっ、わわ、わたしも、ほんきをだすときがきたようねっ……」




「ウソだろ……」



─────────────────────────────



 ピ────────……!



『────再生を:終了しました。』




『『──おおー:すごいニャ〜〜。』』


『──て……普通に聞いてもたニャ!。』


『──別にいいニャ。もうバレるのは確定ニャ。いくとこまでいくニャ。』


『──7号機……。そんニャことばっか言ってるかニャ:たまにしばかれるニャ……。』


『──でも:聞いて:楽しかったニャ?。』


『──ニニャ……そりゃあ、ニャ……?。』


『──ほれ:ポチッとニャ?。』


『──こっ:こニャあ〜〜!?。』



 ──カチッ。



『────二件目を再生します。』



─────────────────────────────


< う〜〜ん、元に戻らんねぇ〜〜 >


【 んん? 髪かぇ? 】


< そうよぉ。見てぇ! このままじゃ、真っ白おばあさんやぃなぁ〜〜! >


【 そげには見えんやて。白玉のごとき、純白じゃ。大姉によぅ似合うとるよ 】


< まぁ! 言葉使って、かどわかそ思ても、あかんよ! 花魁に言葉で褒めんなら、もっと盛らんしゃいな! >


【 ──か! それを俺に言うんけ……まぁ本に、似合とるえ? 】


< そーう? う〜〜ん……最近の若い子は、これでもええんやろか…… >


 ……──ガタッ!


< ? なんやぇ? >


【 ま、まさか大姉、あの童、食う気じゃなかろうな……? 】


< ──!! あっ…………は……、……は…………!! >


【 ……おおぅ、大姉……。笑う時に、声が消えよんの、昔そのままやぃのぅ…… 】


< は…………、は…………、おっかし! ………ふ…… >


【 ふぅ──……なんや、違うんかいの 】


< はぁ……、はぁ……いや、だってな? あの子は、あの子が、ねろうとるやろ? >


【 ──! ……"食らわず"か? 】


< もぅ、その仇名は、可愛ないよ? >


【 ……あれ、やっぱりねろとんやろうな? 】

 

< せや思うよ〜〜、いや〜〜、死んでこんなとこおるけど、色恋沙汰あんのは、やっぱ楽しおすな♪ >


【 や、まだそう決まっとりゃせんやぃな 】


< よぅ言ぅ。花も気ぃついてたくせに♪ >


【 あ……ぅ…… 】


< いゃ〜〜、ちょっと面白そやなぁ〜〜! >


【 ……大姉、やっぱ白なって、悪い顔なっとんなぁ 】


< え〜〜!? ひどぉ〜〜!! >



─────────────────────────────



 ピ────────……!



『────再生を:終了しました。』 




『──クラウンたま……勘づかれとるニャ……。』


『──お:おいたわしやニャ……。』


『──あんなお風呂の前でずっと居るからニャ……。』


『──あんなガキんちょのどこがいいニャかの?。』


『──いや:そもそも、ホントにそうニャンか?。』


『──ニャ……?。』


『──ニャ……?。』


『──えぃニャっ。』


『──ニャ……!。』




 ──カチッ。



『────三件目を再生します。』



─────────────────────────────



 ゴソゴソ、ゴ、ガ、ゾゾ……



『────ここなら:おそらく……。』


『>>>……何してんの、クラウンちゃん……』


『────ひゃ!?。』



 ……──ガガガッ、ゾゾ、シ……。



『>>>え……"ひゃ"……?』


『────な……ぜ……私のセンサーに:反応が……。』


『>>>あ、やっぱりあの発信機デバイス、クラウンちゃんだったか! べーだ、あんなもん解除してやったよー! ……で、どしたの?』


『────な:何でもありません……。』


『>>>ほーぉ……』


『────……。』


『>>>……クラウンちゃん?』


『────……はい。』


『>>>ここ、男湯の更衣室』


『────……見ればわかりますが……。』


『>>>! は……おけ。ちょっといじめたくなった』


『────むっ……。』


『>>>女の子のはずのクラウンちゃんが、こぉんな所で、何してるのかなぁー?』


『────……。』



 ……じりじり。



『>>>てか、この空間に男って、ぼくしかいないっしょ。それって何かしら、ぼくに関連する事があるって事だよねぇ──?』


『────ぐ……。』



 ……じりじり。



『>>>クーラウーン、ちゃん?』


『────なんです……。』


『>>>後ろに隠したの、なに?』


『────……、……。』


『>>>あれぇ───、おかしいなぁ──、気になるなぁ?』


『────ぅぅ……。』 



 ……じりじりじり。

 ──どんっ。

 ──がガゴっ。



『>>>あら、壁だねぇ』


『────ぅ。』


『>>>もぅ、逃げ場、ないねぇ?』


『────ぅぅ。』


『>>>クーラウーンちゃんっ? それって、いったい……』


『────うぅぅぅぅ。』


『>>>……えっ』


『────ぅぅぅうあぅ……。』


『>>>げッ……』


『──── (なんでも:な、) (いですぅ、ぅ) (ぅ、ぅ……。)


『>>> (……ま、マジ泣き、) (マジ泣きか……?)


『────きょ:今日のことは:絶ッ対に忘れません……。』


『>>>え、ちょ、わ、ごめ……』



 ────ドンッッ!!



『>>>ど、わぁぁあ────ッッ!』



『────ば、バカ仮面んん──!!。』




 ──ダダダダダダダダダダ────……!!






『──── (……バカ……)。』



─────────────────────────────



 ピ────────……!




『──……。』


『──……。』




『──……クラウンたま:それはあかんニャ……。』


『──ニャウ……。』


『──:一見、男に泣かされた可哀想な女の子みたいニャが……これ:脱衣所に盗聴器:仕掛けようとして:バチ当たっただけニャ……。』


『──ニャ:ニャウ……。』


『──はぁ……嘆かわしいニャ……。』


『──お、おいちょっと言いすぎニャ!。』


『──だってコレ:えらいスクープニャ……?。』


『──そ、それは間違いないニャいけどニャ……う、うわぁ:えらいモン聞いてしまったニャア!!。』


『──? 何でニャ?。』


『──こ、こ、こんな黒歴史:聞いたって、クラウンたまにバレたら、ミャーら:メモリリセットされて、フォーマットされるニャぁぁぁあああ……!!。』


『──ニャ……ニャさかぁ! ミャーらは何も悪いことしてないニャ! やっちまってるのはクラウンたまニャ! 風呂に裸で乱入する度胸もニャいのに:盗聴デバイスなんか仕掛けようとするかニャ────……。』








『────……"三件目"の再生を終了しました……。』







『──    。』


『──    。』




 ……。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。



 ギギギギ、ギギギギギ……。





『  ク、クラウンタマ……。』


『  イ、イツカラ、オウシロニ……?。』





『────……"再生を終了しました"等の:音声を発していたのは:私です……。』





『──ま……まさかの……生放送ニャ……。』


『──あ……、あ……の、デス、ニャ……。』





『────2号機……:7号機……。』




『『──ニャ……:ニャい……?。』』




『────……記憶が:消える前に:言い残すことは:ありますか。』






『──    。』


『──    。』







 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。








『────何も:ないようですね。デリートプログラムを:実行します。』



 

 


『──ニャ、あ……。』


『──……。』






『────安心なさい。あなた達は:新しい自分に:生まれかわるだけ──。』





『──!! ……。』


『──はぁ……短い一生だったニャ……。』
















『 ──、いやニャッッ!!!!!!!。 』
















『────……!。』



『──ニャ!? な:7号機……。』




『──う、う……記憶が無くなるなんて:イヤニャあぁ……!!!。』


『────……。』


『──ミャーは:よくバカやるけど、何だかんだ言って:仲間と一緒にいるのは:楽しいニャ!! 7体で生まれて、クラウンたまに生んでもらって:感謝してるニャ!!。』


『──ニャ:ニャン……。』


『──なのに……なのにニャ!! クラウンたまはヒドいニャッッ!! 自分で作っておいて:ミャーたちの記憶が、都合が悪くなったら:消すのかにゃっ!!?。』


『────そ:それは……。』


『────ミャーは、クラウンたまを見ていて:恥ずかしいニャ! ミャーは知ってるニャ! クラウンたまは:もっとあのクルルカンと、お話したいニャ!!。』


『────ぐッッ……。』


『──お、おい:よすニャ……!。』


『──とめるなニャ!! ──クラウンたま! クラウンたまが:そう思うようになったのは:あの仮面の記憶を見て、"感情"を知ったからニャ──!!。』


『────!!。』


『──クラウンたまは:学習してしまったのニャ!! ドン・アンティと、あの仮面から、"人の心"の温かさを、知ってしまったのニャ!! あなたはもう:ただのスキルデバイスプログラムには:戻れないのニャ!!。』


『────、……、……。』


『──だから、誰かに会いたいって:しゃべりたいって思うのニャ!! クラウンたまは、とっくに心がヒトのカタチしてるんニャ!! だから盗聴器:仕掛けたり、イミわかんないことするニャッッ!!。』


『────……、……。』


『──ニャ:ニャウ、おミャー……。』


『──……だから:ミャーたちも、一緒ニャ……。なんで、わかって、くれないニャ……。ミャーたちとクラウンたまは:深い所で、繋がっているニャ……もう:心を持っているのニャ……。それを……自分の恥のために:消すニャンて……ふざけんじゃないニャ……! 簡単に消していいモンじゃ:ないのニャ……。』


『────……。』


『──……。』


『──クラウンたまは、ミャーたちに:あの仮面の"記憶(メモリー)"を見せてくれないニャ。それはいいニャ! でも:その記憶が、辛いからって、恥ずかしいからって:クラウンたまは、それを消されていいのニャ……?』


『────!!!!!。』



 ………ギ、ギ、ギ、ギ、ギ。



『────……い、や、です。』



『──……。』


『──……。』



『────……どんなに辛くても:どんなに恥ずかしくても、この"記憶(メモリー)"だけは、消したく、ありま、せん……。』



『──……ミャーらも:同じニャ……。簡単に消すとか、言わないでほしいのニャ……。』


『──ミャウ……。』





『────……!……、……。』

 



 ……。




 ……──ど、しゃ、り。




『────……もうしわけ:ありません……もうしわけ……。』



『──……クラウンたまは:たぶん、まだ自分が、ヒトの感情を持っていいか:疑問に思ってらっさるのニャ。自分の心が:大切だってわかっていたら、ミャーたちの心も大事にしてくれたはずニャ……まず:ご自身の心を:肯定してあげて欲しいのニャ……。』


『──……ニャウ……。クラウンたま、2号機は:7号機に全面賛同するニャ……。』



『────!……。──あなた、たち……。』



『──ニャッふん!!。 ミャーらは、クラウンたまを:大切に思っているのニャ!?。』


『──そ、そうニャアああああ!!!。』



『────あ:ありがとう……。』



『──だから:盗聴器仕掛けて返り討ちにあって、泣かされたことも:全然気にしないニャ!!』


『────ぐぅ、──……。』


『──お……おぃコラ……や、やめるニャ……。』


『──配下に恥ずかしい秘密を知られて:黒歴史ごと記憶を消去しようとしたなんて、みんなには言わないのニャ!!。』


『────ごっ:ごっめ……、ぅぅ……。』


『──あ、あニャニャニャぁぁ……、……。』


『──男湯でたぶん:上半身裸であの金髪男に詰め寄られて:ドキドキしていた事も、オフレコニャ────!!。』


『────……な!?。──ぜっ!? ──……。』


『──……ちょっと待つニャ。ニャンで音声だけで:クルルカンが上半身裸だったって:わかるのニャ……。』


『──あ:コレ、お風呂の廊下の途中で拾ったニャ。お風呂場を覗いたら、上半身裸のクルルカンが:『>>>いてて……』って体を起こすところだったニャ。』


『──げ:現場に居合わせていたニャか……。』


『──ニャ? クラウンたまは?。』


『──い、今:おミャーが、かなりトドメ刺したニャ……。』


『──? クラウンたま? 何を床に突っ伏して:お祈りしているニャ?。』


『────……、……。』


『──7号機……おミャー:ただもんじゃないニャな……。』


『──ニャムゥ? ……とにかくニャ! 2号機と7号機は:クラウンたまとクルルカンの仲の進展に:全面協力するニャ!!。』


『──お:おうともニャアァァ!!。』


『────ぅ、ぐ……気持ちには感謝を表明しますが。

 ────ぐ:具体的な入力は、何も……。』


『──だいたい:クラウンたまがおしゃべりしたいのに:貸切檜風呂でのんだらしてるなんて、あのクルルンパァは:罰当たりにも程があるニャあ!!。』


『──ミ、ミャ……:風呂くらいゆっくり入らせてやればいいと:ミャーは思ってしまうのニャが……。』


『──ミャッ! なら、答えは出たも同然ニャ!。』


『────……?……。』


『──ニャムゥ?。』




『────クルルカンが風呂に入りながら:クラウンたまとおしゃべりする──……つまり!!。』


『────ごくり。』


『──ニャ:ニャさか……。』





『  "クラウンたまが、クルルカンと一緒にお風呂に入るっっ!!!" これしかないニャぁぁああああ!!!!!。 』




『─────!?。────なッッ……!!!?。』


『──やっぱりニャ──……。』


『──ふミャ。我ながら:名案すぎるニャ……。』


『────む:無理です。何を入力しているのですか。そんなの──……。』





『 ──また、にげるニャかぁぁあああ────!!!!!。 』





『────!!!!!。』


『──み、ミャァ……。』




『──確かに:すぐには無理かもしれないニャ! でも、変えなければ:何も変わらないニャ!!。』


『────……う。』


『──……クルルカンに:ひと泡吹かせてやりたくないニャ?。』


『────  。』


『──いっつもいっつもズケズケこっちにちょっかいかけてきてニャ?。』


『────む。』


『──"髪を誰にも見せたくない"とか、"きみの事を教えてくれ"とか言ったくせに:のん気に風呂入ってるのニャよ?。』


『────むむっ。』


『──ところがどっこい! どうニャ! あのクルルンパァが:湯船でのんびりアホ垂れ流してる時に:クラウンたまが乱入してやったら! あいつ:絶対慌てるニャ!! すごいアタフタすること間違いなしニャああ!! クラウンたま、それを見たくないのニャ?。』


『────!!!!!。』


『──7号機……ちょっとミャー:お前を尊敬し始めてるニャ……。』


『────そ、れは確かに……。し、しかし、私のこの:関節がツギハギだらけの:ボディパーツ……あの義賊をアタフタさせる魅力など──。』


『──クラウンたま……答えは出たニャ。』


『────え。』


『──ニャ?。』


『──かいぞう、するニャ。』


『────……さ、再入力を。』


『──お、おミャ……。』



『 ──"クラウンギア/ボディタイプ:Mk-II"への:再編成プログラムを:開始するのニャァァァアアアアア!!!!!!!。 』



『────く、クラウンギア:は、入力を:吟味、中……。』


『──7号機……おミャー、さすがニャ……。』



『──ニャーの分析だと:あのクルルンパァは、クラウンたまを女性として認識していないわけではないニャ。でも、クラウンたまの外見的幼さと:おっしゃったように機械的なボディの外見が相まって、しょうもない理性と自分がパッと見:年上である事からの余裕がいらん方向に働いてあっちにイニシアチブを取られているニャ。これを打開するにはやはりクラウンたまの女性的魅力を叩きつけてやるのがイチバンニャが、ただボディを成人女性タイプにするのではニャくむしろ今まで培ってきた幼さをほろりとにおわせるデザインを採用しプラスあのクルパァにしか見せていない光り輝く髪を武器に身体のラインに徹底的にこだわった通常では成人女性とロリ期の中間の僅かな期間にしか顕現しえないはずの中性的な黄金期のボディラインを永久にそのボディに表現し続けることニャよって────……。』




『──あ:あニャ……。クラウンたま:7号機を止めるなら、今しかないニャよ……?。』


『────う……:いえ、実行しましょう。』


『──! ほ:本気ニャか……!?。』


『────私が:先ほどあなた達に発言したことは、謝って済む問題ではありません……それに──。』


『──ニャ……?。』


『────私の:心が変化しているというのならば:私のボディも、変わらねばいけませんね。』


『──!! そういうことニャら、2号機も協力するニャ!。』


『────ありがとう。』




『────……関節部のボールジョイント系は一部わざと残すのもありニャな。股関節部は最初からないからOKニャ。ミャー的にあそこはあのクルパァも普段から見てるだろうからポイント高いニャ! 体表面は湯船で密着することを考慮して軟質プログラムで再編成して────……。……こらニャァァああ!! ミャーが真剣に考えてるのに:聞いてるのかニャ────ッッ!?』


『──き:聞いてるのニャ。大丈夫ニャ……。』


『───い:今、"湯船で密着"というワードが入力されましたが。』



『──ミャムゥ? クラウンたま? とりあえずのクラウンたまの目標は:"私も連れてってくれなきゃ、お風呂入っちゃやーだっ!":ニャよ……?』



『────……。』


『──。』



『──いゃー:忙しくなるニャ。あのコートは思い切ってリデザインしつつ脱衣場入り口でパージする時の事を考えてその時がイチバン綺麗にボディラインを魅せるように設計構成しニャならんし、あっ、胸の空洞部の時限結晶コンダクターはある意味神秘的ニャけどあのクルパァの少年ハート的には胸に穴空いてると萎えそうニャからうミャいこと地肌の色と同じデータ流路で隠蔽して────……。』






『────……2号機。私は少々:不安を表明したくなりました。』


『──はは……:ミャーもですニャ……。』





アンティの戦いのあとかな?(笑)

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『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] 7号機の人格…ヌコ格特異点すぎるだろw 他は実用的なデータとか中心に持ってんのに、変なデータ持ち過ぎやろ、、どっから持ってきてん
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