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はえぇよ、箱庭 さーしーえー

前回の反省:先輩を美形に描きすぎた(*´ー`*)



「>>>近くで見ると、凄いな……」


「────はい。」


「>>>でかいよな……」


「────はい。」


「>>>でもさ……」


「────はい。」


「>>>……なんであんなに、かっ飛んでんの(・・・・・・・)?」



 ────ォォォオオオオオ───!!!!!



「>>>……、」

「──……。」



 ────おぉォォォォォ────── ─ ─ ─。



 …………。



「>>>行っちゃったけど……」


「────……はい。」


「>>>…………」


「────……。」



 >>>あの……(とら)われの身の、イニィさん?


 あなたの引き渡し場所が、


 はえぇ(・・・)んだけど……。



「>>>どしよかな……」


「────……むぅ。」


「>>>……」


「────……。」


「>>>……呼ぶか……」


「────……はい。」






「むにゃむにゃ……かんあんむすぇ、なぇんじゃなぃあょ……」

「にょっきゅ〜〜……すぷ〜〜……」


 ──ジジジ、ジジジ、ジ。


『────アクセス。』

『────レム睡眠より:ノンレム睡眠に移行。』

『────脳波パルスパターン:同期開始。』


 ──きゅうぅん…… … …。

 ──きゅぅういいいいん──!


『>>>おし、捕捉おっけ。こっちやるね。スキルは任せた!』

『────了解。並行して進行中。』

『────同期スキルを:呼び出ししています・・・。』

『────同期スキルを:呼び出ししています・・・。』

『────呼び出し成功。"価値交流(カチコミ)":正常稼動。』

『────アンティ・キティラの精神体に干渉中。』

『>>>バッチリ。脳組織に損害なし。パターン送ってる』

『────暫定シナプスゾーンにアナライズスキャン開始。流路暗号化。』

『>>>えらいところに……質量は大丈夫?』

『────ご安心を。透過モードにて展開中です。』

『>>>はは、あんまいい気分じゃないかな? アンティには秘密だね』

『────同意。デバッグの進捗を。』

『>>>きれいなもんだよ。いけるね。カウント!』

『────了解。"バッグダイブ"まで:5、4、3、2──……。』


「むにゃむにゃ……」


『──────"ダイブ":開始。』




 ────どぉぉおッッ、ぽぉおおおおんん──!!!




 ──────!?




「!!、!? 、〜〜〜〜ぃぃぃいいぃァ──!!??!??」


 ちょ!! と!! え!!?


「わわ、わわわ! わー!? わわわわわ──!!?」


 え!? え!? えぇッッ!!?

 お、落ちてる? 私!?

 え、え!? わわぁ──!!


「な、ん、で、じゃああああああ────!!!」


 どこじゃ、ここぉぉ────!!

 わたしッッ!! 寝てたはずっ──!!?

 なんで落ちてッッ──……!

 ここどこじゃぁぁ────い!!!


 これ、落ちてんのか!?

 ヨロイは、着てない!!

 辺りが、なんか、色が、ない!?

 でも、広い、広い!!

 何にもないぞ!?

 ここは空か!? 地面はどっち!?

 うわぁぁああ────ん!!

 なぜだぁああ────!!!

 誰か、セツメイしてぇぇえ──────!!!




「ハッ……!」

「どうしたんだぜ、セッツメイ?」

「か……カイセッツ兄さん! 今、俺を呼んだかい?」

「いや、いま呼んだぜ……何言ってんだ、弟よ……」

「今、どこかで……スルーゼー家の誇りが、(けが)された気がしたんだッ……!」

「な、なんだって……?」

「──ちょっとにいさん達!! はやく食べてよ! 片付けられないでしょ!」

「いや、ミヌフリ! 今、セッツメイが気になる事をっ!」

「いーからはやくぅ! 全くもぉ! いつまでも見ないふりしてたら、これだぁ──……」

「「ぅ……、ガツガツガツガツ……むぐむぐ」」




「──なぜなのォ────……」


『────捕捉しました。』

『>>>おお、ほんとに居た! 後輩ちゃ──ん!』


 よく分からん空間を落下(?)していると、

 上(?)の方から、クラウンと先輩らしき人影が、

 凄い速さで、追いついてくる。

 ……。

 やっぱアンタらの仕業ねぇ──……!!


『────おはようございます。』

「おはよう……ねぇ、私、今すごく落ちてるんだけど」

『────肯。私も一緒に落ちています。』

「そだねー」

『>>>こ、こういう状況に対して、悟りが開かれつつあるな……』

「おいこら先輩、ここどこやねん」

『>>>今更だけど、方言女子っていいよね。バッグ歯車の中』

『────ほうげん……。』

「え、は!? "バッグ歯車"、の中ァ──!?」


 ────……。

 えと……?


「で、でも、私、生きてるよ?」

『────アンティ。今のあなたは、精神体のコピーです。』

「はぁいッ!?」

『>>>あー、えとねー。や、ややこしいな……。今の後輩ちゃんは、"心だけコピーして、本人と同期させてる状態"ってことかな? だから、本人でもあるんだよ。ちなみに身体は今も、うさ丸と寝てるから安心してね!』

「こ、"心だけ"……"バッグ歯車"? えと、"心"って、バッグ歯車に入るの……?」

『────本作戦は:イニィ・スリーフォウのスキル:"価値交流(カチコミ)"の出力を使い、実施されています。』

「あ、あれ、"カチコミ"って何か、前とは違う意味に聞こえる……」

『>>>あ──……。ま、まぁ、きみは寝ている時に、ココロだけ、バッグ歯車に入れるようになったんだよ!』

「そ、そんな事が……え、ちゃんと手とか服とか、あるんですけど」

『────心はあなたですから。』

「むぅ……む、むぅ??」


 ようわからん。

 ようわからんが 

 ここは、バッグ歯車の中なんだって。

 ひろっ。

 真っ逆さま。


 ひゅ────ぅ。


「──で? アンタ達、なんで私、呼んだの?」

『────む、むぅ……』

『>>>は、はは──……』


 ……なんか、あったわね。

 はぁ……。

 もう少し、ゆっくり、

 ベッドで落ち込んでいたかったわね……。

 なのに、こんな所で自由落下ですよ……。

 ま、いっか。


「……どこに、カチコミに、いくんですかぁー」

『>>>そぉ、そういう言い方しちゃうか、この子は……』

『────……肯。的を射た表現。』

「えと、イニィさんに、なんかあったの? サキと、フライパンさんの所に行っただけなんでしょう?」

『>>>! 後輩ちゃん! "ヨロイ"が来たよ!』

「えっ────!」


 ────ギュゥウゥゥ────ン───!!


挿絵(By みてみん)

「な、何なの、アレ!? 」


 何かが、私たちに追いついてきたっ!

 き、金色の、花みたいな形の!?

 6枚、花びらがあるような……。

 てか、あの色って、まさか!


『────クルルスーツ:レディオル改を、運搬形状用に構築し直しました。』

『>>>……見た目が、でっかい6枚羽根の、ハンドスピナーみたいなんだよね……』


 やっぱりアレ……!

 あの金ピカドラゴン製の、クルルスーツなの!?

 おあっ、こっち飛んできたわ!


『────アンティ。"コール"を。』


 ────!!


「わ、わかった!

 クラウン! コード入力! ──"へんしん"ッ!」


『────レディ(準備完了)装着変身(チェンジオーバー)シークエンス。』



 ガチャ、ガチャガチャッッ!


 … … …──ギァオオオォオオオオンン────!! 



『────服飾データの格納を確認。』

『────外甲殻基礎フレーム:展開。』

『────第一装甲:リローディング。』

『────バイタル正常:シナプスリンク:コントロル。』

『────フレーム内部:流路形成。』

『────全ジョイント:展開完了。』

『────右脚部:捕食展開。』

『────左脚部:捕食展開。』

『────右腕部:捕食展開。』

『────左腕部:捕食展開。』

『────関節部:気密圧縮。』

『────第二装甲:パウンテッド。』

『────四肢装甲:鎮静化に成功。』

『────ジグザグギア:正常鎮圧。』

『────プレミオムアーツ:結合化。』

『────マント生成:展開値抑制中。』

『────マスク部位:ツインギアに固定完了。』

『────装甲展開正常率:100パセルテルジ。』


『────"クルルカンスタイル"。スタンディング・バイ。』



 … … …──シャキィ────ん… … …!!


「んぅ……」


 黄金の義賊ちゃん、爆☆誕。

 in アイテムストレージ。and、自由落下中……。


 スーツのカタチは変でしたが、

 やっぱり、生肉に、喰われましたァ……。


「ふぅ……てか私って今、"心"だけなんでしょう? "変身"、できるのね……」


『>>>はは……バッグ歯車の中って、摩訶不思議空間だからねぇ〜〜』


「──! 先輩? それにクラウンも! いきなりあなた達の姿が、見えなくなったわよ?」


『────ご安心を。装甲展開に準じて:外装プログラムはクルルスーツに内包済みです。』


『>>>ぼくらが側に見えてても、作戦がやりにくいだけだからね! ま、いつも通りさ! バックアップするよ!』


 あ──……、ちゃんと声は聞こえるわね……。

 いつもの状態だわ。

 金のヨロイも、着ちゃえば、いつもの生肉よね。


「……んで? 作戦って……? いやその前に……」


『────返答モード。質問の入力を。』


「……何が、あったの……?」


『────……停止:できないのです。』


「はぁ?」


『>>>……"箱庭フォートレス"が、止まらないんだよ……』


 ……。


 えと、つまり、その──……。


「……船が、超、走ってんの?」


『────肯定。』


『>>>ていうより、"かっ飛んでる"……』


「…………」




 ……なるほど。


 確かに、摩訶不思議空間だわ?




今回の反省:スルーゼーの妹さんスルー(・ω・)

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