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とりしらべ晩餐会 さーしーえー

オーバーラップさん広報ブログで、

書籍化告知ありましたね(笑)(*´ 艸`)

まだ簡単な告知だけですが!

担当さんに、「あおり文これでいけますか?」って

頼んだら、ホントに変更してくれて感謝(ノ≧∀≦)ノ

うわぁぁあん! って書いてあります(笑)



 ふて寝だふて寝ぇ────!!!



『>>>うわぁ、えらいことになってんなぁ……』


『────アンティ。その座り方は:正しいソファの座り方ではありません。』


 知ってますよぉ────……!

 このソファ、横向きに寝たら、

 ちょうど肘掛が、頭と膝裏にくんのよぉ。

 私みたいなちっこい女の子ができる、裏技なんだからねぇ。

 うう、ちっこい女の子……ちっこい。


『────精神コンディションの変化を確認。ヒキハ・シナインズの両胸の感触に起因する。』


『>>>か、感触って……はは、は。まぁ、皆さん秘密は守ってくれそうじゃないか。イニィさんはここにいないで正解だったかもだけど……そういや遅いよなぁ、連絡……』


『────肯。"箱庭フォートレス"に潜伏中のイニィ・スリーフォウからの定期連絡が途絶しています。』


 うぇ? イニィさんが?

 定期連絡って何。

 どうせサキがいる所に行ったんでしょ?

 だいじょぶよぉ、だいじょーぶ。


 だいじょぶじゃないのは、私だぁ…………。


「ここここ、これはッッ!! Gsランクの、"郵送配達職(レター・ライダー)"のギルドカードッッ!? ば、バカげている……バカげてますわよっ、アンティ!?」


 私のギルドカード持って、プルプルする副隊長。


「あぅ……それ、私のせいなんです……私のせいなんですが……ロールキャベツ美味しいです。もいっこもらっていいですか」

「にょむむぅ……むみゃ〜〜……」


 私の作ったロールキャベツを食いまくる受付嬢。

 お膝には、ねぼすけうさ丸さん。


「……なるほど、"赤の時限結晶"……これか……やれやれ」


 私の"猿辞典"の巻末ページを読んでいるギルドマスター。


「平和に暮らしてぇ───……」


 そして、私の運命を案じる、私自身である。

 ギルマスがミックスサンドを頬張りながら、私に聞く。


「んぐ……おいアンティ、その頭の赤い宝石が、"時限結晶"なのだな?」


「そぉ──でぇーす……」


 もう隠せねぇ……。


「アンティさんって、めちゃくちゃいつも身軽だなーと思ってたら、まさかそんな伝説級のアイテムを持っていたんですねぇー」


「正体を隠しているのは、そのためか……。アンティ、それは取り外しできんのか?」


 ……むりでぇ──す。


「……この金の王冠、私のスキルなんです……完全に引っ付いてて、一体化してる。絶対にムリだと思う」


「……お前自身が、"伝説級のアイテム"だという事か……」


「うわぁ……アンティさん、世界一のお宝なんですねぇ……」


「やめてくれぇ〜〜……」


 天井を見上げながら、顔を覆う。

 うぅ、とうとう時限結晶のことが、

 ギルマスとキッティにもバレてしまった。


「"完全時間停止"、"容量無限"のアイテムバッグ……アンティ、見せてはくれんか? そのマフラーでは、ないんだろう?」


「……」


 ──きゅううううううんん!!


「「「──!!」」」


 1人がけのソファに、だらしなく横に寝転びながら、

 私は幾つかの金の歯車を、まわりに出した。

 いつもは"白金(しろがね)の劇場幕(げきじょうまく)"で隠すんだけど……。

 もう、疲れた……。嘘をつくのは、しんどいよぅ。

 ……何、出そう。

 火は、熱いな。

 ……そうだ。

 みず……。川の、水。


 ぐったりしながら、両手の平を、上に向ける。


(──クラウン……)


『────レディ(準備完了)。

 ────ウォーター輪舞曲(ロンド)。』


 ──ザバァァアアアアアア────!!!


「「「──!!」」」


 ひとつの歯車から、大量の水が出る。

 綺麗な、小川の水だ。

 透き通った流れは、床に落下はせず、

 少し離れた所にある、違う歯車に吸い込まれていく。

 同じように、水の道を作る歯車のペアが、

 5対くらい。

 先輩の感覚を得た私には、これくらいの操作は、

 お手玉と同じだ。


 ふ、まさに大道芸。

 空中を流れる、大量の水の道。

 ウォーターダンスだわ……。


「────これは……!」

「わぁぁあ……すごい……! きれい……!」

「……! あの時、ファイアエレメントを倒した──……」


 ──きゅぅぅぅうううんん……!!

 ────しゅぱん!!


 水を出すのをやめ、幾つかの歯車は消し、

 残りの歯車は、ヨロイに付けた。

 あーあ、これ見せちゃったら、もうダメだな。


「……今の、金の歯車が、お前のスキルと言うわけか……」


「ごめ──さ──つ」


「か、感動しました……! アンティさん……いつでもピエロになれますよ……!」


「もうなっとる……」


「久しぶりに見ましたが……あの歯車自体が移動できるのですよね……どんな場所の物も無限にしまえて、どんな場所にでも出せる。武器、食料、資材、攻撃手段……無限の可能性。アンティ、相変わらず、規格外ですわね……」


「やめてぇ、気が滅入るわ……」


「その歯車自体も気になるのだがな……まぁ、お前が隠したい物は、理解できた。とぉてぇもぉ、理解できた……」


「わかっていただけましたかぁ……」


 うう……ホントはあとひとつ持ってるとは言えん。

 ただ、紫の方は、ヒールスライムくっついてるかんなぁ。

 お願いだから、そっちの方はバレないでぇ……。


「……おまえ、これからどうするんだ?」


「ふぇ?」


 ヒゲイドさんの質問に、頭を肘掛けから上げる。


「郵送配達職(レター・ライダー)で、いいのか?」


「──!」


「おまえは多分、自分を守りながら、その力で富を得られるぞ?」


「……」


 う──ん。


「……仕事は、今のままがいい。私、手紙を配る、この仕事が好き。今回は、ヒキ姉のお願いだから旅に出たけど、正直な感想は"もう冒険はコリゴリだ"って感じですぅ……」


「……ッ! ……くくっ、くっくっくっくくく……!」


 な、なっ!!


「なんで笑うんですかぁ───!!!」


「くっくっくっく……!  なぜ、そんな力を持って、力に溺れずに済むのだろうな、と思ってな……? お前の考え方は、非常に幼く、単純だ」


「ぶ、ぶぅ──────!!」


 なによぉ────!!


「はぁ……だが、それがよい。大きな力には、いつの時代も周囲の期待や責任が、ふっかけられるもんだ……。だが、そんな責任や義務は、他人からの、力がある者への押し付けであって、その者個人の幸福とは、別のものだと俺は思う。だがお前は、一番最善の方法で、自分自身で、自身の幸せのために、その力を律しているのかもしれん。何だかんだ、色々と助けてしまっているしな?」


「……は、はぁ……えぇっと……?」


「お前にふさわしい力だという事だ、アンティ。大事にしろ」


「……は、はぃ……。???」


 なんか、変な納得をされてしまった。

 ようわからん。

 ギルマスはまだ、くすくす笑っている。


「はぁ〜〜……。受付嬢の立場としては、きょぉおおあくな魔物の討伐とか、荷物の運搬とか、すっごいやって欲しいンですけどねぇ〜〜?」


「ま!? 魔物は、やだぁぁ……。えと……荷物なら、"届ける"仕事だから……その、正式に依頼してくれれば……」


「あはは! 魔物の件は冗談ですっ! ……そですね、重い荷物を運ぶのは、お願いするかもですねっ! あんまり大量に運搬しても、怪しまれちゃいますよ? ふふ〜〜、ここまで来たら、隠し通してやりましょお! だいじょぶです。私はいつでもアンティさんの味方ですよぉ!」


「き、きってぃぃ……!」


 あ、あんたって奴は……!


 何だかんだ、バレちゃったけど、

 なんか、心強いのはどうしてだろう……!

 な、何かこみ上げるもんが……。


「ふん! ま、乗りかかりまくった船だ。とことん付き合ってやろうではないか! ドニオスギルドのトップは、この俺だからなぁ?」


 パタンと、本を閉じ、

 ニヤリと、不敵に笑うヒゲイドさん。

 か、かっこいぃぃいい!!

 ぎ、ぎ、ぎるますぅぅぅうう!!

 い、今はダメです。

 キッティとのダブルパンチです。

 なんか、うるうるしてしまいます!

 うぁぁああァァ〜〜ダメだぁぁあ〜〜……。


「うっ……うっ……」


「おぉ、おい、お前……」


「あやや、泣いちゃった……」


「だってぇ……」


 これでも、不安だったんですよぉ……?

 まだ、15の乙女ですよぉ……。

 いろいろ、抱え込んでんですよぉ……。

 そんな時に、優しい言葉なんて、かけるからぁ。

 こんくらい、泣かせてくださぃなぁ……。

 うう……涙で前が見えん。


 ……キン。


 涙を拭おうとしたら、

 先輩仮面と金のグローブが、ぶつかった。

 先輩ぃぃ……じゃまぁぁあああ……!


『>>>さ、さーせん……』

『────案。クルルカンの仮面のロックを:解除しますか。』


 うん……お願い……。


 ────カショ!

 ────カショん!


「「──!」」


 私の両耳の歯車が、音をたて、少し外に広がる。

 ロックがはずれたのだ。

 仮面が少し、前に押し出される。


 ああ……なんか、恥ずいな。

 クラウン、髪で顔、隠したいのよ。

 ツインテールも、解除して……?


『────レディ(準備完了)。お任せを。』


 ────かち、かち。

 ────きゅうううう……ん……。

 ────サラァァぁああ……!


「お、おい、アンティ……?」

「わぁ……髪が……」


 左右から、金の髪が流れて、私に覆いかぶさっていく。

 うん……これでちょっと、顔が隠れるかな?

 首に巻いたマフラーを緩めてずらし、

 仮面を掴み、前に引き抜く。


「──!」

「えっ……!」


 ────シャキィ、ィ、ん……。


 あ、と……マフラーが、下にすべり落ちてしまった……。

 いいや……。

 膝元に、仮面をおろす。


 はじめて、ギルマスと受付嬢に、

 素顔を見せる。

 お礼をいう時に、仮面は、ね……?


挿絵(By みてみん)

「……ありがとうございます。ヒゲイドさん、キッティ。……これからも、よろしくお願いします……」


 2人の方を見て、涙目で、言う。

 長い付き合いになること、切に願って。


「     」

「     」


「……ん?」


 ……なんだ?

 目ぇかっぴらいて、とまってんぞ……?


「あ──、アンティ? あのですね……」


「え、何、ヒキ姉……」


「前から言おうと思ってたんですが」


「ぁい?」


「あなた……髪を下ろした時の破壊力が、一番ヤバイですわよ……?」


「?? どゆこと?」


「……無自覚って、こわいですわね……」


 ……? ???

 なんだ? どゆことだ? ヒキ姉?

 なぜ、ギルマスとキッティは、

 私を見て、凍ってんだ……?


 ──すっく。


「にょ、にょぷわぁ────!?」


 ────ごろごろごろ──ん!!


 お、おお、キッティあんた……。

 どしたの、いきなり立ち上がって。

 膝の上で寝てた、うさ丸、こ、ころげ落ちてったわよ?

 だいじょぶか……?


 ──すたすたすた。


「おぅ? あの、キッティ……?」


 私の前で止まりやがった。


 ──ぎゅっ。


「え、ちょ……ぷ」


 ……なぜ、抱きしめる……。

 やんわりと、顔を包むように。

 なんなのだ、このふんわりキッティは。


「て、て──」


「むぁ。ちょと」


「──天使だわ。ギルマス、今日、私、天使をお持ち帰りしていいですか?」


「やめんか……やれやれ。確かにこいつは、仮面が無いといかんな……あからさまに、目立ってしまう」


「! ふ、ふーん、せいぜい変装しますよぉ──だ!」


「……お前は何もわかっていない。はぁ……」


 な、何なんすか、ギルマス。

 その哀愁ただようため息は……。

 おいキッティ、そろそろ離……、お、おい?

 なんでそんな愛おしそうに私を見るんだ……?


「ふっふふ、ふふ〜〜ん♪」

「こ、こらぁ」


 ちょ、こゃ、キッティ。

 顔、抱きしめたまま、うきうきするんじゃねぇ。

 左右にふるふるするんじゃねぇ。

 いいから離して、うさ丸に謝らんかぃ。

 机の下に、ぴゅーんと、すっ転げていったわよ……。


「あの、皆さん……和(なご)んでいるところ、わるいんですが……」


 お、なんだなんだ?

 ヒキ姉。受付嬢が抱きついて私を離さん。

 助けてくれ。


「あのですね、アンティ。その首のやつ、"配達職(ライダーズ)"のプレミオムアーツですわよね……?」


「あ、うん、そう、これ」


 "白金(しろがね)の劇場幕(げきじょうまく)"、ズレ落ちちゃったから、丸見えだね。


「いや、あなた……ヤバイですわよ?」


「なして?」


「姉さまが言ってたんです……"いやーめんどくさー! 今月末はプレミオムズ集会、ありそうなのよー!"、って──……」


「…………」


「…………」


「…………」


 ………しゅ、うかい……?


「やべぇぞ……」


 おい、ギルマス。

 何故、顔を覆う。


「アンティさん、ピーンチ……」


 おい、受付嬢。

 何故、顔が青い。


「ひ、ヒキ姉、プレミオムズ集会って、その」


「プレミオムズの皆さん、ほとんど来ます」


 …………。


「……どこであんの」


「王都」


「……いつ」


「あるなら、月末ですわね」



 …………え、


 やばくね……?



 …………。



 ……ん? 月末……?



 ……ちょ!?


 

 ────うおおおおおおおお────いいい!!!??


 学校の試験と、


 日程、被ってんじゃねぇかあああァァ────!!!!!




「──うわぁぁああはぁぁぁあああああ────んん!!!」


「やばいな」


「やばいですね」


「やばいですわ」



 ──やばいでしょうよぉぉおおお────!!!??



「──にょぉおおきっとなぁぁああ────!!!!!」




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