あいびきしようぜ さーしーえー
息抜きにソフトイチャイチャどうぞ(*´ω`*)
私が枝分かれ魔王首チョンパ大会をしてる間に、
先輩とクラウンが、なんか思いついたらしい!
んん、と……?
説明を聞いて、首をかしげる。
「えっと……"直結させる"って……2人を"まぜる"ってこと?」
『────大きく外れた比喩ではありません。』
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>>>あ──えっと、それでいいや……
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{{ ………… }}
「それって、だいじょうぶなの?」
先輩いわく。
クラウンと、先輩は、
どちらも"索敵"や、"察知"が得意分野だ。
でも、意識がある以上、やる事を、
別々に分担して、私を助けてくれている。
そりゃそうよね、2人は、2人なんだから。
それを、歯車法の基幹スキル"同期結合"で、
まぜちゃったらどないなん?
……ということらしい。
「合い挽き肉……」
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>>>言いたい事はわかるけど
その例えだと ぼくら
ミンチになってるからね……
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『────……。』
ハンバーグを作るとき、
牛肉と豚肉を、
ミンチにしてまぜたりする。
真っ先に、それを連想した。
美味しいハンバーグのために、
違うもの同士の肉を、まぜるのだ。
「……そのハンバーグは、何ができるの?」
『────……可能性が、広がります。』
「ふぇ?」
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>>>はっきり言う……
どうなるか わからない
ただ "紫の時限結晶"は
このままだと 見つからない……
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「それは……! 」
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>>>……ぼくと クラウンちゃんの
"探し出す"能力をリンクさせて
力が"引き出せる"かもしれない
それに かけてみたいんだ
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{{ ……"引き出す"? }}
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>>>あ いや……
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『────……。』
……うーん、
なんだろ。
なんだか、この2人、
いつもより、歯切れがわるいくない?
ケンカでもしたのかな。
いや小競り合いとかは、
ちょこちょこやってるイメージだけど……。
「……元に、戻れるんだよね?」
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>>>それは たぶん……
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『────肯。お互い、ミンチになる訳ではありません。能力の共有化:それらの強化を狙います。』
ふむ……。
……ま、悩んでも、しょーがなぃか。
「ん、わかった。やってみよ! 」
{{ ──! }}
イニィさんが、こちらに振り向く。
なんだろう、何か言いたそうだけど、
……だいじょぶだよね?
{{ ……私に何か、手伝えることは、ない? }}
『────初期動作がどうなるか、予測が不可能です。一時的に:アンティの側を、任せます。』
{{ ──! わかったわ。どうなるかわからないなら、あいつから距離をとりましょう }}
「よし……ガルン! もっかい離れるよっ!」
『──ガルルルゥン!!! 』
後ろの、捕らわれの魔王を警戒しながら、
少しずつ、距離を開けていく。
{{ ……ピエロちゃん、気づいてる……? }}
「……え? 」
{{ あいつ、鳴かなくなったわ }}
「──! ……あの、魔王のこと? 」
そう言えば、あの、黒い人型をいっぱい、
出したあたりから……。
{{ あれはね、もう、"現象"ね…… }}
「──"現象"? 」
{{ そう。"災害"と同じ……川が流れるように、風が吹くように、あの怪物は、外に出るのよ…… }}
「……」
{{ それが、本質なんじゃないかって……。穴から、這い出して、拡がろうとする。そういうものになってしまったんだと、思えてならない…… }}
……。
イニィさんの言葉は、取り留めがなかったけど、
なぜか、根っこから否定する気にはなれなかった。
" ……──ウウ、ウウ、ウウウウウゥゥ────…… "
「…………」
もう、あいつは、本能で。
ただ、登ろうとしている。
言いようのない気持ちで、見つめながら、
はなれる。
『──ガルルルロオォォ──……キキッ! 』
すっかり慣れてしまった、
後輪を滑らす動きで、ガルンを止める。
ここならだいじょうぶかな?
「じゃあ、よっくわかんないけど、お願いね」
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>>>ん……
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『────では、はじめます。』
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>>>えーと よろしく……かな?
あ ぼくはどこに居ればいいの……?
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『────む。──では:こちらへ。』
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>>>え 座るの?
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『────はやく。』
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>>>は はぁい……
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「…………」
{{ ………… }}
えーと。
私の瞳には、もちのろん、
ベアークラッチ……つまり、
アナライズカードが展開されている、
わけなんだけれども。
2人の会話は、
これを付けている間は、
文章になって、表示されんのよね……。
クラウンは声付きで、
先輩は、文字だけだ。
会話の羅列が、縦に並んで、
にょきにょき、上にあがっていく。
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>>>ここでいい?
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『────では:失礼します。』
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>>>え ええ!?
けっきょくそこに収まんの!?
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『────むっ。直接繋がるのですから、
────ある程度:密着しなくては。』
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>>>そ そりゃ そうだけど……
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『────……問。後ろ向きは:お嫌いですか。』
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>>>前向きは お互い困るだろうっ!
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『────試してみますか。』
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>>>いや……あの
前向いてくださいお願いします……
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『────……はい。』
…………。
「……イニィさん、なんだか私、無性にあの影野郎どもを、首チョンパしたくなってきたわ」
{{ ……気持ちはわかるわ、耐えなさい }}
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>>>ちょ……背中押し付けすぎじゃない?
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『────問。なぜですか。』
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>>>え なぜって……
い いや 必要ならいいんだ……
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『────……クルルカン。私の方からアクセスします。
────私を押さえ付けてください。』
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>>>……はい?
─────────────────────────────
『────私を押さえ付けてください。』
─────────────────────────────
>>>……はい?
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『────……伝達流路の正常値……確認。
────言われた通りにしてください。』
─────────────────────────────
>>>ぐ ぐたいてきには
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『────後ろから抱きしめてください。』
…………。
──ガキンガキンガキンガキン!
『──ガッ、ガルン……』
{{ ちょ、ピエロちゃん……ガルン叩かないで }}
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>>>セリフに……破壊力があるんだけど
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『────説。接続作業中に密着が解除されると、正しく同期できなくなる可能性があります。』
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>>>い いいんだね……?
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『────だから、いいと言っています。』
──イラっ。
ガキぃん!
「……えぇ──い! はやくしなさいよ! 必要なんでしょっ! さ──っさと、抱きついちゃいなさいっ!!!」
『──ガルンガルン?』
{{ 思い切りが大事ですよ }}
─────────────────────────────
>>>ぼ ぼくたちは戦っていたはずだ……
ななななぜこんなことに……
─────────────────────────────
『────……それほどまでに、私がお嫌いですか。』
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>>>そ! そんなことは言っていない!
─────────────────────────────
『────じゃあ、どうぞ。』
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>>>…………。
─────────────────────────────
『────……。』
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>>>し 失礼します
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『────……はい。』
「……なんか眠くなってきたわね。スライムの上って、ベッド乗るかしら……」
『──ガルン! ガルンガルン! 』
{{ が、ガルン? 貴方にベッドの代わりはちょっと難易度が高くてよ…… }}
─────────────────────────────
>>>……そぉ────と……
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『────んっ。』
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>>>えっ!?
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『────……首元に、当たりました。』
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>>>ごっ ごめん……
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『────……クルルカン。
────そっとする事を禁止します。
────、一気にきてください。』
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>>>…………。
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「ぐごぉ〜〜〜〜……」
『──ガルンルン!』
{{ ピエロちゃん寝たふりするのやめなさい }}
─────────────────────────────
>>>は あほらし…… よっと
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『────っ!!。』
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>>>ほら…… これでいいかい?
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『────……。』
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>>>クラウンちゃん?
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『────せ、つぞくこういを開始します。』
きゅぅううういいいいん……!
「……ふへ」
……聞いててなんか、
恥ずかしくなってくるんだけど……
いや目の前に文章で残ってるかんなぁ……
こいつら何してんのよ……。
「はぁ……だいじょーぶなんでしょーねぇ……?」
『──ガルン、ガルゥ〜ン♪』
{{ ………… }}
『────アクセス開始。
────"同期結合":出力最大。
────限定流路形成。自動接続。』
─────────────────────────────
>>>ん? うぉわ! なんか
これ ぼくの身体 崩れてない!?
─────────────────────────────
『────な--。そんなはずは。
────!?。』
─────────────────────────────
>>>クラウンちゃん!? 身体のパーツ!
なんか変形してるよっ!?
─────────────────────────────
『─────よ:予測不能:予測不--能。』
ガチャン……
ちゅいいいいいいん────……!
『────えっ。』
─────────────────────────────
>>>あっ────
─────────────────────────────
うとうと……。
{{ ──……!! ピエロちゃん、起きて!! }}
「──んにゃ?」
『──ガルン?』
─────────────────────────────
>>>#################
>>>#################
>>>#################
>>>#################
>>>#################
─────────────────────────────
『────***************。』
『────***************。』
『────***************。』
『────***************。』
『────***************。』
…………な、
「──なんじゃこりゃぁぁあああああ───!!?」
めっ、目の前にうつってる会話記録がっ!?
ええええらいことにっっ!?
「──これあかんやつやッッ!! イニィさん!! 流路を辿って、クラウンと先輩の様子を探れないっ!? 」
{{ やってみるわ! ピエロちゃんにも見えるようにできるかしら──…… }}
「そんなことできるのっ!?」
さっき吸い込まれた杖から、
元の悪魔的な女の子に戻ったイニィさん。
私の頭に、おデコごっつんこする。
{{ 待って、見るだけならすぐよ──……これは!! }}
「えっ……──わっ!!! 」
────頭ん中に、ビジョンが、叩き込まれた。
────魔人がいた。
黄金の魔人。
いや、魔人がどうかなんて、
私にはわからない。
問題は、その魔人が、
私がよく知っている見た目で、
構成されているってことよ。
その魔人が背中から羽織っているコートは、
クラウンがいつも着てるヤツに似ていた。
前が開いていて、胴体の部分が見える。
(あれって……クラウン!?)
間違いない……!
前に見た事がある、
人のカタチをした状態のクラウンが、
折りたたまれて、胴体に収まっている。
コートを脱いでいるから、
ほとんど、裸みたいなもんだわ。
そして、異質なのが……頭部。
(クラウンの頭の上に……あれって、先輩の顔!?)
クラウンはいつも、
大きな王冠のような兜をかぶっている。
その王冠が、
顔半分を隠すくらい、下に、ずれていて、
その兜の上に……
……先輩の頭が、繋がってる!?
(2人が……くっついちゃってる!!)
胴体がクラウン、
頭部が2つ、縦に並び、
2人とも、表情はうつろ。
異形の魔人を、黄金のコートが包んでいる。
(コートが……!)
閉じていく。
黄金のコートに、
クラウンと、先輩の顔の下半分が、隠れていく。
その時、見えた。
そのコートの内側には、
歯車が、ぎっしりと、ひしめき合っている。
(ねぇ……クラウン!! 先輩っ!!? だいじょうぶなの!?)
キ、キ、キ、
カン、カン、カン───。
カチカチと歯車が鳴り、
コートが、閉じていく。
ひとつに、なる。
『────>>>#:*******│
────>>>#:unlocked│ 』
(え……?)
{{ ピエロちゃん! 聞こえる!? }}
あ、イニィ、さん──?
{{ なぜ意識が戻ってこないの……いや、それよりも!! }}
あれ、わたし……?
{{ 何か変よ! 貴女の王冠と仮面──…… }}
クラウンと、先輩が──……?
{{ ────"変形"してるっ!! カタチが変わりはじめているわっ!! ピエロちゃん! ねぇ、ちょっと───…… }}
───、なん────……。
そこで、私の意識が、暗転した。










