おねんねスリープ さーしーえー
ややこい話書いてごめん。
ゆっくり、読んでやってください<(_ _*)>。
─ 02 ─ チッ
─ 01 ─ チッ
─ 00:00:00:24:50:00 ─ チッ
─ 00:00:00:24:49:59 ─ カチッ
─ 58 ─ チッ
─ 57 ─ チッ
─ 56 ─ チッ
─ 55 ─ チッ
『────非推奨……反対です。反対です……私は……。』
────あ、れ。
止まってる。
スナヌシが、黒い大きな水たまりで、
トゲトゲになった拳を、振り上げて。
止まってる。
黒い、大きな化け物が、
ボロボロになって、くだけながら。
『>>>わかってるはずだよ、クラウンちゃん……もうそれしか、可能性が無いって……』
『────……ですが……。』
止まってる。
世界は、まるで、絵だ。
動かない。
なぜ?
『>>>……きこえ、るかな……』
せんぱ……?
『>>>今のきみに意識があるのかどうか、ぼくたちでは、わからないんだ……。もしかしたら、記憶が一部、とんでいるかもしれない』
……?
『>>>少しだけ、猶予ができた。きみに、意識がある"てい"で、伝えておくね』
────。
『>>>あの、"バカやろう"が、ガルンの胴体をのっとった衝撃で、ぼくたちは、黒い津波に、のまれた』
──……。
『>>>正直、お手上げだった。生き物がアレにのみこまれたら、"境界線"が、わからなくなるんだ。イニィさんが、けっこう無茶をして、きみに呼びかけてくれた』
──……てが、み。
『>>>砂の王が現れた時、その綻びから、きみを、引っ張りあげようとした。でも、"きみ"と"あんこく"の、"境い目"が、わからなかったんだ……』
──……。
『>>>その時にね……きみが、ガルンからドロップした、"まっくろのはぐるま"が、勝手に、起動した。クラウンちゃんが、さっき分析してくれた。これだよ……』
『────……。』
────────────────────────────
アイテム名【 すとっぷどらいぶ 】
時空型デバイス
特殊能力:座標固定
使用条件:正時間内のみ有効
(00:00:00:59:99:99)
────────────────────────────
────……?
『>>>この"はぐるま"のチカラは、詳しくはわからない……でも、きみの身体を、59ビョウと少し、つまり……約1フヌ間だけ"完全停止"させることが出来るみたいなんだ』
────。
『>>>アンティ、今、きみの全ては、動いていない』
────。
『>>>身体も、心臓も、髪も、瞳も……全て、止まっているんだ……』
──……。
『>>>脳も止まってるはずだから……きみの意識は、ないのかもしれない……』
──……わ。
『>>>"すとっぷどらいぶ"が起動してから、ぼくたちが、きみを引っ張りあげ、状況を把握するまでに……約34ビョウかかった』
──……たし、は。
『>>>効果が切れるまで、残り25ビョウくらいの所で……"反射速度"を使って、"思考加速"した。ぼくたちは今、思考だけが、加速しているんだ……』
────。
『>>>……アンティ……落ち着いて聞いてほしい』
────?
『>>>ぼくたちが、"くろいあな"から、きみを引っ張りあげられたのは、"すとっぷどらいぶ"が発動したことで、きみの存在が"停止"して、"くろいあな"と"きみ"に、明確な境界線ができたからだ』
────……。
『>>>その"停止"させる能力のために、きみの座標を"固定"する必要があったらしい……』
────……わか、ら……。
『>>>きみを"くろいあな"から引っ張りだすために、"すとっぷどらいぶ"は、きみの座標を、"未来"ではなく、"過去"に設定した……』
────……。
『>>>杖との……流路は、もう、切れているんだ……』
────……。
『>>>アンティ、きみは……過去に座標を固定された』
────あ……。
『>>>……帰れなく、なったんだ』
────う、あ。
『>>>ぼくたちは、結果的に、未来から、過去に、転移したんだよ……』
────……。
────……。
────……やだ。
────……とうさ、かあ、さぁ……。
────……ババ……
────キッ……
────う、さ……
────あ、あ……!
────みんなに、また、会いたい……!
『>>>ひとつしか、方法を、思いつかない……』
────……、……?
『>>>"反射速度"の効果を終えると、きみは、あと約25ビョウ、"停止状態"が続く』
────。
『>>>その間だけ、きみは止まってる……もちろん"生命活動"もだ……』
────。
『>>>きみを、"バッグ歯車"に格納する』
な────……。
『>>>そして、きみの停止状態を、延長させる……』
────そ……。
『>>>ぼくたちは、時を超えるんじゃない……"時を待つ"んだ……』
────……、……。
『────非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨──……非推奨、です……。』
『>>>クラウンちゃん……』
『────クルルカン。私とあなたは、アンティに"同期結合"中です。確かに、アンティが"停止"している期間中なら、同期中のクラウンギア本体も"時限結晶"内に、格納可能であると予測。アンティの活動停止と共に、私も活動を停止するでしょう。』
『>>>……』
『────誰が……誰が、私達を……"起こす"のですか。』
────。
{{……私が、起こすわ}}
────!
『>>>!!』
『────イニィ・スリーフォウ。』
『>>>意識が、あるんですか……この思考速度に、介入できるなんて……』
{{ふふ……キレイに、杖のほうにも焼きついたわね……貴方達が、流路の転写を助けてくれたお陰ね?}}
『>>>それより、あなたは、今……』
『────安易な発言を否定します。』
{{まぁ……}}
『>>>ちょ、クラ……』
『────イニィ・スリーフォウ。今の発言の意味を考えなさい。本来の私達の"時代"は、この時代より、遥かに未来です。』
{{そうね}}
『────あなたの悪魔の身体は、その期間で朽ち果てます。』
{{そうね。その前に、"しろいふた"の封印で、吹き飛ぶかもね}}
『────理解不能。』
{{……見ないふりをしないの。わかっているはずだわ。私の身体は無くなっても、杖に焼き付いたほうは残る。杖は老いないわ}}
『────杖が壊れれば同じことです。』
{{そうね……じゃあ、彼に、守ってもらいましょう}}
『 ……── ガルルロロロロォォ ──……? 』
『────……。』
{{さっき……その"くろいはぐるま"を動かしたのは、この子よ}}
『>>>!!』
{{とっさに、だったのでしょう。ああしないと、ピエロちゃんと"あんこく"を、切り離せない事を、この子は本能で知っていた}}
『────……。』
{{この子の上顎の中に杖を隠し、白の封印に耐えます}}
『────成功確率:試算不可能判定。』
『>>>クラウンちゃん……』
『────私達の時代を、あなたは知らない。私達を起こすタイミングを知る、具体的な方法の入力を。』
{{私は、"黄金の流路"を忘れたりはしない。未来に、貴方達は必ず、ここへ来る。もう一度、黄金に出会った時……私は、貴方達を起こすわ}}
『────……。』
『>>>クラウンちゃん……おねがい、しよう?』
『────……確率が、確率が……。』
{{……}}
『────成功確率が、試算できない……。問題、だらけです。イニィ・スリーフォウが、この後の封印で、杖ごと消滅してしまったら。いつ来るかもわからない時を過ごし、精神が、崩壊してしまったら。一度全てが停止したアンティが、蘇生に失敗したら……。誰も起こす者がおらず、永遠に、眠り続けてしまったら……。』
『>>>………』
『────……"怖い"。私は、怖い、のです。本当に、これでいいのか。確率は、100パセルテルジではないのに……。』
{{……貴女、恐怖を……}}
『────本当にこれで、いいのですか。──こんな。──これではまるで、"懸け"では、ありませんか……。』
{{……}}
『>>>そうだよ、クラウンちゃん』
『────……! ──クルルカン……。』
『>>>……チャレンジなんだ。初めてするんだよ。"懸け"なんだって! ぼくたちは、神様じゃあない。努力して、準備して、最善を尽くして、やってみるしかない。少しでも、上手くいくように、思いつく全てで、踏み出すしかないんだよ……!』
『────……。』
{{──……}}
『>>>……やって、みよ……な? 』
『────……はい。』
{{……決まったわね}}
『────イニィ・スリーフォウ。』
{{あら、なぁに?}}
『────私達の未来を、お願い、します。』
{{……誓いましょう。騎士の誇りと、命を懸けると}}
『>>>……あ……喋り方、少し、戻った……』
『────構成概念は得ています。"反射速度"解除後、"再起動プログラミング"を開始。24ビョウ以内に、当機含む、アンティ・キティラの格納を完了します。』
『>>>手伝うよ。さぁ……、じゃ……いくよ……』
『────……レディ。』
─ 24 ─ チッ
─ 23 ─ チッ
─ 22 ─ チッ
─ 00:00:00:24:46:21 ─ チッ
─ 20 ─ チッ
─ 19 ─ チッ
─ 18 ─ チッ
─ 17 ─ チッ
『────"反射速度"──"解除"。』
─ 24:--:-- ─ チ
─ 23:--:-- ─ チ
─ "00:00:00:22:00:00" ─ カチッ
─ 21:--:-- ─ チ
─ 20:--:-- ─ チ
─ 19:--:-- ─ チ
『 ……──ヴグゴゴゴググンガアアアアアァァ──……!!! 』
『 ……──ガンギャガガガギャガルガアアアアア──……!!!!』
動き出す、動き出す、動き出す。
殴ってる。
スナヌシが、黒い大きな水たまりで、
トゲトゲになった拳を、振り上げて。
殴られてる。
黒い、大きな化け物が、
ボロボロになって、くだけながら。
『>>>こっち終わった』
『────完了しました。』
{{流石ね}}
『>>>……砂の王が、翼の外に逃げようとするバカを、おさえ込んでくれている』
『────"しろいふた"は、もうすぐここを、飲み込みます。』
─ 15:--:-- ─ チ
─ 14:--:-- ─ チ
─ "00:00:00:13:00:00" ─ カチッ
─ 12:--:-- ─ チ
─ 11:--:-- ─ チ
─ 10:--:-- ─ チ
『>>>……やろう。イニィさん、頼みます。』
『────"再起動プログラム":セット。──"格納"、開始します。』
……──きゅううううううううぅぅんん──…………!
『>>>アンティ、ごめんな……ごめんな。でも、うまくいったら、ぼくたちにとっては、一瞬だから……』
『────格納プロセス:滞りなく進行中。現在:72パセルテルジ。──……まもなく、頭部です。』
{{……──ピエロちゃん……}}
瞼が、重くなった。
閉じたくなかったから、あらがった。
とてもつよい、光の中で。
下の方から、金色の歯車に、
ゆっくりと、のみこまれていく。
十字架の杖を持った、小さな悪魔の女の子。
私の、頬に触れた。
そして、光が、くる。
{{……おねんねなさい。必ず、必ず、私が───……}}
世界から切り離される中。
イニィさんが、杖を持って、
ガルンの下に、飛び込んだ。
光がきた。
すべてが、閉じゆく中で、
さいごに、
白い花が、見えた気がした────。
『────格納完了。"活動停止"まで……。』
『>>>クラウンちゃん……』
『────……。──、……はい。』
─ 07:--:-- ─ チ
─ 06:--:-- ─ チ
─ 05:--:-- ─ チ
─ 04:--:-- ─ チ
─ 03:--:-- ─ チ
─ 02:--:-- ─ チ
─ 01:--:-- ─ チ
───────────────────────────────
─ "00:00:00:00:12:34" ─ カチッ
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─ "00:00:00:00:12:34" ─
─
─
─
─
─
『────" Put the Gear system in sleep mode" 』










