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310/1216

おねんねスリープ さーしーえー

ややこい話書いてごめん。

ゆっくり、読んでやってください<(_ _*)>。

 





 ─            02 ─ チッ

 ─            01 ─ チッ

 ─ 00:00:00:24:50:00 ─ チッ

 ─ 00:00:00:24:49:59 ─ カチッ

 ─            58 ─ チッ

 ─            57 ─ チッ

 ─            56 ─ チッ

 ─            55 ─ チッ








『────非推奨……反対です。反対です……私は……。』





 ────あ、れ。



挿絵(By みてみん)




 止まってる。


 スナヌシが、黒い大きな水たまりで、


 トゲトゲになった拳を、振り上げて。




 止まってる。


 黒い、大きな化け物が、


 ボロボロになって、くだけながら。





『>>>わかってるはずだよ、クラウンちゃん……もうそれしか、可能性が無いって……』



『────……ですが……。』




 止まってる。


 世界は、まるで、絵だ。


 動かない。


 なぜ?




『>>>……きこえ、るかな……』



 せんぱ……?



『>>>今のきみに意識があるのかどうか、ぼくたちでは、わからないんだ……。もしかしたら、記憶が一部、とんでいるかもしれない』



 ……?



『>>>少しだけ、猶予ができた。きみに、意識がある"てい(・・)"で、伝えておくね』



 ────。



『>>>あの、"バカやろう"が、ガルンの胴体をのっとった衝撃で、ぼくたちは、黒い津波に、のまれた』



 ──……。



『>>>正直、お手上げだった。生き物がアレにのみこまれたら、"境界線"が、わからなくなるんだ。イニィさんが、けっこう無茶をして、きみに呼びかけてくれた』



 ──……てが、み。



『>>>砂の王が現れた時、そのほころびから、きみを、引っ張りあげようとした。でも、"きみ"と"あんこく"の、"(さか)い目"が、わからなかったんだ……』



 ──……。



『>>>その時にね……きみが、ガルンからドロップした、"まっくろのはぐるま"が、勝手に、起動した。クラウンちゃんが、さっき分析(アナライズ)してくれた。これだよ……』



『────……。』




────────────────────────────


 アイテム名【 すとっぷどらいぶ 】

 時空型デバイス

 特殊能力:座標固定

 使用条件:正時間内のみ有効

 (00:00:00:59:99:99)


────────────────────────────



 ────……?




『>>>この"はぐるま"のチカラは、詳しくはわからない……でも、きみの身体を、59ビョウと少し、つまり……約1フヌ間だけ"完全停止"させることが出来るみたいなんだ』



 ────。



『>>>アンティ、今、きみの全ては、動いていない』



 ────。



『>>>身体も、心臓も、髪も、瞳も……全て、止まっているんだ……』



 ──……。



『>>>脳も止まってるはずだから……きみの意識は、ないのかもしれない……』



 ──……わ。



『>>>"すとっぷどらいぶ"が起動してから、ぼくたちが、きみを引っ張りあげ、状況を把握するまでに……約34ビョウかかった』



 ──……たし、は。



『>>>効果が切れるまで、残り25ビョウくらいの所で……"反射速度(クロックダウン)"を使って、"思考加速"した。ぼくたちは今、思考だけが、加速しているんだ……』



 ────。



『>>>……アンティ……落ち着いて聞いてほしい』



 ────?



『>>>ぼくたちが、"くろいあな"から、きみを引っ張りあげられたのは、"すとっぷどらいぶ"が発動したことで、きみの存在が"停止"して、"くろいあな"と"きみ"に、明確な境界線ができたからだ』



 ────……。



『>>>その"停止"させる能力のために、きみの座標を"固定"する必要があったらしい……』



 ────……わか、ら……。



『>>>きみを"くろいあな"から引っ張りだすために、"すとっぷどらいぶ"は、きみの座標を、"未来"ではなく、"過去"に設定した……』



 ────……。



『>>>杖との……流路は、もう、切れているんだ……』



 ────……。



『>>>アンティ、きみは……過去に座標を固定された』



 ────あ……。



『>>>……帰れなく、なったんだ』



 ────う、あ。



『>>>ぼくたちは、結果的に、未来から、過去に、転移したんだよ……』




 ────……。



 ────……。



 ────……やだ。



 ────……とうさ、かあ、さぁ……。



 ────……ババ……



 ────キッ……



 ────う、さ……



 ────あ、あ……!



 ────みんなに、また、会いたい……!








『>>>ひとつしか、方法を、思いつかない……』



 ────……、……?



『>>>"反射速度(クロックダウン)"の効果を終えると、きみは、あと約25ビョウ、"停止状態"が続く』



 ────。



『>>>その間だけ、きみは止まってる……もちろん"生命活動"もだ……』



 ────。



『>>>きみを、"バッグ歯車"に格納する』



 な────……。



『>>>そして、きみの停止状態を、延長させる……』



 ────そ……。



『>>>ぼくたちは、時を超えるんじゃない……"時を待つ"んだ……』



 ────……、……。



『────非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨。非推奨──……非推奨、です……。』



『>>>クラウンちゃん……』



『────クルルカン。私とあなたは、アンティに"同期結合(シンクロニフト)"中です。確かに、アンティが"停止"している期間中なら、同期中のクラウンギア本体も"時限結晶(ストレージ)"内に、格納可能であると予測。アンティの活動停止と共に、私も活動を停止するでしょう。』



『>>>……』



『────誰が……誰が、私達を……"起こす"のですか。』



 ────。



{{……私が、起こすわ}}



 ────!



『>>>!!』



『────イニィ・スリーフォウ。』



『>>>意識が、あるんですか……この思考速度に、介入できるなんて……』



{{ふふ……キレイに、杖のほうにも焼きついたわね……貴方達が、流路の転写を助けてくれたお陰ね?}}



『>>>それより、あなたは、今……』



『────安易な発言を否定します。』



{{まぁ……}}



『>>>ちょ、クラ……』



『────イニィ・スリーフォウ。今の発言の意味を考えなさい。本来の私達の"時代"は、この時代より、遥かに未来です。』



{{そうね}}



『────あなたの悪魔の身体は、その期間で朽ち果てます。』



{{そうね。その前に、"しろいふた"の封印で、吹き飛ぶかもね}}



『────理解不能。』



{{……見ないふりをしないの。わかっているはずだわ。私の身体は無くなっても、杖に焼き付いたほうは残る。杖は老いないわ}}



『────杖が壊れれば同じことです。』



{{そうね……じゃあ、彼に、守ってもらいましょう}}



『 ……── ガルルロロロロォォ ──……? 』



『────……。』



{{さっき……その"くろいはぐるま"を動かしたのは、この子よ}}



『>>>!!』



{{とっさに、だったのでしょう。ああしないと、ピエロちゃんと"あんこく"を、切り離せない事を、この子は本能で知っていた}}



『────……。』



{{この子の上顎の中に杖を隠し、白の封印に耐えます}}



『────成功確率:試算不可能判定。』



『>>>クラウンちゃん……』



『────私達の時代を、あなたは知らない。私達を起こすタイミングを知る、具体的な方法の入力を。』



{{私は、"黄金の流路"を忘れたりはしない。未来に、貴方達は必ず、ここへ来る。もう一度、黄金に出会った時……私は、貴方達を起こすわ}}



『────……。』



『>>>クラウンちゃん……おねがい、しよう?』



『────……確率が、確率が……。』



{{……}}



『────成功確率が、試算できない……。問題、だらけです。イニィ・スリーフォウが、この後の封印で、杖ごと消滅してしまったら。いつ来るかもわからない時を過ごし、精神が、崩壊してしまったら。一度全てが停止したアンティが、蘇生に失敗したら……。誰も起こす者がおらず、永遠に、眠り続けてしまったら……。』



『>>>………』



『────……"怖い"。私は、怖い、のです。本当に、これでいいのか。確率は、100パセルテルジではないのに……。』



{{……貴女、恐怖を……}}



『────本当にこれで、いいのですか。──こんな。──これではまるで、"()け"では、ありませんか……。』



{{……}}



『>>>そうだよ、クラウンちゃん』



『────……! ──クルルカン……。』



『>>>……チャレンジなんだ。初めてするんだよ。"()け"なんだって! ぼくたちは、神様じゃあない。努力して、準備して、最善を尽くして、やってみるしかない。少しでも、上手くいくように、思いつく全てで、踏み出すしかないんだよ……!』



『────……。』



{{──……}}




『>>>……やって、みよ……な? 』

『────……はい。』



{{……決まったわね}}



『────イニィ・スリーフォウ。』



{{あら、なぁに?}}



『────私達の未来を、お願い、します。』



{{……誓いましょう。騎士の誇りと、命を懸けると}}



『>>>……あ……喋り方、少し、戻った……』



『────構成概念は得ています。"反射速度(クロックダウン)"解除後、"再起動プログラミング"を開始。24ビョウ以内に、当機含む、アンティ・キティラの格納を完了します。』



『>>>手伝うよ。さぁ……、じゃ……いくよ……』



『────……レディ(準備完了)。』






 ─            24 ─ チッ

 ─            23 ─ チッ

 ─            22 ─ チッ

 ─ 00:00:00:24:46:21 ─ チッ

 ─            20 ─ チッ

 ─            19 ─ チッ

 ─            18 ─ チッ

 ─            17 ─ チッ




『────"反射速度(クロックダウン)"──"解除"。』



 

 ─        24:--:-- ─ チ

 ─        23:--:-- ─ チ

 ─ "00:00:00:22:00:00" ─ カチッ

 ─        21:--:-- ─ チ

 ─        20:--:-- ─ チ

 ─        19:--:-- ─ チ






挿絵(By みてみん)

『 ……──ヴグゴゴゴググンガアアアアアァァ──……!!! 』


『 ……──ガンギャガガガギャガルガアアアアア──……!!!!』






 動き出す、動き出す、動き出す。





 殴ってる。


 スナヌシが、黒い大きな水たまりで、


 トゲトゲになった拳を、振り上げて。




 殴られてる。


 黒い、大きな化け物が、


 ボロボロになって、くだけながら。





『>>>こっち終わった』


『────完了しました。』


{{流石ね}}


『>>>……砂の王が、翼の外に逃げようとするバカを、おさえ込んでくれている』


『────"しろいふた"は、もうすぐここを、飲み込みます。』




 ─        15:--:-- ─ チ

 ─        14:--:-- ─ チ

 ─ "00:00:00:13:00:00" ─ カチッ

 ─        12:--:-- ─ チ

 ─        11:--:-- ─ チ

 ─        10:--:-- ─ チ





『>>>……やろう。イニィさん、頼みます。』



『────"再起動プログラム":セット。──"格納"、開始します。』




 ……──きゅううううううううぅぅんん──…………!




『>>>アンティ、ごめんな……ごめんな。でも、うまくいったら、ぼくたちにとっては、一瞬だから……』



『────格納プロセス:滞りなく進行中。現在:72パセルテルジ。──……まもなく、頭部です。』



{{……──ピエロちゃん……}}





 (まぶた)が、重くなった。


 閉じたくなかったから、あらがった。


 とてもつよい、光の中で。


 下の方から、金色の歯車に、


 ゆっくりと、のみこまれていく。


 十字架の杖を持った、小さな悪魔の女の子。


 私の、頬に触れた。


 そして、光が、くる。





{{……おねんねなさい。必ず、必ず、私が───……}}





 世界から切り離される中。


 イニィさんが、杖を持って、


 ガルンの下に、飛び込んだ。


 光がきた。


 すべてが、閉じゆく中で、


 さいごに、



 白い花が、見えた気がした────。









『────格納完了。"活動停止"まで……。』


『>>>クラウンちゃん……』


『────……。──、……はい。』








 ─        07:--:-- ─ チ

 ─        06:--:-- ─ チ

 ─        05:--:-- ─ チ

 ─        04:--:-- ─ チ

 ─        03:--:-- ─ チ

 ─        02:--:-- ─ チ

 ─        01:--:-- ─ チ

───────────────────────────────

 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ カチッ



 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 



 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 



 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 



 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 





 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 





 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 





 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 





 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 





 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 





 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 







 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 







 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 








 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 







 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 









 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 









 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 









 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 









 ─ "00:00:00:00:12:34" ─ 









 ─







 ─







 ─








 ─







 ─









挿絵(By みてみん)

『────" Put the Gear system in sleep mode" 』







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