挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
はぐるまどらいぶ。 作者:かばやきだれ
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

308/332

フライパンでセーブは可能ですか? さーしーえー

 
 ………。

 ………?


 ここは……?

 あれ……あれ?

 さっきまで、私、あのお城に……。


 後ろから、ふわりと、
 温かいものに、包まれた。


< くわばら、くわばら……"おへそ"は、大事にしなぁ、あかんよぉ? >



(……──えっ?)

 なんっ……





挿絵(By みてみん)

< いっかいめ…… >




 ……────しゃんら、しゃんら────……



(──! この音って……! でも、今の声はっ──?)

 耳元で(ささや)く、
 ちょっと(なま)りのある、
 優しい、女の人の声。

 振り返ろうと───────……!



< またね、(あん)ちん── >

(! まって──……!)



 ────────。

 ───ォォオオオオオンン……



「───────ッ!?」

 音が、世界が、元に戻った。

「!? まさか、未来に戻っちゃったの!?」

 ぺたんと座ったまま、慌てて下を見る。
 私の手の中には、小さな悪魔と、杖。

「ほっ……よかった……まだ、過去だ……」
「ピエロちゃん……貴方、いま……?」
─────────────────────────────
 >>>後輩ちゃん!?
   いまの どうやったんだい!?
─────────────────────────────
「えっ……えっ?」
『────多方面衝撃波到達と同時に、全てのエネルギーが消失しました。』
「ピエロちゃんの周囲の流路が、根こそぎ、消し飛んだのよ……あんな、膨大な量が、いきなりね……」
「そう、なんだ……」

 さっきまで、どこか違う場所に、いたような。
 ……あの、女の人……?

 " ……──しゃんら しゃんら──…… "

「……」

 耳に残る、金属がキラキラと鳴る音。
 ……サキの髪飾りと、おんなじ、音だったわ……。

─────────────────────────────
 >>>! 手に持ってるそれは……!
─────────────────────────────
「え? ……あっ!」

 空にかざし、ひらいていた金の指。
 今は、握りしめられている。
 ──エンマさんにもらった……フライパン!?

「っこれ! いつの間にっ……!」

 フライパンにしては珍しい、
 白の、金の装飾が描かれた意匠。

「なんで私、これを握ってんの……?」

 バッグ歯車は出してない。
 つか、出せない。
 空に浮かぶ、あのでかいのしか、今は。
 なのに、いつの間に……。

『────アンティ。該当アイテムに、形質変化が認められます。』
「! おしえて」


『────再分析完了(リアナライジング)

 名称【 ダイオルノシュオン 】
(スキル媒体/アイテム)
 分類:魔盾
 状態:冷却中
 特性:絶対拒絶
 ────────同期結合履歴を確認。』

「あっ!!」

 ダイオル……"ノシュオン"?
 フライパンの名前が、長くなってる!
 それに……!

「……"魔盾(まじゅん)"……!」

 ふ、フライパンなんだけど……。
 ここ、前は"調理器具"ってなってたような……
 分析結果が変わってるわ!

─────────────────────────────
 >>>状態が "冷却中"とあるね
   ……さっき 使用されたんだ……
   連続では使えないのか?
─────────────────────────────

「! 先輩! そんな、"物"みたいに言わないで! "この人"はっ──……、あ……」

─────────────────────────────
 >>>! アンティ……?
   ……まさか そのフライパンにも
   ぼくたちのように…? 
─────────────────────────────

「……」

「貴方、不思議なマジックアイテムを持っているのね……何だか、フライパンに似ているけれど……」
「あ……いや……」

 卵は焼けたから、
 フライパンとして使えるのは間違いないんだけど……。
 どうやら、この、
 "絶対拒絶"ってのが発動したみたい?
 サキ……、ヨトギサキの、
 "絶対断絶"に、そっくりだわ……。

 "ヨトギサキ"
 "ダイオルノシュオン"

 どちらも、エンマさんが作った調理器具。
 だから、似たようなスキルがあるのかな。
 それとも……。

 辺りを見ると、
 さっきまで(ほとばし)っていた白と黒の雷は、
 嘘のように静まっていた。
 ……掻き消えてしまったように。

 魔法の嵐が無くなり、ずいぶん静かに感じる。
 この街を囲む光の翼が、とても、よく見える。
 暗黒の地面が、外側の翼の根っこから、
 ゆっくりと、白い光に、食われていってる……?

「あれが、ここまできちゃったら……!」

 どうにかして、イニィさん達を、
 この街の外に出せないかな。
 あんな凄そうな光の魔法……
 イニィさんとガルンでも、
 流石に耐えられないかもしれない。
 ゼロンツさんは、聖属性の植物みたいだけど……。

「あ……イニィさん、身体の白い炎消えてるけど、大丈夫? てか、めっさ子供っぽくなってんだけど……」
「────ッ!?」

 ガバッ!!

「──!! ちょ──!」

 っと! いきなりバランス崩さないでっ!
 右手に杖、左手にフライパン持ってんだから!
 いきなり上半身を起こしたイニィさんが、
 ガルンの胴体を、食い入るように見ている。
 幼い驚きの声が、腕の中で響く。

「……!? なッ!? そん、な──!?」
「! イニィさん!?」
『────警告。ガルン胴体部の:流路活動が活発化しています。』
「!! どういう事なの!?」

『……── ガルロロロロロ ──……』

 ガルンの上顎は……私が考え無しに、
 ふっとばしちゃって、今、すぐ横にある。
 よくわかんないけど、頭が無くなったら、
 胴体の闇の魔法は、大人しくなるんじゃないの!?
 何故、活性化なんか……!

「……あれ、よね!? どうして!」

 さっき、中から闇がこぼれ出た、ガルンの胴体。
 ……!! 何よあれ!!
 中身がこぼれたんじゃないの!?
 明らかに、おっきくなってるじゃないの!!

『────流路形成を確認。頭部が構成されています。』
「なんですって──!?」

 ふ、ふざけんじゃないわよ!?
 新しい顔ですって!?
 が、ガルンって、顔、生えんの!?
 ど、どうしたら……!?

─────────────────────────────
 >>>セーブポイントはどこですか……
─────────────────────────────

 何言ってんの先輩……。

「あ……あ……」
「イニィさん、どうしたの!?」

 なんで、こんな驚いてるの!?

「まだ、おわって、ない……」
「え……?」

「 あいつのいのちは、おわってない……! 」





 ゴッ────。




   ■■■
  ■   ■
  ■ お ■
  ■   ■
   ■■■    ■■■
        ■   ■
        ■ ね ■
        ■   ■
         ■■■ ■■■
           ■   ■
           ■ え ■
           ■   ■
     ■■■     ■■■
    ■   ■
    ■ ち ■
    ■   ■■■
     ■■■   ■
       ■ ゃ ■
       ■   ■
        ■■■
           ■■■
          ■   ■
          ■ あ ■
          ■   ■
          ■ ■■  
         ■   ■
         ■ あ ■        
         ■   ■
          ■■■

       ■■■
      ■   ■
      ■ ん ■
      ■   ■
       ■■■  









『……── ガル、ルロロォォ ──……』

「……ふざけろ」





 新しい暗黒の顔は、

 どっかで見たツラだった。



< かっ、髪、元、もどらん〜〜!! >
【 そ、それどころやないぞ大姉!! 】
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ