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ハコニワニャンニャンダイダゲキ さーしーえー

なぜだ……なぜこんなひどい話が

すらすら書けてしまったんだ……

 


 金の道化の心内。





 金の葉の舞う箱庭、

 二人の、艶やかなる乙女、いたり。

 黒き衣、白き衣に羽交いにされ、

 垂れ下がらせよる。

 騒ぎたつる両の乙女、

 (そろ)いの金の(くし)を鳴らし、

 (いさか)いにけり。


 ……───しゃんら、しゃんら───。



「ぐわわわわ〜〜〜〜!! 離せぇ〜〜!!! 安嬢(あんじょう)がああっ、安嬢(・・)の、ぴんち(・・・)じゃぁああああああ────!!!」


「おっ、おおおお、おっちつきなんせぇぇえ! あんたいま、"食丁(しょくちょう)"やよぅっ! あんな雷様に斬りかかって、おへそ(・・・)でも取られる気ぃかやっ!?」


「食丁に、へそもへちまもあるかぁぁああい!! 俺っちはもう見ておられんぞっ!! 止めてくれるなぁぁあ!!」


「よよよよ、よしゃんさいなぁ、この()ったら!! 安ちん(・・・)、まだ頑張っとぅよ! 信じて待つも、花の(たしな)みっ! 信じてわっちと、耐えなんしっ! 雷様に刃物が向いても、打たれて曲がっておへそ無し!!」


「ちっ……畜生のへそ(・・)なんざ、くれてやらぁああ───!!」


 ───ぐるんぐる──ん。


「ややや、やめなんしぃ、よしぃなんしぃ〜〜!!!」


 黒金の花魁に振り回されし白金、

 されど白の手は離さず。

 しばし経ち、力は心に、追いつかず。


「はなせぇ〜〜!!」


「うわあぁ〜〜!!」


 白の遊女の手、ついに解かれ、

 派手に姿を倒しける。

 背の方に、漆の食台に輝く、

 白と金の揚げ鍋が、迎え入れたり。



 ……──どっ、ごん。



「うっ」


「なっ!?」



 白金の遊女の頭天、

 (したた)かに揚げ鍋にハマりけり。


 黒金の遊女、荒ぐ心飛び、瞬きに頭が冷えよる。


「だ、だいじょうぶかぇ……?」


「星、飛んだぁぁ……もおぉぉぅぅう!」


「うっ、うう、すまんて……」


 黒金の妹、白金の姉の涙に弱し。

 姉、顔から血の気が引きよる。


「……どした……?」


「……ぬけん……」


「ななっ!?」


 白金の衣の遊女、

 旅傘のように、揚げ鍋を被りける。

 大きな揚げ鍋を被る遊女、

 まるで御伽の姫の如く。

 いと、おかしけり。


「とれん……ど、どないなっとるのじゃ……」

「ひぃぃ〜〜〜ん!!!」


 黒の遊女、金の爪で引っ張るも、

 びくともせず。

 白の傘から、黒髪が白金に垂れよる。



「!! 髪がっ!!」

「! えっ!?」


 揚げ鍋から流るる、白金の遊女の黒髪、

 滝のように、白に染まりけり。


「なっ、なぁあっ!! じっ、自慢のわっちの黒髪がぁぁあ……こ、こげな、兎の様にぃ……」


「な、な……ん?」


 黒、ふぃに、横を見たり。



挿絵(By みてみん)


 なんか居たり。



「は、花……? なんなん、その浮いとぅ、ちっちゃい子……」

「……いや、俺っちもわからん……」


 小さき金の怪異、ふよふよと浮きたり。


「……んん? こいつの顔、"喰らわずの(かんむり)"に似とるような……」


『────ニ"ャンニ"ャン。』


「鳴きよったぞ……」

「あっ、そっ、それよりも、わっちの髪、ちゃんと黒ぅ、戻るんかいなぁ……」

「む! さてはこの揚げ鍋が取れんのは、お前のせいかや! これっ! はよぅ元に戻してやれ!」


『────シャ────!!。』


「おお……顔こわいなおんどれ……」


 ピ─────────……ピピ!


『────流路修復プログラム:ジリツ型/第7ゴウキ、謎ノ空間ヲハッケンシマシタ。』


「この子、しゃべりようよ!」

「……おどれが謎じゃわ……おい! お前、"食らわず"の仲間かなんかやろうて! "安嬢(あんじょう)"のとこに、助けにいったらんかぃ!」


『────ピ──ピピ! 対象ノ発言ヨリ、友軍デアルト認識。』


「ゆうぐん……? この子、何をいうてはんの……?」

「おい、こら……ええから、はよ助けたって、おくんなまし……」

「あら……花がしおらしい……」



『────ピピピ───! リョウカイ。自己判断ニヨリ、対象ノ救援依頼ヲ受諾。対象ノ"同期結合(シンクロニフト)"ヲ、ニャンニャン開始シマス。』


「───に、"にゃんにゃん"……?」


 べかあ────!!


「!? はっ、花っ!? これっ──!!」

「なっ! その光は──!」


 ずびしゃ────!!!


 白の衣と髪、金の筋が通り、

 道と成りて、輝かん。



『────ピピ───! 同期可能ナ対象ヲ:認識シマシタ。』



【 ダイオル ✕ 大居朱音(だいおるのしゅおん) 】


「ちょ……光っとる、わっち、光っとるよ! あわわ……」

「こ、こやつぅ……! 引き裂いてくれるわっ!! あっこら、逃げんな!」



 すぃ〜〜……!


『────独断ニャンニャン:開始ニャン。』



 にゃ───────ん!


 ビビビビビビビ────……!!!




「──ぎにゃぁぁあああああんん〜〜!!!」


「──だっ、大姉(だいねえ)ぇぇぇえええええ!!!」






 第7号機、自重せず。





よし(*´ω`*)にげよう


|≡≡3シュッ!

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