らっかちゅう さーしーえー
────きゅいいいいん────。
現在、二度目の大穴落下中でございます。
「……この壁、どうやって作ったのかしらね」
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>>>確かに 熱で溶けたみたいに
ツルツルだね どうやら正円だし
この長さからすると すごい技術だ
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「あれ、謹慎とけたの」
『────降下地点での戦闘の可能性を鑑みて、一時解除しました。』
「! ……あのクチの大きな魔物ね」
どうやら、昨日この穴に落ちた時は、
真下にいる魔物の上に着地したみたい。
すごい確率だわ……。
向こうもびっくりしたでしょうね。
「まだ、あいついるのかなぁ……」
『────可能性:高。経過時刻に起因する。該当の魔物の生活圏内であると予測。』
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>>>まぁ 大きな魔物がいるってことは
出口がそう遠くないってことだよ
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「なんで?」
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>>>鍾乳洞は 地下水に侵食されて
できた洞窟 外に出ないと
あいつら 食べ物ないから
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あー! なるほどぉー!
つまりこの先、
外に出る通路は必ずあるってことね……!
さすが義賊サマというか。
洞窟を探検したことでも、あるのかな?
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>>>まぁ もし王族用の道として
人の手が入ってるなら
侵入者用のトラップとかが
あるかもだけど……
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「ちょっと、ヤなこと言わないでよ……」
ただでさえ慣れない洞窟探検に、
人の作った罠とか……うええ。
「……ここ、通らない方がいいかな?」
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>>>いや 近道はぜったいこっちっぽい
きみのスペックならいけるよ
ぼくらもいるだろ?
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『────遺憾ながら肯定。』
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>>>なぜに遺憾……
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む……じゃあちょっと頼っちゃおうかな。
いや、この2人には、いつも頼っちゃってるわね。
「お願いするね。けっこうドニオスから出て、日にちも経ってるし。少し急がなきゃ」
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>>>油断はしないようにね
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『────転移術式を通過開始。』
「!!」
ジジ、
ジジ、
ジジジ、
────ジジジジジジ──────!!
……ここか!
ほんと!
なんだか空気が、ちがう!
すごい……本当に転移魔法なんだ……!
この場所で、初めて体験するわ。
エンマさんの予測通り、
ここが王族の通り道だとしたら、
こんな貴重な術式が組まれていることにも、
筋が通るかもしんない。
昨日はバランスを崩して、落ちちゃったけど、
今は、落ち着いて観察できるわね。
ふしぎ……なんだか周りが、あかるい、かな?
! 知らない内に歯車の火が消えてる!
転移中には、バッグ歯車は使えないの!?
『────"時限結晶"が共鳴反応。流路安定確認。トライ:2。安全です。』
「え……どゆこと……?」
時限結晶があるから、
ここを安全に通れるってこと……?
『────まもなく転移術式領域を離脱。警戒してください。』
「──ん。"視覚域拡張野"展開たのむ。先輩、一応、索敵の片棒かついで」
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>>>光源どうする? 暗さに紛れる?
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「ううん。昨日みた時、ちょっと光漏れてた。暗闇に隠れるのはムリだと思う。むしろ見えてた方が避けれて安心かも……抜けたら周囲に山火事歯車お願い」
『────レディ。"カーディフの火"、装填完了。』
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>>>りょ
足場もクラウンちゃんいける?
ぼく 視覚に介入するわ
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………さぁて、あの魔物いるかな……。
昨日は慌てて逃げたから、
分析出来なかったのよね……。
あんな口のデカさだ、油断したら食われかねない……。
『────転移領域通過。着火開始。』
────ボッ。
───────ボッ。
─────ボッ。
─────────ボッ。
───────ボッ。
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>>>ごめん 可燃性の気体の確認してない
呼吸の心配もあるから重要
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「! ばかー」
『────最優先確認。
────分析完了。
────空気中毒物要素:可燃性要素:無。
────"とりこしぐろう"です。』
「あんたそんな言葉どこで覚えたの」
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>>>あー 夜ぼくとしゃべってる時だわ
まぁ 仮に王様の抜け道なら
危ない空気が溜まってるワケないか
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「ちょっとウチのクラウンに変な言葉教えないでくれる? グレたらどうすんの」
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>>>例えば?
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「ん──? ……"────使えない仮面ね。代わりの歯車回してきな"」
『────……。』
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>>>元ネタは?
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「……"────使えないバイトだぜ。代わりの揚げモン持ってきな"」
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>>>きみん家のバイトくん
なにやったのさ……
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「チキンフラ定食に、野菜のフライしか入ってなかったのよ」
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>>>…………。
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……すべてオニオンフライだったのよ。
もはや、舐めプレイだわ。
『────……まもなく通過完了します。』
ほどよい緊張感が漂う中、
────ついに、戻ってきた。
チキンフラ定食、わざと"イ"抜いてます……
↑なぜだ……((((;゜Д゜))))










