それ聖剣やない、焼き魚や! さーしーえー
眠いので
途中で切って
投稿さ。
五七五。季語無し( º дº)
ぐ〜〜ぎゅるるるるる……。
「おぉう……」
「あはは……」
変な格好の付け方? をした所で、
ドワーフさんのお腹の悲鳴が、
森と岩の境い目に、無情に響く。
綺麗な景色に、風情もへったくれもない。
そりゃそか。
二日間も、何も通ってなけりゃね……。
緑色の真っ直ぐで、斜めの光が差し込む中、
私は、背負うマントを、大きくひるがえす。
現れたのは……。
「どうぞ、こちらをお召し上がりください」
「なんじゃあ! 急に芝居くさい喋りになりおって……」
「驚かないんですね、コレ」
「いや、大きさにはとても驚いておる! なんとデカい焼き魚じゃあ! はっは、アイテムバッグ持ちとは、流石、盗賊の端くれよの!」
「だから違うってば」
「クルルカンなら、そうじゃろうて」
「え? うん? うん……」
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>>>そこで流されるんだ……
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『────流されましたね。』
……はっ、違う違う。
まだ私、お天道様に
足を向けて寝るようなことはしてないはず……。
「そいで? その焼き魚を、ワシはいただけるのかいや?」
「! ええ、これ、飽きるほど余っているの! 食べてください!」
「ありがたい……!」
小さなドワーフさんが持つと、
大きな長い焼き魚は、まるで剣だ。
森の光ふる中、大きな長いものを、
両手で受け渡すもんだから、
何か、神聖な儀式をしてるみたい。
ふふ、焼き魚なのにね。
ドワーフさんは、筋肉があるからなのか、
自分より長い焼き魚を持っても、
ガッチリと、ふらつかずに、棒を握った。
さっそく、かじりつく。
「ほふっ! かっ、うみゃあ! こりゃどうじゃ! 焼いてから、そんなに経っとらんな!」
「え! あ、そですね……さっき炙りなおしました……」
やばぃやばぃやばい。
まさか、完全時間停止の、
アイテムバッグだとは思うまい。
「カリッ。こりゃたまらん。酒が欲しいのぉ」
「やっぱりドワーフさんって、お酒好きなんですね」
「エンマじゃ。エンマ・ドジルグ。よろしくな、クルルカンの娘っ子!」
「エンマさん。覚えやすくていい名前ですね! ええと、私は……」
「? クルルカンじゃろ?」
「あ、あ──……。はい、そうですね」
この人……エンマさん。
さも当然のごとく、私をクルルカンと。
いや、本物は男だかんね?
私が絵本になってるわけじゃないかんね?
大丈夫だとは、思うけど、念のため……。
一瞬、"アンティ・クルル"を名乗ろうかと思ったが、
やっぱ、本名が入ってるのは、色々危険かな。
この人に、"アンティ"、は、隠す事にするか……。
どうも、名乗ってくれた人に対して、
誠意を込めて名乗り返す、
あの感じが抜けないわ……。
基本的に、悪意のある嘘をつくと、
汗かいて、背中がかゆくなるのよね、私……。
「ぷっふぁ〜〜!! うまかった〜〜!!」
──ポイッ。
「えっ、何いまの……棒!? も、もう食べたんですか!?」
「素晴らしく美味じゃった。ありがとうよ! やっぱり、空腹は最高の調味料じゃて」
「あっ、えっ、いやそれは心から同意ですが……ええっ!?」
しんちょうの、ばいの……。
「なかなかよい塩加減だったのう……」
「はぁ……あ、お水飲みます?」
「おお、ありがたい」
また、マントの陰から出してあげた。
でっかい、タルみたいなジョッキだ。
ぜったい使わないと思ってたけど、
ドワーフさんにはピッタリだろう。
「んくっんぐっんぐっ、ぷはぁ! 生き返りやがる! 酒ならもっと良かったが」
「女の子がお酒なんか常備してませんて……」
「おんなのこ……ふむ……」
な、何よ……。
ジロジロ見だして……。
あっ。
調理酒ならちょっとあるな……
いやいやいやいや。
「……娘っ子。そのヨロイ、どこで手に入れた?」
「え"っ……」
いきなり、言い難いことを……。
「え、えと、その……」
「あ、いや……スマン。職業病じゃな。ワシも、鍛冶屋の端くれじゃて、つい、気になってな……」
「はは……」
やめてやめて気にならないで。
ドニオス一、いや、世界一の変態店長が、
伝説かもしれない龍の素材を使って、
乳も作り直してもらったなんて……
一つとしてバラしていい情報がないわ。
「恩人のことを、詮索するのは止すか! しかしじゃな……さっきの岩への打撃といい、今、感じておる、全体のフォルムの美しさといい……なんじゃ、この、おぬしにあつらえたような、このピッタリ感は……」
おい、なんだ、やめろ。
乳か。乳のこと言ってんのか。
ああそうだよここはがっつり凹んださ。
────膨らみも、私の心もな!!
ぐすん。
てか、それ以外は、変態のシュミだかんね!?
ここまでの金ピカを、
私に対してあつらえられねばならん状況なんて、
ないかんね!?
たぁまたま、必要な時に、
そこに、あったのよぉぉおおおお!!!
私の心の叫びを知ってか知らずか、
エンマさんは、私の装甲を、
顎に手をそえながら「う〜〜ん」と、見ている。
あ、笑った。
「どはは……どこからどうみても、クルルカンよ……まさか、黄金の義賊に助けられようとはな……」
「ぐっ……」
「おぬし、冒険者か?」
「えと、はい」
「なんじゃあ、歯切れが悪いのう」
「いやなんか、この見てくれで、よく冒険者って言葉を出してくれたな──と……」
「……自分の格好の特異性は理解しておるようじゃの」
ええ、ええ、もちろんです。
自分がヤバイとわかっているヤバイやつは、
ヤバイってわかってないヤバイやつよりは、
まだマシなのよ?
「しかし、軽技職で黄金の義賊のマネとは……筋金入りのファンじゃのう……!」
「ふ、ふぁ──!?」
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>>>ぷっ
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お? 仮面?
今、笑ったか?
いちいちアナライズカード出るから、
視覚的にムカつくんだけど。
「ふぁん、と言うかですね……なし崩し的にと、言いますか……」
「それはもうよい。クルルカンの娘、ここで、何をしておるのじゃ?」
ちょいとエンマさんや。
その言い方さ、先輩の娘みたいだから、
やめてくんない……?
「にょやや〜〜!!」
「うさ丸さん! またそんな所のぼって! ギルマスからおりなさーい!」
「…………」
「にょんむ〜〜?」
ヒゲイドさん、わりとイケダン(笑)










