いきぬきコショコショ さーしーえー
また、逃げたねええぇぇぇぇえええ!!!
やれやれ、あれくらいで音をあげて、
どうすんだい!!
立派な花守になるんじゃなかったのかい!?
まぁ、そんなに遠くへは行っていないだろ。
どうせまた、精霊花の茂みにでも、
隠れているんだろぅよ。
この一面の、光の花畑の、どこかにねぇ。
──くっくっく。
まさか、かくれんぼができるほど、
精霊花が生い茂るたぁ、
まったく、長生きはするもんだよぉ!
「ネネネ様が見たら、大喜びするだろぅねぇ……」
ま、あの世に行った時の、
上等な土産話ができて、良かったよぅ。
まだまだ、先にはなりそうだけどねぇ。
このごろ逃げ倒す双子のせいで、
走りまくってたからねぇ……
なんだか逆に、体の調子がよくなっちまったよぅ。
やっぱたまには、体うごかさなきゃ、ダメだねぇ!
しかしあの子ら、今日もどこに隠れたやら。
まっったく、わからないねぇ……
広すぎるウチの花畑にも、困ったもんだ!
でもね、心配はご無用さ。
ウチには、優秀な番犬がいるからねぇ。
あ、いや……おおかみだったね。
まぁ、精霊花のお陰で、
魔物なんか来やしないから、
番犬の意味なんて無いけどねぇ?
だからこんなときにゃ、
大切な家族に、手柄を譲ってやらにゃあね!
「ほれっ、カンクル、いきな!」
「くるるるぁ〜〜!」
くっくっくっくっく……!
ロロロとラララ、お前たちは、
敵に回してはいけないモノを、回してしまったね。
今日も花おおかみ、顔面コショコショの刑だよぅ。
「くっくるるぅ〜〜♪」
「お、やる気だねぇ、カンクル?」
「かぁん、かんっ!」
「ほぉう? "カンカン"かぃ。かっかっか! そいつはいいね! じゃ、お仕置きは任せたよぅ?」
「かぁん、かぁんくるぅ〜〜!」
とたとたとたとた────……
…………。
おぅ、おぅ。
カンカンのわりには、
ずいぶんと優雅に、歩いてくじゃないか。
ちっとは本気をだしておくんな?
遊びじゃないんだよ? わかってるかぃ?
あの子ら、今回の脱走で、
何度目だと思ってるんだい、まったく。
まぁ、あの調子で、
いつもすぐに見つけるからねぇ……
あのコ、明らかに楽しそうだねぇ……
やれやれ、大きな尻尾が、
ここからでもフサフサ見えるよ。
「あのコ、大きくなったねぇ……」
くっくっく、まったく、あんの金きら娘。
か弱い年寄りに、小動物なんて、
預けていくもんじゃないよ。
今ではすっかり、愛着がわいちまったじゃないか。
カンクルの賢いこと賢いこと。
朝は起こしにくるし、
掃除を始めりゃ外に出るし、
部屋に入る前は、脚をふきやがる。
たいしたコだよぉ。
起こすのに、
口先の毛でコショコショするのだけは、
勘弁してほしぃけどねぇ……?
…………。
しかしアレだねぇ……
ひとつ、問題があるとすりゃ……
「……ちょっと、大きくなるのが、早すぎるねぇ……」
アンティ……
このままだと、あのコ、
次にアンタと会う時は、
ゼルゼウルフみたいになっちまうよ……?
まぁ、あのままいくと、
かんなり綺麗なオオカミになるだろぅがねぇ。
あたしゃエサを止めさせたりはしないよ。
もう、家族だからね。
「……ま、本当にゼルゼウルフみたいになったら、屋根の精霊花でも、食べてもらおうかねぇ?」
────────サアアアァァァ……
花の優しい香りの風が、
花畑にさざ波をつくりながら、通り抜ける。
……。
あの娘の、
後ろ姿を、思い出しちまった。
屋根の上での、朝焼けの中の、
あの金ぴかの背中を。
……。
「アンティ、元気でやるんだよ……また、都合のいい時に、遊びにきな……」
やれやれ、あたしも、歳をとったもんさ──。
家族が増えちまったら、これだからねぇ──。
────────。
「かぅんくるるぁ〜〜!」
「うわぁぁああ、見つかったァ──!」
「あああ、ロロロのばか、覗くからぁぁあ」
「おや、見つかったかぃ。はやすぎるねぇ」
「くっくるる〜〜ぅ」
「うわぁ! 花のかんむりが食われたっ!」
「あはははははははははは!」
「……やれやれ。これは、あたしが迎えに行かにゃあ、戻ってこないねぇ。」
1人の、ハーフエルフの老婆が、
もう、すっかり慣れた足取りで、
聖なる花畑の中、歩いていった。
「こぉ────ぅらぁ─────!!! ア・ン・タ・た・ちぃ─────!!!!」
「「うわああああああ────!!」」
──────走っていった。
「くるるぁ?」
【悲報】プニ期終了のお知らせ
( º дº)<ぐああああああああ
「く、くるるぅ……?」










