ピカピカあせってこうはいで さーしーえー
(●´ω`●)アンティ、パニクる。
────どこかで、ナメていたんだ。
私、けっこう、つよくなった。
今回も、たぶん、大丈夫。
今までどおり、ひとつひとつやれば、
ちゃんと終わる。
────きっと、だいじょうぶよ。
────────甘い。
考えるヒマなんてない。
ひとつだけを、考えられない。
当たらない。
私は、ぜんぜん、ダメダメだ。
はっ。
はっ。
はっ。
はっ。
はっ。
はっ。
はっ
はっ。
はっ。
はっ。
「うわぁぁああ!! お、多すぎるぅう!!」
「あきらめるな! 射ろ! 射ろっ!」
「みんな、こえてくるぞぉぉおおお!!」
「たてろ! 何でもいいっ! 盾にしろっ!」
「ミーサ!! ミーサはどこっ!?」
「ぎゃ! また氷を打ってきやがったぁぁ!」
「戦えないものは、屋内へ! いそげ!!!」
「だめだっ! 当たらない!? 細いっ!」
「なんだ、なんだ、この数は……!?」
ああ。
ああ。
ああ。
────飛び交うモノは、数多。
──シャアアアアアア……!
────シャアアアアアア…………!!
長く、舞い、捻れて、迫る。
氷が、弾け飛ぶ。
飛んでくる奴らの、顔を見た。
わらってやがる。
そんな風に、見えた。
『────検索完了。
────対象名【 ドラゴンデライド 】。』
────耐性弱点:物理。耐性属性:火。』
────敵対総数:現在も増加中。』
────氷属性魔法を使用。』
「──ど、らごん!? こいつら、ドラゴンなの!?」
『────否。彼らは、"龍の愉悦"の名を持っているだけです。フィッシュ系統。』
「りゅうの、ゆえつ……?」
『────アンティ。敵の名の由来は、重要度:低。』
────現在、ラクーン族を自動防御中。』
────入力を。』
「う、うん……!」
『────……。』
自分でも、顔が引きつってるのが、わかる。
な、なにを、ビビってんのよ、私は。
下を見る。
そんな、離れていない。
黄金の歯輪が、長いフィッシュの魔物の氷を、
尽く、吸い込んでいた。
私が、動かしているわけじゃない。
クラウンが、やってくれてる。
私は、今、何も、やれて、いない──……。
「……仮面、そうだ、仮面、よ……!」
こんな時に、力を出し惜しみしてる場合じゃない。
今は、身体の装備は、ローブで隠してるから!
仮面をつけても、バレないよね……?
「うわぁぁぁぁぁああ!!」
「きゃあああああああ!?」
あれ? そうよね……?
何か、変だな。
何か、大切な事を────……
────シャンシャンシャンシャン!!
────バリン、バリン!!
「「────うわぁぁぁああああ!?」」
「はっ──!」
なこと、考えてる場合じゃない!
クラウンが、ラクーンのみんなを、
氷の魔法から守ってくれているのに!
「く、クラ、ウン! かめん! 仮面だして!」
『────……レディ。』
────ヴヴヴォオン!
この場所で、隠すべきだった仮面に、すがる。
目の前に、縦向きに現れた、二つ重ねの歯車。
ゆっくりと開き、金の仮面が、現れる。
思わず、バッ!!
っと、手で掴んだ。
すぐに、顔に押し当てる。
これで大丈夫だっ!
この仮面、なんだかんだ、頼りになるもの!
これでっ……!!
下を見る。
「なによ…………これ」
……………………。
その時の私は、
その光景に、
心を、
気圧されたんだと、思う。
「────うわぁぁぁぁぁ! きたぁぁああ!!」
「────矢がっ! 矢がっ!? 当たらないぃい!!」
「ああ、ああ……」
光が、いっぱいだ。
皆も、いっぱいだ。
ひろい。
ちいさい。
どれ。
どれから、守れば、いいの。
あ。
ああ。
わか、んない、よ────。
『────アンティ!』
「わぁあっ……!」
『────アンティ、冷静に。ドラゴンデライドは、飛行時に魔力を発生中。同時に氷結系の魔法を使用、あなたが見る光の点滅は、そのためです。』
「あっ、あっ、でも……!」
こんな、ピカピカ、キラキラ、で。
ひろくって。
どうしたら……?
『────アンティ。敵対勢力の氷結魔法は、"時限結晶"の特性で、98パセルテルジ、格納防御しています。ラクーン族の損耗:軽。冷静に。確実に、一体ずつの撃破推奨。』
「うっ、うん、そうよ、ね……!」
そ、そうだわ。
敵の魔法は、私たちに届かないんだよね……!
ら、楽勝じゃない!
両手に、高速に回転したチャクラムを出し、
突っ込む。
『────! アン……。』
「────えぇぇえええい!!」
長い白の魚に、近づく。
3メルもない。
宙に、浮いてる。
浮く魔法……。
光って、見える。
大丈夫。
今、すごく、加速させてる。
大丈夫。
攻撃されない。
一匹、切った。
はは、なんだ、
簡単じゃない。
できる。
できるわよ。
────?
下の、魔物が、光ってる──?
──あれは、移動のための魔力じゃない?
────『氷』────?
────!
ここも。
うしろも。
あそこも!
あっちも!
そこらじゅう!
あいつもだ……。
あいつもだ。
あいつもだ。
あいつもだ。
あいつもだ。
あいつもだ!
あいつもだ!!
あいつもだ!!!
あいつもだ!!!!!
かなり加速してる
頭ん中は加速してる
どうしようどうしよう
戻したら魔法がくるかも
え、それって大丈夫なのかな
ゆっくりすぎて攻撃の向きわかんない
あれこいつどこ攻撃する気だ
ここいたらまずいかな
こいつの顔怖いな
どうしたら
こわい
向きがわからないのこわい
ちょっとうごかそう
すぐにげよう
すこしにげてかんがえて
よいしょ
おしにげた
どうしよ────
『────ンティ!? そこは──!!?』
「 ──え 」
────シャアアアアアア────!!!
止まった真後ろに、牙だらけの口があった。
────光ってる────。
「うわぁぁぁぁぁああああああああ!!!」
────────。
───────。
……………………。
……………………?
「ど……なた、の……」
震えて、る。
なんで、バカだ。
ガクガクと、
あ、れ?
震えてない、所がある。
────右手?
「────あ、れ?」
私の、右腕だけ、震えてない。
不思議に思って、全身の震えが、止まる。
なんで?
なんで、この腕は、
横に、振り抜かれてるの?
────私、腕、動かしてないよ?
「──! こ、これ──」
右手に、知らない間に、握っていた。
「────金の、鎖──?」
『>>>あのさぁ、さすがに、見てらんないよ?』
「────え!?」
『────な!?』
『>>>なんでさぁ、そんなハイスペックで、パニクっちゃうかな〜〜もぅ……』
は、
……は!?
…………若い、男の人の、声?
……あれ!?
仮面どこいった?
知らない間にとれてる!
……あ、あったわ。
デコにあるわ。
どないなっとんのや……?
『>>>ほんっと、たのむよぅ? ぼく、しゃべるの、めちゃめちゃ疲れるんだかんね?』
あ、あ、ああ、
────ああああああああああ!!?
ま、さ、かぁ……!?
『────ばかな……。』
『>>>ほらぁ、ポケ〜〜っとしてないで、いくよっ?』
「クルルカン、せんぱぁぁあ〜〜〜〜いぃッ!!!?」
挿し絵3枚はアレやった……
後悔はしていない(^ω^≡^ω^)










