⛓⛓⛓ ☒ョ☒☒ン ☒ ☒☒カツ ⛓⛓⛓ ②
正気で いられる じかんが
みじかくなって きてる
よるだわ
こおりで わかる
体じゅうを おおっている
森の中の 朽ちた やしき
おおきな 鏡のまえ
また すわりこんでいる
月明かりにうつる、
ボロきれを着た、
氷と、鎖をまとった、少女。
所々に、血がつく。
なにか、食べたんだ。
また、ウルフかな。
体の、氷を、剥がさなきゃ。
凍えて、いやな思いをする。
「ぐっ、う…………」
パリッ、ペリッ……
体の氷を剥がすのは、
さむくて、いたくて、
気が狂いそうに、なるけど、
そっと、すれば、だいじょうぶ。
まだ、生きて、いい。
夜は、さむい。
なぜ、ここにいるか、
もう、わからない。
追いかけなきゃ、いけない。
ここには、私が、いるから。
パキキッ……ベリッ……!
「──んぅッっ!」
すこし、失敗、した。
皮ふが、もってかれる。
────バチチチ……!
────シャアアアアン──!
しまった。
この失敗は、久しぶりだ。
これをすると、稲妻が走ったあと、
再び、体は氷に覆われる。
最初からだ。
「………………」
────ペリっ、パキッ。
もう、心は、うごかない。
よく、わからなくなっている。
……氷を、ほとんど剥がしおえて、
でも、体は、冷えきっている。
月明かりの中、鏡を見つめる。
髪は、もともとの色と、
白がまざって、
銀色に、みえる。
きれいだと思うけど、
肩からしたは、血まみれだ。
布切れは、血がしみこんで、
やがて、黒の、深みが、増すだろう。
「…………」
月明かりの、下で。
自分の瞳の色が、よく、見えない。
こんなにちかづいても、みえない。
こんな いろ だぅぅけ
わからない
わからない
かがみ
かお
て
あし
ゆび
みみ
め
くち
「 おや すみ…… 」
わたし は
わたし に
キス を した。