えら、ばれちゃった さーしーえー
「これだ」
「はい?」
……なんだこれ。
ヒゲイドさんに金色の玉を渡された。
コガネリンゴくらいある。
ちょっと重いな。金属だよね。
「アンティ、"出力"と唱えてみろ」
「へ?」
「いいから」
「う、うん……?」
ヒゲイドさん。
事前説明が、ほしいのですが……
……言われた通りにやるっきゃないか。
「──"出力"!」
───チカチカチカ……!
───チカチカチカ……!
「っ!」
──credit in▼
──premiums─rider's "Anti Qurulu"▼|
「光の、文字?」
「やはり、確定か……」
「! ヒゲイドさんにも、これが見えるの!?」
手に持つ金球の上の空間に、
光の文字が浮かんでいる!
私のアナライズカードは、
隠そうと思えば隠せるけど、
この光の字は、周りの人にも見えてるみたい?
「ぷ、れみ、あ? おむ? ……あ、コレ、私の名前じゃん!」
なんなん?
この、文字がでるたま、なんなんよ?
「はァァ……"目立つな"と言った側から、これだ……」
「へ?」
「ううう〜〜、わだじのぜいだぁあああ〜〜!!」
「はい?」
ちょっと。
当事者である私を、
置いてきぼりにするんじゃないわ。
ランク取り違えに続き、何やらかしたの、君ら。
正直に、金ピカおねぇさんに言ってみなさい!!
「……アンティ、次は"接触"だ」
「はぁ? く、くらっち?」
「ああ。それができたら、まぁ、そういうことだ」
「わだじのぜぃだああああああ〜〜!!」
せっかく、落ち着いてきていたキッティが、
また水浸しになってゆく……。
──ええぃ!
「わ、わかった! やるから! もう泣くなキッティ! ──"接触"!」
フワッっっ────
「! 浮いたっ!」
す──────……
な、なんだ、このたま……。
首んところまで、飛んできたぞ?
な、なんか、どこぞの呪いの仮面を、
とぉっても、思い出すのだけれど。
────ぎゅっ!!
「ぐえっッッ!?」
さっきの金球は、首輪になっている。
「で? この趣味の悪い首輪、一体何なの?」
「言っておくが……その装飾の色と、お前の装甲の色は、ほぼ一緒だ」
「やかましわぁい! 説明もとむ! なんなのよコレ!!」
「……昨日ソレが、このギルドの水晶球から、"物質顕現"したのだ」
? まてりあ?
「"物質顕現化現象"のことです、アンティさん……魔力媒体から、マジックアイテム等が発生する事をさします。一部の魔物からの"アイテムドロップ"も、厳密には、これにあたります」
「えっとつまり、"水晶球"からドロップ……もとい、生まれたアイテムってこと?」
「ああ、そうだ」
?? この金の首輪が?
なんで??
「アンティ、それは"プレミオムアーツ"だ」
「なにそれ」
「それぞれの、大クラスを代表する冒険者がつける証だ」
「………………?」
「それは、プレミオムアーツ"ライダーズ"。配達職の長である証だ」
「え」
「さっきまで、プレミオムズは、6人だった。アンティ、お前が7人目だ」
「…………はいぃい?」
────剣の、紋章が、光った。
惚ける、肌色の乙女。
「……"配達職"が、追加ぁ?」
────盾の、紋章が、光った。
悩む、大鎧の男。
「……故障、か?」
────拳の、紋章が、光った。
唸る、野生の本能。
「……修行ゥ、あァるゥのみィィ……」
────風の、紋章が、光った。
呆れる、くだけた優男。
「……よう、わからんなぁ……」
────魔道の、紋章が、光った。
嘲笑う、童顔の魔女。
「……マジウケる」
────癒しの、紋章が、光った。
慌てる、純白の子供。
「じ、じ、じけんだぁぁぁああああ!!!!」
「ギルマスぅ……たぶん、いま、みなさんに通知されましたよぉぅ……?」
「あ、やべ」
────手紙の、紋章が、光った。
叫ぶ、黄金の少女。
「うわああああああん、お母さああああああん!!!」
この日、なんか7人そろった。