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 " / " ③

現在、縦書きアプリ用に「…」を修正中……。

ただ、皆さんわかってるように、

この小説、がっつり横向き推奨です。

(●´ω`●)にょきっとなぁ─!!


「あわわわわわわ……」


……ん?


「あわわわわわわわわ……」


…………んん?


「うさ丸、どこいったぁぁあああん!」

「……ちょっと、ヒキ(ねぇ)……何してんのよこんなトコで」

「──げっ! あ、アンティ……」

「え、今、"げっ"、って言った?」


試験終わりの下校中に、

狼狽(ろうばい)している羊さんを捕獲した。

羊なのになぁ……。


「あ、アンティ。今さいしょに、私の事を、なんと?」

「え、あ! ヒ、"ヒキ姉"って……ごめん」

「……ヒキ姉……」


あ、やば、なんか自然にでちゃった。

……いきなり、馴れ馴れしかったかな?

羊でも、王都"剣技職(ソードマン)"部隊の副隊長さんだもんな……。


「ありですわね……」

「ええっ、意外……なんか、"ひき肉"みたいじゃない?」

「人が気に入ってるのに、なぁんて事をいいますの? この金ぴか娘は!」

「きひひ……あ!! ちょっと! このカッコだけどさ!」

「おお、どうでしたか?」

「散々だったわよ! 周りから腫れ物扱いだったわ!」

『……────。』

「腫れ物……? アンティ、具体的には、どんなふうだったんですの?」

「全員敬語だったわ」

「…………」

「あと、殴ると、お礼を言われたわ」

「! …………」

「後ろを振り返ると、全員、机か、天井を見てるのよ……」

「…………──ああ……」

「あによ、なんか、言いたい事あんの」

「アンティ。あなた、"トータル・コーディネィト"という言葉の意味を、存じてらして?」

「と、とたる? なに?」

「いえ……アンティ、簡単に言うとですね……」

「?」

「あなたの今の姿は、"破壊力"がすごいんですよ……」

「はぁ……?」

「砂糖の中に、シロップを入れたらどうなります?」

「へ? あ、あまあま……?」

「おそらく、あなたのご学友は、そこにさらに、蒸した金ポタタを突っ込んだ感じですわ……」

「……なに言ってんのあんた……?」

「はぁ……まさか、無自覚とは……お姉さんは心配です……」

「……なに言っとるかわからんが……奇遇ね? 私も心配なコトが、ひとつあるのよ」

「な、なんですか?」

「ねぇヒキ姉⋯⋯、────うさ丸、どこいった?」

「う、う、ううううううううううう────!!」


あによ。

あなた、羊さんでしょ?

せめて、メェメェ鳴きなさいよ……。



⚙⚙⚙



「…………」

「…………」

「は〜〜い、にょきちゃん、あ〜〜ん!」

「にょ、にょきっと……」


───ゴッ。


ダイコンは、杭のように、

うさぎの魔物に刺さっている、ように見える。


「あ、アナ……大きすぎるよ……」

「おまえ、自分がやられたときのことをかんがえろよ……」

「なに言ってるの! 自分がやられないように、たべさせてるのよ!?」

「お前、やさいたべろよ……」

「うん……そうだね」

「に、にょ、にょきっとぉおおおおお!!!」


──しゃくしゃくしゃくしゃくしゃくしゃく!!!


「わ────!! すごいすごい!」

「ユータ……どうするよ」

「うーん、この"まもの"……金ポタタは、たべないみたいだしなぁ……」

「でも、"まもの"だぜ?」

「そ、そうだね。"ラビット"ってやつだと思う……こんな手をしてないはずだけど……」

「あ──!! アナ知ってるよ! "白たま肉のシチュー"だ!」

「「え?」」

「さむいときにね、アン姉ちゃんの家で出るんだよ!」

「え! 白たま肉って、あの?」

「お、おいしいよな……アレ……!」


(((チラッ……)))


「にょ、にょにょにょにょにょぉ……!」


ブルブルブルブル……!


「……かいとってくれるかな?」

「「どこで!?」」

「え? アン姉ちゃんの家!」


「にょぅおぅおぅおぅぉう……!」


ガタガタガタガタ……!


「……アナ、肉ばっかたべてちゃダメだって……」

「そうだぞ? おまえ、このやさい、たべたくないヤツ、あつめてきただろ」

「な、なによぉぉおお────!!」

「ユータ、こいつ、そんなにわるい"まもの"には見えないんだよな……」

「そうだね。やさいをたべる"まもの"みたいだし、ぼくらにたべられちゃうようなヤツのなかまみたいだし……」

「わ────みみ、やわらか──い!」

「にょんにょん!」

「……そとに、にがしてやろうか」

「……そうだね、そうしよっか」

「あ、でも、水引き門は、もうかってに、あかないんだろう?」

「ああ、そっか! ぼくがあそこから出ちゃったから、カギがついたんだ……ちぇ。あそこなら近かったんだけどな……」

「くく、あんなことするからだよ」

「うっ……」

「はは、じょうだんだ! なぁ、こいつをまちの門までつれていくやり方をかんがえようぜ」

「う、うん! そうだね!」

「うわぁ、おっきい手だねぇ〜〜!」

「にょきっとなぁい☆」



⚙⚙⚙



「もっかいいって」

「アンティ、あのですね……」

「もっかいいって」

「…………」


私の目の前に、金髪ロングストレートの、

黄色いワンピースを着た美少女が立っています。

目が黄金色にギラギラしているのは、

生まれ持ったものでしょう。

決して、激怒しているからでは、ありませんわ。


「あのですね、本屋さんで、料理の本を見ていてですね……」

「それで?」

「"今晩は、ラビットのシチューなんか美味しそうですね"、と(つぶや)いたら……」

「ふむふむ」

「ぴよ──ん! と、飛んでいっちゃいました……」

「ふぅ──ん……」

「あ、あははははははは……」

「……ねぇ、ヒキねーぇ?」

「……は、はい……」


 ──すぅうううううううぅ……。


「おっっ、バカあああああああああッ────!!!!」





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