⚙⚙⚙ ただいま! ⚙⚙⚙
前回の、ぷにクルルの挿し絵、
みんな、ちゃんと見れただろうか……
(*´﹃`*)
「にょきっと」
「…………」
「…………」
ビチビチッ……。
うさ丸……
とりあえず、そのコガネアユ、血抜きしよっか。
しゃき────ん。
「そっ、その包丁はっ!? ていうか、リリースしませんの!? その魚!?」
何言ってんの。
食堂屋の娘が、こんな食材、無駄にするわけないでしょ。
「にょあにょあ!」
というか、人が一所懸命、戦ってるときに、
なあに魚を捕まえとるかな、この玉うさめ。
「まさか……魚、食べるの?」
「にょにょや!」
「ほらぁ、やっぱムリじゃないの」
「……言っている事、わかるんですの……?」
え……いや、そんなワケないでしょ。
え……!?
「にょやぁ〜〜♡」
『 カーディフいちの味自慢! キティラ食堂 』
「……相変わらず、ハデな看板ですわね」
「え!? 何!? ここ来た事あんの!?」
「アナ、という、赤毛の小さな魔法使いが、アン姉はここにいると……」
「あの子、まだ木の杖持ってんのか……」
「朝食にポタージュをいただきましたわ!」
「まいど。なに、ハマったの?」
もちろん、私の格好は、
街娘ならぬ、看板娘、王冠つき。
ヒキハさんには、シャレにならんので、
フードはとってくれ、と言ってある。
この時間、お客さんは、かなりひいている。
久しぶりに帰る家は、なんだか、
別のどこかに思えた。
お店の中に、おそるおそる入っていく。
会うのに、ちょっと緊張するな、と思ってたら、
なかで、2人が並んで、立ってた。
どうやら、店先での声が、聞こえてたようだ。
「アンティ……おかえり」
「…………!」
くらり、と、頭がゆれた、気がした。
とた、とた、と。
自分の歩幅がわからずに、あるく。
もう、15にもなって、少し恥ずかしいけど、
母さんの、胸の中に、もたれかかった。
私、なんとか、一ヶ月、いきてきたよ。
がんばったよ。
「……た、だいま。ただいま。おかあさん……」
「……はい、おかえりなさい〜!」
「あーなんだ……こういう時に娘がこないっていうのは、男親としては、複雑だな! はっはっは!」
そんな事を言うので、お父さんの腕にも、
軽めに、抱きついちゃった。
「……そちらの方は、確か……朝に」
「朝食を、ごちそうさまでした」
「あっ……!」
母さんが、ヒキハさんを見て、
少し警戒している。
もしかしたら、門番のおっちゃんから、
私を探している、ローブの人のことを、
きいていたのかな?
私は、助け舟を出すことにする。
「……母さん。だいじょうぶ、知り合いだから」
「え、あら、そうなの〜?」
「うん。ヒキハさん。えっと……少しだけ、護衛してもらったことがあるの」
「! …………」
ヒキハさん、今は、話、合わせてね……?
「! なんだ!? 護衛ってことは、危ないことか?」
「い! いや、一応やってもらっただけで」
「……その通りですわ。街道から、ほんの少し離れた所まで行く際に、僭越ながら、少しお供をさせていただきましたの」
「まぁ〜、それは、ご迷惑を〜」
「いえ! 彼女とは、歳が近く、知らぬ仲ではないので……」
はは……少しだけ、ホントの事も混ざってら。
街道から外れた所にいたのは、
レッドハイオークの、ユニーク個体だったけど。
「おお、ありがとうな! なんだ、娘にこんなベッピンさんの知り合いができるとは!」
──ドごッ!
「あ〜な〜た〜〜?」
おおぅ……母さんの肘、
久しぶりに見たな……
父さんの筋肉に、突き刺さったで。
「ゴォっふぉ……! そ、ソーラ、そういうイミでいったんじゃない……! 俺は、お前だけだ! 知っているだろう!」
「あ〜〜ら〜〜♡」
「は、は……」
「……な、仲の良いご両親ですわね?」
ええ、ええ、お陰様で……。
「……んで? そのラビットは、手土産かなんかか?」
「あら〜〜美味しそうねぇ〜〜♪」
「──にょ、にょぎっどおおおおおおおおおお!!!!?」
ガクガクブルブル……!!
おお……揺れが……。
「あ、このコ、食べないで……トモダチだから……」
うさ丸……。
私の頭で、もらすんじゃねぇぞ────?
ヒキハさんは、あのハゲ黒山で、
お昼を食べたらしい。
父さんと母さんに、
「近所に挨拶したほうがいいかな?」
と聞いたら、
「明日試験でしょ〜? 騒ぎになるわよ〜」
と言ってくれたので、ヒキハさんと、
2階の自室に上がることにする。
何もない、お部屋。
もう色々見られているので、
ベッドや机は、静かに、歯車から出した。
『────静音設置の成功を確認。』
「そっとしすぎおそい気にしすぎ」
「? ……また妖精さんですの?」
「ちょっと……なんか、空想の妖精としゃべってるイタい娘みたいに言わないでくれる?」
「そ、そんな事言ってないでしょう……」
ヒキハさんは恐縮したが、
ベッドの方に、座ってもらう。
私は椅子。
「さぁて……いろいろ、話す事があるわね……」
「そうですわね……どこまで話して、なにを隠すのか、擦り合わせは必要ですわ」
はぁ……やれやれ。
じゃ、秘密の女子会、はじめますか。