はよきづきんさい さーしーえー
わたし、とてもイライラしています。
バシャバシャ────!!
バシャバシャ────!!
「やってられっかぁアアアア────!!!!」
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問.1
私とヒキハさんは、水の魔法が使えません。
相手は、火属性で空中に浮いています。
さあ、どうする?
A.水をかける B.水をかける
C.水をかける D.うさ丸どこいった
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「うさ丸どこいったぁぁああああん!!!」
私のささくれた心を何とかしてぇええ!!!
「アンティさん……落ち着いてくださいまし。確かにさっきから、水しかかけていませんが……」
「……今度は、"さん"付けなんですね」
「あ、いや……剣をとると、少し切り替わりますのよ」
なんだ、羊さんは、二重人格なのか……。
刃物を持つと、あ……察し……。
ヨトギサキの時……。
「なにやら不快な目線ですわね!?」
「そんなことより!! どーすんのあれ!? 私、明日試験なんだけど!!」
「へ? え"!? あなた、学生なんですか!?」
「ああああああもぅぅううう!!! なんか手っ取り早い方法ないのおおおおお!!」
絶叫した。
絶叫した。
大事なことなので、2回言いました。
いや、考えてみてほしい。
試験の前日に、魔物倒してるのよ……。
あなた、ある?
え? あるの?
勉強しなさいよ……。
「今日は、快晴ですし……雨でも降れば、すぐなんですが……」
「雨?」
「ええ、エレメント系は、自然の一部のような生命体ですからね。雨など降れば、イッパツで自然消滅します」
「そうなの!? んな事言ったって、神様に雨乞いでもするの? あんな空から水、お、ふ、らせ、る……なん、て…………」
………………。
「……? え?? アンティ?」
「…………」
「!? どうしましたか? え!?」
「…………」
「アンティさん!? アンティ、大丈夫!?」
「…………泣きたい」
「なんでですの!? やはり、身体が痛むの!?」
「…………ヒキハさん、アイツ、ザコだ」
「……はぁ?」
「マント、返してね」
「え、え!? なぜです!?」
「いらないから」
「はい!?」
「まかせて」
「……? ……?」
は〜〜い、しきりなおしですよ〜〜……。
「あの……あなたから、覇気が感じられないのですが……」
「奇遇ね、私もよ……」
「ちょっと! あれは強敵ですわ!? 今まで苦戦して、倒せなかったでしょう!?」
「そ〜〜……よね〜〜……」
「ええええええええ……」
はぁ〜〜……やる気でねぇ〜〜……。
だらりる〜〜……。
「ちょっと、ちょっとやめてください。私も子供の頃、クルルカン好きだったんですから……」
「あによ、私は私よ、文句あんの?」
「いや、えっと、文句と言うか……ほんとに、倒せるんですか?」
「ん」
チャキン。
顔の横にあげた手。指の間に、
歯車が3枚、挟まっている。
「そ、それは……?」
「えいっ」
後ろに、ポイッって、した。
ポたん、ポトん、ボとム。
「な! なぜ……水の中に落とすんです?」
「いいのよ。そこから吸い上げるんだから」
「え?」
「クラウン、尻尾。あの時の」
『────元気だしてください。
────過去登録呼出。
────ドレススタイル。
────部分展開します。』
ぎゅうううううううん────!!!
「なっ────!?」
私の腰周りに、ベルトのように、
七つの歯車が、出る。
その歯車は、ゆっくりと、
身体の外側へ、離れていく。
すべて、バッグ歯車。
その中からは、以前、
ばばばばーちゃんの家の屋根の上で使った、
あの、黄金の尻尾が出てくる。
顕現したのは、黄金の七尾。
数多の歯車でできた、武装。
さぁ、準備はいいわね?
①飛ばします。
②水を出します。
『────敵、殲滅。』
「はいおわり〜〜かえろかえろ」
「ちょっとぉぉおおおおおお────────!!?」
( º дº)