ぱんつぱんついいすぎやよ?
ヒキハさんが、腰を抜かして……?
川にボッちゃんしている。
うわぁ……ぱんつはご愁傷さまだ。
「ヒキハさん! 立って! くるよ!」
「あ……あなた、身体はなんともないのですか!?」
「はぁ?」
……いや、むしろ私があなたを心配しているのですが。
おもに、ぱんつを。
「だいじょうぶだけど……? ヒキハさんこそ、ぱんつ大丈夫?」
「だ、だいじょばないですが、そうではなくてっ!」
そっか……だいじょばないか……。
そりゃそうだ?
ここ、水深30セルチはありそうだもんね……。
「ほら、後で火でぱんつ炙ってあげるから……いいから立ちなさいよ」
「ぱ、ぱんつぱんつ言わないでくださいまし! あなただってぱんつはいてないでしょう!」
「なっ! 私は上から装備つけてるから大丈夫でしょうよ!」
「そうではなくてぇ! その装備はヤバいんですのぉ!」
はぁあぁ??
何を言っとんのや、この羊は。
「あんたねぇ! 今さら私の外見にケチつける気!?」
「ち〜が〜う〜も〜ん〜〜!!!」
な、なんなのよ、なんで幼児退行すんのよ……
そのデカい乳で、私にケンカ売ってんの?
「ほら……いいから何かアイツ倒「ボオオゥ!!」ずぇッ!」
────ドゴォォォオオオン!!
────バッシャアアアアン!!
「あああ!? アンティさぁぁああああん!!?」
乳の辺りに、炎、直撃しました。
「ぶくぶくぶくぶく……」
『────敵を目の前に、お喋りしすぎです。』
クラウン……
だからって、教えてくれてもいいじゃんよ……
吹っ飛ばされて、
川にどっぷり寝転んじゃったじゃんよ……。
────ザッパァァアアア……。
立ったで。
「…………」
「あ、アンティさん……大丈夫ですか?」
「……おい、ゴルァ、火の玉ァ……てめぇ、いたいげな乙女のぱんつ、2つもオシャカにしといて、カクゴできてんだろぉなぁァ……╬」
「──ガラわるっ!? あ、アンティさん、曲がりなりにも、子供たちの英雄のカッコしてるんですから、もっとお淑やかに……」
「じゃかあしぃ!! 好きでこんな格好しとるんやなぃわぃ!!」
いくら着心地がいいからって、
誰が好き好んで、生肉だらけの装備に足、突っ込むかァ!!
うわああああああん!!!
「ほら、馬鹿ばっかり言ってないで! きますわよ!」
「なっ……さっきまで腰抜かしてたくせに……」
2人、ファイア・エレメントから、
少し、距離をとり、構える。
ヒキハさんが剣を。
私が適当に両手を。
「……ていうかさ、やることは、決まってんだよね」
「……そうですわね」
「「──どうやって、水に落とすか」」
そうだ。
こいつの弱点は、"水"。
こんだけ燃えてりゃ、
バールモンキーでもわかるわ。
幸い、ここは川だ。
水は、豊富にある。
問題は、物理的に干渉できない火の玉を、
どうやって、川に、引きずり込むかだ。
「ヒキハさん、得意な属性、風だけ?」
「……すみません、水は生活魔法程度です」
「しゃあない。あのね、私の装備の特性を話す」
「!」
「まず、身体。これね、とっても速く動けるの」
「……あの時、私たちの前から、消えたようにですか」
「ん? ああ、前のお別れの時か……そうそう」
「……あんなに速く」
「でもね、今は、速さより、防御が役に立つかも」
「え?」
「最初は速さで何とかしようと思ってたんだけど、さっきの防御力、見たでしょ?」
「はい。直撃で、ほとんど無傷とか……異常ですね」
「お褒めに与りどうも。多分、接近戦で、融通がきく」
「…………」
「あと、マント」
「! それですか?」
「さっき、見てなかったの? 腰抜かしてる時、これで炎はらったのよ」
「! そうでしたか!」
「もう……このマントね? めちゃくちゃ燃えにくいの」
「!」
「このマント、あなたに貸す」
「しかし、あなた、胴は燃えずとも、顔や、髪は!」
「大丈夫、私もマント、使うから」
「ええっ?」
きゅいいいいいん────!
きゅいいいいいん────!
さぁてさぁて、目の前に見えるは、
何の変哲もなぁい、2つの歯車。
そしてそして?
私のマントは、一度、格納。
「! マントが、無くなって、いく?」
「クラウン、両方から、半分ずつだして」
『────レディ。仔細承諾。』
シュルルルル────。
シュルルルル────。
「!! マントが、2つのマフラーになった!?」
「ま、同じモノなんだけどね。ほらっ! 片方っ! 巻いて!」
バサァ!
「! はいッ!! わっ!」
あ、ていうか、私が歯車を操って巻いてあげたほうがいいよね。
ヒキハさんと、おそろいの、白金のマフラー。
よぉし、準備完了。
「さぁて……そんじゃま、アンティちゃん、その場その時、行き当たりばったり作戦、始めますかぁ!」