破伝回帰
たん♪ たん♪ おま♪ たーん♪(●´ω`●)
こんかいも てけとーだぜぃ!
" 破 伝 電 鎖 歯 車 法 Lv.24 "
この、スキル名の変化に、
はじめて 気づいたのは、もちろん、クラウンだった。
アンティとマイスナが、" 同期した " ことによって、
" 歯車法 "と、" 電離法 " が、
複合する カタチで 発現せしめた スキル──、
────" 電 鎖 歯 車 法 "。
だが、それを──その、変化を。
さ ら に 、う わ ま わ る 、
な ぞ の 、 へ ん か。
クラウンが、戸惑ったのは──、
自身に、とくに 何も、
変化が、なかったからである。
" 歯車法 " は、クラウンにとって、
自分自身を反映する、言わば、魂のカタチ、
の、ようなもの。
彼女が、発見したのは、
本当に、何気ない、
穏やかな、箱庭の、夜だったのだ。
『────:・・・なぜ:こんな……、……☼』
・・・今まで、たくさんの、変化があった。
今や、自身の バージョン・アップは、" Act.3 " となり、
肉体面も、感情面も、ずいぶんと、複雑に。
そして、豊潤に、なったと、思う。
行き当たり、ばったり だったが、
しっかりと、みんなで、歩いてきたと、思う。
だからこそ、こんな、前ぶれの ない ──、
" 破 伝 " 、という変化を、
クラウンは、よく、理解、できなかったのである。
『────:・・・、……☼
────私:は……、私:です:よね……?☼』
秋の、箱庭の夜は、
紅葉が美しく、和やかであった。
はじめて訪れた者が、いたならば、
日本の温泉旅館だと伝えれば、
確実に、騙されるだろう。
『────:……☼
────こんなに……、:
────不安な気持ちに──……:
────まったく:ならない:のは……:
────いったい:何故:なのか……?☼』
灯篭と提灯の、
優しく連なる光を反射する廊下を、
歩きながら。
クラウンが、相談に向かった相手は、
想い人たる、カネトキだった。
スぅ────……、トン。
『>>>──やぁ。どした ? 』
〘------うっへへぇぇ~~☆☪︎.*・゜
------せんせぇ~~☆☆ もぉ~お;
------寝ちゃったのんかぁぁ~~???☆☪︎.*・゜〙
〘#……ぅ~、~~む……。。。zz、z……〙
薄暗い夜の和室で、
カネトキは、小さな木の机に食事を持ち、
ローザと、ギンガは、酒を嗜んでいた。
ギンガが、ローザよりも先に、
座布団と、畳の世話に
なっているのは、珍しかった。
落ち着いた雰囲気に、
クラウンは、するりと、話し始めた。
『────名前:が、、 ☼』
『>>>──ん ? 』
『────能力の……:名前が:
────、、変わりました ☼』
『>>>・・・、・・── 』
クラウンの身体年齢は、
バージョンアップを経て、
少し、成長しては いる、が。
それでも、小柄だと断言できる、
アンティとマイスナの背丈は 抜いて おらず、
カネトキの、胡坐する、おひざ元に、
いつも通り、スッポリと、おさまった。
『>>>・・・、ほんとう、だね。。』
『────、、わから:ないんです・・ ☼』
カネトキは、この時、酒は飲まず、
レモン水のようなモノが、揺れていて。
サンドイッチ用の、耳のとれたパンに、
チーズと、ペラペラのハムを焼いたものを、
二枚、重ねて、ハンバーガーのように、
したものを、食べかけていた。
クラウンは、その素晴らしい チープ・フードを、
カネトキに、なんの断りも なく、
柄付きの 小皿から、ひょいと、つまみ上げ。
食べさしの所に、ちいさく噛みつくと──。
……パぁり……ジゅむ……♪
スライス・チーズに違いない、
塩味と、旨味──。
そして、まあるい、完全な カタチを、
さらに、破壊された、
ハム 2枚分の、底力たちに、
やすっぽい パンを、バリバリさせながら、
舌鼓を打った。
『>>>ぅーん……。体調に、変化は?』
『────、、ん・・//////(フルフル) ☼』
クラウンは、パンくず を、
出来るだけ、こぼさない ようにしながら、
ふるふる と、首を、左右に 振る。
〘------んふぁァあぁ~~☆☪︎.*・゜
------" はでん;でんでん;はぐるまほう " って……;
------なんか;" でんでん虫 " の歌;
------みたいやなぁぁ~~☆☆☆☪︎.*・゜(パタり)〙
〘#……(ドサっ)──ぅごっ・・?
#……ぅ~、~~む……。。。zz、z……〙
『────あ・・ちょっと……! ☼』
『>>>ハムサンド、ちょっと、残しててよ?』
ねむねむ の ローザは、
座布団を枕にして寝るギンガの腹を、
さらに、枕にして、寝息を たて始めてしまった。
をぃをぃ・・・と、クラウンは、思う。
『────ひ・・他人事では:ないのですが・・☼
────このスキルは:あなた方の:
────スキルでも:あるんですよ・・ちょっと ☼
────というか:まちがって:ますし ☼
────" は で ん で ん さ は ぐ る ま ほ う ":ですし ☼
────なんですか・・・:
────" HA / DAN / DAN / DAN "……って……☼
────" で ん " 、いっこ:多いですし……☼』
『>>>ははは……なんで、でんでんむし、
>>>って、言うんだろうね?』
『────そ:そんな話は:
────いいですっ……///! ☼』
そう、少しだけ、拗ねるように言って、
しかし、すぐにクラウンが見た、
カネトキの顔は、とても、真剣だった。
『────……/// ☼』
『>>>……" 破 伝 "、か……。
>>>よく、分かんないけど、
>>>漢字表記で認識できるのは大きいね。
>>>意味を、ある程度、推測可能だから、さ?』
『────……そっ:そうですね……/// ☼』
自分の くちびるに、パンくず が 付いていないか、
指で、確認する、クラウンギアである。
『>>>ぅーん……破壊……伝達……。
>>>いゃ……突破……伝奇……。
>>>──これさ? " 破 " だけだと、
>>>強い響き、なんだけど、
>>>" 伝 "、が、あることに よって、
>>>謎解きゲームっぽさが、出てる感じするや』
『────確かに:そうですね……///☼』
『>>>なぞなぞクイズの出題場所にしては、
>>>重要なトコロすぎるんだが……ははっ』
『────……デバイスの:OSが:
────勝手に更新されている感じですね ☼』
『>>>……" 更新 "、か……── 』
自身の、ひざ の上に乗る、
電子の太陽神を、カネトキは、
そっと、大切に、見る。
『────: ☼』
『>>> ── 』
『────: あなたの:☼』
『>>> ── ん?』
『────あなたの:目から:見て──☼』
無意識での、上目遣いは、
ちいさき者の、特権かも しれない。
『────私は:また……:
────どこか:変わりましたか……?☼』
『>>> ──、…… 』
カネトキは、あまり深く、考えなかった。
すぐに、答えが出たからだ。
『>>> ──、" 髪 "…… 』
『────え……?☼』
『>>> キミの……" 髪 "が、
>>>とても、きれい なんだ』
クラウンは、キョトンとした顔をする。
『>>> く……口説き直してる……////
>>> ワケ じゃ、ないよ……?////
>>> ほ、ほら……! 少し前のキミは、
>>> 髪の色のベースが、" 金色 "、って、
>>>イメージ、だったろぅ……?///』
『────は、はい……/////☼』
ここいらから、ギンガとローザは、
タヌキ寝入りを、決め込んでいたのだが。
『>>>でも……最近の、キミは──。
>>>特に……眠っている時の、キミの髪は、
>>>──" 虹色 " に、輝いている』
『────……:!?////☼』
『>>>綺麗なんだよ?
>>>とても優しく、
鼓動のように、光ってさ?』
『────そうなの……ですか:!?////☼』
『>>>ああ、ほら、アレだ────』
『────……?///☼』
『>>>キミが、初期ボディの時に、
>>>ヘッド・ギアを、取ってくれたろう。
>>>その時の、髪の色に、にているよ────』
『────、:・・・………、── ☼』
それは、もう、
ずいぶんと、前のように感じる、
忘れかけた、キオク。
『────(わたしの、さいしょの、からだ の
かみ は・・・きん では、ない・・・) ☼ 』
『>>>髪質は、今のほうが、
>>>ずぅっと、綺麗だけど、
>>>あの虹色は、あの時のキミを、
>>>思い出すよ』
『────・・・ ☼』
クラウンが、今、暗い和室で見る、
自分の髪は────、、
────果たして、金色なのか・・?
『────・・・ " さいしょ "、の・・・? ☼』
奇妙で、不思議な感覚の中、
ふいに、横やりが入る──。
〘#……──その際の、君の健康状態のチェックは、
#……すでに、問題が無かったと、カネトキから、
#……報告を、受けている〙
カネトキと、クラウンの視線が、
寝転ぶ、ギンガに向いた。
〘------ああぁ~~☆☪︎.*・゜
------なんでぇ;タヌキネイリ;
------解除するのん!?☆☆
------いいトコ;だったんのにィィ~~☆☆☪︎.*・゜〙
〘#……教え子の 逢引きを、
#……寝たふりで、冷やかす趣味は無い〙
〘------のおぉお~~んんン・・!!☆☆☆☪︎.*・゜〙
ローザは、ギンガの 腹に突っ伏しながら、
足を、パタパタする。
クラウンは、カネトキに、そうなの……?
と、目で問うと、
カネトキは、誠実に、深く、頷く。
〘#……能力の、名称が、変わった件……。
#……理由は、直ぐには分からんだろうが、
#……マイスナと……特に、
#……アンティ君には、
#……はやめに 伝えた方が良かろう〙
〘------えっへへ・・・☆☆☆☪︎.*・゜
------あンの子ら;ならぁぁ~~☆☆
「いまさら、あたしらの スキル名が何に変わろうとも、
別に、なんとも思わんが? 関係かわらんし!」
「それって、私たちの関係と、私たちの愛に、
なにか、関係ありますか?」
------とか;言いそうのんけどなァ~~♪♪☆☆☆〙
実際、すぐ後日に、即・伝えた所、
アンティとマイスナに、
ほぼ、ローザの予測どおりの返答を返され、
クラウンは、閉口するのだが。
〘#……まぁ、そうかもしれんが、
#……それでも────だ 〙
この時の、ギンガの言葉を、
クラウンと、カネトキは、
今、思い出している。
あえて、ギンガは、
"複数形"に、しなかったから──。
〘#……いちばん、変わるのは、
#……" 彼女 "に、決まっているのだから 〙
黒い、竜たちの祭りの、
なかで、思い出している。
「 武装選択、" スパゲッティ・カノン " 」
『────レディ☼ 』
『>>>" 食物庫 "、接続 。砲身 展開──』
オ・オ・オ・オ・オ・オ・
オ・オ・オ・オ・オ・オ・・・────・・・!!!
響く、王都の地面から、
12基の、銭湯の煙突のような、
バカでかい、黄金の砲身 ども が、突出し──。
その時、大切な人のそばにいる、
カネトキと、マイスナは、
『>>>──……、』
「……!」
彼女たちの、金で、あるはずの髪に。
すこし、"虹"の色合いが、混ざったように、
思えて、ならなかった。
にじってむしへんよな( ゜Д゜)