呼応する英雄たち ④ さーしーえー
いそがしすぎましたが、
峠は越しました……!((:3_ヽ)_
盾道:『 見ろ、ベアよ……!
いーぃ、ポタタだ。
こっちがな? 売るほうだ。
ぉおーきぃだろう。
こっちのは……ちいさいが、
あなどるな、蒸すと、
格別に、甘い。
はっはっは、クズポタタってやつだ。
これはな、近くの農家さんの、
ちがう野菜と、交換できる。
皆、ポタタの持つ、無限の可能性を、
知っているんだ。ははは、
どうだ、すごいだろう── 』
熊盾:『 ……やれやれ。
"天の壁"、とまで呼ばれた、
天下の──、
"ジョン・タテミチ・ライオルト"が、
なんとも、ご気楽な こって……。
よいしょっと 』
盾道:『 ──よせやい、倅よ。
俺はな、今の生き方が、
たいそう、気に入っている。
俺は今、自分で、動いている。
このポタタ農場にはな──、
どこにも、"壁"なんて、
必要ない──。
どれ、ひとつ、食ってみろ! 』
熊盾:『 ひとつと言わず、
30個は、寄こしやがれ。
おれ、体、でっかいんだからよ。
あむあむ・・・ 』
盾道:『 どうだ、仕事のほうは、
上手くいっているのか 』
熊盾:『 ん・・・なんだよ、急に。
・・・ま、ぼちぼちだ 』
盾道:『 本当か? ほら、お前、
クマだから・・・。
怖がられていないか? 』
熊盾:『 いや、まぁ・・・。
そりゃ、最初の頃は、
それなりに、あったが・・・。
途中から、チカラを抜くように、
してからぁな、うまく、いってるよ! 』
盾道:『 ウソじゃないな? 』
熊盾:『 ああ、誓って、本当だ。
言葉が通じるって言うのは、
デカいんだぜ、親父。
なんだかんだ言って、どいつにも、
いい所が、あるモンなのさ。
最近は、きゃいきゃい、うるせぇ、
女の剣士も、仲間になったし。
おかげさんで、のんびり、やってるぜ? 』
盾道:『 ・・・ははは! そうか!
さっすが、俺の せがれ だ!
あの"盾"にゃあ・・・、
感謝せにゃあ、ならねぇな! 』
熊盾:『 あむあむ・・・ん? "盾"、っつーと、、、。
親父が、バラして、作ってくれた、
この、"天の鎧"の、ことか? 』
盾道:『 かっか、──ちげぇよ!
ソイツはな、
ダンジョン・ドロップ・ウェポンだ! 』
熊盾:『 " 武器 " ねぇ・・・。
" 大盾 "だったけどな。
なぁ? このヨロイの材料になった、
" 天の壁の盾 "って、
どこのダンジョンで、ドロップしたんだよ?
伝説級のアイテムなんだろぉ? 』
盾道:『 バァカ、そんなの、わかんねぇよ!
俺が、若い時、どれだけ ダンジョンを、
練り歩いたと思ってる!!
知らん間に、紛れ込んでいたからなぁ!
売っぱらおうと したこともあるぜ! 』
熊盾:『 ・・・先代の" 至高の・重盾職 "の、
発言とは思えねぇ、トンチキぶりだなぁ。 』
盾道:『 ──ちげぇ、ちげぇ!
俺が、感謝したい、盾、っつーのはな・・・!
──ホレ!
俺と、お前が、初めて会った時!
おめーが、抱えてた!
あの、"盾"だよ! ちいさな・・・、、、!
あの、スキル・・・おっ。
いつも、忘れちまう。
・・・なんだっけ? 』
熊盾:『 ぁあ、アレか。えーっと、
──" 知性発達:Lv.5 "・・・? 』
盾道:『 ( パンッ )──そぉれだ!
ちくしょう! 歳を食うと、
忘れっぽくなっちまって いけねぇ……!
ハハ! 森の中で、盾もった、
しゃべる熊を見つけた時にゃあ、
おどろいたもんだ! 』
熊盾:『 何回、言うかねぇ、このポタタ業者は。
でも、あの盾って、確か・・・、
親父、失くしてたよなぁぁ??? 』
盾道:『 バッ・・・!? ち、ちがうぞ!?
ベアよ・・・! アレは・・・!
その、" 天の盾のヨロイ "を・・・、
整備してる時に・・・どっか、
行っちまって・・・ 』
熊盾:『 ぃ、いや・・・おま!
そんな、マジなカオに なって、
落ち込むなって・・・別に、
気にしちゃ、いねぇよ! 』
盾道:『 ・・・おかしィなぁ・・・。
あの日、確かに、
その、ヨロイの上に、
置いて・・・するってぇと、
どっかに、行っちまってよぉ・・・ 』
熊盾:『 はっはっは! 一緒に、
ヨロイに、しちまったんじゃあ、
ねえのか!? 』
盾道:『 んなわけが、あるかっ!
うーむ・・・おかしいなぁ。
あの盾、好きだったんだがなぁ・・。
可愛らしくて・・・。 』
熊神:「・・・・なんじゃ、ありゃあ」
黒い、竜の中に、
一匹だけ、青い竜がいた。
かなり、爽快感のある ブルーで、
異彩を、放っている。
熊神:「・・・黒い竜を、、、倒している?」
ソイツは、空を飛んでいた。
んで、なにか、発射していた。
すると、黒い竜が、爆発する。
おおおおお、おっかねえええええええ。
熊神:「おま・・・クマは、お空は、
ニガテなんだよおおおおお。
だって、クマだもん。
どうすりゃあ、いいんだ・・・」
地上にいた、黒い竜は、
何体か、倒しているが・・・。
あんな高さを飛行されたら、
いくら、盾を召喚するチカラを、
使えるからっつったって、限度があらぁな。
・・・クソッ!!
こうしている間に、だれかが・・・。
だが、アイツらの黒いヨロイのスキマには、
かなり、弱点となる、管のようなモンがある。
あれさえ、ちぎっちまえば────。
── ド オ ォ お ん ・ ・ ・ !
熊神:「・・・!」
音がした。
・・・。
空を飛ぶ、青い竜から、
黒い、ケムリが、立ち登っている。
熊神:「・・・やられたんだ」
すぐに、わかった。
正気の沙汰じゃねぇ。
あんだけいる、黒い竜たちに、
あの、青い、色違いの竜は、
立ち向かっていった。
熊神:「・・・」
あれは、蛮勇だ。
・・・最期の、ゆうきだ。
── キ ぃ ィ i i i e e e n n NNNNN・・・!!!
熊神:「・・・落ちて、くるか」
おれは、慌てることなく、
フルアーマー、ヨロイ くまさん になった。
すんげぇ音がして、
青い竜、だったものが、
目の前に、墜落した。
────。
熊神:「・・・・・・」
めちゃくちゃ、燃えている。
やはり、装甲は、青い。
瀕死の、青い竜の、
首が、一瞬、持ち上がり。
おれと、目が合ったかと思うと、
次の瞬間、炎のチリになって、崩れた。
熊神:「・・・・・・」
おれは、スッポリ、クマ型のヨロイに、
クマ耳から、クマ足まで、包まれて。
ただ、見ているだけしか、
できなかった。
不思議な、雰囲気を感じた。
すると、まだ、燃え残っている、
胴体が、動いている。
おれは、すぐに、盾となった、
クマ・アームを構えた。
──ガラン・・・。
──ガコッ・・・。
燃える、青い装甲から出てきたのは、
ふたりの、人間のカタチをした、
人形だった。
こいつらも、燃えている。
体格からして、どちらも、男だ。
熊神:「・・・・・・」
おれは、最初は、
いつも通り、" 天の盾 " の……、
" シールド・ロード " のチカラで、
轢き殺そうと思ったが、やめた。
その、ふたりの、男の人形は、
自分たちが燃えていることなど、
おかまいなしに、
燃え尽きようとしている、
青い竜の そばに、座り込んでいた。
・・・おれは、わかった。
この・・・ふたりの、男は、
悲しんでいるのだ。
青い、竜の死を、
なによりも、悲しんでいる。
熊神:「・・・・・・」
火急の事態なのは、承知だったが、
おれは、なぜか、その・・・、
燃え尽きようとしている、
青い竜の死骸と。
同じく、焼かれ行く、ふたりの男たちに、
無性に、近づいて、やりたくなった。
・・・・・。
たぶん、コイツらは。
この、青い竜と、
この、ニンゲンが、
人形に、なったみたいな、
ふたりの、男は。
この・・・王都を、
黒い、竜たちから、、、、
守ろうと、してくれた。
熊神:「・・・、・・」
すぐ前で、
炎に、巻かれながら、
そいつらは、座って、
じっと、青い竜だったものを、見ている。
熊神:「・・、ありがとよ」
意味が、わからんことが、起きた。
今にも、燃え朽ちそうな、
ふたりの、男が。
燃える、青い竜の胴体から、
一枚の、大きな装甲を、
ふたりで、持ち上げた。
それを──おれに、差し出したのだ。
熱された、青い装甲。
それを、おれは、思わず、
────受け取った。
そこには、ツバサを あしらった紋章と、
言葉が、書いてあった。
熊神:「……──" ⫷BLUE✰︎SKY⫸ " ──」
──次の、瞬間だった。
おれの、持っている装甲と、
燃える、青の竜と、ふたりの男が、
光の粒子になって、
おれの、ヨロイに、吸い込まれた。
⫸知性発達:Lv.10
⫸無限障壁:Lv.10
⫸概念吸収:Lv.10
⫸熊手荒神:Lv.10
⫸対空領域:Lv.10(new!)
⫸知識をつかって防御しよう!
⫸壁をうみだして防御しよう!
⫸力を取り込んで防御しよう!
⫸最強の熊となり防御しよう!
⫸ガトリング砲で防御しよう!(にゅっ!)
ガチャン・・・・・。
うぃ〜〜〜〜〜〜っんんっ!
──ドドむっっ。
熊神:「・・・・・・・、
・・・・・・・・
・・・・・・・・・──」
オヤジいいいいいいいいいいいいい。
ハネはえたってえええええええええ。
なんなのこのヨロイよおおおおおお。
ガトリングはダメだろ笑:( ;´꒳`;)