しんじつの SOL-∀
///WARNING. ///|
STRATOSPHERIC PROTECTION FIELD REVERSED.
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Anti-thermal dimensional filter, output 73%.
13 hours left until serious radiation contamination.
Visual filter, beginning to disappear.
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ACTIVATE IMMEDIATE REPAIR PROGRAM.
REPEAT./\|
皆が、空を見上げている。
真実の SOLAを、見上げている────。
「 なんなのだ、これは──……! 」
一人の、獣人の忍者が、屋根より、空を見上げている。
彼女は、王都のギルドに仕える、犬である。
「 空から・・・何が・・・!? 」
毛むくじゃらの顔は、人の肌ではなく、
むしろ、DOG、そのものに近い。
いびつな、身体。
犬のカタチを、無理矢理、
人に、近づけたかの ような──
完成された、虚。
「 ──いや……!?
それだけでは、ない・・・!! 」
王都ギルドに属する、
クノ・ワン が見上げる空は、
まず、血のように、赤かった。
それは、まるで、夕焼け。
────逢魔ガ時。
「 あ か る い ──・・・!
光量が、ありすぎる ──・・・!! 」
今、王都を襲う、未曾有の恐怖は、
降り注ぐ、鉄の、バケモノ共、
──だけでは、ない・・・!
敏感な、彼女に混ざる、魔物の血が、
より、一層、今、起こる──異常事態に、
過敏に、反応する──……!
黒と、白の 毛並み は逆立ち。
大きなイヌ耳は、天を仰ぐ──……!!
「 なぜ・・・!!?
こんなにも、明るいのだ・・・!?
い、いまは、もう・・・!
──── " 夜 " の、ハズだ・・・!! 」
王都の、空────。
夜が、──── 切 り 取 ら れ て い た 。
ま ぁ る く 。
ま ぁ る く 。
──── 光 の、" 穴 " 。
ハサミで、斬り抜いたかのような、
突き破られた、ヨル ────。
「 なぜ・・・・・!! 」
おぞましい、夕陽のような赤は、
やがて、強烈な、朝日のような、
清 々しい ほどの、
純白な、シロの陽光が差し込む、王都 と成った。
──そう、美しいのだ。
屋根の上から見える、王民の顔が、
まぶしさで、歪む──。
それが、クノ・ワン は、
とても、おそろしかった。
これは、自分の ──、、、
" 理解の範疇 " を──、
優に超える、出来事だ。
「 夜の王都が・・・百光の、昼となった・・・ッ!! 」
そう──、それは、まるで。
" 神 "が、人々に、罰を、下す かの ような────。
「 そんな・・・そん、な、、、、バカ、な、
こん、な・・・コトが、あって、、、
たまる、、、もの、か・・・・・! 」
どこまでも、白い。
まぶし過ぎる、光の、円柱のナカで。
ただの、獣人の、忍者に過ぎぬ思考が、
痺れ、かかっている。
「
あの、空は、なんだ・・・?!
あの・・・太陽は、なんだ・・・!!!??
お・・・おおき、すぎる・・・!!
なんだって、いうんだ・・・!!
」
神々しさ さえ感じられる、
人を、焼き殺しそうな錯覚さえ、覚えさせる、
白の世界が、夜の祭りの王都を、塗り潰す──。
その、せいもアリ。
うごめく、鉄の、竜モドキたちは、
彼女の視界に、何匹も、何匹も、映った。
逃げまどう、人々は、カゲ。
竜のカタチのナニカは、醜悪なる、鈍い、紅──。
悲鳴と、咆哮が、聞こえる。
美しい白に、似合うことのない、
絶望の、はじまりが────。
「 なん、なのだ、、、な、ぜ・・・!!!
光の、穴から・・・!!!
あのような・・・化け物が、ふってくる・・・!!!?? 」
わかる。
クノ・ワンは、理解する。
私のような、忍者職には、
決して、勝つ事のできない、脅威で、あると──。
「 か・・神が、もし・・・!!
罰を、下すと、しても・・・!!
なぜ、かのような、おぞましい竜を、
お仕えに、なったのか・・・・!!!!! 」
わからない。
わからない。
クノ・ワン には、わからない。
ひめい でも ほうこう でも ない ──
── こえが、きこえた。
[
──── セ カ イ ÷ ノ ÷
シ ン ジ ツ ノ ÷
ス ガ タ ヲ ÷ ミ ロ ❂
──── ジ ュ ミ ョ ウ ハ ÷
モ ウ ÷ ツ キ タ ❂
]
「
……──・・・ッッっ・・!?!?!?
」
イヌ並みの、決して。
においだけでは ない、嗅覚で、
振り向いた──先には、
渦に、歪む──、
黒い、女の影が、消えた、気が した。
「 ッ・・!? な、なんだ、今のは・・・ ──!? 」
ド バ ッ ・・ !! っと・・。
白と、黒の毛並みの下に、汗が、噴き出す。
こんなに、明るいのに、こわい。
あ、、、たたか、い。
もう、10の月だというのに、
まるで、夏の、初めのような──。
判断力を、かき消すかのような、シロ──。
「
い、異常、事態だ・・・!!
わん、わん・・・!!!
私は・・・私は、どうすれば、ぃいのだ・・!!!?
」
弱い、王都のイヌには、
なにも、考えられない。
指示は・・・指示は、まだか・・・!!
「
なぜ、緊急時の対策が、
なにも、動いて、ぃない・・・!?
」
王立ギルドから、非常時に、発せられる、
緊急時の魔弾 信号も・・!
新型のジェムの、警報も・・・!!
浮遊紙を使った、指令書も・・・・!!!
──なにも、作動、していない・・・!!!
なにかが、くずれる、オト がした。
ひめい と さけびごえ が
どんどん どんどん ふえつづける。
「 こんな・・・コトに、なっているのに・・・!!
け、、、警鐘さえ・・!!
鳴らぬのは、避難指示さえ、
ギルドから、伝達が ないのは・・・!
何故なのか・・・!! 」
それは、他人まかせの、いきどおり。
しかし、ひどく、まっとうな、
王都の、ギルドの、落ち度────。
絶対に、安全だろうと いう、
王都の過信が、直面した、
未知への、" 硬 直 " ───……!!!
「
そ、ソルデ 様は・・・・!!
── ソ ル デ ・ ゴ ー ツ ィ ン は、
な に を 、
な さ れ て い る の か ・ ・ ! ! !
こ の ま ま で は ・ ・ ・ ッ ッ 、、!!
王 都 が ッ ッ ッ ッ ・ ・ ・ ! ! !
王 都 、 が ァ ぁ あ あ ・ ・ 、・ ッ ! !
」
── GUUUOOOOOOO・・・・・・──!!!!!!!
「 ── ひ ッ ・・ っ ! ? 」
ぐ ぉ お オ ン ン ・・・・!!!!!!
クノ・ワンが、いる、住宅地の、屋根の、上に。
まっしろに、照らされる、視界の、前に。
まっくろな、竜の、シルエットが、飛び上がる。
── GUUUOOOOOOOUAAAAAAAA──!!!!!!!
「 ──う、うわあああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああ
ああああああああああぅあああああああ!!!!? 」
おおきな、おおきな、竜の、カゲが。
イヌッコロ の さけび に、
かぶさってった。