巨人の父の言葉 さーしーえー
おまたんたん!(●´ω`●)+
いそがしす……!
ゆっくり投稿で、ごめぬぜ……!!
※挿し絵を一枚追加!
つまる所、彼女は、
巨人たちの住処に、
馴染めなかったのだ。
ソルデ・カタハーヴァ・ゴーツィンは、
どうしても、故郷の空気を、
好きになることは、
できなかった。
閉鎖的で、原始的で、保守的で、
内輪で、自らの血筋を尊重し合う、
大きな身体の者たちを、
ひどく、鈍く、感じてしまった。
人付き合いが、苦手なのも、
あったのかもしれない。
村の、男たちの考えも、
女たちの考えも、
ソルデは、好きに なれなかった。
救いは、まだ、外の世界に、
父が理解があり、
巨人系の長にしては、
よく、外界と交流し。
その資料や、情報を得たソルデは、
その、才能を開花させる。
それは、巨人たちの村の、
治水や、生活基準を、
著しく、底上げするに至った。
父は、認めた。
『……ソルデよ。
確かに、お前は、
多くの情報を取り込み、
それを組みあわせ、
最も効率よく、
何かを動かすことには、
長けているようだ。
各村の中にも、お前こそが、
巨人の姫に相応しいと、
言うものも多い』
『それでも、父様……』
『……』
『わたしは……』
『……でたいと、言うのだな?』
『……』
自身の身長が、
2メルトルテと、70セルチに、
なった時。
ソルデは、自身の美しい村で、
自分として、生きていけないと、
悟った。
皆、いい人だ。
しかし。
どうも──ソルデは、
カタハーヴァの集落で、
ともに、語れる仲間を、
見出すことが、できなかった。
友には、気を使った。
恋は、目覚める気配もない。
" 情報として、読み込んだものを、
最大限に、利用する "。
その能力は、腕力を重視する、
巨人系の里では、
理解されにくい、叡智である。
" すごい " というだけの言葉しか、
聞けない事の、さびしさ。
彼女の思考のレベルに、
だれも、追いつけは、しない。
彼女は、箱に入れるには、
少々、大きすぎる、娘だった。
父は、古きも尊重するが、
しかし、聡明であった。
『……ふむ、良いだろう。
いまや、三部族の、数も増えた。
外の世界で、多くを見る者が、
見識を深める事が、
重要に、なってくるのだろう』
『……父様……!』
『好きに、生きてみるが良い、
ソルデよ。ただし、お前は、
私の宝だ、ということは、
どこに行っても、
忘れないでおくれ?』
『ほ……ほんとうに、
よろしいのですか……!』
『ふ……自らが、望んだことであろう。
お前が、集落の者と話す時、
どこか……さびしそうな顔をするのを、
父は、見逃すほど、愚かでは無い』
『父様……』
『ギルドに、行くと良い』
『……は?』
『小さき人の世は、
"ギルド"、という集団の中で、
"情報"が、集うのだと言う。
彼らは、個としては、
力は、我ら単体として、下だが──、
あの、大きな街を作り出す力は、
我ら巨人系の民には、少ない力だ』
『わ、私が……、
ヒトの……"ギルド"……に?』
『交友関係のある、小さきヒト属に、
ねじ込んでおいた。
勉強してみなさい、ソルデよ。
お前の──その、才能を、
伸ばすのが、良かろう』
『……感謝、いたしますわ……!』
『やれやれ、お前はもっと、
お淑やかに、育つと、
思ったのだがな……?』
ソルデは、嬉しかった。
どうも、故郷の空気は、
肌に、合わなかったし。
漠然とした、
外の世界への憧れは、
たくさんの書物と、
たまに交流する世界の人々との、
おとぎ話のような会話の、
繋ぎ合わせで、
より、確かなものと、なっていた。
大丈夫。
自分は、うまく、やれる。
ソルデには、確信があった。
顔に──出ていたのであろう。
父は……神妙に、語りかけた。
『……ソルデよ、ひとつ、
父として、愛娘に、言っておこう』
『……え!?/// は、はいっ』
『お前は、確かに、
小さき人々の、大きな街で、
うまく、やっていけるだろう。
お前は、器用だ。
やり方を、学び、覚え、
応用し、うまく、
人々とも、付き合えるだろう』
『……はい! 必ずや、
学びを、得ますわ……!
積み上げた知識は、決して、
裏切りませんもの……!』
『……ただな、ソルデよ。
これは……愚かな、
父のせいでもあるが──、』
『 ……? 』
『……お前は、
──" 悪意 " と、
──" 未知 " に、
慣れておらん──……』
『……!
……"悪意"と、"未知" ……?』
『……うむ。ソルデよ。
少し、意地悪なことを、
言わせておくれ』
『はい……』
『……お前は、計画どおりに、
組み上げることは、出来る。
利用し、整備し、
誰かに、教えることも、
出来るだろう』
『……』
『しかし、それは、
──" 先見 " ではない』
『……せん、けん……?』
『お前の、今から学ぶ、
"知識"や、……"情報"を、
もってしても──、
予見できない、
"悪意"や、"未知"は、
──" イレギュラー " は……、
必ずや──起こりうるのだよ』
『……、……』
『父はな、ソルデよ。
この、ふたつが、言わば、
お前の……、
──"弱点"で、あると思う』
『わ、私、はッ……』
『それを、しっかりと、
踏み越えることが──、
お前の、外の世界へと学ぶ中での、
大きな、課題と なるだろう。
……済まないな。
しかし、覚えておきなさい。
ソルデよ────』
『……。はい────』
ソルデは、上手く、やった。
誠実に、器用に、
綺麗に、立ち回った。
彼女は、聡明で、
可憐で、巨大な、
270セルチの身長の、
乙女だった。
その、大きさと、美しさは、
皆に、カリスマ性を、思わせるのに、
一役、買ったのかも知れない。
とうとう、彼女は、
王都の、ギルドマスター、
なんかにも、なって──。
""" 情報の首狩り人 """ 、なぁんて、
ふたつ名で、呼ばれる程になった。
本を読み、人と話し。
それを、組織の力に変えた。
種まきは、成功している。
自身の、
魔法や、体術は、
鍛えなかった。
必要なんて、なかった。
わたしは、ひとりではなく、
ささえて、くれる──。
父様の、あの時の言葉は、
どうにも、引っかかるけど、
結局、自分は、
しっかり、生きている。
たぶん、婚期は、
逃したのだろうけれど──、
まぁ……仕方ない。
『……なんとか、うまく、
やっていますわよ。
お父様……♪///』
身長、2メル、70セルチ。
27歳になった、巨人の姫、
ソルデ・ゴーツィン は、
王都ギルドの、
マスターの執務室で、
紅茶を飲みながら──、
いつも、
そんな事を、思っていた。
──────。
────。
──。
──────。
「 ・・・な ん な 、の 、 、
こ れ は ・・・ ? 」
あ く い と 、 み ち 。
り か い の 、 そ と 。
王都の。
空から、黒い竜たちが、
降り注いだ、日。
ソルデは、
あの時の、父の言葉を、
鮮烈に、思い出していた。
アタマ、マシーロ……!!((⊙ω⊙))










