悪約御礼、手ノ成ルホウヘ。梦[ゆめ]②
ちょっと本職のほうに、欠員が出まして、
投稿、スローペース気味になります(;^ω^)
みんなも、ごはんの前は、手洗いうがいだ!
かばとの約束だぞ♪(何)
「・・・なるほど、エミィが、
風呂に、近づきたく、ないわけだ・・・」
「ふーむ、そう言うな。におい抜きは、
せにゃあ なるまい。ほれ!
お前も、手伝え!」
「・・・なんだと?」
「いつも、稼がせて、やってるだろう!
ほれ・・いいから、それくらい、
恩を、売っておけ? 誰かを殺せ、などと、
言う訳でも、あるまい!」
「・・・やれやれ」
ルクレインの違法な財宝の すべては、
この、さらに地下にある、”大浴場”で、
清掃、整備される。
曰く、光は、あまり芸術品には、
よろしくない らしく、
なので、光りの魔石は、最低限しか、ない。
薄暗く、陰鬱な、場所だった。
「・・・少し、片付けろ」
「なにを言う! ここは、この隠れ家の中では、
いちばん、清潔だと言うのに・・・。
”清掃”の魔法ジェムの値段を聞いたら、
お前は、あんぐりするぞ?」
「そういう問題じゃない。
物が、多すぎる・・・。
なぜ、風呂場に、こんなに、
机やら、棚やら、あるんだ・・・」
「そ、それは、仕方なかろう・・・!
次のオークションは、デカいからのぅ・・!
ここは、少し、手狭じゃから・・・」
「こんなデカい、風呂場モドキを、
作るからだろう・・・」
「──ぺいっ! 年寄りを、
イジめるものでは ないっっ・・!」
「・・やれやれ。さっさと、こんなモンが、
売れちまえば──エミィも、
ゆっくり風呂に入れるんだがな」
「・・お前が仕入れてきた物も、
その、”こんなモン”に、
属しているのじゃがな?」
「フン、ちがいない」
俺のような ゴロツキたちによって、
かき集められた ガラクタ共は、
”お化粧なおし”を、せねば、なるまい。
巨大な湯舟の中の ひとつ には、
俺が、いつも使っている、花の においと、
薬品のような においが混じわった、
ぜいたくな、湯が、満たされ。
その中に──バラバラに なった、
黒い、少女の人形の、部位たちが、
プカプカと、不気味に、浮いていた。
「──ほらよ」
「──あっ! バカ・・・!」
──ヒュッ ・・── ・・・ !
──ばしゃ・・・ちゃぱぁぁあああんん・・・!!
俺は、持っていた、
黒い少女の頭部を、
湯舟に、投げ込んだ。
「バっ、バカもの・・・!!!
部位同士が、ぶつかって、
傷が ついたら、どうしてくれる・・・!!?」
「大丈夫だろ。ちゃんと、間を狙ったし・・。
湯が張ってあるんだ、キズは、
つかないだろう。部位同士が、ぶつかった音は、
しなかった しな・・・」
「・・・二度と、するな。
これは、真面目に言っておる」
「・・悪かった。」
ルクレインの爺さんにしては、
珍しく、怒気を感じたので、
素直に、謝っておく。
「・・まったく、しょうがないヤツじゃ」
「・・正直に言うと、はやく、
手を、離したかった。つい、箱から出して、
”ナマ”で、持ってきちまったが、
その、人形の、髪・・・生々しすぎるぜ。
触れた所が、ぞわぞわ、してきちまう」
「なに? ・・・なるほど。
気持ちは、分からんでも ないのぅ。
もしや・・本物の、ヒト族の髪で、
成っておるのやも しれぬ」
「やめてくれよ・・・」
「カカ・・! 人形の世界では、よく、ある話なのじゃぞ?
それに、コヤツの出処なんぞ、
特に・・イワクツキ、じゃからのう・・!
──なぁ? ”花咲の墓荒らし”・・・?」
「・・・・・」
暗い湯舟に浮く、
少女の人形の頭部が、
眠るように、水面に、揺れている。
黒い、髪が、
バラバラの、真っ黒なパーツと共に、
ゆっくりと、動いていた。
ルクレインから、初めて話を聞いた時。
俺は、自分が持っている物が、
女の、”腕”だと、はじめて気づいた。
ずいぶん、昔の話だ。
俺は、農具か、なんかだと、思っていた。
だって・・・”爪”が、鋭、すぎるから。
ルクレインは、”胸部”を、持っていた。
俺は、話と、”色”で、それに、気づいた。
” たまに、墓と一緒に、等身大の、
黒い女の、人形の部位が、埋まっている
ことが、あるらしい ”
ルクレインは、なぜか、俺のことを気に入り、
その直後、俺は、人形の、”腹部”を、見つけた。
俺は、半信半疑だったが、
”腹部”は、ルクレインの持つ、”胸部”と、
ピッタリと、合わさった。
あの日、ルクレインは、興奮した。
『 おっほ・・・!!//// コイツは、すごいぞ・・!!
見たか、”花咲”・・・!!! 』
『 ・・わかった、わかった・・・。
わかったから、その、ふたつ名で、呼ぶな・・。
きらいなんだ、それ・・。
俺の名前は・・・バルトスだ 』
『 うーむ、気に入った! ワシは、
お前に、任せることに、するッッ・・!! 』
『 ・・・なんだと? 』
『 ──”黒い女の人形”を、その”部位”を、
見つけたら、ここに、持ってくるのじゃ、
”花咲”ぃ・・・!!!//// 』
『 ・・・やれやれ、変なジジイと、
お近づきに、なっちまったもんだ・・── 』
「 ・・やっと、そろったな、”花咲”・・! 」
「・・久しぶりだな、その呼び方は・・。
やめろ、俺の名前は、バルトスだ」
「・・・やっと、そろったんだね」
後ろを振り向くと、
灰色の毛並みの、ラビットの獣人の少女が、
さげすんだ目で、湯舟の”黒”たちを見ている。
ラビットの獣人は、
”こういうモノ”の雰囲気に、敏感だと言う。
「・・組みあがったら、さっさと、
風呂から、ほうり出してよね、ソレ・・・。
ホンマ、むり・・。ほんま、キモいわぁ・・・」
「なんじゃと! この貴さが、分からんのか!?
こんの、ムダ飯ぐらいっっがぁああ・・!?/////」
「・・やれやれ」
エミィは、さっさと、ゆっくり、
風呂に入らせてくれと、
俺に、目で訴えてきていた。










