クルルカンとはじめまして! さーしーえー
なんかアイテムが暴走したらしい!
「クラウンッ!! なんなのっ!? 何が暴走してるっていうの!?」
『────自己分析中。少々お待ちを……。』
「うええ、はやくぅ!」
────きゅるるる、ぎゆ、きゅい、が!
────パシュン! パシュン!
うわぁ、目の前のバッグ歯車が、変な動きしてるぅ!
光の穴も、なんかまばらだし!
うえぇ、操作できないよう……!
『────分析完了。』
「結果は!?」
『────該当アイテム名【おおかみどらいぶ】。』
「あれかぁぁああああああ!!!!」
ゼルゼウルフからドロップした、はぐるま!!
確か……"変格型でばいす"とか言ってたやつ!
完全に、忘れとったわぁぁあああああい!!!
『────起動状態のまま格納したため、スキル能力が暴走を開始したと予測。』
「ぎゃあああ! クラウン! なんとかならないの!?」
『────干渉、復旧を試みます。』
きゅううううん……!
「……ど、どう?」
『────干渉の拒否を確認。不干渉領域認定。』
「……やばい? ヤバイの?」
『────外骨格形成プログラムが流路確立しています。』
「なにそれ!?」
『────ストレージ内の素材がランダムで選択申請。』
「ちょ、ちょっと!」
『────流路攻撃します。……切り離し、できません。一部、形成プログラムの破壊に成功。間に合いません。選択されます。』
「えっ、えっ!?」
『────形成素材を選択してください。
▼ランダム
素材1:バーグベア
素材2:シガラグレイル
素材3:レッドハイオーク
素材4:ウルフ×127
ウルフは全マテリアが選択されました。』
ちょ────────!!!
なに!!
なにが起こってるの!?
今までの大モノが全部入ってるんだけど!?
『────補助素材を選択してください。
▼ランダム
補助:精霊花×10
補助素材が選択されました。』
うわあああああ!
ラララとロロロにもらった花束がぁ!
何本か、持ってかれてるぅぅう!!
『────実行しますか?
▼はい
いいえ
阻止不可能判定。実行します。』
「こらぁああああああ────!!!」
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────実行中。』
『────生命体が誕生しました。』
「はぁ……?」
ちょ、ちょ、ま。
『────格納できません。排出されます。』
おい。
まって。
まってよ。
ピカぁぁああああああ───!!!
「うわあああああ────!!!」
光ってる!!
バッグ歯車が、めっちゃ、光ってる……!!
目を開けてられない……!
まずい!
クラウンの言葉から察するに、
今まで倒した魔物を素材にして、
あたらしい魔物が生まれてしまったって事よね!!?
「!! クラウン!! 魔物が排出され次第、装備を展開できる!?」
『────不明。正常化にどれだけの時間を要するか、計測不可能判定。』
「できる限り、急いで!」
『────受諾。』
なんてことなの……!
ここに、もうすぐ、魔物が産み落とされるなんて……!
それが、私のせいだなんて……!
しかも、素材にされたのは、かなり強いヤツらだ……!
ここで、私が倒さないと……!!
「! 光が、弱まる……!」
『────警戒してください。』
ギュオオオオオオオン……!
歯車から、ものすごい回転音がする。
────シュパアアアアン!!
「うっ!!」
収まりかけていた光が、一瞬、閃光を増した!
思わず、目を背ける────!
「…………」
『─────。』
「かんくるる……?」
……ちっちゃいな。