表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1186/1216

第四双世界考察/第三新世界倫理機構

今日も何も考えずに書きました。

( ˘꒳˘ )エッヘン





『────……☼』








 箱庭フォートレスは、今も、


 (しら)みがかった、無限の空間を、進んでいる。



 太陽など、無いはずの、この空間で。



 どこからとも無く、


 白い、光のカーテンのような閃光が、


 やさしく、おそろしいエネルギーを(もっ)て、


 私たちの前で、ゆらめいている。



 船は、少し(かたむ)きながら、


 (ゆう)()に、進んだ。



 時たま、なぞの大陸が見え、


 まるで、巨大な串に刺さった、


 屋台の、お肉のような大地に、


 しかし、(ほう)けている間に、


 通り過ぎていく。




 バカデカすぎて、


 ()の、下の はじまりと、


 上の、おわりが、見えないのだ。


 私の観測機を(もっ)てしても、


 それは、分析できない()()だった。




 光量に()()され、


 数々の大陸は、白に消えていく。


 それは、美しい光景だった──。


 キカイだった私でも、そう思う。




『────よかったですね:アンティ──☼』

 




 ──その風景は、


 おそらく、あたらしく、


 出来つつある、四つめの世界は。



 あちら側にいる、


 黄金の彼女の涙を、


 やさしく、(なが)め、(いの)ることに、


 ひと役、買った。




 この、無限の世界は、


 美しいとは、思うけれど──。



 ──やっぱり、このフィールドの、


 私たちのセカイの主人公は、


 あの、黄金の、女の子なのだ。



 



 私は、謎の巨大な、戦艦の中。


 艦橋(ブリッジ)にマウントされた、


 キカイ()()けの、操縦席で。




 7()のウィンドウを展開し、


 メインモニターで、それらを、見ていた。


 私は、女神では無く、


 ただ──彼女たちの、友人だった。




『>>>……やさしそうな顔で、

 >>>見ているじゃないか──』




 うしろから、カップを持った、

 (だん)()サマが、話しかけてくる。




『────ふふ──:アンティの:

 ────御学友の評価を:

 ────また:見直さなければ:

 ────いけませんね……///☼』


『>>>──ふんっ、いいヤツらな気は、

 >>>していたさ……。

 >>>やれやれ、もうちょっと、

 >>>品の無いヤツらなら、

 >>>ぼくが(ひょう)()して、

 >>>(しり)でも、ぶっ(たた)いて、

 >>>やったんだがな?』


『────それくらいなら:

 ────アンティでも:やりますよ☼

 ────少し……☼』


『>>>ちがいない。……ん?』


『────(しゃべ)り方が:ギンガ殿(どの)に:

 ────似てきましたか?☼』


『>>>──っはは/// よしてくれょ……』





 (ぞん)(がい)、嬉しそうに、

 彼は、私の隣のシートの、

 (ひじ)(かけ)の部分に、

 重心を(あず)けます。




『────"印刷機"の調子は?☼』


『>>>最悪に調子が良い。

 >>>もっと失敗してくれれば良かった』


『────第一次軌道に:

 ────成功しましたね?☼』


『>>>……何を……燃料に動いているか、

 >>>わからないんだ』


『────印刷時の:周囲の変化:

 ────(およ)び:現象素材は?』


『>>>何かが消費された(けい)(せき)は、

 >>>観測できなかった……。

 >>>ここに来たのは、

 >>>(いや)されに来たのと、

 >>>きみに──意見を聞きにきたからさ』


『────ふふ:次からは:

 ────私の分のミルクティーも:

 ────持ってくるべきですね☼』



 カネトは、少し、

 はにかんだように、(ほほ)()んで、

 「つぎからは──」と、ジェスチャーする。




『────アップルと:

 ────Q3は:

 ────なんと言っていましたか?☼』


『>>>それがね、気になってる。

 >>>ダンマリなんだ』


『────成功したのに?☼』


『>>>ああ。気まずそうな(カオ)して、

 >>>(しょう)()()な実験を、

 >>>繰り返してる』


『────:・・・☼』




 私は、少しだけ考え。


 目の前で、進み続ける、


 白い、光のカーテンの風景を、


 その──おおきな、まっしろから、


 (つく)られるセカイを見ながら、


 ────(シス)(テム)で、答えた。





『────……:……"空間"、です☼』


『>>>──なんだって?』


『────直感に:近い……です。

 ────でも:おそらく:

 ────まちがい:ありません☼』




 私は、目の前の風景から、


 (いと)しい(だん)()さま の顔を見て、


 しずかに、伝えなければ──。




『────おそらく──……。

 ────"空間"の概念を利用して:

 ────"印刷機"は:

 ────"構築"を(おこな)っています☼』


『>>>な……、──、 、    ……、 』





 私は、また、少し。


 彼の反応を、待ってみた。


 突拍子も無いことを、


 言っていたから。




『>>>…………、……、……── 』


『────:……わらいますか?☼』


『>>>……ぃや……、……── 』




 カネトは、考えている。


 その思考流路は、もはや、


 ニンゲンの(イキ)を、超えている。



 幾度かの、身体と、タマシイの、


 破損と、修復──。


 改修は、()り返されている。




『>>>……、── 』




 ──……彼、は……。



 ……"私たち"に、近く、なってしまった。





 全身が、観測機のようになってしまった、


 彼の肉体の知性は、果たして、


 ()()に、宿るのか──。







『>>>……何かの、授業で、聞いたんだ』



 ポツリと、黄金の言葉が──こぼれる。



『>>>えぇと……あれは、たしか、

 >>>何かの(ひょう)()に……先生の話が、

 >>>(だっ)(せん)したんだ』


『────:……☼』


『>>>……──あれは、

 >>>……"(ぶつ)()(がく)"の、

 >>>話だったと、思う』






 彼は、おそらく。


 高校生で、"()()()()()"に、


 来なければ──。






『>>>……──"時空"、だ……──』


『────:……☼』


『>>>じ、"時間"、と……"空間"、は……、

 >>>たしか、、、(みっ)(せつ)な関係に、

 >>>あるって……そんな、話だった──』






 しっかりと、()()()()()で、


 学び続けていれば────。





 ──もしかしたら、


 だれよりも、せかいを、かえる、


 わたしたち の ように──☼



 まちがった、


 やりかた:は────:






『>>>──……、── ──  』





 彼は、見ている。


 ミルクティーのデータが入った、


 紙コップのような構造体を。






 手で、そっと、持ちながら。


 目の前の、景色を──。







 幻想の船は、まっしろな空間を、


 すすみ、つづけている。







『────"()(くう)(かん)"です:

 ────カネト──……☼』





 私は言った。







 " 時間 " と、"空間" 。



 この、"白いセカイ"で──。




 ──ねじ曲がった、" (ふた)つ " の、もの──。





『────その:ふたつを:

 ────あわせて:"時空"と:

 ────呼ぶんです☼』


『>>>……、 』




 ひとつに、なれるモノ──。






『────ねぇ:カネト──☼』


『>>>……っ!』





 むちゃくちゃ な私は、

 座席(シート)から、少し、乗り出して、

 うったえかけた。


 私は、すでに、

 だいぶん、おかしくなっている。





『────私には:原初の記憶は:

 ────もう:ありません……☼

 ────でも……☼』


『>>>……、──、 』


『────スナヌシは……☼

 ────かつての:"サンドマン"は☼

 ────こんな……☼

 ────何も:確証が無い中で:

 ────私なんかが:

 ────予測演算できる仮説に:

 ────行き着いて:いないはずが:

 ────無かったと……思うから……☼』


『>>>……』






 カネトは、バカには、しなかった。


 それが、彼の(やさ)しさなのか。


 それとも──"ミルク"と、"紅茶"の混じった、


 それよりも、飲み込むのが、


 むずかしい、" ひとつ "の──── 。

 




『>>>……ぼくらは、さ』


『────はいっ☼』





 いやに、白い気持ちで、


 私は、彼の言葉を待った。






『>>>……言っちまえば、

 >>>" 高校中退のバカたれ "と──、

 >>>" 記憶喪失のカミさん "だ──。』


『────:……!☼

 ────ふ:ふ……☼///』




 ちょっと、お似合いじゃないか、と、

 思ってしまって、笑ってしまった。




『>>>ぼくたちの理論なんて、

 >>>何にも、確証の無い、

 >>>おとぎ話の──ようなモンさ』


『────そうだと思います☼』


『>>>……でも……──、 』





 彼は、続ける。





『>>>もし……きみの、"直感"が、

 >>>正しいと、したら────』





 冷や汗が、(つた)う。


 光の、ゆらめきは、


 かがやいた。







『>>>……、……。

 >>>あの、突然、あらわれた……、

 >>>……"印刷機"の、

 >>>プログラム、っての は──……』








 しずかな、空間 の、中で。


 ゆったりとした、時間 が、流れている。






 確証のない仮説だけが、


 私たちの思考の、邪魔をした。



 






『>>>" はぐるまどらいぶ " という、

 >>>" 宇宙ステーション " は────。

 >>>──"時間"と、"空間"を、消費して、

 >>>"世界"を、印刷し直す、

 >>>機能を、持っていた──?』




『────その機能を──……☼』







 記憶なんて、いらない。


 私は、もう、


 充分、理解している。






 


『────記憶を失う前の私が……:

 ────使用した☼』


『>>>それは……!』






 ────タンッ・・・!




 カネトが、


 ミルクティーの入ったカップを、


 (ひじ)(かけ)の、上に置く。






『>>>……まだ、分からないさ』


『────いいえ……☼

 ────でも:無関係では:ない☼』


『>>>クラウン──』


『────わかっているんです:

 ────カネト☼』






 私は、せいいっぱい、ほほえんだ。













『────私は:とめられなかった☼』











 認め、受け入れる所から。




 (りん)()(こう)(ぞう)は、(かい)()する。




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] 投稿にょきっとです [気になる点] >>>" はぐるまどらいぶ " という、   " 宇宙ステーション " は────。   ──"時間"と、"空間"を、消費して、   "世界"を、印刷し…
[一言] >──ねじ曲がった、" 双つ " の、もの──。 >ひとつに、なれるモノ──。 クラウンそのもののことかな? はぐるま→時間箱→時間 時限結晶→空間 ひとつになって頭のクラウン あるいは…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ