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リビエステラの手記より さーしーえー

おまたせしましたm(●´ω`●)m


いやぁー、年始にガッツリ体調を崩してから、

かんなり ゆっくり、回復期間、いただきました。


※前話、かんなり書き直して、挿し絵たしてます

※リハビリがてら、のんびり、書いていきます♪





 白双聖皇

 リビエステラ・テラリリウム の 手記 ,


  第 参 巻 / 10 の 月

  聯盟の章 / 第 七 項

              より ── ,





挿絵(By みてみん)





◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 私が その時、

 感じたこと と 言えば──。



 お姉さま は、やはり、

 故郷の皆様に、愛されて育ったのだ、

 と、いう事でした。



 カーディフの ご学友たち は、

 ドニオスにて、お会いできなかった、

 アンティ姉様と、マイスナ姉様とに、


 ふとした きっかけ で、

 足を延ばした王都にて、出会えた事に、

 たいへん興奮している ご様子でした。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 ふふ……この時の私たちは、まだ若く。


 東ギルドの職員とも、

 やっと、コミュニケーション が

 取れるように なってきた頃です。


 比較的、同年代に近く、当然、初めて出会う、

 お兄さま方と、お姉さま方の、

 あまりに突然の来訪と、

 湧き上がる、太陽のような元気に、


 隣にいるエコープル 共々、

 少々、おっかなびっくり に、

 なったものです。


 ですが、その(はつ)(らつ)とした元気さは、

 決して、誰かを不快にさせるような、

 (たぐい)のものでは、ございませんでした。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 この時より前に、

 何度か、御姉様方と、お茶をした際、

 アンティ御姉様が、同級の方が、

 少し 苦手であるという お話は、

 やんわりと、聞きかじっておりました。


 当時の私は、魔無し、、、なんて理由で、

 御姉様の学園生活に ちょっかいを かける

 ご学友など……! そ、、その、、、

 チョ、チョメチョメ、してしまえ・・!!!

 などと、多少、物騒な事も、

 考えていました……ですが。


 実際に、ご学友に囲まれる、

 御姉様方を見て、

 そんな考えは、消し飛びました。


 カーディフの地では、

 未来を(にな)う、素晴らしき、若き芽が、

 (ゆた)かに(はぐく)まれているのだな と、

 (じゃく)(はい)ながらに、

 感じたのを、覚えています。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 アンティ姉様が、ご学友を、

 どうしても、苦手だったのは、

 やはり……ご自分だけが、

 魔法を自力で発現できなかったという、

 後ろめたさも、手伝っていたのでしょう。


 御姉様方は、私が思うより、

 ずっと、(つら)い心境に、

 耐えてきたのやも、しれません。


 ただ──神に感謝するほど、

 (さいわ)いなことに。

 彼女たちの周りに、キラキラと笑う、

 ご学友たちは。


 皆、うんと、気持ちの良い、

 ヤツらで、ございました。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 カーディフの生徒様方は、

 恐らく、ドニオスの地にて。


 アンティ姉様と、そして、

 マイスナ姉様の事も、


 ドニオスの人々に、

 しっちゃか めっちゃか、

 質問攻めに、しまくってきたのだと、

 西の巨人の知らせから、

 おおいに、察することが出来ましたが、


 どうも、そこいらの、

 ドニオスで感じてきた、

 金色と、銀色に関する、

 些細な疑問たちは、


 まったくの、初めての土地で、

 かつての学友と再会した嬉しさで、

 皆、すっかり、吹き飛んでいるようでした。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 私たち──私と、エコープルも、

 よもや、聖女候補、

 第一位と、第二位、などと、

 言いだせるはずもなく。


 ただ、御姉様方の、

 冒険者になってからの友人だとして、

 カーディフの皆様の、混じりけの無い、

 輝く好奇の目と、まぁまぁな、

 質問攻めに、タジタジと しておりました。


 ふふ……エコープルは、

 今では、あんなに ふんぞり返っているのに、

 この時ばかり は、緊張して、

 私の手を、ぎゅっと、

 にぎって、きましたっけ……♪



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 今でも、あの子は、

 この時の ような昔話を、

 言って、からかうと、

 ピンク色になって、照れよります。


 思えば──、私たち二人の、腐れ縁も、

 このまま、一緒の墓石に、眠りそうな、

 とんだ、長丁場に、なったものです。。。



 ──おっと! 御姉様方の、お話でしたね。

 






◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆




 この時の、御姉様方と言ったら。


 一番、恐れている質問といえば、



「 ──なぁ、金さじ! ドニオスのさ……、

  " アンティ・クルル "、って冒険者は、

  つまる所さ、キミなのかぃ──!? 」


「 ──マイスナさんって、、、もしかして、

  " マイスナ・オクセン "、っていう、

  二本角の、冒険者だったり──!? 」



 といった、ことだったでしょう。


 御姉様方にとって、それは、

 やっと(つか)んだ、静かな平穏を、

 グラグラと()るがす、禁断の問いかけ、

 だったのですから。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 ですが──しかし。

 実際のところ というと。


 そのような、()(しつけ)な質問は、

 とうとう、飛び交うよな事は、

 ございませんでした。


 どちらかと、いえば──。

 この時、実際に、声に()()かんだ、

 ご学友の言葉といえば──、




「 ──なぁ、金さじ・・・!

  俺さ、、、おまえが、

  (ほこ)らしいよ・・・!! 」


「 ──そうよ! 金さじちゃんは、

  本当に、私たちの、

  ヒーローだわ・・・!! 」



 ──と、このような、ことで、

   ございました・・・♪



 

◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 それに対する、アンティ姉様の、

 反応と言ったら・・! それは それは、

 可愛らしい、ものでした・・♪



「 ──ぇ、ええ・・・ッ!?///////// 」



 ふふ……♪

 覚悟していた、絵本のヨロイへの、

 追及やら、質問やらは、なんのその。


 そんな事は、そっちのけで!

 同年代の子供たちは、このように、

 ()(ばな)しに、アンティ姉様のことを、

 ()めちぎり、続けるんですもの・・!、


 アンティ姉様が、

 どのような顔に、なっていったか、

 これを読む あなた様には、

 ご想像が、できるでしょうか・・?♪


 ふふふ、ふふふ……♪

 今でも、私は。あの時の姉様の お顔を、

 鮮明に、思い出すことが出来ます。


 チルテトの、毛並みのように、

 ぽっかぽかの、ピンク色になった、

 アンティ姉様の、ほっぺたと、

 お耳の色を……!



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



「 ──な、なんなの!?//////

  さっきから!?/////

  やめてよ、ね・・っ!?/////// 」



 と──。

 あまりの、同級生の、()め殺しに!


 とうとう、アンティ姉様は、

 みんなの飲み物を買いに行く!///

 と、言い出しました。


 もちろん、その(おこな)いは、

 マイスナ姉様も、私も、エコープルも。


 明らかな、ただの照れ隠しから成る、

 義賊、顔負けの、大逃走であると、

 言うまでもなく、分かりました。


 ふふふ・・・♪

 だって・・・皆様分の飲み物なんて、

 あの方は……無限の空間の中に、

 湖、一杯分は、持っていたでしょうから♪


 買う必要の、全くもって無い、

 ドリンクを探しに行くのは、

 ただただ、(みずか)らの赤面に、

 耐えられなくなった御姉様の、

 純なる、乙女の心で、ございました。


 

◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 あっという間に、そそくさと、

 しゃしゃり走っていった御姉様に、

 少々、唖然としつつ、

 カーディフの皆様方と、

 マイスナ姉様、私、エコープルの3人は、

 その場で座り込み、待ちます。


 王都にある野外の広場の一つで、

 ちょうど、乱立する、

 石のベンチがございました。

 昔、屋根でも支えていたのでしょう、

 (おもむき)(ふか)い、石の柱などが、

 建ち並ぶ、(にぎ)わった場所で ございました。


 アンティ姉様が、祭りに消え、

 (すわ)り待つ合間も、

 皆様の、姉様への称賛は、

 ()むことが、ありません。


 たいへん心地良いことですが、

 あまりに、ひっきりなし なので、

 どうも、違和感も、感じ出します。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 とうとう、マイスナ姉様が、

 皆に、聞きました。



 「 どうして今日は、そんなに、

   アンティのことを、ほめるの? 」


 ──と。



 すると、話に(にぎ)わっていた、ご学友の皆様は、

 す、、、、と、

 少しだけ、バツが悪そうに、

 静かになって──。


 ……。

 やがて、一人が、こう、答えました。



「 ・・ぼくたち、全員、ね?

  この前にあった、魔法の三次試験に、

  落ちちゃったんだ 」



 そう、(さび)しそうに、答えたのです。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 15の歳の、一般的な魔法系 学院の、

 三次試験といえば、

 属性魔法の、応用コントロールの試験に、

 (ちが)い、ありませんでした。


 私は、聖女としての教育を受けながら、

 育ったので、世間知らずでは、ありましたが、


 今となっては、この歳になり、

 学校も、(いく)つかは、

 建てさせていただいた身ですから、

 よく、理解できます。


 魔法学校科の、第三次試験とは、

 15、6歳の生徒たちに とっては、

 恐らく、学生にとって、最初の壁となる、

 非常に難しい、(かん)(もん)で ございました。


 同じく、当時は、よく分からなかった、

 マイスナ姉様も、その、生徒様の答えに、

 首を(かし)げます。


 しかし、生徒様方は、

 そのまま、続けました──。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


 

「最近、知ったんだけどね……?

 ウチの学校の先生って、、、

 とっても、素晴らしい先生が、

 そろっているんだって」


「街の、お父さんとか、大人の人に聞くと、

 昔は、かなり有名な、冒険者だった人も、

 いるんだって」


「そうそう、四属性の、

 魔法使いとかね……!

 本当は、とっても、

 珍しい人材なんだって・・・!」



 スネイオ先生の自伝を、

 読ませていただいた事が あるのですが、

 まさか、壊滅させた敵組織の 一人娘と、

 学院の教師に なっておられようとは。


 私も、あの件が落ち着いてから、

 調べてみたのですが、

 当時の カリーヴァ学院の教師陣は、

 恐ろしいメンツが、そろっています。

 


「だからかも、しれないけど・・・。

 ウチの学院の第三次試験は、

 やたらと、ムズカしいんだっ・・・!」


「そうなのよねぇー・・・」



「 ──……。

  それと、アンティを ほめることが、

  なんの関係が あるの? 」


 そう、マイスナ姉様は、

 問いかけました。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 生徒様方は、続けます。


 

「・・言ってしまうとね?

 ボクたちは、その試験を、

 ナメていたんだよ・・・」


「ええ、そうね・・。

 必ず、うまくいく!

 根拠もナシに、

 私たちは絶対やれる!

 って、思っていたわ」


「属性学の実技授業は、本当に、

 面白いんだ。最近、わかったんだ。

 多分、他の学校では、

 ここまでの授業は、してないんだよ」


「オレたちは、さ・・。

 先生の期待に、(こた)えたかったのさ」



「 ・・・・・ 」



 アンティ姉様も、ご自身も。


 受けたことの無い授業のことを、

 マイスナ姉様は、複雑そうな、

 お顔をして、聞いておられました。

 

 

◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 しかし、マイスナ姉様は、

 ご自身の気持ちは(おさ)え、

 生徒様方の お話に、

 寄り添うことに、したようでした。



「 ・・それで、その試験に、

  落ちちゃったんだね? 」



「ああ・・・。

 結果は・・・(ざん)(ぱい)、さ。

 ひどいモンだったんだよ」


「私たち、なにも出来なかったわ。

 課題のマトに、

 指定の魔法を当てられたのは、

 クラスの中で、2人だけだったんだよ」


「それも、カスっただけさ。

 マトは、10個あるんだ。

 その二人が当てられたのは、

 どちらも、さいしょの、

 一つだけさ──…… 」


 

◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 さみしそうな空気が、

 皆様のまわりを、

 包み込みます。


 マイスナ姉様は、じっと、

 皆が話し始めるのを、

 待ちました。



「……言ってしまえば、ね?

 あれは、ボクたちの、

 初めての、()(せつ)、だったんだ」


「うん……そうよね。

 がんばっていれば、

 何事も、上手く、いくんだって、

 そう、思っていたわよね……」


「毎日、努力していたさ……!

 でも、うまく、いかなかった。

 だから、(がら)にもなく、みんな、

 落ち込んじゃってね・・・」


「なにを やっても、

 上手くいかないんじゃないか……って、

 あきらめムードが、(ただよ)ってさ……」


「一時期、クラスの雰囲気が、

 かなり、悪くなっちゃった時が、

 あったんだ・・・・」


  ──でも、そんな時に。

  先生が、こう、言ったのさ。

                」



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



 『 ……アンティくん なら、

   あきらめるかね?


   きみたちは……、

   まったく魔法が使えない人の、

   気持ちに、なってみた事が、

   果たして、あるのかね? 』


「 ──ってね? 」


「ボクたちはね、

 ハッと、したのさ」


「マイスナちゃん、

 キミにも、わかるかい?」



「 ──、……、、、   」




 マイスナ姉様の目が、

 まあるく、開かれていったのを、

 覚えています。




◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



「ボクら はね……、

 情けないことに、

 先生に言われて、

 はじめて、気づいたんだ」


「私たちは……魔法を、

 上手く使えないことで、

 心が折れてしまっていたけど……」


「魔法を、ずっと使えない 金さじ は、

 もっと・・・つらい目に、

 あっていたんじゃ、ないか……ってさ」


「その時、改めて、

 考えてみたんだけど、

 恐ろしく……さびしい事よね?

 みんなが使える魔法を、ずっと、

 自分だけが、使えないなんて……」


「先生は、言ったんだよ」


『 ──何故、まったく魔法を、

  使えなかった 彼女より、

  先に、君たちが、あきらめるのか? 』


「 ぼくたちは──、やっと。

  そこで、金さじの スゴさが、

  わかったのさ── 」



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



「あいつはな、すごいヤツなんだよ。

 決して、あきらめずに、

 夢を掴んだヤツなんだ・・・!」


「多分ね……学校ではさ?

 いっつも、あんなに、元気に、

 バカにしてた男子とかと、

 追いかけっこ、してたけど……」


「ぜったい、魔法が、

 いつまでも、使えないって、

 不安に、圧し潰されそうな日も、

 あったよな・・・?」


「それでも、アイツは、

 あきらめなかったんだ」


「ボクたちはね……それに、

 勇気を、もらったのさ!」



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



「あいつは、僕たちの、

 ヒーローさ。わかるかい?

 アイツの……スゴさが、さ。

 たぶん、誰よりも、()()って。

 今、あいつは、ぼくたちの、

 誰よりも、前に、飛び立ってる」


「私たちは、金さじちゃんの、

 クラスなのよ。

 あれくらいで、ヘコたれては、

 いけないのよ♪」


「それでね? そっから、

 クラスの みんなが、

 また、がんばろう! って、

 なったのさ♪ ははは、

 単純だろう?」


「でもね、いまや、金さじちゃんは、

 私たちの、原動力なのよ♪」


「オレもね、いつか、金さじみたいに、

 かっ走っていける、デカい、

 魔法使いになるんだ・・・!

 アイツはね! オレたちの、

 目標なのさあ!!」



「 えへへ・・・///////// 」


 ふと見た、マイスナ姉様には、

 慈愛に満ちた、

 女神のような(ほほ)()みが、

 浮かんでいます。


 アンティ姉様は、いまや、

 ご学友たちの、生きる希望と、

 なっていました。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



「……リビお姉ちゃん」

「え……?」



 手を繋ぐ、エコープルが、

 ちょいちょい、と、

 指を、さした、方向で──、、、




挿絵(By みてみん)



 アンティお姉様は、

 泣いて、おられました。



 誰にも、バレないように。

 石の、大きな柱の 後ろで。


 声を、殺すように、

 小さな身体を、

 揺らして、おられました。


 それは。おそらく。

 なにか、大切なことが、

 救われた、瞬間で、ございました。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆



「ていうかさぁ……ボクたちはね?

 その……今は、魔無しのコトを、

 からかっちまった事を、

 気にしているんだよ……」


「そうだよなぁ……なんだかんだ、

 4年、だよなぁ……??

 ずっと、からかって、きちゃったし……」


「でもね、謝ろう、って、

 思ってんだけど、会うと、

 なんだか、忘れちゃうんだよなぁ……」


「ねぇ、マイスナちゃん……??

 その辺の、コトって・・・、

 金さじちゃん、なんか、

 言ってたこと、なーぃ??」



「 ・・・・たぶん、もう、

  大丈夫だと、思うよっ////// 」



 マイスナお姉様は、

 そう、やさしく、答えました。


 もちろん、かくれんぼの、

 泣きむしさん の、ことは、

 しっかりと、銀色の君も、

 気づいています。



◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆


◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆




「 ・・・ぉ、、おまたせ……///////// 」




 けっきょく、アンティ姉様は、

 しばらくして、

 泣きはらした顔を、

 なんとか、帽子のつばで、

 隠しながら。


 しらばっくれつつ、

 皆の元に、戻ってきました。

 飲み物なんて、まったく手に、

 持っていません。



 私は、ジュースが手元から出る、

 金色の、マジックショーを見ながら。



 この方たちの、素晴らしい出会いを。


 神に祈らずには、

 いられませんでした。





 

◆♰♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆♰♰♰♰✦♰♰♰♰◆







「うぇー!? 金さじ!?

 それ、どーなってんだよぉぉぉおおお!!!??」

「す、すげぇーッッ!!!!!

 てか、コップ、何個もってんだ!?

 アレぇぇえーっ……!?!?」

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[良い点] 投稿にょきっとです その後体調はどうですか? 回復したならなによりです。 [気になる点] ひさしぶりに前話を読んだら全く違う話になっててビックリ! これはひょっとして【アンティ闇堕ちルー…
[一言] ええ子達や……ほんま。 今回全員がええ子達でおっちゃん、眩しくて目が痛くなってまうわ……(TωT)
[良い点] 泣いた [一言] 乙女からまろびでる金色の水芸(言い方)
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