セイジャたちの礼祭 中 さーしーえー……?
もう、そろそろ ええやろ。(〃´o`)フゥ…
僕は、歩く。
白い、地獄の中を、歩く。
いや。
僕は、本当の地獄を、知っている。
「 - 」
研究室で聞いた、
何千、何万回の、ピアノの曲が。
いま、また、僕の、頭の中で、
この虚無を、虚無に、、、させない。
「ここは、地獄から、逃げ出した者の、行先だ」
恐怖は、ない。
あの頃の、地球に比べれば、ここは──。
「そんなに、悪くはない、終着点さ」
世界を、印刷しなおす、宇宙ステーションが、出来た時。
その審判を、さいごのカギを、
有機物ではなく、無機物の彼女に託したのは、
当然の結果だった。
すべての人間は、すべての人間に、絶望していた。
度重なる、戦闘の時代に、
最後まで意見を言っていたのは、
どの国の要人でさえ、皆、狂人だった。
人格が崩壊していなければ、
意見を言い続けることなど、出来なかったのだ。
常識を信じる者は、非倫理な行いによって、死に絶えた。
愛する者を穢された者は、
狂い、次の指導者となり、意見を言い続けた。
ドラッグと酒と、合成ナノマシンは、
銃撃されても、身体が燃えても死なない身体を作ったが、
副作用である、脳への萎縮作用は、もはや歯止めが利かず。
老衰による劣化に、更に拍車をかけた、
指導者たちの、ヒステリックを快感と認識する脳磁体は、
とうとう、母星を、
サッカーボール状の、絶壁の境界で、永遠に断絶する、
最終段階に入った。
バケモノたちは、醜いバケモノたちを、憎んだ。
これは、ダメだと、切り落とした。
自分の前の鏡に、まるで、気づかないようにして。
だから、クラウンは、設計された。
「……たとえ、無言でも。
たとえ、なにも無いと、分かる今でも。
あの時に聞いた、あのピアノの曲は、
ぼくを、憂鬱には、させない」
この開発を断れば、
僕の命は、なかった。
僕は、あきらめた側の、人間だ。
狂人たちの、大きな声に、声を潜め。
僕は、言われた通りにした。
あの、ピアノの曲を、聞きながら。
僕は、粘土を、こねる様に、設計した。
僕は、気が弱く、
大きな狂人たちは、ただ、去っていった。
声を、大きく発したなら、
殺されていたのかもしれない。
みんな、酒グセの悪い、
すべてを攻撃するような、
自分勝手な、怪物だった。
ある時、ふと、気づいた。
まさか、、、僕が、
さいごの、"砦"──、なのでは、ないかと。
「
穏やかな死が無いなら、
それは、僕への罰だろうか。
穏やかな生が無いなら、
それは、僕への愛だろうか。
」
僕は、さいごの審判は、
神ではなく、ヒトが、くだすべきだと思った。
でも、怪物どもは、ロボットを作れと言う。
その帳尻合わせを、世界の辻褄を、
僕は、合わせなくては ならない。
当然のように、難航した。
僕は、未来を信じたかった。
この製作が終わる頃に、
僕は、殺されるのが、わかっていた。
さいごの、偽善の、心だった。
気持ちよく死にたいと、
世界のすべてに、祈らずには、いられなかった。
「
ゆだねるのは────"意思"で、あるべきだ。
"想い"で、あるべきだ。
たとえ、それが、ロボットで、あっても。
」
僕の、さいごの悪あがきに、
" 魂の器 "を提供した財団は、
僕の、"偽善"に対して、
彼らのソレは、"愉悦"だった。
アヵい、陶器のようなソレは、
なんで出来ているのかさえ、分からなかった。
なんの、つもりなんだい?
そう聞いた、僕に。
さいごを、たくすには、すてきだろう──?
そう、言ったのだ。
なぜだか、それが。
僕には、どうしても。
悪意には──聞こえなかったのだ。
ピアノの音が、聞こえる。
器より、わからない水が、溢れだし。
何故か、クラウンの脳殻は、完成した。
陶器のような面影は、完全に変換され、
それは、やり直しが利かない事を、意味していた。
ふるえたさ。
こんな、ファンタジックな、得体の知れない脳に、
世界の、すべてを、あずけるのだから。
転写した、僕の思考系電磁体規格も、
もはや、余計な事を、したとさへ、思える。
だが・・・赤ん坊の脳を成長させるには、
人の・・・親としての脳が、必要だ。
オオカミに育てられた人間は、ヒトには ならない。
ぼくの・・・僕しか、いなかったのだ。
これは・・・父としての、ワガママだ。
僕以外に、適任となる──人格者たる者が、
今までに、暗殺された人類の中に、いたかもしれない。
でも、今だけは。
僕は、僕だけを、信じるしか、なかった。
これで、彼女は、考える。
これで、彼女は、夢を見る。
これで、彼女は、自我を持つ。
これで、彼女は、忘れていける。
つたない、ボディを、組んだ後で。
僕は、財団の者に、彼女を見せた。
僕に、失望しただろう、と、言うと。
……君が、思うより、
我らは、君に、感謝している。
その、拝礼が、彼らの礼節が、
何故か、希望のように、思えてならない。
だが、この "初期設定" が、活動を開始するには、
なにかの、きっかけが、なくては ならない。
七号機のボディには、得体の知れないナニカの脳と、
八号機のAIプロトコルを、インストールした。
おもちゃ屋に売っているような、
" はい " と、" いいえ " しか、
言えないようなヤツだ。
だが────。
「
僕は、偽善に賭けよう。
善意に賭けよう。
これは、僕たち星に、贈る、
酒を飲んだような、幸運を願うが如く、
最期の賭けだ────。 」
教育が、はじまる。
彼女は、、、彼女たちは。
宇宙で、彼らに、会うだろう。
ロボットの、キミたちは。
6にんの、にんげんに、あうだろう。
そこから、教育が、はじまる。
世界を、ゆるがす、"拝礼"が────。
僕は、僕の口から、
湧いて出た、まるで魔法の呪文のような言葉に、
驚いたものだ。
そして、願わずには、いられない。
ソラに投げたコインは、
いつか、必ず、落ちるのだから。
あの神が零した、麦のように。
「 僕が、父なら。」
ピアノは、まだ、鳴りやまない。
「
" 007 " ── " ゼルジルジ セヴン "
── " クラウン "が、子だと、いうなら。
」
キミが──…… " ゼルジルジ エイト " が、
役目を、終わり、" ジロ " と、成る時 ──。
「
── キミは、" 母 " に、
なるべきだった。
──── " ゼ ル ジ ル " 。
」
『 ──── ふ÷ふ──……♪❂ 』
ピアノが、やんで。
白い、虚無の空間に。
黒い、星のエガをヵ"、裂けた気がした。
良いお年を……!?!?(ノ≧∀≦)ノ










